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テーマ:ドール(2201)
カテゴリ:【逃亡者】
ヒソヒソヒソ・・・・
??? 『ねぇ・・・あの肌の色・・・・【ディーファ(異質)】ではないの?』 (※ 【ディーファ(異質という意味)】・・・世界大戦後に発覚した各国が秘密裏にしてきた超能力を持った少数民族の事を差別して呼んだ言葉) ナム 『・・・やめて・・・・・』 ???? 『本当だ、しかもあの肌の色は【ヴォルノア】族じゃないのか? あの、自分達こそが地球上で最も優秀な一族だと思い込んでいる、傲慢で人類を差別して【ノートン(何も無い・力を持たない)】と呼んでいる・・・・』 (※ その頃、人類よりも自分達の方が優秀だと思っていたディーファ側は逆に人類の事を【ノートン(何も無い・力を持たない)】と呼んで差別していた) ナム 『・・・・違う・・・違うよ!僕はディーファじゃない!』 ??? 「やだやだ、どうしてそんな一族の子供がキリスト教の教会にいる訳~?」 ???? 『・・・もう、この教会に礼拝に来るのはやめようか・・・?』 ナム 『・・・やめて・・・・どうしてそんな事を言うの・・・?僕・・・・何もしていないのに・・・・』 ??? 『そうね~、私達がディーファに関わっていると思われたら世間体が悪いし・・・・』 ナム 『・・・違う・・・・違うったら!・・・・・どうしてお互いに差別し合うの・・・? どうしてディーフェアと人類は憎み合うの・・・? ・・・・・ここに礼拝に来る人が少なくなったのは・・・・・僕のせいなの・・・?』 ???? 『ふん、どうせ親も持て余して世間体が悪いからって言うんでここに預けたんだろう? ほら、最近間違えでディーファの子を身篭ってしまって堕胎するパターンが多いみたいだし・・・・神をも恐れぬ大罪だよ・・・・』 ??? 『・・・そうね~、見た所車椅子にも乗っているし・・・・自分の事もろくに出来ないみたいじゃないの? 親に捨てられたのねぇ~・・・・そう考えるとちょっと可哀想よね~・・・・・クスクスクス・・・』 ナム 『・・・・やめて・・・・やめて・・・・そんな事言わないで・・・・・』 いらない子・・・・・クスクス・・・・ 親に捨てられた子・・・クスクス・・・・・ やめて・・・・・やめて・・・・・そんな事言わないで・・・・・!! いっその事、早く死んじゃえば楽なんじゃないの~? 止めて!! ハッ! ムク・・・・・ MJ フゥ・・・・。 (・・・また・・・・・嫌な夢を見ちまったな・・・・・。 きっと・・・・・これもこの妙な力のせいで見せ付けられている、ナムが・・・・俺の知らない間に周りの人間から受けてきた仕打ちなんだろうな・・・・・。 ナム・・・・お前が周りにどう思われていたかを少しは知ってはいたけれども、こんな酷い事をお前はずっと言われ続けていたんだな・・・・・・・。 俺も孤児院育ちって事で差別を受けてきたが、仲間がいたから楽しくやってこれた・・・・なのに、ナム、お前はずっと一人でこんな辛い思いをしてきたんだな・・・・・。 やべぇ・・・・ナムの気持ちが入り込んできたみたいだ・・・・・苦しい・・・・苦しくて、赤ん坊のように大声を張り上げて泣きたくなってくる。 悲しくて悲しくて、まるで自分自身がその場でそんな仕打ちをず~っと受けてきたみたいだ・・・・・。 ・・・・・・・・あれに触れてから望むと望まないとに関わらず、こんな見たくもない夢を見るようになったり、変な力が出たり・・・・もういい加減ウンザリだ・・・。) ピッピッ MJ (!?ヂュオラー?) 留守番電話音声 『ただ今電源を切っているか、電波の届かない所に・・・・・』 ピッ! ヂュオラー 「フゥ・・・・まったく・・・本当に鳳牙(ほうが)の奴はいったい何をしておるのだ・・・!? このままでは母上の言うように、本当にわらわの出産期が過ぎてもう子を生さなくなってしまうぞ・・・・・!? わらわがどうなっても・・・・・今、わらわがどういう生活をしていようが全然気にならぬと言うのか・・・?」 MJ ドキ・・・・・ MJ (・・・・・こんな心元無い顔をしたヂュオラーを見るのは初めてだな・・・・・・。 今まではマイペースで何があっても動じないって感じで強そうな女の子に見えたけど・・・・・やっぱり流石に昨日の事が心に引っ掛かってるのか・・・・?) ―昨晩― ガサガサ・・・ MJ 「お前さ~、いい加減俺の服を返せよな~!」 ヂュオラー 「しつこいの~!慌てずとも今出してやるわ。 それにしても、日が暮れる前に家に辿り付いて良かったの~ 最近隣の森では山賊が出るようじゃからな、まったく、面倒な事じゃな~。」 MJ 「面倒って思いっきり危険じゃねーか!隣の森だろ!? お前このままここで暮らすのマジで危ないんじゃね~のか?」 ガタガタ ヂュオラー 「わらわは強いから大丈夫じゃ~。・・・・・滋養さえ摂れればな。 むぅ!相変わらず立て付けの悪いドアじゃな~」 ガタガタガタガタ・・・・ MJ 「どっからその自信が来るんだよ?滋養って・・・・普段あまり食事も摂らね~じゃん」 ヂュオラー 「普段食っている物は仮のものじゃ、あれでは本当の食事とは言えぬ。 ・・・・わらわの本当の糧になるものは、なかなか摂取出来ぬからの~、ほんの少しでも摂れれば良いのじゃが・・・」 チラ・・・ MJ !? (何で俺を見る!?) ヂュオラー フゥ・・・・ MJ (何でため息をつく!?) ガタン ヂュオラー 「ふ~、やっと開いたわ。 ん?何で明かりが付いておるのだ・・・?」 ??? 「お帰りなさい、ヂュオラー」 !? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年08月20日 18時38分54秒
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