2010/12/17(金)17:52
ドールストーリー【冬の夜長の・・・・・・?【3】】
ティムラス
「1番最初に変だなって事が起こったのは1ヶ月くらい前だったんだよ。」
ソル
「うんうん。」 ティムラス
「今まではそんな事無かったのに、急に屋根裏からパタパタとかカサカサとか小さな物音がするようになって・・・・」 ソル
「はぁ~、それって《家鳴(やな)り)》ってやつじゃないの?ほら、寒暖の差が激しいと建材の木が伸び縮みして木同士が擦れたりして鳴るってやつ。」ティムラス
「確かに家は祖父ちゃんの代からの家で古いから家鳴りはしょっちゅうだけど、だったらパチンとかギギっとかそういう音だろ?
その変な音は明らかに何か生きてるやつが屋根裏とか部屋の中で動いているみたいな音なんだよ。」ソル
「ふ~ん、パタパタカサカサね~・・・・」ティムラス
「っていうか、俺が起きて直ぐにも鳴ってただろ?
ずっとこの部屋に居たっていうんならソルも聞いてる筈だと思うけど?」ソル
「だから~、俺も一緒に寝ちゃってたって言ったじゃん。
だから何も聞いてないよ。
屋根裏に動物が入り込んでいるんじゃないの?だったら害獣駆除とか・・・」ティムラス
「その対策はもうやったよ。
・・・・正直、最初はあの時(ズンドコ山)のデカイ虫が1匹飛来して来たんじゃないかって思ったんだけど、でも、業者は何も居なかったって言って何も処置してくれなかった」ティムラス
「だ~か~ら~!あれは夢なんだってば
でもさ、確かにその変な音の正体が分からないってのは気になるっちゃ気になるけど、でも、変な音が鳴ってるからってだけでそんな気に病む程の事か~? 」ティムラス
「音だけだったら俺だってそこまで悩まないよ!・・・・その他にも変な事があるんだよ・・・・」ソル
「え~?その変な事って何よ?例えば~?」ティムラス
「例え?
・・・・・う~ん・・・・そうだな、ついこの間もこんな事があったんだけど・・・・」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※日曜日に遊びに行って帰って来た時に・・・
ガチャガチャ・・・・カチッ ティムラス
「あれ!?」
ティムラス
「何だよこれ!?
朝家出る時にちゃんと掃除して出てったのに・・・・」 ガチャ ティムラス
「ちょっと~!か~さ~ん!俺の部屋に勝手に入った~?」ティム母
「入らないわよ。だって、あんた私が勝手に部屋に入ると怒るじゃない」ティムラス
「え~?じゃぁリノ(ティムラスの妹)か~?ったく!あいつ~!」ティム母
「リノは2日前から合宿で家に居ないじゃない。」ティムラス
「あ、そうか。・・・・じゃぁ、これ、いったい誰が・・・?」ティム母
「あら?でもあんた、リノがいつも勝手に部屋に入るからって、出掛ける時は必ず自分で部屋に鍵を掛けて出掛けるじゃない? 今日は鍵、掛けなかったの?」ティムラス
「あ!・・・・そうだ俺、今も自分で鍵開けて部屋に入ったんだった」
ティム母
「ボケてるわね~」
ティムラス
「おっかしぃな~・・・・」
ティムラス
(でも、俺、確かに部屋を片付けて出掛けたよな?
みかんカゴをこんなに派手にひっくり返したのなら気付いて片付ける筈だし、第一、ミニカーなんて最近飾りっぱなしで弄ってないんだからこんな所に置いておく筈もないし。
・・・これって、棚から落ちてここまで転げて来たって感じじゃないよな?)
ティムラス
「ん?」
ティムラス
「何だこれ?メモ?これは絶対俺の書いたメモじゃないぞ?
・・・・それに何だ~?このミミズが這ったような字は?何かの暗号みたいにも見えるし・・・・」 ティムラス
「・・・メモがちっちゃ過ぎて何が書いてあるのか分からない」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ティムラス
「・・・・・・でな、後でリノにも聞いてみようと思って一応その極小メモもどきを取っておいてたんだけど、いつのまにか消えてるし、他にもやっぱり、誰も俺の部屋に入ってないのに本が棚からテーブルの上に出されてて誰かが見た後みたいにページが開かれたまんまになってたり、脱いだ服の位置が変わってたりして・・・とにかく何だかこの部屋の中に人の気配みたいなのがあるような気がして気持ち悪いんだよ」ソル
「まぁ、そういう感じだったらやっぱ虫とは考えられないわな~。
虫だったら棚から本出して見たりしないし、第一、あのデカさだったらこの部屋で隠れる場所も無いだろうしな?」
ティムラス
「・・・・っていうかさ、あんた、俺の話しを真剣に聞くって言ってたよな?
人が真面目に話している間にシレっとした顔して俺のみかん全部完食しやがって~あんたを信じて真剣に話してたのがバカみたいじゃん」 ソル
「あ、あったからつい無意識で~・・・でッでも、話しはちゃんと真剣に聞いてたよ!?」
ティムラス
「あ~、はいはい、分かったよ、ソルはそういう奴だったよね」
ソル
「で・・・でもさ、何だかそれって都市伝説の『ストーカー女が家主が出掛けてる間に部屋に入り込み、包丁を持ってベッドの下に(もしくは押入れの中に)・・・』・・・って話しっぽくて怖くね?」ティムラス
「!! 言うなよ~~~!!
お・・・俺もちょっとそれっぽいな~と思ってたけど、あえて言わないようにしてたのに!!」ソル
「ご・・・ごめんごめん!
でもさ、それはありえないだろ?だって一人暮らしではないんだし、母ちゃんずっと家に居るんだろ?家にコッソリ入るチャンスなんて無いだろ?
それに、俺ならともかく、お前になんてストーキングする物好きな女子なんて居る訳ねぇもんな~。」ティムラス
「悪かったな~モテなくて」ソル
「んで?後は無いの?その変な事とか。」
ティムラス
「・・・・え!? 後?
・・・・後は~・・・・後は~・・・・
うん、そうだ、後は、最近ではあの時の夢の歌が頻繁に夢の中で聞こえるようになって・・・」 ソル
「あの時の夢の歌?」 ティムラス
「・・・・あぁ、そっか、もしかしてソルは聞いてないっつ~か知らないかもしれないな。
あの夏休みに二人で行ったズンドコ山で怖い目に遭った夢を見ただろ?その時に変な歌が聞こえたんだけど、それが・・・」ソル
「♪美味しそうなご馳走発見♪しかも二人だ大ラッキー♪(左の方が好み~♪)
喰っちゃえ喰っちゃえ♪ 皆で喰っちゃえ♪
若い兄~ちゃん、スジは硬いがジューシーだ~!♪
・・・・ってやつ?」 !? ドールストーリー【冬の夜長の・・・・・・?【4】】に続きます。