カテゴリ:医学
肝臓には、胆汁という消化液をつくる働きがあります。胆汁は肝細胞によってつくられたあと、胆管を通り、いったん胆嚢で蓄えられた後十二指腸に流れこみます。
原発性胆汁性胆管炎は、肝臓の中のとても細い胆管が壊れる病気です。英語ではPrimary Biliary Cholangitisといい、頭文字をとってPBCといいます。肝臓の中のとても細い胆管が壊れるため、胆汁の流れが通常よりも少し滞ってしまい、血液検査をするとALPやγGTPなどの胆道系 酵素が通常よりもかなり高い数値になります。さらに、血液の中に抗ミトコンドリア抗体(AMA)という自己抗体 が検出されるのがPBCの特徴です。 PBCの治療は、胆汁の流れを良くして肝硬変への進行を抑えるというPBCそのものに対する治療と、PBCに伴って生じる症状や合併症に対しての治療に大別できます。 PBCそのものに対する治療:ウルソデオキシコ-ル酸という薬に胆汁の流れを促進し病気の進行を抑える働きがあり、現在世界中で使われています。ウルソデオキシコール酸だけで十分に肝機能障害が改善しない場合、わが国ではベザフィブラートという薬がしばしば使われます。ベザフィブラートはPBCに対する使用は正式には認められてはいませんが、ウルソデオキシコール酸との併用によって、PBCの長期予後が改善されることがわかっています。無症候性PBCの方は、薬を飲み続ければ日常生活の中で特別の注意は必要ありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 15, 2022 09:58:45 PM
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