十勝・帯広・八千代の極楽トンボ

　戻ってから、一度もヒヨドリたちの姿を見ない。
だんな様が、食パンを食べるぞと、一枚釘にさしてあるが、
リンゴも食パンにもついばんだ跡が無い。

朝、カチカチに凍った食パンもリンゴもきれいに跡形なく消え去っている。
あれまあ、どちらさんが持っていったの？
夜中か、朝方か、ゴトゴトという音がしていたので、
多分、そいつが犯人だ。
しかし、リンゴ半分、食パン一枚、どうやって釘から抜いたのだろう？


お隣の子犬のアクセルが周辺を散歩している。
ふむ、この子じゃない。
しばらくして、何となく動く気配で、外を見ると、
キタキツネが我が家のすぐそばをうろついている。
目が合った。
驚く様子も無く、そこら中、臭いをかぎながら、おしっこをして、
トコトコと、雪原を歩いていった。
雪に埋まることも無く、身が軽そうだが、これも犯人とは思えない。

野鳥のさえずりが近くで聞こえるが、姿を見せない。
多分、餌台に何か危険を感じているのだろう。
ベランダの柵の上に登ってこれる生き物はどちらさんかなあ。