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2017年06月28日
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テーマ:本日の1冊(2488)

「自由民権運動〈デモクラシー〉の夢と挫折」松沢裕作 岩波新書

著者は「おわりに」において書いている。この論文の研究と執筆は、最近の「運動の季節」(反原発デモ、秘密保護法反対運動、安保法制反対運動等々)を横目で見ながら進められたという。そして、現在の運動内部の問題が「自由民権運動の敗走の過程と重なって見えなかった、といったら嘘になる」と、執筆動機と言えないまでも、描写の端々に影響されていることを告白している。

私も、読みながら、様々な所で、「同じ轍を踏んでいる」と思う所や、「ここは、昔の方がすごかった」と思う所があった。

もちろん、著者の言うように、ここから無理やり教訓を引き出したら本末転倒にはなる。「しかし、遠く離れた過去であるがゆえに、私たちは、運動というものが否応なく抱えてしまうあれこれの問題や、運動が広がっていく時にそれをささえるものはなんなのかといったことを、より一般的な形で、より冷静に受け止めることはできるだろう。」(以上215-216p)という意見には大いに同意する。

現代運動に対する著者の評価は、おそらく私とは違う。また、あまりにも自由民権運動のリーダーたちの動機を、その権力志向に焦点を当て過ぎているとも思う(その視点は新鮮ではあったけれども)。数行で終わった植木枝盛や中江兆民の評価がほとんどなかったのも不満であるし、高知立志社の役割も過小評価されている気もする。

そのことに留意した上で、現代の運動に刺激を貰った所の1部をメモする。
○自由民権運動はポスト「身分制社会」を作り出す運動だった。
←その意味では現代は終身会社身分制が終わろうとして、その歪が左右に分かれているのかもしれない。自由民権運動とは違い、左翼はその不満分子を大きく吸収することに失敗している。

○官憲によって「弁士中止」になる演説会はかえって、弁士と観衆の一体感を高め、一種のエンタメになっていた。
←こういう手法は、現代も通用する。例えば、秘密保護法で知らされていない秘密を暴くYouTubeを開設する。観衆は「いつ逮捕されるのか」とドキドキするだろう。

○「愛国交親社に加入すれば二人扶持の棒禄が支給され、さらに腕力あるものは帯刀が許される」「税金が免除される」「国会が開設されると、全社会の財産は平等に配分される」等々の「参加=解放」型幻想で貧民を取り込み、一地域の半分が社員という現象が起きた。これが自由民権運動が一部活動家や都市知識人の運動にとどまらない広がりを見せた。この受け皿となったのは「私立国会論」である。
←著者はここに民主党の失敗を思い出しているのかもしれない。もちろん性格は大きく違う。ただ教訓はある。

○国会論と憲法構想の意義。
←この辺りの自由民権運動と政府の一日ごとのせめぎ合いは、見るものがあると思う。判断の遅れ等々のことがなければ、もっと自由民権運動の憲法構想を固めることが出来たかもしれない。運動のスピードの重要性は、現代も、現代こそ、重要である。

○秋田立志会の激化事件はスパイによって起こされたか、否か
←真偽は明らかにされていないが、これは共謀罪が通ったいまや、現代こそ、これから気をつけなければならない。著者は加波山事件を追い詰められた者が起こしたものと決めつけているが、私は短絡的と思う。

自由民権運動は、ポスト身分制社会という背景と共に、新聞という新しいメディア誕生を背景として拡大した。そのことの分析は、ここにはほとんどない。また、運動する側に立つ分析は少ない。例えば板垣や後藤のような俗物に任せるのではなく、植木枝盛がもっと生きて活躍していたら等々の分析はここにはほとんどない。

それらを含めて、「新しい運動の季節」たる現代に、自由民権運動は新しい歴史的教訓の宝庫だと思う。

2017年6月読了






最終更新日  2017年06月28日 18時08分43秒
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2017年06月27日
テーマ:戦争反対(1008)
カテゴリ:平和運動



昨日の記事の「ピースサンセット」の会場において、見つけた展示物である。

最初はよくわからなかった。当然、戦時中のスローガンを書いた印刷物であるということはすぐに分かった。しかし、スローガンにしてはあまりにもこじんまりしている。すべて封筒ぐらいの大きさなのである。そして、よく見ると、「三菱重工業株式会社 水島航空機製作所」(初期のころは名古屋航空機製作所。これは水島には名古屋から転勤してきた人が多かったから)の文字が総てに印刷されていた。さらによく見れば、一般的な有名なスローガンを印刷しているのではなく、航空機製作所オリジナルの、工員を「鼓舞」するようなスローガンばかりが並んでいるのである。三菱重工業株式会社がちょっとした熱意をもって作った「封筒」であるのは、確かだと思われた。いったい何のために、何の用を足す紙切れなのか。

展示責任者の方に聞いてみた。
「これは当時の給料袋ですよ」
「ええっ!」私は驚いた。
「裏を見てください。給料袋でしょ。私たち亀島山地下工場を語る会は、三菱水島航空機製作所の疎開先として地下工場跡の保存を求めているのですが、当時の工員の方からずっと持っていた給料袋を譲ってもらったのですよ。おそらく、こんなのを作って工員を鼓舞していたのだと思うのですが、面白いのは、戦争最終盤になると、紙の質も悪くなるし、言葉も最後の月なんかはもうなくなっている。余裕がなくなっていたということがわかるのです。」

語る会は歴史研究者が多いので、そのような分析になるのは当然だと思うのですが、私は別のことで驚いていた。

「日本人て、変わらないな」という感慨である。
トヨタの「QC活動」に見るように、真面目な日本人は「仕事改善」にむけて、こまごまとした「改善」を行うのがほんとに好きだ。航空機製作所の給料袋はいったい何百枚印刷していたのかは知らないが、おそらく「これをやってみよう」という発想は「現場に近い」者から起きたのだと推論する。そして作るのは、明らかに、総務なりの現場の労働者である。毎回毎回、全然手を抜いていない。日本人はこのような「細かい改善」がほんとに好きなのだ。書いていることは物騒なことでも、作っている本人は「大変だけど楽しい」と思っていたのではないか。そんな想像をしてみる。

面白い発見に感謝した。







最終更新日  2017年06月27日 18時49分27秒
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2017年06月26日
テーマ:戦争反対(1008)
カテゴリ:平和運動


「6.24ピースサンセット〜戦後72年、水島空襲を語る夕べ〜」が、先週の土曜日夕方医療生協会館であり、53人が集い、戦争最終盤で起きた水島空襲を語り合い、平和の大切さを噛み締めました。水島平和委員会や亀島山地下工場を語る会など実行委員会をつくり、今年で4回目を数えます。
今年は夕方の会に先立ち、午後に亀島山地下工場見学が企画されて、72名もの参加者がありました。福山市からも参加した人もおり、かつてなく盛況、三菱水島航空機製作所の疎開のために秘密裡に作った日本有数の戦争遺跡を見学しました。地元の人も25人参加、「こんな風になっていたとは知らなかった」とびっくりしていました。
夕方では、語る会の土屋氏の基調報告、新しいDVD「亀島山地下工場の生い立ち」に続いて、当時中学生と小学生だった岡野弘さんと古谷野騰さんに、昭和20年6月22日水島空襲の時の様子を語ってもらいました。

岡野さんはお父さんの転勤で名古屋から小学5年生で水島の社宅に移ってきた。35坪の二軒長屋。狭い庭にも防空壕を作っていたという。一メートルも掘ると水が出てきて、拙い造りで、実際に来たら役に立たなかっただろう、とも云う。「公園の中にも集合地下壕を作った。畑にもした。それでもとても足りない。小麦の外側の皮を団子にしたりした。母が国防婦人会に入り、竹槍訓練をしていた。バケツリレーも毎日していた。何かしないと気が済まなかったのだと思う」

古谷野さんは20年4月に水島に移ってきた。避難のために毎日防空頭巾とカバンを持って学校に通っていた。日に多い時には3回ぐらい空襲警報が鳴った。


6月22日の朝。岡野さん「我々中学生は出征兵士の家のお手伝いに、連島南小学校に集合していた。種松山を見ると、B29の10機編隊がやって来て、直ぐそばに爆弾が落ちたように凄く揺れた。全部で110機。完全に三菱がやられた、と思った」
古谷野さん「ガラガラと爆弾が動く音がして、ドカドカドッカーンと響いた」

水島空襲のあと。グラマンがたびたび上空に来た。常盤町に一発落ちた。岡野さんは「ものすごい近くを通った。操縦士の顔を見た」

8月15日。岡野さん「夏休みだった。聞いたけど、何を言っているか、ようわからんかった。思ったのは、ヤレヤレこれで戦争すんだ、ということ。安堵の気持ちが多かった」
岡野弘さんは最後に言いました。「戦争で得るものは何もなかった。よう生き残った」


第二部では、ピースナインや岡山合唱団のピースコンサートを楽しみました。そして、ピースキャンドルを背景にして「今こそ私たちが憲法9条を守り、二度と戦争という悲惨な体験をしないために、命の尊さ・平和の大切さを次世代に引き継ぐ運動を広げていきましょう」というピースアピールを採択して会を終えました。







最終更新日  2017年06月26日 15時35分40秒
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2017年06月25日
 
「漂流教室1-11巻」楳図かずお 少年サンデーコミックス(連載1972年-1974年)

「太陽の地図帖33」を読んだのをキッカケとして、初めてこの名作全巻に目を通した。後半はまるきり記憶になかった。この頃毎週少年サンデーの立ち読みは続けていたはずなので、途中の怪物の描写や813人の大和小学校の先生や生徒がほとんど死んでいく展開に、嫌気がさして読み飛ばしていたのだと思える。40年以上経って、やっと平静にそれらの絵を見ることができるようになり、この作品が名作だということに気がついた。人間て、なかなか成長しない。





3巻目80-81pに、高松翔が先生の狂気から生き残り、全校集会で生徒に説明する言葉は、その後の40年以上後の原発事故等で証明されはしなかったか?
「おとなの人は、だいたいものごとをりくつで考えるだろう。だから、りくつにあわないことがおきたときに、あたまの中がめちゃくちゃになってしまって、たえられなくなってしまう」



もちろん、子どもたちだけで世界をつくったからといって自動的に理想社会が創出されるはずもない。子どもたちだからこそ、純粋な形で権力争いが勃発するだろう。食料争いやペストなどの病気(5巻の新大臣の行動)、或いは生き残り戦略の対立で、子どもたちは残酷なほどに死んでゆく。



また、見事なほどに公害や奇形物や地震や機械文明への疑問等々の当時の社会批判が生きており、当時はまだクローズアップされていなかったはずの異常気象、バーチャルリアリティまでも垣間見せ、この物語は、思いもかけない、まるで数十年後のジブリアニメ(「ナウシカ」や「もののけ姫」)を思わすようなラストに向かって行くのだ。

かなり遅れた読者だけど、いい体験でした。

2017年6月読了






最終更新日  2017年06月25日 14時10分04秒
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2017年06月24日
テーマ:本日の1冊(2488)

「楳図かずお『漂流教室』異次元への旅」太陽の地図帖33 平凡社

何処かでこの本の出版(今年5月)を知って、衝動買いをした。そもそも、私は楳図かずおを嫌いだった。絵がワンパターン(のように感じられて)、ホラーも嫌いだった。まことちゃんは良かったけど、いつも赤と白のストライプの服を着てTVに出没する漫画家を、単なる目立ちたがリ家と思っていた。それでも12歳の私は「漂流教室」は「少年サンデー」で飛ばし飛ばし読んでいた。無視できない力があったのは確かだったと思う。

冒頭に長いあらすじがあるので、読んで見ると、主人公たちがタイムスリップしていたというのは、最終盤で明らかになると覚えていたが、初期でわかっていたようだ。ラストは、まるきり覚えていなかった。もう一度読み返さなくては、と今、きつく思っている。

この著者(現在80歳)ロングインタビューで全面的に解明されているように、1972年から現代に対する警告が、幾つも、お母さんが埋めたナイフのように詰まっている。

楳図かずおは衝動で描いて来た作家だと勘違いしていた。今回、漂流教室製作ノートを初めて見た。A4サイズのルーズリーフにびっしりと綿密に半分小説風に書いている。最初に大きな見取図を作って描くタイプだった。

それにしても、20pにも及ぶ、まるでアイドルのような本人のカラー写真はなんとかならなかったのか?

2017年6月19日読了








最終更新日  2017年06月24日 22時10分21秒
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2017年06月23日
テーマ:ニュース(69732)
カテゴリ:憲法


不可解な報道があった。憲法に則って野党が臨時国会を求めたのに、政府は拒否しているのだ。それなのに、報道は政府は[違憲政府だ]というようなことを言っていない。世の中もざわついていない。どうしてこんなことがあり得るのか。

臨時国会召集、4野党が要求 与党は否定的
6/23(金) 7:55配信
 産経新聞

 民進、共産、自由、社民の野党4党は22日、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設問題をめぐり、安倍晋三政権が国会の閉会中審査に応じないことから、憲法53条に基づき衆参両院に臨時国会召集の要求書を提出した。ただ具体的な召集日程は内閣の判断に委ねられており、安倍政権は早期召集に否定的だ。

  提出に先立ち、4党の幹事長・書記局長が国会内で会談し、近く安倍首相に直接、早期召集を求めることも確認した。

  民進党の野田佳彦幹事長は会談後の記者会見で「首相はいつも逃げてばかりだ。今回は内閣総理大臣としての政治判断を求めたい」と強調した。

  一方、自民党の竹下亘国対委員長は「早急にやらなくていいのではないか」と否定的な見方を示した。


憲法はこのように謳っている。

「第53条 【臨時会】 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。  いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」

どうして自民党はこれに応じないで、平気でいられるのか。共謀罪では「国会軽視」をしたが、今度は「憲法軽視」をする。三権分立が聞いてあきれる。司法は何をしている!!!

既視感があった。つい最近こんなことがあった。二年前だ。記事を検索してみる。

戦争法が強行採決された2015年の秋、ついにそのあと通常開かれる「臨時国会」が開かれなかったのである。
このことを解説した渡辺輝人さんの記事がある。

安倍政権が臨時国会を召集しなければ憲法違反となる
2015/10/22(木) 2:00

政府側の勝手な言い分がどうやら通ったようだ。

恐ろしいのは、一度政府は「グレーなことでも通ったらあとはやり放題だ」とばかり、平気でやって、それが国民軽視の[兵器]になることだ。マスコミは、二年前はある程度取り上げたのに、今回はほとんど取り上げていない。

渡辺さんは最後に書いている。

国会を召集しないのは憲法違反

当然のことですが、臨時国会の召集を決定しなければ、憲法53条違反となります。そして、これは安保法制についても言えることですが、政府が憲法違反をすることについて、罰則もなければ議席剥奪のような制裁もありません。日本の場合、裁判所が何かをしてくれるわけでもありません。これは、恐ろしいことですね。結局、国民の声で、安倍政権に憲法を守らせなければならないし、国民が気を許せば、政府はいつだって憲法違反を犯し、いつの間にか国会そのものが開かれなくなったり、基本的人権が侵害されることになるのです。特に、今、我が国は安保法制の憲法違反の問題、TPPの問題、消費税増税の問題などなど、懸案事項が目白押しです。安倍政権の、憲法違反をしてまで政権運営に都合の悪いことを国会で議論させない姿勢は大いに批判すべきでしょう。また、この件を報道する報道機関の役割は極めて大きいと言えましょう。どっちもどっちの政争として捉えることを厳に慎み、臨時国会を召集しないことは、政権が憲法を蹂躙する姿そのものであることを国民に広く伝えなければなりません。







最終更新日  2017年06月23日 11時58分15秒
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2017年06月21日
テーマ:ニュース(69732)
カテゴリ:カテゴリ未分類


毎日が最低賃金生活の私には、今年も「臨時福祉給付金(市民税無課税の市民に送られているらしい)」の申請書が4月に来ていたが、先週、やっと役所で手続きした。郵送でも手続きできるけど、免許証のコピーが面倒なので、いつも役所でやる。

いつも思うのだが、役所(支所)では、この手続きのためだけに毎日2人も役所に詰めている。おそらく四ヶ月。お知らせの封書代金、更に2ヶ月後には支給決定のお知らせも来るらしい。これの手間代金(人件費含む)は、全国でいったいどれくらいかかっているのか?是非とも、議員の方か、ジャーナリストのかた、調べて貰えないだろうか?

これで貰えるのは、たった1万5千円である。月ごとに貰えるのならばいい。一年でこれだけ貰えて、どうして消費税増税の歪を解消できるのか、私には理解出来ない。

私の場合は、貯金を「計画的に」取り崩しているので、1.5万円で「命を食い止める」かどうかは判断できないが、仮に月9万円の収入だとして、それに月1200円ほど増えたからと言って、「自民党公明党ありがたや、ありがたや」となるだろうか?

万が一、そのために経費が月に1000円近くかかっているとわかったならば(300円でもいい)、普通の貧乏人は「あの役所のおねーちゃんの給料を払うために、わてらは苦しんでんじゃない!」と怒るに違いない。






最終更新日  2017年06月21日 18時12分55秒
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2017年06月20日


「ビッグイシュー313号」ゲット。表紙はスティング。久しぶりの現役ミュージシャン。私の守備範囲外なので、コメント無し(因みにスティングって、グループ名と思っていた)。

注目は、特集「壊されるまともな働き方」。リード文は以下の通り。
 
ワーキングプア、過労死、若者を食い潰すブラック企業……。かつての一億総中流社会・日本が、今や、子ども、若者、働き盛りから高齢者まで、貧困に押しつぶされつつある。その背景には”まともな働き方”が失われてきたことがある。
森岡孝二さん(関西大学名誉教授)は、正規、非正規、パート、契約、派遣などに細分化された雇用・就労形態を「雇用身分社会」と呼び、このままでは日本社会そのものが成り立たなくなるという。
未来を支えるはずの若者たちも一生涯貧困に至るリスクを宿命づけられている、と藤田孝典さん(NPO法人ほっとプラス代表理事)はいう。今、15~34歳の若者の死因のトップは自殺。主要先進国では、日本だけである。
そこで、真正面から〝まともな働き方〟を考えてみた。森岡さんと藤田さんに、「収奪のため労働者が無力化される歴史」と、私たちが今、どんな雇用環境で生きているのか? そこから脱却のためにできることを聞いた。

岩波新書「雇用身分社会」の内容をおそらく4pにコンパクトにまとめたと思われる森岡孝二氏のインタビューは、事実関係はその通りであり、今現在の労働環境を理解する上ではいいテキストである。しかしそれを改善する処方箋は少し抽象的。まあ、学者なのでそれは当然だとは思う。

藤田孝典氏は、実際運動にたずさわりつつ、これらの問題が「個人の資質」の問題ではなく、極めて「社会構造上の問題」だと位置づけています。処方箋はヨーロッパ的な社会政策をあげています。それも重要ですが、労働者の意識改革を訴えていることの方が重要だと思う。
「(今の若者は)労働法を知り、労働市場を変える運動をしていくことも大事。個人加盟のユニオン(労働組合)が増え、若者を中心に最低賃金の引き上げを求める「エキタス」のようなグループも出てきて、少しづつ業界を変える力になっています」。

因みに最低賃金1500円でないと、暮らしていけないのは、私自身の実感でもあります。

今号は編集後記に昨年度のビッグイシューの「決算」が載っていた。なんと2年続けて「赤字」らしい(値上げしたのは最近なのにこうなっているとは、ちょっと驚き)。大きな要因は「販売者数の減少」によるものらしい。確かにそれは「路上生活者の減少によっていますから、歓迎すべきものです」とはなるだろう。ホントに減少しているのか?という疑問は持ちながらも、ビッグイシューの存在はこれからも確保しなければならない、と私も思います。

現在、ビッグイシューは「販売場所のある市区町村を除く、すべての市区町村」のエリアに住んでいる人たちにむけて、定期購読を受け付けている。
年間購読料は11000円(計24冊。送料・税込)。ビッグイシュー日本のホームページより申し込めるらしい。もちろん直接買える方は、買った方が安くつく。ビッグイシューの購読、私からもお願いします。






最終更新日  2017年06月20日 10時07分21秒
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2017年06月19日
カテゴリ:邦画(12~)


「クリーピー 偽りの隣人」
去年観た映画の中で、1番の問題作を紹介します。観たのはちょうど去年の今ごろ。結局、秋の始りの頃まで、この作品のことが頭を離れませんでした。映画的には、決して傑作というわけではありません。黒沢清監督の特徴なのですが、省略があまりにも多くて想像力も膨らませるけど、わかりにくい処もあります。私的には肝になる人心コントロールの道具が安易過ぎる気もしました。
 
これは、ある連続殺人事件を扱った作品です。犯人は最初からあまりにも怪しいので、ここでネタバレしますが主人公(西島秀俊)の隣人(香川照之)です。隣人が誰をどうやって殺したか。簡単にいうと、マインドコントロールで被害者が被害者を殺すのです。そこがこの作品のクリーピー(おぞましい)処であり、なぜ殺したのかを考えると、最もおぞましくなります。観た直後、少し気になって原作の基になった事件を扱ったノンフィクション本を読みました。それがひと夏かけて、この作品のことを考え続けたきっかけになりました。それは「消された一家 北九州・連続監禁殺人事件」(豊田正義 新潮文庫)です。映画では、犯人の娘とされていた澪(藤野涼子)は、時々「あの人父親じゃありません」とはいうものの、自然に親子の振る舞いをしていたし、毎日学校にも通っていました。そこまでマインドコントロールができるものなのか?私はこれだけは映画的「ウソ」だと思っていました。しかし本書を読むと、この事件の生き残りで通報者17歳の少女は小学校と中学校に「通学」していたのです。そして、詳細は省きますが、事実として親子、親戚同士が殺しあっているのです。

映画は、いかにもフィクションみたいに推移して、あっけないラストを迎えます。けれども、その終わりからとんでもないリアルな闇が覗いている事に気がつく。実はそんな映画なのです。

関連書を読んで、私はマインドコントロールが可能ないくつかの法則がある事に気がつきました。密室性、絶対的な権力者、思考能力をなくさせる環境、それぞれを疑心暗鬼にさせ密告を奨励し孤立化させる仕組み、罪の意識の植え付けと殺人に無感覚になる価値観の変換。それらが整うと、人は人を平気で殺すのです。

そういう環境は、過去、日本でも歴史的につくられたことは無かったでしょうか。そうです、戦前の日本が正にそうだったのではないかと、私は思いました。

「クリーピー」は、去年の最もホラーな作品でした。(2016年作品、レンタル可能)






最終更新日  2017年06月19日 10時39分59秒
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2017年06月18日
テーマ:本日の1冊(2488)

「図書 私の三冊」

岩波文庫90年記念編集。前回か、前々回のときには加藤周一の三冊があった気がするが、引越しのゴタゴタで紛失した。

いわゆる岩波文化人の「私のお勧めする岩波文庫三冊」の文章が、228人ぶん載っている。その8割以上の人たちを良くは知らないので、読まない。1人90文字程度なので、あっという間に読めます。まだ、本屋に置いてあるかな。

読んだ中から、更に興味深いモノをメモする。
池内紀(ドイツ文学者)
(2)「冥土・旅順入城式」(内田百閒)遠くの意識が語ったところを単に筆記しただけのようでもあり、精巧なパラノマに迷い込んだようでもあり、底に一つのメカニズムがあって、前へ前へと連れて行かれる。中身がなくて、実におかしい。

大林宣彦(映画作家)
(1)「死に至る病」(キュルケゴール)
(2)「村のロメオとユリア」(ケラー)「さびしんぼう」の元らしい。
(3)「みずうみ他四編」(シュトルム)ドイツ語を学び、僕は医学の道に進むはずだった。ああ失われし夢よ!

大林宣彦は、ガンを患って闘病中。いろいろと思う所があるようだ。

加藤陽子(日本近代史)
(2)「トゥーキュディデース戦史」久保正彰氏による解題は必見。真実とは、行動的事実だけでなく、「言葉」にあらわれた知性の営みからも成り立つとの考え方(上巻45p)は、私の歴史学の土台骨を形成してくれた。

金原瑞人(翻訳家)
(2)「ソポクレスオイディプス王」毎年、学生といっしょに読み直すたびに、心を打たれます。そしてその度に、「アーサー王」「カラマーゾフ」「スターウォーズ」にまで受け継がれていく父親殺しについて考えてしまいます。

佐高信(評論家)
(3)「阿Q正伝・狂人日記」(魯迅)若き日に私は、日本人はマルクスよりも魯迅に深く学ばなけばならない、と友人に手紙を書いたことがある。そのドレイ根性をえぐった魯迅の作品は、中国人よりも激しく日本人を撃つ。

鈴木敏夫(映画プロデューサー)
(3)「忘れられた日本人」(宮本常一)この本を教えてくれたのは、高畑勲、宮崎駿のご両人。「え、読んでいないのですか」と馬鹿にされた記憶はいまも生々しいが、後に僕は、ふたりの作品の元がここにあることを知ることになる。

瀬名秀明(作家)
(1)「ロボット(R・U・R)」(チャベック)ロボットや人工知能の本を書くようになって初めて手に取り幾度も読み返した戯曲。生命であること、人間であることは何か。その問いがこの世にあるからこそ、ずっと私は科学と物語が好きです。

徐京植(作家)
(1)「阿Q正伝・狂人日記」(魯迅)中国近代文学上の古典的名作であるにとどまらず、現在も未解決のままに続く、日本とアジアの出会い損ねという課題を考える必読書。いまも魯迅は基準である。併読すべき「魯迅評論集」は品切れか?

成田龍一(近現代日本史)
(2)「オットーと呼ばれる日本人」(木下順二)ゾルゲ事件に材をとった表題作と、戦争責任を主題とする「神と人とのあいだ」が収められる。木下順二が追求してきたのは、歴史における「個」の役割と責任の問題であり、現在への問いかけであった。

安彦良和(漫画家)
(1)「海舟座談」
(2)「中江兆民三酔人経綸問答」
(3)「風の又三郎他18編」
私が学生の間に愛読した本をこの人もやはり選んでいる。ここまで趣味が一致しているとは!

山極寿一(人類学・霊長類学)
(3)「孤猿随筆」(柳田国男)
柳田が人と動物との関わりを民俗学的に記録したものらしい。

山口二郎(政治学)
(2)「人権宣言集」政治における理念や建前を冷笑する気分が世界的に蔓延するなか、人間が自らの尊厳を守るために戦い、作り上げてきた原理をたどる最良のテキスト。民主政治の危機の時代にこそ読まれるべき。

鷲巣力(著述業)
(2)「トム・ジョウンズ」(フィールディング)捨て子のトムが、名望家に育てられ好青年に成長するも、故あって勘当され旅に出て、幾多の事件、幾多の人に出会う。風刺諧謔に満ち、波乱万丈、痛快無比。朱牟田夏雄の達意の名訳に感嘆しきり。

既に読んだ本半分、未読の本半分。でもすぐに読みたくなった。無理だけど。

2017年6月17日読了






最終更新日  2017年06月18日 09時31分30秒
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