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2018年09月18日
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テーマ:本日の1冊(2840)
カテゴリ:加藤周一


「終わりと始まり」池澤夏樹 朝日新聞出版社

2008年の末に亡くなった加藤周一の「夕陽妄語」に代わり、2009年4月から池澤夏樹の連載が朝日新聞紙上で始まった。 私はその前後に20年近くとっていた新聞購読を中止したので、このエッセイを読んだ記憶がほとんどない。本格的に加藤周一連載の後継に落ち着くことも、実は幾分疑っていた(それまでは暫定的に大江健三郎の連載があった)。あれから10年近く経って、既に二巻目が出ているこの本の第一冊目をやっと読んだ。

池澤夏樹は加藤周一の後継であると思っていたわけでもなく、期待していたわけでもない。それでもやはり新聞後継連載のエッセイを読んでみるのが怖かったのだろうと推察する。

題名の意味が不明だったが、加藤は漢詩から採ったが、池澤は「さりげないものがいいと思って」外国人の詩から採ったことが、今回知れた。いい詩である。2年後に詩の内容が現実(震災)に追いついたのは、偶然である。

読んでみると、池澤夏樹は多くの点で違っていた。文学よりも、旅の話が生き生きと語られる。ともかく池澤夏樹は「行動的」である。被災地に何度も通った。加藤も震災後神戸に訪れているが、その比ではない。もちろんだから優劣をつけるわけでもない。最新のマンガや映画の内容を何度も俎上に載せる。古典を大切にしていた加藤とかなり違う。日本に帰って住んだ土地である沖縄と北海道の話題が多くを占め、「戦後日本文学の1番大事な作家」と評価する石牟礼道子氏の関係か、水俣の話題も多かった。3.11の後からは、少なくとも2年間の2/3は震災関連話題で占める。古今東西の遠くに広がらず、比較的身の回りの話題が多いというのは加藤周一のそれとは違うだろう。

しかし、教養はやはり古今東西に広がっており、社会を批判的に見る目は比較的鋭い。イサム・ノグチが好きだから、政治の話をしないわけではない。むしろ積極的にしている。これらは「夕陽妄語」の伝統に似るだろう。

加藤周一は私にとっては、仰ぎ見る大先生だった。池澤夏樹は大学で演習のお世話になっている先生のような気がする。学ぶべき所は多いが、時々は「それは違うでしょ」と言いたくなるのである。ともかく、読み継いでいきたいと思った。

2018年9月読了






最終更新日  2018年09月18日 09時10分08秒
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2018年09月17日
カテゴリ:洋画(12~)
「県労会議機関紙」に連載している今月の映画評です。



「ワンダーウーマン」
一見は胸躍るエンタメです。マーベルコミックシリーズ(スパイダーマンやアントマンが活躍する世界)に対抗するDCコミックシリーズ(スーパーマンやバットマンが活躍する世界)のひとつとしてこれを観ました。

ところがその後、敬愛する映画評論家の町山智浩氏が、パティ・ジェンキンス監督が作ったこの作品を高く評価している文章を読んで意見を変えました(参照『「最前線」の映画を読む』)。

ジェンキンス監督にとっては、男たちの女性虐待を糾弾した「モンスター」(シャーリーズ・セロンがアカデミー主演女優賞)のあと14年目にやっと作った作品でした。そのせいか、単なるスーパーヒーロー映画ではなく、様々な寓意を含んだ「映画史における女性の描き方を大きく変えた傑作」になっています。
人間(マン=男ともとれる)を救うために、女だけの島アマゾンを離れて、ワンダーウーマンことダイアナ(ガル・ガドット)は第一次世界大戦中のロンドンに赴きます。戦争指導者会議に乗り込むと「どうして女を会議室に入れるんだ!」と怒鳴られたりします。西部戦線に到着すると、膠着状況をダイアナは一挙に変えてしまいます。塹壕を一歩一歩梯子を上がる姿はジャンヌ・ダルクの故事を踏まえているだろうし(英語では女性の社会進出を「梯子を登る」という)、ダイアナの後ろに英仏連合軍の兵士が続く場面は、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」を彷彿させるでしょう。

ダイアナの装備は基本的には、全ての攻撃をはね返す腕輪と真実を語らせる鞭だけです。防衛力のみでドイツ軍を蹴散らしてきたダイアナは、人間に扮した軍神アレスを殺せば、自動的に戦争を終わらす事が出来ると信じていたのですが、やがてそんな単純なことではないことを悟ります。人間を見限りるか、困難な道を選ぶかの選択に、ダイアナは後者を選ぶわけです。「どんな人間でも希望はある、大事なのは何を信じるか。私は愛を信じる」と言って最後にキリストのように戦場に降り立つダイアナは、平和の女神でした。

原作は女性解放運動に根ざしていて、監督はそれをエンタメに仕上げたのです。シリーズの他の作品に出ているワンダーウーマンは別として、ジェンキンス監督の作品は多くの隠喩そして社会性を隠しています。それを見つける楽しみも知ってもらいたくて、今回はこれを取り上げました。(2017年米国作品)






最終更新日  2018年09月17日 07時53分32秒
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2018年09月16日
カテゴリ:邦画(12~)

後半の四作品です。特に「沖縄スパイ戦史」はこの時点マイベスト出ました!



「沖縄スパイ戦史」

とりあえず、いまのところこの作品がマイベストワンです。戦後73年目の夏。ギリギリのタイミングだった。当時14歳から18歳の少年たちが証言をするのは、1年遅ければ何人かが語れなくなったかもしれない。絶妙のタイミングだった。当時、軍人に協力した住民たちがいなくなったからこそ、口を開き始めた人もかなりいたと思われる。必要なタイミングだった。今沖縄南西諸島に次々と配備されるミサイル基地。自衛隊基地が出来てしまえば、「軍隊は住民を守らない」だけではない。有事が近づけば「住民を利用」し、「住民を監視」することが、正にその場所で、たった70数年前に起きた。しかもたった1年足らずで。


純粋な中学生ぐらいの子供を徴用する。スパイとして有効に使えるだけではない。子供を人質に使えるのである。陸軍中野学校の恐ろしいほどの、これはスパイ戦術ではない、人非人の戦争技術である。おそろしい。


有事法制で、特定秘密保護法で、しだいと可能になっている。昔の再現なんてあり得ない、という保証はどこにもない。自衛隊の最高法規「野外令」を見る限り、沖縄の出来事を一切反省していないのは明らかである。波照間島の住民を1/3、500人近くを強制移住させてマラリヤ感染で死亡させた山下(偽名)も、一切反省の言葉を語らなかったではないか。波照間島の碑文が強烈である。「山下(偽名)のことを赦しはしても、決して忘れない」。公の碑文にこんな文句を見たのは、私は初めてだ。

また、住民をスパイ疑惑で、軍人に密告したと思われる人が雄弁に語ったフィルムを、この映画は記録している。「あの時代は、殺さなかったら殺される。貴方とは認識が違う!」恐ろしい。過去の話ではなく、現代のこととして、とてつもなく恐ろしいドキュメンタリーが出来上がった。

岡山では、一週間の上映期間しかなかった。ほとんどの日本人は観ていないことになる。大勢の「日本人」に観てほしい。


(解説)
第二次世界大戦末期、米軍が上陸し、民間人を含む20万人余りが死亡した沖縄戦。第32軍・牛島満司令官が降伏する1945年6月23日までが「表の戦争」なら、北部ではゲリラ戦やスパイ戦など「裏の戦争」が続いた。作戦に動員され、故郷の山に籠って米兵たちを翻弄したのは、まだ10代半ばの少年たち。彼らを「護郷隊」として組織し、「秘密戦」のスキルを仕込んだのが日本軍の特務機関、あの「陸軍中野学校」出身のエリート青年将校たちだった。
1944年の晩夏、42名の「陸軍中野学校」出身者が沖縄に渡った。ある者は偽名を使い、学校の教員として離島に配置された。身分を隠し、沖縄の各地に潜伏していた彼らの真の狙いとは。そして彼らがもたらした惨劇とは……。

長期かつ緻密な取材で本作を作り上げたのは、二人のジャーナリスト。映画『標的の村』『戦場ぬ止み』『標的の島 風かたか』で現代の闘いを描き続ける三上智恵と、学生時代から八重山諸島の戦争被害の取材を続けてきた若き俊英、大矢英代。
少年ゲリラ兵、軍命による強制移住とマラリア地獄、やがて始まるスパイ虐殺……。戦後70年以上語られることのなかった「秘密戦」の数々が一本の線で繋がるとき、明らかになるのは過去の沖縄戦の全貌だけではない。
映画は、まさに今、南西諸島で進められている自衛隊増強とミサイル基地配備、さらに日本軍の残滓を孕んだままの「自衛隊法」や「野外令」「特定秘密保護法」の危険性へと深く斬り込んでいく。

2018年8月25日
シネマクレール
★★★★★

http://www.tongpoo-films.jp/OSS_B5_H14_Z.pdf




「グッバイ・ゴダール」
題名になっているのだから、彼女とゴダールが別れるのはもちろん、その理由さえも途中までで明らかであり、なんの驚きもない。


ゴダールをリスペクトしながらも、カリカルチャしているのは予想出来るのであるが、なにしろ私はゴダール作品を一作とも観たことがない。よって、批判しているのか、からかっているのか、わからない。また、それがわからないので、日本よりも遥かに本格的だと聞いていたフランス五月革命について、批判しているのか、冷めた目で見ているのか、それが正しいのかもわからない。当然ゴダールのとる態度もわからない。


もう一つの見所は、当時のファッション、音楽、映画についてだろうが、どれだけ再現性が素晴らしいのかもわからない。


もう一つの見所は、「映画とは何か」ということだろうと思う。一つの自動車の中での6人の延々800キロに及ぶケンカの場面は、いかにも映画らしいシチュエーションであり、裸になる必然性が台詞に出た途端に2人が完全ヌードを披露するのは、正しく必然性を伴うだろうが、映画文法の使い方である。上手いと思う。しかしだからと言って、素晴らしいことにはならない。私にとって素晴らしい作品は、あくまでも共感出来るテーマが如何に緊張感持って2時間前後の枠の中に納めさせるか、ということだからだ。それによってのみ、私は映画の魔法を感じる。


この作品のテーマを「映画とは何か」だとすれば、いろんな点でわからないことが多すぎ、判断出来ないということになる。


主演女優の魅力はあった。


(解説)
ジャン=リュック・ゴダール監督作『中国女』で主演を務め、彼の妻となったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化。若くしてゴダールと出会い、ミューズとなったアンヌが彼と過ごした刺激的な日々を描く。アンヌ役に『ニンフォマニアック』シリーズなどのステイシー・マーティン、ゴダール役に映画監督フィリップ・ガレルの息子ルイ・ガレル。『アーティスト』などのオスカー監督ミシェル・アザナヴィシウスがメガホンを取った。

(あらすじ)
パリで哲学を学ぶ19歳のアンヌ・ヴィアゼムスキー(ステイシー・マーティン)は、映画監督のジャン=リュック・ゴダール(ルイ・ガレル)と恋に落ち、彼の新作『中国女』で主演を務める。新しい仲間たちとの映画作りやゴダールからのプロポーズなど、初めて体験することばかりの刺激的な日々にアンヌは有頂天になる。一方パリでは、デモ活動が激化していた。

(キャスト)
ルイ・ガレル(ジャン=リュック・ゴダール)
ステイシー・マーティン(アンヌ・ヴィアゼムスキー)
ベレニス・ベジョ(ミシェル・ロジエ)
ミシャ・レスコー(ジャン=ピエール・バンベルジェ)
グレゴリー・ガドゥボワ(ミシェル・クルノー)
フェリックス・キシル(ジャン=ピエール・ゴラン)

監督・脚本・製作
ミシェル・アザナヴィシウス

2018年8月25日
シネマクレール
★★★★




「カメラを止めるな!」

最初の全体の1/3のノーカットワンテイクのゾンビ映画は、正にB級ゾンビ映画であって、この後どんな仕掛けが来ても(「この映画は2度始まる」というのが作品の謳い文句)、この1/3がある限りダメだな、と思っていたのだが、一応それさえも伏線だったというのは、まあまあのアイデアでした。


ともかく話題の作品なので、チェックするのが私の義務です。結果は、悪くはないんだけど、今年を代表する作品かというとそうでもない。というとっても中途半端な評価になりました。


どうしても、低予算の限界というのがあって、クオリティは低くならざるを得ないのです。でも300万ではなくて、一千万近くかけたぐらいのクオリティは持っています(あの大阪のおばちゃんプロデューサーはよかった)。よくがんばっている。演技(特に劇中主演女優の演技)、ロケハン(もっと仕掛けが欲しい)、脚本等々少しだけ詰めが甘い部分がある。


(解説)
監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの《シネマプロジェクト》第7弾作品。短編映画で各地の映画祭を騒がせた上田慎一郎監督待望の長編は、オーディションで選ばれた無名の俳優達と共に創られた渾身の一作だ。国内では「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」でゆうばりファンタランド大賞(観客賞)を受賞。無名の新人監督と俳優達が創った”まだどこにもないエンターテインメント”を目撃せよ!
監督 上田慎一郎
出演 濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山﨑俊太郎、大沢真一郎、竹原芳子、吉田美紀、合田純奈、浅森咲希奈、秋山ゆずき
http://kametome.net/index.html

2018年8月30日
TOHOシネマズ岡南
★★★★


「検察側の罪人」

思いもかけず骨太だった。アイドル映画の欠片もなかった。木村が悪ぶった善人という何時もの役割じゃない、闇を深くする役割をしていつもの大根役者の悪い所があまり見られなかった。


正義とは何か。

検察はストーリーを作って、罪人を仕立てる。それが検察のやり方である。そう教え込めれた沖野は、しかし最後は反対の方向に行く。

「こうやって冤罪は作られてゆくのね」立花さんが呟き冤罪の構造そのものをくっきり浮かばせた。骨太の映画だったという所以である。映画的な行き過ぎの趣向は、そのおまけみたいなものだろう。

原田眞人監督だということを失念していた。しかし毎年毎年自ら脚本まで書いて、よくも作るものだ。いかにも映画的な映画でした。顧みれば、原田眞人監督はいつも「正義」をテーマにしている。「八月の1番長い日」「関ケ原」如りである。


(解説)
ある殺人事件を巡り、2人の検事の対立を描く。都内で発生した殺人事件。犯人は不明。事件を担当する検察官は、東京地検刑事部のエリート検事・最上と、刑事部に配属されてきた駆け出しの検事・沖野。最上は複数いる容疑者の中から、一人の男に狙いを定め、執拗に追い詰めていく。その男・松倉は、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の最重要容疑者であった人物だ。最上を師と仰ぐ沖野は、容疑者に自白させるべく取り調べに力を入れるのだが、松倉は犯行を否認し続け、一向に手応えが得られない。やがて沖野は、最上の捜査方針に疑問を持ち始める…。
監督 原田眞人
出演 木村拓哉、二宮和也、吉高由里子、平岳大、大倉孝二、八嶋智人、音尾琢真、大場泰正、谷田歩、酒向芳、矢島健一、キムラ緑子、芦名星、山崎紘菜、松重豊、山﨑努

2018年8月30日
TOHOシネマズ岡南
★★★★

http://kensatsugawa-movie.jp/sp/index.html







最終更新日  2018年09月16日 08時00分11秒
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2018年09月15日
カテゴリ:洋画(12~)

8月に観た映画は8本でした。二回に分けて紹介します。



「天命の城」

朝鮮王朝の戦争を描いたのは、これが初めてかもしれない。朝鮮半島は、常に大陸や日本からの侵略の歴史だった。しかし、朝鮮王朝は奇跡的にその独立を保って来た。何故独立を保つことができたのか?巧妙に世界の力関係を図り、それでも儒教の教えを守って決して「大義と名分」を失わなかったからだ、とおそらく韓国人は思っている。


しかし、それが危機的に脅かされることが何度かあった。その幾つかは、秀吉の侵略(壬申の乱)、朝鮮併合(朝鮮の植民地化)、そして「丙子の役」(清の侵攻)である。敵を打ち負かすことも起きずに、外交で危機を乗り越えたのは、おそらく「丙子の役」だけだろう。


先ずは王様の世界の力関係の見誤りがあった。籠城に最も適した退却のタイミングも逸した。その上で「大義と名分」を失えば、朝鮮王朝は瓦解するだろう。謝ることは、大義と名分を失うことなのか?否か?


「王様、彼らの言う大義と名分は、いったい何のためですか? まず生きてこそ、大義と名分があるのでは」


アメリカと日本と中国の力関係を図り、その独立を保とうとする現代韓国の、課題を見せた作品である。

(解説)
清の軍勢12万人に包囲された、1万3000人の朝鮮朝廷は、進むことも退くこともできない孤立無援の“南漢山城”に逃げ延びる。生き残る唯一の道は、清の臣従に落ちること。恥辱に耐えて民を守るのか、大義のために死を覚悟で戦うのか。同じ国への忠誠を持つ、二人の家臣の異なる信念の闘いの末に、未来のために下した王の決断とは―。

リーダーである王の決断、臣の覚悟、そして民の平和。切迫した逆境で起こる、三人の男のスリリングでドラマティックなぶつかり合い。国の天命を背負った彼らの誇り高き生きざまは、「いま、なにが民衆のための選択なのか」というテーマを我々に鋭く突きつけ、380年余りの時を経た現代社会に、深く共感できる大切なメッセージを伝えている。

朝鮮歴史上最も熾烈な「丙子の役」と呼ばれる闘い。その最後の47日間を、5カ月にも及ぶ極寒の中でのオールロケ―ションを決行し、初めてスクリーンに描いた感動の歴史大作。

最高のキャスティングとスタッフが集結!
そして、坂本龍一の音楽が奏でる感動の旋律。
清との和平交渉を突き通す大臣ミョンギル役には、『王になった男』以来の歴史時代劇の主演となるイ・ビョンホン。常に冷静沈着な善意のキャラクターを高潔に演じ、平和への熱い想いを深い演技力で伝える。大義と名誉を重んじて、徹底抗戦を貫くサンホン役には、『哀しき獣』など骨太なカリスマ性を魅せる、時代劇初出演のキム・ユンソク。激しく対立する大臣たちの間で苦悩する朝鮮の王を、パク・ヘイルが演じている。監督は『トガニ 幼き瞳の告白』のファン・ドンヒョク。音楽は世界的巨匠、坂本龍一が韓国映画を初めて手掛け、現代的なシンフォニーに韓国の伝統音楽を取り入れ、物語の普遍的な感動と迫力を重厚なサウンドで盛り上げる。

(実際の歴史)
当時の時代背景
1608年に即位した光海君は、外交が巧みだった。当時、中国大陸では、長く統治していた明と新興の後金が激しく争っていたが、光海君は両国と戦略的な二股外交を展開して、朝鮮王朝の領土を守っていた。

 しかし、光海君は1623年にクーデターによって王宮を追放された。クーデターを主導した仁祖が代わって即位したのだが、彼は明に追随して後金を卑下する外交を展開した。これが後金の怒りを買い、後金は1627年に大軍で攻めてきた。

 朝鮮王朝は武力で後金に歯が立たなかった。仁祖は都の漢陽を捨てて江華島に避難した。そのうえで、講和会議を重ねて後金の怒りを解こうとした。条件は後金を支持することだった。

 従来から朝鮮王朝は明を宗主国のように崇めていたのだが、その方針を変更せざるをえなくなった。それを条件に、後金は大軍を引き揚げた。

 しかし、仁祖は後金と交わした講和条件を守らなかった。

 怒った後金は国号を清と変えた後、1636年12月に12万の大軍で再び攻めてきた。またもや仁祖は江華島に逃げようとしたが、すでに清の大軍が迫ってきており、漢陽の南側にある南漢山城に避難するのが精一杯だった。

 1万3千人の兵と一緒に南漢山城で籠城した仁祖。その間に、清の大軍は漢陽で略奪と放火を繰り返した。
 民衆は悲惨な状態になった。観念した仁祖は籠城をやめて、1637年1月に漢江のほとりまで出てきて、清の皇帝の前で額を地面にこすりつけて謝罪した。

 朝鮮王朝が始まって以来の屈辱だった。

 そればかりではない。莫大な賠償金を課せられ、数十万人の民衆が捕虜となり、仁祖の息子3人も人質として清に連れていかれてしまった。

 仁祖の失政が前代未聞の惨状を招いたのである。

2018年8月2日
シネマ・クレール
★★★★

http://tenmeinoshiro.com/info/



「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」

いつもの通りのミッションでした。美女が3人出てきて、「あり得ない」展開から「あり得る」結論に至る「安心の展開」を遂げるという意味ではまあ安定のドル箱でしょう。でも、もうトム・クルーズはあんなアクション出来ないだろうから、代替わりすべきではとも思う。いや、そうなればこのシリーズも終わりだ。終わらすべきだ。


これでレベッカ・ファーガソンは、IMFのメンバーになったという認識でいいのかな。


(STORY)
盗まれたプルトニウムを用いて、三つの都市を標的にした同時核爆発の計画が進められていることが判明する。核爆発阻止のミッションを下されたイーサン・ハント(トム・クルーズ)率いるIMFチームは、犯人の手掛かりが名前だけという困難を強いられる。タイムリミットが刻一刻と迫る中、イーサンの行動に不信感を抱くCIAが放った敏腕エージェントのウォーカー(ヘンリー・カヴィル)が現れる。
(キャスト)
トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソン、アレック・ボールドウィン、ミシェル・モナハン、ヘンリー・カヴィル、ヴァネッサ・カービー、ショーン・ハリス、アンジェラ・バセット、(日本語吹き替え)、DAIGO、広瀬アリス、森川智之、根本泰彦、手塚秀彰、甲斐田裕子、岡寛恵、中尾隆聖、田中正彦
(スタッフ)
監督・製作・脚本:クリストファー・マッカリー
製作:J・J・エイブラムス、トム・クルーズ
上映時間148分
http://missionimpossible.jp/sp/

2018年8月9日
movix倉敷
★★★★



「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」

故人のドキュメンタリーなので、証言と白黒フィルムと写真がずっと続く退屈なものになるかと危惧していたら、編集が上手く、しかも熱を帯びていて、まるで1人の半生を描く伝記映画のようだった。つまり、一つの事件が起きると、興味を引くようにカメジローの心情を日記等を使って描き、それを受けるように証言を入れて他人視点を入れてゆく。これはエンタメ小説の描き方だ。カメジローを主人公にNHK大河ドラマを作れば、それはそのまま戦後の日本を照射することになるだろう。彼の人生はかっこいい。刑務所に入れられて、数日のうちに刑務所の暴動を治め、病気で見殺しにされそうになり、出所の時には大勢の人に迎えられ、その日のうちに数万の歓迎集会で演説をする。正に映画になる、小説になる。私が力あるプロデューサーならば絶対作ります。即ち何が言いたいかというと、退屈しないいいドキュメンタリーだった。


「カメジローは神様のようだった」複数人が証言する。占領下の沖縄で、カメジローを聞くだけのために十万人が複数回集まったのは、今の沖縄の結集率さえ本土の我々にとっては驚嘆以外の何物でもないのに、凄いというしかない。本人のカリスマ性は、もっともっと掘り下げていい。映画やドラマがダメならば、腕のいい小説家がエンタメ小説を書かないだろうか?つまり、こういう映画や小説が日本で広く読まれないことが、日本の不幸なのだと私は思う。


「不屈」の言葉は、どのような経緯で那覇市庁舎に刻まれたのだろうか?今度行った時には是非訪ねてみたい。カメジローの生涯はまさに不屈な生涯だったが、娘さんが「カメジロー本人は沖縄こそが不屈なのだ、と言っていました」という言葉がとても印象的だ。元気な頃の翁長知事が何度も県民集会に姿を現す。翁長知事はカメジローほどのカリスマ性はなかったかもしれない。けれども、沖縄のカリスマ性は受け継いでいた。県知事選挙、頑張るしかない。カメジロー、翁長と続いた不屈の精神を沖縄は、今度も体現するに違いない。連帯支援していきたい。

(解説)
本作は、「筑紫哲也NEWS23」でキャスターを務め、筑紫哲也氏の薫陶を受けた 佐古忠彦 初監督作品。作品の主旨に共感した 坂本龍一 による、オリジナル楽曲書き下ろし。さらに、語りには、名バイプレイヤー、大杉漣 が参加。

アメリカ占領下の沖縄で米軍に挑んだ男、瀬長亀次郎のドキュメンタリー映画。なぜ、沖縄の人々は声を上げ続けるのか、その原点はカメジローにあった━。

第二次大戦後、米軍統治下の沖縄で唯一人"弾圧"を恐れず米軍にNOと叫んだ日本人がいた。「不屈」の精神で立ち向かった沖縄のヒーロー瀬長亀次郎。民衆の前に立ち、演説会を開けば毎回何万人も集め、人々を熱狂させた。彼を恐れた米軍は、様々な策略を巡らすが、民衆に支えられて那覇市長、国会議員と立場を変えながら闘い続けた政治家、亀次郎。その知られざる実像と、信念を貫いた抵抗の人生を、稲嶺元沖縄県知事や亀次郎の次女など関係者の証言を通して浮き彫りにしていくドキュメンタリー。

JNNだけが持つ、当時の貴重な資料映像の数々をふんだんに盛り込んだTBSテレビが本気で製作した映画が遂に公開。

2016年TBSテレビで放送されたドキュメンタリー番組が、第54回ギャラクシー賞月間賞を受賞するなど高い評価を得ており、映画化を熱望する声を受けて、追加取材、再編集を行って映画化。沖縄戦を起点に、今につながる基地問題。27年間にわたったアメリカの軍事占領を経て、日本復帰後45年が経っても、なお基地が集中するなか、沖縄の人々が声を上げ続ける、その原点…。それは、まさに戦後の沖縄で米軍支配と闘った瀬長亀次郎の生き様にあった。JNNだからこそ保存されていた貴重な未公開映像やインタビュー、そしてアメリカ取材を交えて描き切る。

2018年8月19日
岡山市文化センター
★★★★



「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

ビターズ・エンド配給らしく、予想とは違った。ハッピイエンドではないラスト。けれども、足立紳脚本らしく、爽やかなラストになっていた。


足立紳は「百円の恋」以来精力的に脚本を書いている。全てメジャー系の映画ではないが、今のところ大当たりはないものの外れがない。これは素晴らしいことだ。菊池のように、しゃべりすぎて浮いてしまうことがないよう、がんばってほしい。


足立紳は今のところ「不遇時代をなんとか挽回しようとする」主人公ばっかしを描いている。けれども、今回のもう1人の主人公志乃ちゃんは夢は「普通の高校生」というものだ。ここに出てくる「コンプレックス」を持っている3人は、みんな「空気が読めない」或は「空気に溶け込めない、溶け込みたくない」高校生ばっかしだ。そういう意味では、私もそうだった。高校生の時に連むことが苦手だった。社会人になっても、みんな車の話をするのが意味わかんなかったし、人事情報を気にするのが意味わかんなかった。けれどもそのおかげで‥、あ、まあいいや、展開し出すと墓穴を掘ることに気がついたのでここでやめるが、だから、ここの登場人物たちの悩みはそれぞれ真剣なのだが、多くの人には共感できるものだ。志乃ちゃんの吃音の会話を何度も何度も、言いたい事はわかるでしょ、予想できるでしょ、と聞いていると、監督はそれでも時間をかけてゆっくりと描く。結果、描いている事は単純なのに、いつの間にか2時間近くがあっという間に過ぎる。

クライマックスは、想定内の展開にせずに、ああいう展開にしたけど、その中の予想外の言葉、「言えないから自分の気持ちを他の言葉で誤魔化していたのは、私」、えっ⁉︎そうだったの‼︎ その他いろんな部分をそう見ることでまた違った風景で見える作品である。


(解説)
不器用な二人の小さな一歩。
悩みもすべて抱きしめて世界はかすかに輝きだす。

高校一年生の新学期。喋ろうとするたび言葉に詰まってしまう志乃は、自己紹介で名前すら上手く言うことが出来ず、笑い者になってしまう。ひとりぼっちの高校生活を送る彼女は、ひょんなことから同級生の加代と友達になる。ギターが生きがいなのに音痴な加代は、思いがけず聴いた志乃の歌声に心を奪われバンドに誘う。文化祭に向けて不器用なふたりの猛練習が始まった。コンプレックスから目を背け、人との関わりを避けてきた志乃と加代。互いに手を取り小さな一歩を踏み出すが――。
あの頃、誰もが抱いた苦悩や葛藤。戻れないからこそ現在を照らしてくれる、つたなくて、いとおしい日々。胸を打つラストに涙溢れる、傷だらけでまぶしい青春映画の傑作が誕生した!


全世代が感動、共鳴した
押見修造・人気コミック待望の映画化!
気鋭監督・湯浅弘章×脚本・足立紳(『百円の恋』)が瑞々しく繊細に描く

思春期の少年少女をモチーフに、独創的な作風で「惡の華」「ぼくは麻理のなか」等の傑作を生みだしてきた人気漫画家・押見修造。自身の体験をもとに描いた代表作「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」は、発表と同時に幅広い世代の読者を感動の渦に包み、大きな反響を呼んだ。待望の映画化でメガホンをとったのは、本作で満を持しての長編商業映画デビューを果たす気鋭・湯浅弘章。脚本を『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞など数々の賞に輝いた足立紳が務め、瑞々しい映像と繊細な脚本で十代の揺れ動く心の機微を映し出す。また、物語の舞台となる90年代の音楽シーンをリードした、ザ・ブルーハーツ、ミッシェル・ガン・エレファントなどの楽曲も登場、物語をエモーショナルに彩る。


注目を集める十代の実力派女優 南沙良×蒔田彩珠 ダブル主演!

本作では、次世代を担う同年齢の実力派女優がダブル主演を務める。志乃を演じるのは、現役モデルにして『幼な子われらに生まれ』に出演、女優としても注目を集める新星、南沙良。加代を『三度目の殺人』やドラマ「anone」などでの高い演技力が記憶に新しい、蒔田彩珠が熱演。思春期、真っただ中の二人が観る者の心震わす体当たりの演技をみせる。更に、志乃と加代の同級生・菊地を『帝一の國』『あゝ、荒野』と話題作への出演が続く萩原利久が演じるほか、奥貫薫、山田キヌヲ、渡辺哲ら、ベテラン俳優陣が脇を固めている。
http://www.bitters.co.jp/shinochan/sp/
2018年8月19日
シネマ・クレール
★★★★







最終更新日  2018年09月15日 12時47分17秒
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2018年09月14日
テーマ:ニュース(78807)
カテゴリ:平和運動
「平和新聞9月5日号」のトップは、9月13日告知、9月30日投票に決まった沖縄知事選の候補に、玉城デニー氏が出馬表明したこと。玉城氏は、翁長知事の遺志を継ぎ、辺野古阻止貫徹を誓う、「平和で真に豊かな誇りある沖縄を」実現するために決意を固めた。玉城デニー氏を支え勝とう!という内容です。詳しいことは、のちのち書くかもしれませんが、今回紹介するのは、それとは違い、中見開きの特集です。



「CV22オスプレイ横田正式配備 特殊作戦の拠点化許すな」

平和新聞は、超マイナーな新聞なので(購読してもらいたいけど)、要点だけ紹介します。特に関東圏・甲信越の人たちにとっては他人事ではないのですよ。知っていますか?いや、この前も岡山の街の上空を戦闘機が通りました。日本全土何処でも他人事ではないのです。

在日米軍は、すでに海兵隊普天間基地(沖縄県)に配備している24機に加えて、空軍横田基地(東京都)に新たにCV22の5機を正式配備することを発表しました。計画の「2年前倒し」です。
(1)これで「事故を起こしまくっている(表参照)オスプレイ」墜落事故の危険を日本全土に拡大しました。昨年12月に沖縄名護市で起きた海岸「墜落」事故は、あと1分遅ければ住宅に突っ込むものでした。

(2)CV22はMV22と同型機ですが、他国に侵入する秘密作戦や暗殺・拉致などの任務を遂行するため、MV22にはない「超」低空飛行用の地形追随装置を搭載しています。米軍機の低空飛行訓練は日米合意で150mが下限とされていますが、これを下回る訓練を横田基地周辺や長野、群馬、栃木、新潟の上空で行う予定です。特殊任務作戦訓練なので、MV22よりも事故の危険性は高いのです。
(3)一国の首都(東京都)が、外国(米国)の特殊作戦の出撃基地になるのです。2015年には、米軍特殊部隊がCV22オスプレイを使ってシリアに潜入し、ISの幹部を殺害し、妻を拉致する秘密作戦を強行しました。横田基地で行われるこのような訓練は、「日本の防衛」とはまったく無縁です。沖縄の例を考えると、横田が出撃基地になるのは目に見えています。このような事態は、世界のどの国にもありません。このような部隊を唯々諾々と受け入れる安倍内閣の異常性は、世界の中でも際だっています。

横田基地でのCV22機の離発着訓練は、4月から平和委員会が監視し、7月から突然多くなって、8月末に既に362回を数えます。既に中学校にパラシュートが落下する事故が起きている。

国民はどうするべきか。私の思うには、
(1)「沖縄の問題は、全国の問題」と日本国民が自覚して、沖縄県知事選の必ずの勝利を勝ち取る、そのための最大限の支援をすること。
(2)初めての人を含めて、反対集会に参加すること。10月27日に、福生市の多摩川中央公園で行われる「横田基地にオスプレイはいらない!10・27東京大集会」に足を運ぶこと。
(3)今年中に発議しようとしている、安倍の執念改憲策動を打ち破るためには、改憲反対3000万人署名活動に参加すること。

伊藤千尋さんが言っているように「15%の国民がいっせいに目立った行動を起こせ」ば、必ず世の中が変わります。沖縄県知事選に参加し、集会に参加し、署名活動に参加する。その数が、2000万人に近づいたときに、必ずこの異常事態が終わる。選挙で勝つ必要はない、というよりか、その時には選挙結果自体も変わっているだろう。要は諦めないことだ。






最終更新日  2018年09月14日 07時44分50秒
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2018年09月12日
テーマ:本日の1冊(2840)


「四人組がいた。」高村薫 文芸春秋社

奇々怪々の作品である。高村薫の新作小説をずっと待ち続けているファンは多い。私もそうである。なのに、私は図書館の片隅にこの本を見つけるまでの4年間、その存在を知らなかった。何度か新作をチェックしたと思うのだが、何故かその時Webに載らなかったとしか思えない。世の中も話題にしていなかったので、私の情報収集が劣っているというわけでもなさそうだ。

この作品は、何か秘術が使われて、あまり世間に出回らないようになっているのではないか。何故ならば、この12篇の連作短編集は、まるで存在そのものが「在るのに無い」という性格を持たされているからである。則ち、12編とも題名の上に「四人組」を冠していて一見典型的な農村の、元村長、元助役、郵便局長、キクエ小母さんという暇を持て余した四人組老人たちを主人公とした日常を描いているのかと思いきや、実はこの四人組がとんでもないものたちだったという構造があるのかと思いきや、実は農村自体がファンタジー構造に組み込まれていると分かる後半部分でだいたいこんなんだと思った途端、最後は筒井康隆の如く日本の地方問題が批判的に描かれハチャメチャになって絶望的カオスに進んで終わりと思いきや、なんと神仏含めて世界は凡そ事も無しと進み「正体」が一向に現れないのである。色即是空。空即無、無即空也。

私はこの題名を見た時に「やった!レディ・ジョーカーの元作「日吉町クラブ」の単行本化か!」と密かに思ったのものである。が、紐解いて、あまりものギャップに、声が出なかった(読書中そもそも声は出さないが)。まあ、高村薫小説世界の王道たる「太陽を曳く馬」も「冷血」も「土の記」も、まだ未読の私に「何をか言われんや」とは思う。






最終更新日  2018年09月12日 07時38分26秒
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2018年09月11日
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「きのう何食べた?」(1ー6巻)よしながふみ 講談社KC

何気なく使えるレシピを探して読み始めたら、家族用ではなく、一人暮らしか2人暮らしにピッタリのレシピが毎回載っていることに加えて、ゲイの2人暮らしの実態を大げさではなく、何気なく描いていて、長期連載になっていたことが理解できた。

イケメン40代弁護士のシロさんが、2人で食費2万5千円にこだわっている。此処に出てくる野菜の底値が、私にはあまりにも安い気がする。しかも、毎日スーパーに行かない限りにはこの底値に出会えない(一応地域の激安店らしい。しかし地方の私の周りのスーパーでも滅多に出会えない値段)。しかしそうやって作っている料理なので、生活感ありありなのである。それに、必ず毎食4品作っている。はっきり言って、女性でもそんなに丁寧に作らんやろ。それに(が多いが)料理は、かなり上級なので使えそうで使えない。それでも、6巻目のヒジキのトマト煮や、キュウリのピリ辛和え、焼きナスなどのレシピは、写真に撮って携帯に保存した。






やっと6巻まで読んだのだが、実際は青年誌「モーニング」に14巻まで続いていて、1巻の時は2007年で43歳だったから今は54歳ということになる。ゲイの生活史までになった連載がなぜつづくのか、次回はその辺りを読んで行きたい。​​






最終更新日  2018年09月11日 07時53分55秒
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2018年09月10日


「健康で文化的な最低限度の生活 7」柏木ハルコ 小学館

今回は理性的で知性的で、けれどもまだ新人2年目の栗橋さんが主人公。子どもの貧困編に突入。アルコール依存症編と同じく、一巻では終わらなかった。一巻で終わらすスタイルでは無理がある、ここまで読んでくれたら固定読者は逃げないだろう、等々の編集者の判断が透けて見えるが、まあその通りでしょ。

ここまで読んできた読者はわかるだろうが、受給者は決して善良な弱者然としては現れない。けれども悪人でもない(場合がほとんどだ)。しかも、子どももいる。先ずは「命」、そして「安全」、そのあとに「思い」を聴いてゆく。ホントに経験値が必要な職業である。この親子のように手続きをしても、逃げて行方不明になった人もいるだろう。他の理由だけど、そういう人を私も知っている。でも役所としては諦めずに必要なことをして欲しいとは思う。ケースワーカーさん、ホントにお疲れ様。

巻末の「教えて半田さん」では、世の中で誤解のある二大質問に答えていた。多くの国民は貧困層の半分以上が生活保護を受けていると思っている。「困窮した要保護状態にあるのに、実際に利用出来ている人の割合、捕捉率は2割程度」という割合を世の中は知らない。これは欧州の捕捉率の6ー9割と比べると、相当少ないのである。日本は「与え過ぎている」のではない、「まだまだ」なのだ。「でも、生活保護の予算がこのまま増えていくと、財政破綻するのでは?」というよくある疑問に半田さんはこう答える。「海外の生活保護費と比較するとわかるのですが、日本のGDPに占める割合は極端に低いんです。また、支給された生活保護費も国内消費として循環していくことを考えると、財政への影響を予算面だけで非難するのはおかしいのではないでしょうか(私注…これは貯金や海外投資に回る可能性のある賃金アップと比べても、必ず国内消費に回るという意味でも効率の良い公共投資ではないでしょうか。更に言えば、防衛費の5兆円は、安倍内閣になって右肩上がり。これこそ、削減するべきではないか?)。それに、そもそも生活保護費は国民の命を守るための支出。財政問題を理由に引き下げるという考え方は「最後のセーフティネット」である生活保護の捉え方として、根本的に間違っていると思います」全く同意である。

2018年9月読了






最終更新日  2018年09月10日 08時23分40秒
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2018年09月09日
テーマ:本日の1冊(2840)
カテゴリ:水滸伝


「盡忠報国 岳飛伝・大水滸読本」北方謙三編著 集英社文庫
私は確かに​最終巻に於いてこうお願いしておいた​。「集英社さん!「読本」は出すんですよね⁉︎お願いしますよ!その時は、シリーズを通しての年表と地図をお願いします!」遅れたが読本は出た。一応年表も地図もついている。だから先ずは感謝の辞を述べておく。その上で大きな声で非難したい。私が言ったのは「シリーズを通しての年表と地図」である。大水滸読本と冠している以上は、岳飛伝年表と地図では不足なのは明らかである。私のイメージしていたのは、楊業の吹毛剣獲得の頃から始めて、上に小説上の出来事、下4分の1は中国の正史を載せる。というものである。それが揃って、大水滸伝を多重的に読み直す事ができるだろう。地図は簡単だ。51巻まで作ってきた地図を全て載せればいい。年表は今までの蓄積があるから、編集者にとっては他の駄文を書く時間を省けば簡単だろう。そんなページ数は無いって?冗談は止して貰いたい。山田某という編集者が、今回はページ数が足りなかったので、わざわざ自分の書いた妄想を新たに50ページも書き下ろして、(本篇よりも120円近く高くして)作ったと言ってるじゃないか。私は「怪文書」なるものもホントに妄言であって必要なかったと思う(それを入れれば73pも空きが出来る)。私は99%は異論があると思われる人気ランキングベスト10なんぞも要らなかったと思う。

ただ読み損なっていた、著者が既に亡くなっていた好漢たちに会いに行く「やつら」は、素晴らしかった。いやあ全篇読み応えがあったと思う。特に朱貴の饅頭の秘密が分かったのは良かったし、石勇が知られざる自分の過去を聴いてそして落ち込んでいる場面、扈三娘が著者に聞いた意外な事、著者に自分が死んだ時に弔い酒を飲んでいなかったと告白させた李袞、宋江への想いを正直に語った宋清、等々はとても面白かった。

ひとつ、この本を読んでとっても驚いたことがある。テムジンが胡土児の隠し子であるとかの身も蓋もない展望のことではない。著者が元々構想していた「岳飛伝」では、ある人物に吹毛剣が渡り、その人物が岳飛を切って終わらす予定だったという。ところが、その人物は早々に死んで仕舞ったので胡土児に渡ったらしい。誰なのか?どう考えても出てこない。岳飛を切る事が出来て早々に死んで仕舞った人物?梁山泊第一世代ならばみんな資格があるけれども、老人に岳飛を切らすのか?南宋にそんな人物はいなかったはずだ。李師師?物語がムチャクチャになる。辛晃か?あまりにも小物だ。金国には?ウジュは最後まで生きていた。他には人物はいない。蕭炫材?1番資格があり、話も繋がるけれども、まだ生きているじゃ無いか。蔡豹?蔡豹なのか?でもどうして?ともかく、大きな謎だ。






最終更新日  2018年09月09日 08時40分13秒
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2018年09月08日
テーマ:本日の1冊(2840)


「DAYSJAPAN2018年9月号」
表紙はカナダ、オンタリオ州のスミスフォールズにある施設で栽培される大麻草。2018年1月4日。Photo by Reuters/Aflo

特集は、この10年合法化が世界中で急速に進んでいる医療大麻の世界。日本は戦後「ダメ、ゼッタイ」のもとに厳しい規制が続いている。その政策に「異議」を唱えるものである。てんかんの治療や、重度自閉症などに目覚ましい効果を見せたレポートと、医師の林真一郎氏の談話等を載せる。

ここに書いていることが、全て真実ならば、確かに命を守るという視点で、あるべき薬効が試されないというのは不合理であると、私も思う。

しかし、ここまできちんと特集していて、読者の多くが頭に掠ったあの「事件」に、一言も言及していないのは、編集者の世間を見る目が鈍っていると思わざるを得ない。普通の人は「医療大麻」という単語を聞くと、必ず「高樹沙耶逮捕事件」の事を思い出す。あの事件を「どのように位置づけるべきか」という物差しが無い限り、読者は友達に「医療大麻って必要らしいよ」などとは決して言えないだろう。林先生などにとっては語るに値しない事かもしれないが、これが「世間の知識水準」というものである。ということで、非常に残念な特集だった。

広河隆一氏のレポート、「大逆事件」と高木顕明は、個人的に大変興味深かった。近代日本思想史にとって、大逆事件は大きなエポックメイキングである。今回は和歌山グループを訪ねる紀行文みたいになっている。いつか訪ねる時には大いに利用したいと思う。高木顕明の名誉回復だけではいけない。という一部大谷派の反省は、たいへん重要なものです。もう一度、その大谷派に右か左かを選択させる時が近づいている気がしてならない。






最終更新日  2018年09月08日 10時08分50秒
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