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再出発日記

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2021年03月07日
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カテゴリ:洋画(12~)
2月に観た映画は10作品でした。毎年そうですが、2月は比較的力作が多い。3回に分けて紹介します。



「また、あなたとブッククラブで」

まさかキッカケが「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」だったとは!三部作なので、3ヶ月は熟女たちのお楽しみが続くというわけだ。アメリカでも、半分エロ本という位置付けだということを改めて知ったし、文庫本は無いのね、とかブックカバーはしないのね、とか習慣が面白い。

日本では映画の続編は来なかったとおもうので、結末がどうなったのか知らない。50通りの愛の方法を試した後に、どうやらホントの愛を知ったような雰囲気。

読書会が羨ましい。料理は最後はなかったけど、必ずワインは出てくる。知的女性の励ましだったんだろうな、と思う。シャロン判事の飼い猫の名前がギングス・バーグだというのは、当然BGへのリスペクトだろう。

ダイアン・キートンお相手のアンディ・ガルシアやキャンデス・バーゲンお相手のリチャード・ドレイファスが久しぶりで嬉しかった。Cバーゲンの太ったこと!でも変わらず綺麗だ。ジェーン・フォンダはちょっと衰えが目立つ容姿にはなったけど、未だラブコメできるのだから凄い!メアリー・スティーンバージェン(バックトゥーザフィーチャー3)が1番格が落ちるのかな?

終始笑いが絶えない、とっても楽しい作品であり、熟女・熟男応援作品としても佳作。あゝ、あんな風に誘って、初めてのデートではこんな粋な台詞が言えたらいいなと思わせるに十分な学習作品の役目ももつ。


INTRODUCTION
北米でマーベルの大作映画に次いで初登場3位の大ヒットを記録した話題作がいよいよ日本公開!
D・キートン、J・フォンダ、C・バーゲン、M・スティーンバージェン全員がアカデミー賞、
ゴールデングローブ賞受賞の豪華女優たちによる夢の初共演!
70~80年代にかけてアメリカ映画の礎を築き、今もなお、衰えを知らない輝きでトップを走り続ける名女優たち4人の初共演で話題を呼んでいる本作。
『アニー・ホール』(77)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したダイアン・キートン、『コールガール』(71)、『帰郷』(78)の2作品でアカデミー賞主演女優賞を受賞したジェーン・フォンダ、TVドラマ「TVキャスター マーフィー・ブラウン」(88-98)でエミー賞とゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞したキャンディス・バーゲン、『メルビンとハワード』(80)でアカデミー賞助演女優賞およびゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞したメアリー・スティーンバージェン。4人全員がアカデミー賞またはゴールデングローブ賞を獲得しており、その女優としての輝かしいキャリアと功績は言うまでもない。

本作の撮影当時、彼女たちの実年齢平均は72歳。確かな演技力とカリスマ性はもとより、そのあふれんばかりのバイタリティ、そして年齢と共に積み重ねてきたナチュラルな美しさがこの作品にとびきりの華やかさをもたらしている。
夫に先立たれ未亡人となり子供たちには年寄り扱いされるダイアン、会社社長であり独身貴族を貫く性に奔放なビビアン、裁判官として活躍しながら過去の離婚の痛手から立ち直れないシャロン、仕事を引退し活力を失った夫との結婚生活の危機に直面しているキャロル。それぞれに都会的で自立した人生を謳歌してきたものの、あれこれと悩みは尽きることがない。そんな旧知の4人の友情関係は、定期的に開催される「ブッククラブ」で培われている。いわゆる読書会ではあるものの、実際はワインや食事を楽しみながら互いの近況をおしゃべりする、いまどきの「女子会」のような場だ。そんなある日、ビビアンがお題本に提案したのは世界的大ヒットの官能小説「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」。はじめは難色を示したメンバーも、読み進めるうちにその刺激的な内容に徐々に感化されていく・・・。

監督は、これまで数々の作品で製作・脚本として携わり、本作で長編映画監督デビューとなるビル・ホルダーマン。43歳という若さで、ベテラン女優陣の見事なアンサンブルを撮り上げた。また、ダイアンの新しい恋人でイケメンパイロットのミッチェルには『ゴッドファーザーPART3』(90)のアンディ・ガルシア。ビビアンが40年ぶりに再会を果たす元彼アーサーにはTVドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」のドン・ジョンソン、シャロンがマッチングアプリで出会う紳士ジョージには『陽のあたる教室』(95)のリチャード・ドレイファス。メアリーの夫ですっかり生きる活力を失ってしまったブルースには『ポルターガイスト』(82)のクレイグ・T・ネルソン。豪華女優陣を盛り立てながら、しっかりと存在感を見せつけるベテラン俳優陣が脇を固めた。
人生の後半を迎えた女性たちの「恋と悩みと友情」を痛快なテンポで描いた本作は、ただ一度観るだけで生きるエネルギーがフルチャージされる可笑しみと歓びに満ちている。そして、「わかる!わかる!」「ある!ある!」な共感性の高いエピソードがデトックス作用となり、鑑賞後は年を重ねていくことに前向きになっている自分に出会えるはず。自分を変えるきっかけはどこにでもある、人生の新章はいつだって始められる。私たちの毎日にワクワクとトキメキを添える秘訣を教えてくれる1作。北米で興収70億円の大ヒットを記録した話題作が遂に日本に上陸する!


STORY
旧知の女ともだち4人の恒例行事「ブッククラブ」。
そこで出会った1冊の本が、彼女たちの人生の第二章に輝きをもたらす――。
40年連れ添った夫を亡くしたダイアン(ダイアン・キートン)。恋愛感情無しでの複数の男性たちとの関係を楽しんでいるビビアン(ジェーン・フォンダ)。未だに何十年も前の離婚に苦しんでいるシャロン(キャンディス・バーゲン)。35年を経た結婚生活の危機に直面しているキャロル(メアリー・スティーンバージェン)。長年の友人である4人は、それぞれのライフキャリアを築き、各々の悩みを抱えながらも、読書にいそしむブッククラブを定期的に開催して交流を続けていた。ある時、お題本に選ばれたのは官能小説「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」。彼女たちはそのスキャンダラスかつ刺激的な1冊にたちまち感化され、悩ましい日常を忘れて、恋にロマンスに気持ちも行動も大胆になっていく。そして、代わり映えしなかった日常に大きな変化が生まれる。

2021年2月1日
シネマ・クレール
★★★★


「ストレイ・ドッグ」

復讐か、贖罪かー。
激情と哀切が女刑事の身も心も焼き尽くす、
衝撃のネオ・ノワール。

復讐も贖罪も、なんだろうな。
女優というのは、ここまで顔を変えて貶すことができるのか。ストーリーもそうだったが、表情もアカデミー級の演技だったが、この顔が、終始17年間の復讐と贖罪を表していた。


ニコール・キッドマンの女優魂を脳裏に刻むためにも見ておきたい一作。
脚本的にも、まさかの叙述トリックを仕掛けており、やられたと思った。
ストーリー的には、全く単純なお話ですが、過去と現代を繰り返すやり方で最後まで観させる。
監督は日系女性監督カリン・クサマ。最後は失われた家族を取り戻すために、罪を被った女刑事は橋を渡ったのである。どうやっても、アメリカ映画は、最後は家族なのである。

見どころ
『インビテーション』などのカリン・クサマがメガホンを取ったフィルムノワール。過去の潜入捜査の失敗に今もとらわれている刑事に迫る。『ラビット・ホール』などのニコール・キッドマンが主人公を演じ、『猿の惑星』シリーズなどのトビー・ケベルや、『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』などのタチアナ・マズラニーらが共演。ニコールは銃撃戦などのアクションにも体当たりで挑み、本作で第76回ゴールデン・グローブ賞女優賞(ドラマ)にノミネートされた。

あらすじ

17年前、ロサンゼルス市警の刑事エリン(ニコール・キッドマン)は、 FBI捜査官のクリス(セバスチャン・スタン)と共に犯罪組織に潜入するが失敗。彼女はそのトラウマから酒に溺れるようになり、今では同僚や元夫、16歳の娘も寄り付かなくなり、孤独な日々を送っていた。あるとき、エリンは紫色に染まった1枚のドル紙幣が入った差出人不明の封筒を受け取る。

キャスト

ニコール・キッドマン(エリン・ベル)
トビー・ケベル(サイラス)
タチアナ・マズラニー(ペトラ)
セバスチャン・スタン(クリス)
スクート・マクネイリー(イーサン)
ブラッドリー・ウィットフォード(弁護士ディフランコ)
トビー・ハス(FBIローソン捜査官)
ジェームズ・ジョーダン(トビー)
ボー・ナップ(ジェイ)
ジェイド・ペティジョン(シェルビー)

2021年2月1日
シネマ・クレール
★★★★


「ヤクザと家族 The Family」
令和のヤクザ映画が完成した。暴対法のもとで、ヤクザ映画は、変わりゆく衰退産業として描くしかない。

舘ひろしの啖呵と14年後のか細い声のギャップに、流石だと思わせる。もはや綾野剛は「見得」を切らない。しかし、精神は未だ昔の義理と人情のヤクザ映画であり、組は家族という意識が僅かに残っている。

主役が退場した後に、この映画で最大の見せ場がやってくる。実は昔の邦画や日本の伝統的な物語は、このような仕組みが多かった。ラストからエンドロールの主題歌に至るまでの湿っぽい演出は、作品の欠点でもあり、最大の長所だろう。外国では通用しないけど、未だ日本では通用して欲しいと切に思う。何故なら、ここに「弱者に寄り添う」日本人の、最大の特徴が現れているからである。

磯村勇斗、小宮山莉渚は、このラストのためだけでも映画史の記憶に残りそうだ。藤井道人監督、一昨年から今年にかけての怒涛の作品ラッシュ。侮れない。

(STORY)
1999年、覚せい剤が原因で父親を亡くした山本賢治(綾野剛)は、柴咲組組長の柴咲博(舘ひろし)の危機を救ったことからヤクザの世界に足を踏み入れる。2005年、ヤクザとして名を挙げていく賢治は、自分と似た境遇で育った女性と出会い、家族を守るための決断をする。それから時は流れ、2019年、14年間の刑務所暮らしを終えた賢治だったが、柴咲組は暴力団対策法の影響で激変していた。
(キャスト)
綾野剛、舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、菅田俊、康すおん、二ノ宮隆太郎、駿河太郎、岩松了、豊原功補、寺島しのぶ
(スタッフ)
監督・脚本:藤井道人
音楽:岩代太郎
主題歌:millennium parade

2021年2月2日
MOVIX倉敷
★★★★







最終更新日  2021年03月07日 21時08分34秒
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2021年03月06日
テーマ:本日の1冊(3290)

「醤油・味噌・酢はすごい」小泉武夫 中公新書

「醤油・味噌・酢はすごい」ことを書いているのではあるが、つくづく小泉武夫はすごいと思う。専門の学者とは言え、日本の三代発酵調味料たるこの3つについては、その歴史・製法・成分・効能・調理法まで凡そこのコンパクトな新書にギュウギュウに詰め込んで出し惜しみすることがない。

下手にネットサーフィンするよりも、この一書を読めば様々な調べ物は用を出すのではないか?とは言え流石に、発酵調味料が「腸に良い」という視点は、この学者には殆どなかった。医者でないので、 最新の病理学は得意ではないのだろう。あと現代風レシピもない。でも、「発酵調味料のおかげで、日本食はこんなにも美味い」ということは大いに主張している。日本全国、世界の発酵調味料は味わい尽くした御方ではある。

私の関心は腸活に関すること、古代の知識に関することなので、そこに限定して参考になった部分を以下にメモする。

〈醤油〉
・塩の土器製塩法(縄文後期〜)は茨城県霞ヶ浦に初現、以後松島、津軽、やがて弥生時代に児島、そして瀬戸内海全体へ、古墳時代に愛知や天草へ。
・醤油は6世紀初頭中国の豆醤(トウジャン)の上澄液の記録が有り。我が国へは仏教伝来(538)共に伝わったと言われているが、弥生時代に肉魚野菜を塩に漬け込んだ「比之保(ひしお)」があり、その保存液を捨てるはずがない(←私もそう思う)。「醤」に「ひしお」を当てたのは、似ているので、一緒にしてしまったのだろう。大豆も縄文時代からあることが、確かめられている。
・醤油1リットルに納豆5包、昆布、ニンニクを混ぜた「納豆醤油」を、小泉武夫は万能調味料として作ってきたという。粘り気のある調味料。気持ち悪いかもしれないが、私は試してみたい。

〈味噌〉
・養老律令(718)によると、調味料は「醢(肉の塩辛)、醤、鼓、未醤、酢、酒、塩」だったという。このうち、鼓は大徳寺納豆に近いもの、未醤が味噌である可能性が高くなった。味噌という漢字は「日本三代実録(901)」に初めて現れる。
・味噌の保健効果は多い。「大豆アレルギーが起きない」「血中のコレステロールを下げる不飽和脂肪酸が多い」「メラニン色素の合成を防ぐ遊離脂肪酸」「動脈硬化を防ぐレチシン」「大腸癌を防ぐ食物繊維」「ビフィズス菌を増やすオリゴ糖」「抗酸化と食品保存効果のビタミンE」「血圧上昇抑制放射線防御効果」「抗腫瘍性と抗変異原性」

〈酢〉
・酢の歴史は酒の歴史と同じ。ブドウ糖から酒が作られて、酒のエチルアルコールから酢酸菌が作用して酢酸ができる。
・奈良時代では既に酢を作るために最初から醸している。
・万葉集巻16に「醤酢に蒜つきかてて鯛願ふ吾にな見せそ水葱のあつもの」→「野蒜を刻んで加えた醤油と酢で鯛を食いたいと思っていたのに、水葵の煮物とは勘弁してくれよ」とある。←かなりのグルメだ!
・食酢の殺菌作用。o-157の様な薬剤に耐性を持つ細菌でも約150分で死滅。
・減塩効果並びに肉魚野菜からカルシウム、マグネシウム、カリウム、リンなどを溶出する力等々がある。
・熟鮓(なれずし)の知恵。保存性、魚臭の消滅、ビタミンの生成、整腸作用。
・酢の保健効果。コレステロール値の低下。糖尿病の予防効果。高血圧症予防効果。肥満の防止(脂肪面積の減少)。骨粗鬆症の予防。疲労の回復。
・食酢の有効摂取量は1日15-30ミリリットル。

←発酵食品博士の小泉武夫さん。現在77歳。これは4年前の書ではあるが、そろそろ身体をご自愛してもらって、無茶な食べ歩きはせずに、発酵食品で健康長寿ができると証明してもらいたいものだ。






最終更新日  2021年03月06日 00時10分39秒
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2021年03月05日
テーマ:本日の1冊(3290)

「新章 神様のカルテ」夏川草介 小学館文庫

「3」の続編である。栗原一止が信濃大学病院に移って2年が経っている。その間、娘の小春も生まれ、病院のチーム医療のリーダーらしくにもなっている。それは慣れたということではない。娘の股関節に異常が見つかる。患者が居るのに大学病院のベッド使用を上司が許可してくれない‥‥。

特に、第四内科の御家老、宇佐美准教授はパン屋と呼ばれ、「一個のパンがあり、10人の飢えた子どもがいる。さて君はどうするか」という譬え話が十八番である。第一話は大した問題にはならなかった。でも、これはその後キツイ選択を一止に求めるだろう。小説内の話ではない、これは優れてコロナ禍のもと現代の問題でもある。つまり「トリアージ」の話であり、この1月日本の何処かでも行われたかも知れず、昨年の欧米では頻繁に実施されただろう。

その予測は、変化球ながら当たらずと言えども遠からず、一止はパン屋と正面衝突する。あの有名な台詞の変化球が生まれる。
「私はパンの話をしているのではないのです。私は患者の話をしているのです」

さて、結果はどうなったか?黙してご覧じろ。


それはともかく、15年前、私は10時間もかけた膵癌手術に立ち会ったあとに、麻酔の副作用でたくさんの幽霊が見える父親に付き添い、大学病院の病室に1週間泊まったことがある。

その難しい手術を担当した若い医師は、今考えると栗原一止と同じ大学院生だったかもしれない。夜の8時に回診に来て、次の日の朝にちょっと見に来たこともある。ボサボサの髪をしていた。「いつ寝ているんだろか」と不思議に思ったことがある。こんな長時間のブラック労働、大変だけど高給取りなんだろうな、と思ったことがある。まさか、大学院生の給与が手取り16万円とは想像だにしていなかった。さらに言えば、病状が少し安定すると、30キロ離れた実家近くの病院に転院せよと言われた。救急車を使ってくれるかと思いきや、自分で行けという。その非常さに当時は恨みを感じたが、本書を読んでこれも大学病院の「ルール」だと悟った。せめて一止のような「患者に寄り添う丁寧な説明をしてくれる医師」だったらよかったのだが、一止がかなり「特別」或いは「変人」なのである。

膵癌は絶望的な癌である。本書の二木さんのように、ステージ4ともなれば尚更である。それなのに、ステージ4の前半だった我が父親は、その後3年も生きた。北条先生は言う。「言ったろ。大学ってのはすごい場所なんだって」今ではあの医師に感謝している。






最終更新日  2021年03月05日 10時54分25秒
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2021年03月01日
テーマ:本日の1冊(3290)

「図書2021年3月号」
表紙は不気味な雲に隠れた不穏な太陽のように思えます。いつもの司修さんならば、私の見立てなどのあっさり斜め上に行くのだけど、今回は正解でした。ただし、今回は「夢」を描いていません。題名は「夢のようなもの」。2005年司修さんは、ネパールに〈太陽と結婚〉する儀式を見に行き、その帰り道、戒厳令封鎖に出逢います。幸いホテルに帰れたのですが、その時の漠とした不安を描いたもののようです。私は、ミャンマーのクーデター、あるいは10年前に「太陽に蓋をするのに失敗」した日本の原発事故も思い出していたのではないかと推測します。

今回は流石に東日本大震災関連の記事が多かったです。そして、異様に面白い記事が多かった。今回読んだのは、司修さん解説含めて16記事中10記事。以下のものです。

「11年目の枇杷」佐伯一麦
「止まった刻を進めるために‥‥東日本大震災十年」山崎敦
「大江山に鬼が出た!‥‥都に疫病を流行らせるもの」高橋昌明
「ラッドリー家の人々‥‥文学を愛する労働者階級の人たち」小川公代
「古びない物語の魅力」松田青子
「もっともらしさ」畑中章宏
「あんぜん対あんしん」時枝正
「水引に張りつめる力」橋本麻里
「不幸な日本国憲法」長谷川櫂

その中で民俗学者・畑中章宏さんの「らしさ」について考えるシリーズ(4)の「もっともらしさ」をピックアップします。

もっともらしさの最たるものは、「神様」のようです。特に日本のそれは顕著です。日本に神像が登場したのは、6世紀半ば仏教の仏像が入ってきて以降です。それまで神は自然崇拝に由来するもので、姿形を持ちませんでした。

けれども、日本人は外来からの刺激を取り入れて「雑種」を作ります。「神仏習合」はそうして起こり、「神像」も作っては見ました。でも、見てわかるように見てくれだけです。神像に仏像みたいな国宝は結局生まれなかった。むしろ、「山神」や「水神」、「道祖神」は、形象化されることなく、文字碑として祀られることが多い。

日本の神のイメージが持つ「もっともらしさ」を、科学の領域で再現させたのが、一昨年末の紅白歌合戦に登場した「AI美空ひばり」でしょう。この「もっともらしい歌の神様」には、日本伝統の慎み深さはなかった。それはおそらく、国民が願ったものではなく、上から作られたものだからでしょう、と畑中章宏さんは推測します。

そういう意味で、手塚治虫の新作もAIで作られているみたいですが、私は失敗するだろうと思います。おそらくこの辺りに「アンドロイドは羊の夢を見るか」どうかの答えもあるのではないでしょうか?







最終更新日  2021年03月01日 23時20分13秒
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2021年02月28日
テーマ:ニュース(90576)
カテゴリ:平和運動

3月16日~27日、日本原基地での米海兵隊の単独訓練が行われます。こうした「訓練」を許すなと岡山県平和委員会や安保破棄実行委員会、県北住民の会は2月28日の午後、ビラ配布活動を行いました。津山市と元美作地区関係者は約10名で津山市一帯、県平和委員会と安保破棄、そして地元平和委員会は8名で奈義地域を配り、奈義町内に500枚を配り切りました。










最終更新日  2021年02月28日 23時34分07秒
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2021年02月27日
テーマ:ニュース(90576)
カテゴリ:社会時評

この間の「新型コロナの科学」という書評を、ほかのサイトでも書いたところ、
ある方からこういうコメントを頂いた。「私は科学に惑わされない。時には勘に頼ったほうがいい」この方はほかのところで「科学とは擬似宗教だ」とも書いていた。
また、ほかの方から、外岡秀俊さんのブログを教えてくれて「科学報道の落とし穴」という論文を紹介された。それを私はみて、「長々と当たり前の事を書いている」から「信頼する人」に「私の中には入らない」と返事したら、気を悪くされたのか、ほかの科学論文を紹介してきた。それを読んで、私は以下の長い説明を書いた。ちなみに、一応誤解は解けたようです。とりあえず、私のコロナ情報に対する態度が、ここに書いているので、紹介するということです。

◯◯さん

もし、◯◯さんの紹介した言論人を「私が人格否定した」ととったと思ったのならば、誤解を与えてしまいすみません。

私は書いたように、外岡さんの主張を「間違っている」と書いたわけではありません。罵詈雑言も投げてはいないと思っています。むしろ正しいことを長々と書いていると表現し、その書き方が気に食わない、だから「私が信頼する」候補にはあげないと書いたのです。(今気がつきましたが、「一般的に信頼できない人」と言ったつもりではありません)

この度紹介してくれているサイト含めて、コロナに関しては日々いろんなところから情報発信されていて、玉石混交です。政府機関も、全く当てになりません。むしろ、政府機関が当てにならないところが、物事を複雑にしています。

私のように、日々コロナ情報を追うこと叶わない人間にとって、web情報やテレビ情報、雑誌情報はあまりにも情報が雑多になり過ぎて避けるべきだと「私は」判断しています(無視しても、ある程度は入ってくる。囚われないということです)。出来るだけ一冊の書物を読むだけにしたい。その一冊を私は「新型コロナの科学」に定めたのです。「本書に全幅の信頼を置く」と書いたのはそういうわけです。決して1人しか信頼しないわけではないのですが、そう軽々に「信頼する人」を決めたくなかったのです。

科学的な根拠を持って情勢を見ること自体は、とても大切だと思います。情報過多だから勘に頼る。或いは宗教を頼りにする、という方向には行きたくないと「私は」思っています。それは宗教が間違っていると言っているのではありません。これは私の「信条」だからです。若い頃から、唯心論ではなく、唯物論の立場に立つと、私は自分の信条を決めています。「神の不在は証明できない」のだから、宗教を否定することはできない。けれども、私は科学の力を信じることに「賭けた」のです。それは「科学を宗教にしていることと同じだよね」ということではありません。時々かなり厳しい判断をしますが、私は自身の責任で未来に賭けているのです。言うなれば、須藤凛々花と同じような決心です(^ ^;)。話がずれました‥‥。

山中伸弥さんの主張は世界基準である。
黒木登志夫さんの本書の内容も世界基準である。

この1年間のコロナ情報に接していて、私はそう思いました。(例えば、台湾やニュージーランド、ドイツの指導者を高く評価して、日本やトランプ、スェーデンを評価しない態度、PCR検査を拡充することが感染防止の基本であるということ)それらを見ながら、私はこの本を「基準」にしたいと思っています。もちろん、間違っていることも書いているかもしれない。でもそれは後で検証する姿勢が本書にはある。科学的な態度とは、そういうことです。

せっかくのおすすめしてくれたサイトなので、ざっとは読みましたが、そういうわけで「信頼する」候補には入りません。

ぐだぐだと長々とすみませんでした。
このように、万が一間違っていないことだとしても、
ぐだぐだと長々と読まされると、嫌になるものです。「わかりやすく書いている」もうそれだけで、その人の基準はかなり高い方だと私は思います。






最終更新日  2021年02月27日 12時28分28秒
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2021年02月26日
テーマ:本日の1冊(3290)

「文藝春秋2021年2月号」

普段は芥川賞なんて直ぐには読まない。今回取り寄せたのは、若い受賞者と私との「距離」を測りたかったから。誤解を恐れず私の経験を書く。

私にも「私流の推し」は「たくさん」いた。いわゆるアイドルに関しては、AKBの数人。2012年、テレビが壊れて2ヶ月間YouTubeを一日3時間から12時間見る生活が続いた。YouTubeは関連動画が次から次へと現れる。やがて周りの同世代の誰よりも詳しくなり、一応「推し」を決めるのは必然だったろう(どの様な熱を持って「推し」てきたかは、「総選挙公式ガイドブック」の2015ー2018を検索してみてください)。

残念ながら、私が推しメンにすると、何故か1-2年後に4人中3人が卒業を決めた(今だに何故なんだろうと思う)。もう1人はアイドルとして不幸になったし、私は推しメンを決めることを止めることにした。うち3人は「事件」が起きて卒業するのであるが、この書と関係ありそうなのは須藤凛々花(りりぽん)の「結婚発言」事件である(説明すると長くなるので知らない方はググってください)。

当時私はマイブログにこう書いている。
(略)ファンを裏切ったと、(本当のファンが言うのはいいとしても)ファンでなかった者が言うのは、良くないと私は思う。AKBに迷惑をかけているのは、その通りだと思うので、卒業するのは一つの選択肢として仕方ない。しかし、秋元康も慰留したそうだし、本当の意味でAKBに迷惑をかけたとは、私は思っていない。私は彼女の哲学者宣言に共感してファンになったのであるから、私が彼女の哲学的行動を貫いたことを応援しこそすれ、非難するはずがない。(略)

さて、本書の主人公の推しのレベルは、私よりも数十倍高い。それは読む前からわかっていた。私なんか一回も握手会に行っていないヘタレファンなので、そもそも比較するのが間違っているのかもしれない。私は当然「推すことはあたしの生きる手立てだった。業だった」とまでは言わない、言えない。私はりりぽんの卒業も引退も淡々と受け止めた。彼女も、上野真幸くんの「ファン殴打事件」を淡々と受け止めた。しかし、流石に最終盤の上野くんの決意を受け止めることはできない。そこに、私と彼女との大きな違いがある。

人は思うかもしれない。私の感情は一般的には「ファン」と言われているものだろ?主人公の「推す」とは次元の違うものだろ?でも私は普通に「推す」という言葉を使っている。確かに彼女とは大きな違いがあるけれども、「推し」を解釈し続けて、応援し続ける感情に大きな違いはない。私自身のイメージは、舞妓を支援する「集団旦那」の更に下っ端という感じ。立派な芸妓になるのを見守っているだけのハイヤーの運ちゃんというイメージです。舞妓が引退して地方に帰っても、ずっと忘れない。この主人公、最後は突発に終わるが、やがては小さな旦那或いは小さな下っ端になるだろうと確信します。彼女は主観的には「命にかかわる」と思っているかもしれないが、私はそうではないと思う。もちろん、一般論として彼女が突発的に死を選ぶ可能性は否定できない。けれども、小説的なラストは、それを否定している。

コロナ禍のもと、AKB商法は完全にオワコンになってしまった(劇場が存続する限りはAKBはそのまま続くが)。けれども「推し」の文化は決してなくならない。なぜならば、平安時代からずっと続いている文化だから。主人公の「推し」は形を変えて続いてゆくだろう。

「推し、燃ゆ」は雑誌全体の1/6にも満たない。後の記事もたいへん読み応えがあった。半藤一利追悼特集で、保阪正康が、『日本のいちばん長い日』の昭和42年の試写会に出席した生残り兵士が「結局、あのことはまだ分かっていないんだな」とつぶやいたことを暴露している。映画を2本見て、本も読んだ身としては大変興味がある。後塵の学究者の奮闘をお願いしたい。






最終更新日  2021年02月26日 15時37分56秒
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2021年02月25日
テーマ:本日の1冊(3290)

「新型コロナの科学 パンデミック、そして共生の未来へ」黒木登志夫 中公新書

日本癌学会会長など日本医療の最前線で活躍してきた専門家から、まとまった解説書が出た。冒頭には、山中伸弥さんから「推薦の言葉」があった。私としては、もうそれだけで本書に全幅の信頼を置く。

とてもわかりやすく、尚且つ鋭い分析だと思う。昨年10月末までのデータがほとんどではあるが、昨年の日本ならびに世界のコロナ対策への評価と問題点抽出は出来ているし、我が意を得たりという気もした。

以下。参考になった部分。

⚫︎「新型コロナウィルスについて知る」
・変異。マイク真木「バラが咲いた」を例に説明。この歌は何故か、遺伝子暗号と同じように三つづつに区切れる、のだそう。
「バラガ サイタ バラガ サイタ アカイ バラガ」
→「バカガ サイタ バカガ サイタ アカイ バカガ」
塩基配列1箇所変異で、大違い。

⚫︎「新型コロナ感染症を知る」
・新型コロナが「無症状者からも感染する」論文が出たのが1月30日。しかし、これは直ぐには認められなかった。2月第二週に疑いのない事例が出て、初めて知られるようになり、きちんと確認されたのは5月初め。日本を含む世界は、この恐ろしい現実を軽視した。
・「感染は本人の責任」と思うのは、五大国の中で日本が突出して多い。アメリカ1.0%、イギリス1.5%、イタリア2.5%、中国4.5%、日本11.5%である。←私の周りの印象では、これよりも%は多いと感じる。言うまでもなく、これは間違った考え方である。

⚫︎「すべては武漢から始まった」
⚫︎黒木登志夫さんのウィルス起源についての考え
・武漢の海鮮市場が、感染拡大のクラスターになったのは確かだが、海鮮市場の動物から感染が始まった可能性は低い。
・武漢ウィルス研究所の実験室からウィルスが外に出た可能性は否定できない。
・新型コロナウィルスが、意図的に人工的に作られたウィルスである可能性はない。

⚫︎「そしてパンデミックになった」
・「超過死亡」によって、見逃されていたコロナ死、医療崩壊により死亡したであろう数も予測できる。米国は3-8月で26万人超過死亡者がいたが、うち8万人がそれだと予測できる。
←日本はPCR検査を絞っていたので、これで見逃されていたコロナ死亡がかなりあるのでは?と思っていたが、黒木さんによると日本では未だ確認されていないそう。何故確認されていないのか?理解できない。
←なお、日本の新型コロナの問題については、黒木さんは10月23日出版の臨調『新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書』を基に書いている。実は、私は昨年この書を直ぐに購入したが、そのあまりにもの分厚さに躊躇していてまだ紐解けていない。今回、見事な先導役を見つけたので、この後紐解きたい。よって、日本問題は多くは省略する。と思っていたが、黒木さんの見解として、日本の対応のベスト10とワースト10を作ってまとめてくれていた。3ページにかけて書いていて、あまりにも長文なので、末尾に載せる。今のところ、私と同意見である。

⚫︎「世界はいかに対応したか」
・コロナ禍は、社会の二重構造、インフラの整備状況、医療のレベル、健康保険の整備状況などを、図らずも明らかにした。指導者の資質も明らかにした。

⚫︎「新型コロナを診断する」
・PCR検査、抗原検査と抗体検査は大きく違う(特に診断の目的)。
・米国CDCではPCR検査試薬に不純物が発見され、2月4日から3月15日まで使用できず、初動に大きな遅れをとった。
・尿からウィルスは検出されていないし、便から感染性のあるウィルスは分離されないので、トイレ理由の感染はない。
・日本の抗体保有率(6月)東京0.1%、大阪0.17%宮城0.03%。一方でスペイン3.7%(調査時の感染者0.46%)
・黒木さんはPCR検査を(1)感染者(2)医療従事者(3)感染リスク者(4)社会の安全・安心に順次広げていこうと主張しているが、現在は(2)までだという。←私は(2)も未だできていないと思う(特に首都圏以外)。一部批判にあるようにPCR検査を広げれば全て解決するとは書いていない。
・60%の集団免疫が安心な基準だとしているが、まだ世界では確認されていない。

⚫︎「新型コロナと戦う医療現場」
・5月末現在、2105人の院内感染者。全感染者の12.4%。院内感染の致死率は20%。全国平均の約5倍。病院も閉めることになるので、医療崩壊の引き金にもなる。
・欧米では死亡の40%が介護施設。日本は13%。日本ではトリアージによって高齢者を差別していない。インフルエンザ対策で、既にマニュアルがあり、1月31日には厚労省事務連絡が出ていて、初動が早かった。

⚫︎「追記」
・ファーザー、モデルナのワクチンの90%以上は、期待以上で、集団免疫も期待できる。明るいニュースだ。


『ベスト10』
(1)国民。国民は、要請レベルにも関わらず、行動を自粛し、マスク着用、手洗いなどを励行した。経済的に苦しい人もよく耐えた。
(2)三密とクラスター対策。初期のクラスター対策は一定の効果をあげた。その分析から生まれた「三密」キャンペーンは、わかりやすく、みんなそれにしたがった。
(3)医療従事者。未知の新型コロナに対して、検査・防護服などが不足しているなか、使命感から、献身的に貢献した。医師会も、コロナ問題に積極的に関わった。
(4)保健所職員。厚労省が保健所負担軽減対策に積極的でないなか、困難な調整と実務を行なった。公務員の責任ある行動として記憶されることであろう。
(5)介護施設。厚労省福祉関係三局は、いち早く介護施設に注意を呼びかけ、介護施設もそれに応えた。日本の死亡者が少ないのは、介護施設の努力によるところが大きい。
(6)専門家の発言。少なくとも、分科会に編成替え前までの専門家は、使命感から積極的に発言し、国民に警笛を鳴らし続けた。われわれも専門家の発言に注意していた。
(7)中央、地方自治体の担当者。医療従事者だけでなく、関係したすべての公務員は、一生懸命仕事した。
(8)ゲノム解析。国立感染研、地方衛生研は、新型コロナウィルスのゲノム解析し、感染の全貌解明と対策に貢献した。
(9)在留邦人救出。政府は感染の危機にさらされている在外邦人を、パスポートの前文の約束を守り、チャーター便により帰国の便をはかった。
(10)新型コロナ対応・民間臨時調査会。この報告書がなければ、コロナ禍のなか、政府内で何が起こっていたのか、どこに問題があったのかを知ることはできなかった。

『ワースト10』
(1)PCR検査。PCR検査の問題は言い尽くした。 コロナと生きる時代に必要なのは、PCR検査の徹底により社会の安全と安心を保証することである。
(2)厚労省。国民を守ることよりも行政的整合性を守ることに重きをおき、融通性に欠けていた。PCR検査では国民に背を向け、裏で政治工作をした。
(3)一斉休校。文科大臣、専門家の意見を聞かずに、安部首相の側近内閣府官僚によって断行された一斉休校によって、教育の現場、父兄の生活は大きな影響を受けた。
(4)アベノマスク。マスクを配布すれば国民の不安は消えますという首相の側近内閣府官僚の進言によって実行されたマスクは、160億円もの税金の無駄遣いであった。
(5)首相側近内閣府官僚。証拠に基づく政策(EBPM)の重要性が言われているなか、彼らは大臣、専門家を無視し、政策を首相に進言した。それを受け入れた首相は、さらに問題である。
(6)感染予防対策の遅れ。3月のヨーロッパ型ウィルスの流入予防対策に遅れをとった。第二波の最中にgotoトラベルを実行し、感染を広げた。
(7)分科会専門家。分科会委員に格下げされてからの専門家は、政府の政策にお墨付きを与えるだけの立場に甘んじてしまった。専門家が正論を言わなくなったら、専門家ではない。
(8)スピード感の欠如。初動態勢から今日に至るまで、すべての対応が遅すぎた。早かったのは、学校一斉休校とアベノマスクだけである。
(9)情報不足。感染情報は非常に限られていた。感染の実態(院内感染者、死亡者数、発症日別統計など)の発表がなかった。政策決定に至る過程も、不透明であった。
(10)リスクコミュニケーション。現状をわかりやすく説明し、質問に応えるリスクコミュニケーションがなかった。国民はテレビの情報番組に頼らざるを得なかった。

←本書の増補版は必ず出るだろう。コロナが終息したと見られる一年後か、2年後か、それとも3年後か。その時、本書と見比べれば、わかりやすい「コロナの総括」になると思う。






最終更新日  2021年02月25日 22時37分33秒
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2021年02月23日
テーマ:本日の1冊(3290)

「新型コロナ 見えない恐怖が世界を変えた」発行所 (株)クレヴィス

昨年8月28日発行。新型コロナの世界各地の写真リポートである。前書き後書きなし。編著者名を明記していないので、おそらく発行社プロデュースの写真ニュース的な緊急出版だと思う。撮影日・場所・状況等の短いキャンプションのみがついている。

それでも、写真だけが見せる異様な記録になっているところが、この未曾有のパンデミックの異様さを証明している。

表紙は緊急事態宣言発令した後の4月18日。まるで早朝の如くではあるが、銀座のSEIKO時計は午後1時前を指している。その他の日本全国各地のゴーストタウン、そしてメルボルン、イラク、モスクワ、ダマスカス、デリー、アムステルダム、パリ、ブリュッセルの無人の街を紹介する。

感慨深いのは、最初の頃の写真だ。中国は確かに公表は遅れた。しかしそれでも、武漢は1月1日に卸売市場を閉鎖し、10日には白い防護服が跋扈し、1月25日にはロックダウンが始まって幹線道路に車一台のみになっていた。この時日本がもっと敏感に反応していたなら、と思わざるを得ない。
※黒木登志夫『新型コロナの科学』によれば、1月12日に中国は新型ウイルスゲノム配列を公表した。中国の隠微体質により2週間公表が遅れたと書いている。どちらにせよ、そのニュースは全世界に伝わったが、日本はまだ水際で止めることができると信じていたようだ。1月18日屋形船でクラスター発生。2月大阪の二つのクラブハウウスでクラスター発生。日本が明確な規制を始めたのは3月24日オリンピックの開催延期が決まった直後だった。25日政府は海外渡航自粛を要請し、小池都知事は週末の外出自粛要請を出した。しかし、それは花見の三連休の終わった後だった。

2月11日、船内に足止めされたダイヤモンドプリンセス号の乗客からシーツに書いた手書きのメッセージが垂らされた。
「船内情報全くナシ TV民放見レズ ガセネタオオシ」
「情報不足しんこく TEL知りたい くすり 」
「報道ありがとう」
汚いものに蓋をする、日本人の汚いところが、この写真にある。

2月24日のリオのカーニバルの人人、人人。3月4日マイアミの浜辺の大賑わい。当然、1人たりともマスク姿はなし。この後、ブラジルとアメリカは世界最大の感染地域になる。数ページを繰ると、多数の墓地の穴、大量の棺桶。

3月16日緊急事態宣言前、品川駅のコンコースをマスクをつけて通勤する人々を写した写真もある。1割ほどはマスクはしていないが、今になって驚くのは、マスクではなくその密度である。リオのカーニバルばりの密度だった。

後半は、さまざまなソーシャルディスタンスの写真が続いている。

見えない恐怖が世界を変えた。






最終更新日  2021年02月23日 07時48分14秒
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2021年02月20日
カテゴリ:洋画(12~)
今月の映画評です。



「家族を想うとき」

 前作「私はダニエル・ブレイク」(2017年カンヌ最優秀作品賞受賞)のときの引退宣言を撤回をしてまでも描いた一作です。ケン・ローチはこの映画評にとって特別な監督です。最多登場なんです(4回目)。そうなったのには、理由があります。彼は生涯一貫して、労働者に寄り添って作品を作ってきたからです。歴史モノを除くと、厳しい現実を描きながらも、監督はいつも最後は希望を描いてきました。ところが、今回はとても厳しいラストになっています。何故なんでしょうか?

 イギリスの地方都市。マイホームを持ちたいと考えているリッキーは、フランチャイズの宅配ドライバーとして働き始めます。そのために、妻のアビーの車を売って、自前の運送車を準備しました。アビーは、バスで移動しながらホームヘルパーの仕事を続けます。子どもといる時間は削られ、高校生のセブと小学生のライザはさみしさを募らせていくのです。

 私も流通業で働いていたことがあるので、分刻みで正確さが求められる仕事のキツさはよく知っています。昼メシ抜きは当たり前。彼は緊急トイレ用のペットボトルを常備します。リッキーは個人委託業者ですが、実際には偽装請負のように仕事の裁量に自由はありません。一回事故を起こせば彼ら家族は破綻するので、ハラハラしながら観ていました。ただ、仕事はキツいだけではありません。顧客との間に交流はあり、やり甲斐もあります。ケン・ローチらしくマンチェスターサッカーチームの話も、炭鉱労働者の話も出てきます。役者は全員ほぼ無名ですが、労働者はみんな優しい。

 体力も神経もすり減らす夫婦に、今度は高校生の息子の問題が被っていきます。前科がつけば、息子の将来に希望はありません。保護した警官は言います。「これから頑張れ。君には人生最高のものがある。君を想う家族だ。今日もお父さんは仕事を放って来てくれた。親として恥をしのんでだ。中にはそんな温かい家族のいない者も大勢いる。だが君にはいる」その言葉は息子にはなかなか伝わりません。最後はホントにこれで終わりなの?という異例の終わり方でした。監督のラスト作品のラストがこれなのか?

 でも、これこそがケン・ローチなのです。日本とまがうような新自由主義イギリス。全てが自己責任にされる。「これでいいのか(怒)」監督の最後の叫びのようでした。
(2019年英国ケン・ローチ監督作品 レンタル可能)










最終更新日  2021年02月20日 18時49分53秒
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