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2017年11月22日
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テーマ:本日の1冊(2587)




「弥生時代人物造形品の研究」設楽博己、石川岳彦 同成社


序文に書いているように、弥生人物造形品の全国の資料の統一的な総合的な研究が、まだない中での労作である。後半に全国の図の資料が載っているのが、とっても分かり易くて貴重。


それでも、私は不満だ。一章を設けて研究すべき論点が幾つかないからである。一つは、なぜ弥生土器の人物造形はほとんどが縄文時代よりもさらに抽象化しているのか。技術がなかったとは言わせない。それが一点。一つは、龍の非常にリアルな顔の造形品が岡山県から出土しているし、龍の紋章はおそらく全国に分布しているはずなのに、一切言及がない。避けたとしか思えない。


注目したのは、やはり分銅型土製品の論考だ。私の知らなかったことが幾つかあった。
(1)顔の表情のあるものから、抽象化に変遷して行く傾向がある。ただ、岡山の中心地域では、抽象化しているが、周辺地域では具象化している。周辺に広がるに従い、より理解しやすい具象性を備えるようになったという説が有力。
(3)用木山などでは、抽象化と具象化が共存していた。
(4)前期に土偶や土版の類例はないことから、分銅型土製品は縄文時代の土偶土版の系譜を引くものではない、という説が有力。しかも大陸にも類例がない。発生はやはり中国・四国の弥生時代中期・後期の特質の中で発生したのかもしれない。
ただし、前期に一つ総社真壁遺跡で、初期抽象型くびれのない土偶が見つかっており、注目されている。
(5)1遺跡から16や33個体も出土する雄町や用木山以外は、一遺跡から一例がほとんど。出土は遺物包含土、土器溜まり、住居跡覆土から。用木山は2/3が住居跡埋め土からの出土で、住居跡床面から一例だけというのもあり、所有形態は個人的なものではなく、集団的所有ではないか。祭具であり、弥生中期に東部瀬戸内地方を中心として打製石包丁が普遍化したのと即応することから、農耕の発展に結びついたものではなかったかと考えられる。墓域からの出土はない。
(6)用木山、さくら山、愛宕山では、同一人物から作られた証拠はない。専門製作集団はいない。
(7)銅鐸祭祀と同時期に発生消滅。
(8)著者は座産の祭祀との関係を指摘している。入墨がないことからも女性だと推測。







私の「子供の顔」説は、一切触れられていない。そもそもあの邪気のない笑顔の意味を、「辟邪」という説に対して、筆者は、入れ墨土偶がそれをになっているので退けているという。論理がよくわからなかった。私は赤ちゃんの顔だとするのが1番説得力あると思う。
2017年11月19日読了






最終更新日  2017年11月22日 10時38分26秒
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2017年11月21日
カテゴリ:カテゴリ未分類
ずいぶん前の番組ですが、やっと録画で見たので。
NHK朝イチ イッセー尾形インタビュー(11.8)


(ホントには現代人を演じたいのに、漱石の一人芝居で明治から演じたのは)現代人というのは、どうしても僕に迫ってこない。典型的なのは、スマホに目を落としているから、直感的な、目の窓が見えないんですね。(そういう姿は)パロディにはなるかもしれないけれど、なんかつまんない。もっと本質的な肯定的なものを掴みたいですね。それは「生きる力」「生きている力」です。(明治時代の人たちには)欲望を隠していない。そういうものにもう一度出会いたい。
舞台人として、演じることのできる「現代人」とは、どんなものなのか?私もわからない。
イッセー尾形を改めて見直している。1番最初に彼に気がついたのは「トニー滝谷」の主演だった。村上春樹原作、市川準監督のそれは、しかしサッパリわからなくて、世間の評価が高いのが理解できなかった。次に見たのは、外国監督がつくったとしても、初めて敗戦前後の昭和天皇を描いて主演を勤めた「太陽」である。ただ淡々と演じたその姿、勇気に感動した。そういうわけで、イッセー尾形とは、シリアス俳優だとばかり思っていた。トラさんシリーズの柴又の警官をずっと演っていたなんて、この文書を書くためにフィルムグラフィティーを調べるまで気がついていなかった。
イッセー尾形をジャンルに分けるとしたら、喜劇役者らしい。朝イチでは、様々なドラマの映像と共に、自ら主演・プロデュースしている一人芝居の映像も流していた。漱石の「坑夫」「草枕」「行人」などを一人芝居で演じているのだが、爆笑を誘っているのである。その題材だけでも、かなり理論派の喜劇役者だと推察できる。実際、今年の前半の力作「沈黙」における長崎奉行の姿は、飄々とした佇まいとは180度違う知的な内面を見せて、我々を圧倒した。
笑いを演じるとは、現実を充分咀嚼した上で、相対化し、本質をえぐり、すかし、そして面白みを見せなくてはならない。かなり知的な行為なのだと思う。
彼の演じる「本質的で肯定的な人間の姿」を見てみたい。
いまは、土曜日夕方NHK「アシガール」における、戦国時代の爺の喜劇的な役がお気に入り。あと数回、愉しみにしている。






最終更新日  2017年11月21日 14時49分55秒
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2017年11月20日
テーマ:本日の1冊(2587)



「不透明な未来についての30章」雨宮処凛 創出版
この本の半分以上は、2014年から2017年5月号までの『創』に綴られた、激動の3年間を、彼女らしく、底辺からルポルタージュした文章群である。川崎の簡易宿泊所火災で焼け死んだ多くの生活保護受給者たち、キャバクラ嬢と貧困、利根川一家心中事件、自殺する若者たち、ギャンブル依存症の問題、等々。貧困と労働、そして、それらに対して、ついに立ち上がり始めた若者たちの「生の声」声声。


私は、雨宮処凛は極めて優秀なジャーナリストだと思っている。それは、そもそも彼女自身が運動家であり、運動の真っ只中にいるから拾えることのできる多くの「声」を聞いているからである。


エキタスなどが街宣やデモで「最低賃金1500円」と掲げていると、それを見た通行人がため息まじりに「わー、時給1500円なんてすごく嬉しい‥‥」とつぶやく場面に何度か出くわしたことがある。その度に、一見「貧困」などと縁遠く見えるオシャレな若者も、低い時給で厳しい生活を強いられているのだ、と改めて思う。(224p)


デモにも参加しないで、一見客観的に見える記事を書いている新聞記者たちや自称ジャーナリストたちには到底書けない記事である。この辺りが、雨宮処凛の真骨頂なのではないか。


この本の半分近く占めている文章群で、もうひとつびっくりしたのは、第一部「会いたかった人」で綴られた、(「黒子のバスケ事件の渡邊博史さんへ」という手紙のような文章に代表される)メンヘルを患っていた過去を持つ彼女しか書けない、彼女の出発点を想起させる文章の数々である。リストカットを繰り返し、あらゆる「危険な場所」に自ら飛び込み、ほとんど奇跡的に2007年の「生きさせろ」から、見事に「運動家」として自立するに至った彼女のことを改めて思い返した。


彼女だからこそ、発することの出来る言葉がある。彼女だからこそ、発する言葉の限界も意味もわかる。


彼女に、現代の市民運動の総括と展望を語らせるのは無理だ。彼女は「理論家」ではない。そのことは、彼女も重々と知っていて、役割を考えて文章を綴っていると思う。しかし、彼女は、底辺の運動の中で勝ち得た「確信」を、運動中枢の多くの庶民にもわかる言葉で、伝えることの出来る能力がある。


よって、このような本は、今を生きづらいと感じている全ての人々が、読んで欲しいとつくづく思うのである。
2017年11月20日読了






最終更新日  2017年11月20日 17時50分24秒
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2017年11月19日



「ビッグイシュー322号」ゲット!
表紙は映画「光」に出演している井浦新さんと瑛太さん。
雨宮処凛の「活動日誌 拡大版」は、10月4日の衆院選公示前に開かれた「安倍政権NO 銀座大行進」、10月9日「Bottom Up Democracy Party」のレポートだった。選挙前の、戦争法強行採決以来2年間で盛り上がってきた市民の運動の到達点がよくわかるレポートだった。彼女の本分は「運動家」だけど、集会には個人の資格で参加することが多く、その分普通の市民の感覚も共有している。一方、ジャーナリストと肩書きを変えてもいいほど、きちんと記事を書くので、とっても分かりやすい。他の新聞記者の書く記事よりも、よっぽど分かりやすい記事だった。
特徴的な演説を、おそらく録音はしているとは思うが、余すことなく紹介する。また、シュプレヒコールのスローガンも紹介する。こういうスタイル、新聞は字数が限られ、週刊誌は記者の批評が前面に出て、いつもおざなりになるけど、雨宮処凛さんのはとてもよくわかる。事実の選択の「視点」がしっかりしてるからである。
「2年前、SEALDsが現れた頃、彼らに話を聞くと、政治に関心を持ったきっかけについて誰もが『3.11』と口をそろえた。が、今回の選挙がらみのデモで出会う若者たちが口にするのは、「声を上げる同世代を見たこと」」と書く。
この2年間の運動は、確かに何かを生んでいる。そんなことを実感させる記事だった。
今号の「世界一あたたかい人生レシピ」で、枝元なほみさんは、「カメを飼いたいのに両親が反対する」という悩みを受けて、ナント亀の形のパンのレシピを紹介していた。おやおやなんか私も作れそうな。
2017年11月17日読了






最終更新日  2017年11月19日 07時45分26秒
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2017年11月18日



「ビッグイシュー321号」ゲット!
表紙は、ニューヨークの痴話喧嘩が、ソウルでの怪獣の破壊とシンクロしているという、トンデモ映画(⁉︎)に出演しているアン・ハサウェイ。観たい!
特集は「食SOS!フードバンクのいま」。
リード文は以下の通り。
「貧困はまず食事に現れる」という。一方で、手つかずで捨てられる食品(食品ロス)が年間600万トンを超える日本。米国発の「フードバンク」は、賞味期限の迫る食品を企業から引き取り、福祉施設や生活困窮者支援の団体などに提供する市民活動だ。
2002年、日本初の「フードバンク」が東京で誕生、今、全国で80ヵ所以上に広がる。
03年発足の「フードバンク関西」はホームレス支援団体を手始めに、年間約200トンの食品をさまざまな団体に提供。「フードバンクかわさき」は、生活に困窮する個別世帯にも食料や日用品を配送。「フードバンク多摩」は、活動PRのため9月に1日「無料スーパー」を開いた。さらに、廃棄食材を使う英国の「リアル・ジャンクフード・カフェ」は、都市リーズだけで1週間に3万5千食を提供。
フードバンクの挑戦を通して、広がり深まる〝食の貧困の現場〟を知り、市民がどのようにかかわればよいのか、その解決への糸口を探りたい。
全国のフードバンクは(まだ)80カ所ほど。全国のフードバンクの名前を以下に載せる。残念ながら、まだ岡山県にはない。


米国や韓国では、きちんと法整備されているという。韓国では、管製の中央フードバンクを核に、各県に一つずつ広域フードバンクを設立。さらに、社会福祉協議会が担う基礎フードバンクを設け、生活保護を補完する現物支給として食料を配付しているらしい。事故時の国家賠償法もある。そういえば、数年前に韓国釜山のキリスト教系の資料館に、​クリスマス用のお米を蓄えていたのを見たことがあった​。
フードバンクは「恵んでいる」というのとは全く違う。お互いウィンウィンの関係である。現在日本で起きている食品ロスは、600万トン。フードバンクで扱うのはそのうちたった1%の6万トンが目標らしいが、実際は4千トンらしい。日本の法整備がゼロだからだ。注視して行きたい。
今号も「世界一あたたかい人生レシピ」快調でした。「自分から謝ることが苦手です」という悩みに対して、枝元なほみさんは「ごめん(五麺)のエビあんかけ」を提案しています。私も苦手なので、一回作ってみたい。
2017年11月16日読了






最終更新日  2017年11月18日 10時17分31秒
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2017年11月17日
カテゴリ:洋画(12~)



今月の映画評です。「オケ老人」


ずっと重たい映画が続いたので、昨年一番笑った作品を紹介します。

「オケ老人」。ボケ老人じゃないよ。老人たちのオーケストラです。

梅が岡高校に赴任してきた数学教師の千鶴(杏)は、本格的なオーケストラのヴァイオリン奏者になる夢が諦め切れません。そこで、その町のプロ並みのアマオケ≪梅が岡フィルハーモニー≫に入団・・・したつもりが、入った先は年寄りばかり、素人丸出しの≪梅が岡交響楽団≫でした。千鶴の入団を大喜びする老人たちに「楽団名を間違えた」と言い出せず参加することになり、しまいには指揮棒を振るはめに…。
笹野高史、左とん平、小松政夫、藤田弓子、石倉三郎、茅島なるみ、喜多道枝等々、名前を聞いただけでは顔は思い浮かべない人もいるかもしれませんが、みんな1度は見たことのあるベテラン俳優ばっかり。ほとんど地なんじゃないかと勘違いするくらいの流石の老け役を演じます。耳が遠い人、認知症が始まっている女性、心臓疾患、あるいは点滴機器と共に歩いてくる老人‥‥。

最初はいくらなんでも年寄りの暇つぶしに付き合わされる千鶴も可哀想だと思うのですが、次第と一生懸命音楽をやりたいと思っている「オケ老人たち」を応援している私がいます。

千鶴はずっと老人たちから逃げたいと思っていましたが、フランスの世界最高と言われる指揮者ロンバールとひょんなことから知り合いになり、自信を取り戻し、遂にはコンサートを計画するまでになるのです。
「せっかくもろうた命じゃ、楽しまにゃ損じゃ」
人生いつまでも進歩し続けるものだ、というメッセージをかろやかに奏でます。

少し都合良すぎる展開はありますが、明るい展開なのであまり気になりません。

朝ドラ主演のあと、お母さんになって復帰第一作の杏が、思いもかけず見事なコメディアンヌぶりを発揮していてびっくりしました。

栃木県の足利市、福生市、秩父地域をロケ地に選んでいます。特別、観光場面は出て来ませんが、あゝ地方の文化活動ってこんなのだな、と思えます。地方の公民館活動を応援する作品にもなっています。
(2016年細川徹監督作品、レンタル可能)






最終更新日  2017年11月17日 11時46分44秒
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2017年11月15日
カテゴリ:洋画(12~)

10月に観た映画の後半三作品である。




「エル ELLE」
疲れていたこともあって、途中何度か意識が飛んだので、正確に評価できるか不安。兎も角、オンナの不思議を徹底的に描き出した。こんなオンナの前では、サイコ犯人も形無しだ。

ヒロインは当然として、その母親、息子の恋人、友人も「病的」である。反対に言えば、欲望に忠実。サイコ犯人のように、屈折していない。素直に病的だ。と思う。こんなオンナたちを描く意味がわからない。

(解説)
『ピアニスト』などのフランスの名女優イザベル・ユペールと『氷の微笑』などのポール・ヴァーホーヴェン監督が組んだ官能的なサイコスリラー。『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』の原作者フィリップ・ディジャンの小説を原作に、レイプ被害者の女性が犯人を捜しだそうとする姿を描く。『ミモザの島に消えた母』などのロラン・ラフィットや『愛されるために、ここにいる』などのアンヌ・コンシニらが共演。欲望や衝動によって周囲を巻き込んでいく主人公を熱演するイザベルに注目。
(あらすじ)
ゲーム会社の社長を務めるミシェル(イザベル・ユペール)はある日、自宅で覆面の男性に暴行されてしまう。ところがミシェルは警察に通報もせず、訪ねてきた息子ヴァンサン(ジョナ・ブロケ)に平然と応対する。翌日、いつも通りに出社したミシェルは、共同経営者で親友のアンナ(アンヌ・コンシニ)と新しいゲームのプレビューに出席する。

2017年10月12日
シネマクレール
★★★





「エルネスト」
完全に裏をかかれた。「チェ・ゲバラの意思を継いだ男」とチラシにあったので、てっきりボリビアのゲリラ戦と、その後紆余曲折を経て軍事政権が倒されるまでが描かれるのだと思っていた。そうではなく、ほとんどが学園青春物語だった。

確かにフレディ前村は、ゲバラと同じように医学生の安全な身分を投げ打って危険な祖国解放の戦いに身を投じた。そこには、70年以上の平和に恵めれている日本人には理解が出来にくいことなのだろう。私もよくわからない。

そもそもゲバラのボリビア潜入が、戦術的にも戦略的にも正しかったとは、私は思えない。しかし、南米のアメリカからの独立がない限りキューバを含む南米人民の幸せは成り立たないというチェの思想には共感を覚えるし、50年間でそれを実現しつつあるからこそ、こういう映画も作られるようになったのだろう。

革命直後のキューバの生活が描かれる。ボリビアや各国から奨学金を支給して医学生を受け入れているキューバの懐の深さと強かさ、母子家庭がきちんと生きていけるのを保障する理想主義、貧しいながらも50年間歌が絶えなかったのもよくわかる。

(見どころ)
キューバ革命の英雄チェ・ゲバラと行動を共にした日系人のフレディ前村を題材にしたドラマ。留学先のキューバでゲバラに出会って心酔し、共にボリビア軍事政権に挑んだ彼の姿を描く。メガホンを取るのは『顔』などの阪本順治。『血と骨』『ゆれる』などのオダギリジョー、『海辺の生と死』などの永山絢斗、写真家、ダンサーでもあるホワン・ミゲル・バレロ・アコスタらが出演。
(あらすじ)
日系二世として生まれ、医者になることを夢見るフレディ前村(オダギリジョー)。キューバのハバナ大学に留学した彼だったが、キューバ危機に直面する。混乱の中でチェ・ゲバラ(ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ)と出会ったフレディは、その理念やカリスマ性に感銘を受ける。やがてゲバラの部隊に加入した彼は、ゲバラのファーストネームであるエルネストを戦士名として本人から授けられる。そして、ボリビアの軍事政権を倒す戦いに身を投じるが……。
2017年10月12日
シネマクレール
★★★★





「猿の惑星 聖戦記」
最初の猿の惑星は、黒人公民権運動を戯画化していたが、今回は最後の決着の付け方を見ると、9.11に始まる民族と宗教国同士の争いを批判しているように思える。結局、人間同士の自滅で終わった結末が、そのことを象徴的に表している。

結局人類が滅びたのは、サル族の滅ぼされたのではなく、お互いに争いあって自滅したという結果になった。

私としては、最後は変わり果てた自由の女神像を映して欲しかったのだが、過去の作品とは決別しているというメッセージだったのかもしれない。シーザーの息子のコーネリアスが出てきたので、すわ、元作のコーネリアス博士かと思いきや、よく考えれば人類時代はあの作品では数千年前の世界なので、違うのである。


■ あらすじ
猿と人類の全面戦争が始まってから2年が経ち、シーザー(アンディ・サーキス)が率いる猿の群れは、森の奥深くのとりでに姿を隠していた。ある日、奇襲によってシーザーの妻と息子の命が奪われる。シーザーは人類の軍隊のリーダーである大佐(ウディ・ハレルソン)に復讐するため、オランウータンのモーリス(カリン・コノヴァル)らと共に旅立つ。
■ 解説
『猿の惑星』の前日譚(たん)を描いた『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』『猿の惑星:新世紀(ライジング)』の続編となるSF大作。猿と人類が地球の支配者を決する戦いの一方で、自らの種族を守るべく行動する猿のリーダー・シーザーの心の葛藤も映す。シーザーは、前2作に続きアンディ・サーキスが演じる。共演は、ジュディ・グリアとウディ・ハレルソンら。監督は前作と同じくマット・リーヴスが務める。
■ キャスト
アンディ・サーキス、ウディ・ハレルソン、スティーヴ・ザーン、カリン・コノヴァル、アミア・ミラー、テリー・ノタリー、タイ・オルソン、マイケル・アダムスウェイト、トビー・ケベル、ガブリエル・チャバリア、ジュディ・グリア
■ スタッフ
監督・脚本: マット・リーヴス
脚本: マーク・ボンバック
2017年10月15日
Movix倉敷
★★★☆







最終更新日  2017年11月15日 13時36分12秒
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2017年11月14日
カテゴリ:洋画(12~)

10月に観た作品は"たったの"5作品でした。これはひとえに〆切地獄でのたうち回っていたからです。2週間、1作も観ることができませんでした。それはそれとして、8月に観た作品一つを紹介し忘れていることに気が付きました。あわせて6作品、2回に分けて紹介します。




「海辺の生と死」

全体155分。何事も起こらない。ずっと、波の音と森の声と沖縄民謡を聞いているという感じ。途中何度も意識が遠のく。ある時は、朔中尉が悪夢を見たのか叫んで飛び起きた時に、私も目覚めた。彼がどんな悪夢を見たのかわからないが、ついうとうとしそうな雰囲気だけは身を持って体験した。

奄美諸島の身体を体現して、満島ひかりが、ゆっくりとした方言をしゃべる。戦闘場面はなく、軍隊場面もほとんどない。一回だけ、米軍機の攻撃があった。155分で、ひたすら南の島を描く。
「死んではいけない。戦争は嫌!」
反戦メッセージは、それくらいのもので、あとはゆっくり寝ていられる作品でした。

(解説)
傑作「死の棘」を世に放った島尾敏雄と、その妻、島尾ミホ。時は太平洋戦争末期、ふたりが出会ったのは、圧倒的な生命力をたたえる奄美群島・加計呂麻島。男はじりじりと特攻艇の出撃命令を待ち、女はただどこまでも一緒にいたいと願った。後年、互いに小説家であるふたりがそれぞれ描いた鮮烈な出会いと恋の物語を原作に、奄美大島・加計呂麻島でのロケーションを敢行し、映画化を果たした。また、奄美群島で古くから歌い継がれてきた奄美島唄の歌唱指導にあたったのは、“クジラの唄声”で人々の心を魅了する唄者(ウタシャ)朝崎郁恵。自身もルーツを奄美大島に持つ満島ひかりが歌う島唄の調べが、観る者の心を揺さぶる。

『愛のむきだし』でブレイク後、『川の底からこんにちは』『悪人』『駆込み女と駆出し男』『愚行録』など一作ごとに評価を高め、テレビドラマ「トットてれび」「カルテット」で、唯一無二の女優として活躍の場を広げる満島ひかり。そんな彼女が『夏の終り』以来4年ぶりの単独主演作に選んだのが『海辺の生と死』である。日本文学の傑作「死の棘」のヒロイン島尾ミホが加計呂麻島で過ごした青春期と人生を決定づけることになった恋をその真っ直ぐな存在感で体現した。
(物語)
昭和19年(1944年)12月、奄美 カゲロウ島(加計呂麻島がモデル)。国民学校教員として働く大平トエは、新しく駐屯してきた海軍特攻艇の隊長 朔中尉と出会う。朔が兵隊の教育用に本を借りたいと言ってきたことから知り合い、互いに好意を抱き合う。島の子供たちに慕われ、軍歌よりも島唄を歌いたがる軍人らしくない朔にトエは惹かれていく。やがて、トエは朔と逢瀬を重ねるようになる。しかし、時の経過と共に敵襲は激しくなり、沖縄は陥落、広島に新型爆弾が落とされる。そして、ついに朔が出撃する日がやってきた。母の遺品の喪服を着て、短刀を胸に抱いたトエは家を飛び出し、いつもの浜辺へと無我夢中で駆けるのだった・・・。
2017年8月20日
シネマ・クレール
★★★




「母 小林多喜二の母の物語」

最初に山田火砂子監督の挨拶があった。85歳とは思えない、矍鑠とした女性、正に火の女という感じがした。「戦争で1番可哀想な想いをするのはお母さん。わたしは靖国の母と看板を掛けられて泣いていたお母さんをたくさん見た。狂ったお母さんも見た。わたしはこの作品を戦争反対のためにつくりました」
勿論映画は、1933年2月の多喜二の死を最大のクライマックスにはしているが、そこに至るまで、またはそこから1961年にセキがなくなるまでを淡々と描いている。資金不足で作っているために、台詞に説明的な冗長さがあるのは責めるべきではないのだろう。秘密保護法、戦争法、共謀罪が成立した現代に向かって、それと似通っている社会を告発的に、声高に描くのではなく、あくまでも息子のことをひたすら信じ、心優しいセキの視点で描いているので、「やさしい作品」になっている。


こういう作り方は、役者がしっかりしていないと急にリアリティをなくす。寺島しのぶはもちろんのこと、塩谷瞬も案外良かった。総社出身の山口馬木也も誠実な神父を演じて、三浦綾子の世界を作っていた。


制作 現代ぷろだくしょん
監督 山田火砂子
出演 寺島しのぶ、塩谷瞬、趣里、渡辺いっけい、佐野史郎、赤塚真人、真行寺君枝

2017年10月5日
倉敷芸文館
★★★☆





「ドリーム」
最近になってやっと映画が次々と作られて来たが、1960年代の黒人差別は、ホントに深刻であり、白人と黒人との分かり合いに、反対に言えばここまで、50年以上もかかったということなのだろうと思う。
「勘違いしないで。私は偏見を持っているわけじゃないのよ」
「知っている。貴女がそう思い込んでいるということを」


嫌韓の人々の偏見を、解消するのは、いったいいつになることやら。彼らは言葉が通じて、一緒に住んでいてもあれだけかかった。


黒人差別を描く、また新たな佳作が生まれた。

【ストーリー】
1960年代の初め、ソ連との宇宙開発競争で遅れを取っていたアメリカは、国家の威信をかけて有人宇宙飛行計画に乗り出す。NASAのキャサリン・G・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)は、差別や偏見と闘いながら、宇宙飛行士ジョン・グレンの地球周回軌道飛行を成功させるため奔走する。
「解説」
人種差別が横行していた1960年代初頭のアメリカで、初の有人宇宙飛行計画を陰で支えたNASAの黒人女性スタッフの知られざる功績を描く伝記ドラマ。NASAの頭脳として尽力した女性たちを、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』などのタラジ・P・ヘンソン、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』などのオクタヴィア・スペンサー、『ムーンライト』などのジャネール・モネイが演じる。監督は『ヴィンセントが教えてくれたこと』などのセオドア・メルフィ。ミュージシャンのファレル・ウィリアムスが製作と音楽を担当した。
【英題】HIDDEN FIGURES
【監督・製作・脚本】セオドア・メルフィ
【脚本】アリソン・シュローダー
【製作・音楽】ファレル・ウィリアムス
【出演】 タラジ・P・ヘンソン
オクタヴィア・スペンサー
ジャネール・モネイ
ケヴィン・コスナー
キルステン・ダンスト
ジム・パーソンズ
マハーシャラ・アリ

2017年10月8日
イオンシネマ
★★★★







最終更新日  2017年11月14日 14時24分25秒
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2017年11月13日
テーマ:本日の1冊(2587)



「縄文ZINE 2017年7号」
やっと手に入れた。やっぱり発行から2ヶ月近くなって、岡山市LOFT4階無印良品のフリーペーパー置場に並んだ。どうして此処に届くまでにこんなに遅くなるのか、不思議だ。この前テレビで紹介されたこともあって、広告が増えたらしい。気前をよくして、遂に本格始動して来年初めに本を2冊も出すらしい。その関係で、次の発行は来年5月になる。つまり来年7月まで見納めということか。本が出たら、読むんだろうな。


1番大きな広告は、ナント大阪府立弥生文化博物館が裏表紙一面を使っている。秋の特別展「海に生きた人びと」の告知ではあるのだが、説明文が、学芸員らしからぬ、こんなマイナー(だけど考古学ファンの認知度は高いじゃないかと思うんだけど)雑誌だからこそ書けるユニークなものだった。


「縄文ZINEではいろいろとdisられたりもする“弥生”ですが、皆で協力して作るお米、お米の美味しさ、縄文人にはコレを味わってから言ってほしいですね。おにぎりサイコー!」
冒頭のこれだけを取り出したら、縄文ファンがこの記事を見たら、この博物館に反感しか持たないかもしれないので、フォローしておくと、まあ弥生も面白いよ、と言っているだけなんです。生粋の弥生ファンである私からも。この博物館はその熱量で全国の凡ゆる博物館の中でもトップクラスに入るかもしれません。オススメします。


あっ、肝心の中味もたいへん楽しいです。「こちら青森県津軽市亀ヶ岡遺跡前派出所」のマンガも、縄文落語・土偶愛称決定会議も落語じゅげむを換骨奪胎して、思わず笑いました。


さて、やっと真面目な処。特集は黒曜石である。弥生ファンの私も興味深いのが、黒曜石の移動距離だ。確かに貴重な石ではあるのだが、いったい何故、どうやって運ばれてのか?直接各地から取りに来ていたのか?分配ルートがあったのか?フリーの交易人がいたのか?黒曜石鉱山を管理する権利や集団はあったのか?等価交換経済はあったのか?専門家は、口の中でごにょごにょ言うだけ。しかし、黒曜石の分配は、資源の多い地域や特定のムラのみに集中して見つかる「偏り」はなかったらしい。


黒曜石は、貨幣の代わりになりうる素材ではあるが、縄文時代の経済システムはどうなっていたのか?わかっていることを本格的に論じた本はないのだろうか?などということも考えたりした。


表紙は、ナント漫画家エッセイストの「しまおまお」さん。島尾敏雄・島尾ミホさんの孫娘らしい。






最終更新日  2017年11月13日 20時24分02秒
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2017年11月12日
テーマ:本日の1冊(2587)



「世界を変えた10冊の本」池上彰 文春文庫
「世界を変えた」のは間違いないとしても、10冊が同等の価値を持つことを意味してはいない。また、「変えた」からと言って、著者(がいない場合もあるが)が偉い、と限ったわけでもない。また、9.11を起こした「道しるべ」を扱うのならば、レーニンの「国家と革命」や毛沢東の著作も扱うべきだろうし、最終章の新自由主義を述べたフリードマンの本の(影響を与えた期間の)寿命は、このままではおそらく40年ほどのモノだろうから、果たして取り扱う意義があったのかは疑問だ。しかし、著者は「ジャーナリスト」であり、扱われるエピソードの多くが雑誌掲載時以前の10年以内(2001年〜2011年)という偏りもある。それらを含めても、今回の読書案内は、学者の書く解説本よりも、遥かにわかりやすく目配りの行き届いたものであったことを認めないではいられない。私は思いもかけず愉しんだ。以下重要事項や教養としてキチンと知ることで、クイズ番組などで使えそうな事をメモする。


⚫︎「アンネの日記」から1961年、当時27歳の坂井泰子氏がアンネナプキンを発売した。アンネ株式会社は1993年ライオンに吸収合併された。
⚫︎「聖書」の「産めよ、増えよ」(創世記)より、カトリックやプロテスタントでも原理主義な人々は、避妊は「神の意志に反する」と考える。
⚫︎創世記の安息日より、ヨーロッパでは日曜日が閉店が多く、アメリカ含め、日曜日に選挙の投票日は設定されない。
⚫︎「旧約聖書」の「10戒」により、反芻しない豚は禁止(牛・羊・山羊はOK)、鰭と鱗がないので、エビ・カニ・タコは食べられない。
⚫︎ユダヤ教は「旧約聖書」の10戒などの「律法」には厳格。一方「新約聖書」は紀元90年ごろに定められた「70人訳聖書」が採用、旧約と微妙に内容が違う。
⚫︎「新約聖書」の福音書は、成立時期は聖書の順番ではなく、最初が「マルコ(70年前後)」(イエス死亡は30年ごろ)、「マタイ」「ルカ」は80年ごろ、マルコを参考にして更に「Q資料」を見て書かれた。「ヨハネ」は90年代ないしその後。
⚫︎「ユダの福音書」がナイル川流域で発見、2006年に出版。ユダはイエスに頼まれ(自ら犠牲になることで人々を救済できる)売った。
⚫︎イエスは復活して40日後に昇天。やがて「最後の審判」を行い「神の国(天国)」が実現。その後、サタンが復活して神に挑戦、その場所をハルマゲドンと呼ぶ。やがてイエス再来、「千年王国」を築く。またサタン復活。サタンは天から火が下りて焼き滅ぼされる。
⚫︎ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の三つの神は同じ。それぞれ、ヤハウェ(ヘブライ語)・ゴッド(英語)・アッラー(アラビア語)。
⚫︎預言者は予言する人ではなく「神の言葉を預かる者」。よって、モーセもノアもイエスもムハンマド(マホメット、モハメド)も預言者。
⚫︎ムハンマドは570年ごろ、アラビア半島のメッカに生まれた。天使ガブリエル(マリアに受胎告知した天使・アラビア語でジブリール)から、神の言葉を通訳して伝えられ、ムハンマドは暗唱した。死後、暗唱出来る人が次々に戦死、「コーラン(声に出して読むべきもの)」成立。よって、本来はアラビア語以外では出版出来ないが、解説書という位置づけで、井筒俊彦訳岩波文庫がある。
⚫︎イスラム教の世界の終わり。地中の死者は起こされて神の前で裁かれる。天国と地獄に分かれる。地獄では永遠の苦しみ。天国では、腐らない水、乳の河、美酒の河、蜜の河、凡ゆる果物、涼しい木陰、罪の赦し。例外的に、ジハード(聖戦)でアッラーのために戦って亡くなった人は直ぐに天国に行ける。
⚫︎イスラム教の五行とは、信仰告白、礼拝(1日5回、夜明け前・昼過ぎ・午後3時・日の入り・就寝前)偶像崇拝はなし、喜捨(収入の2ー2.5%、来世への貯金)、断食(一ヶ月日の出から日の入まで、太陰暦なので毎年違う、辛い経験は貧困層の事を考えさせる、宗教意識が高まる)、メッカ巡礼(一生1度、白い布、全員が神の前で平等)
⚫︎妻は四人まで持てる。「(戦争で父親がいない子供のために)孤児に公正にしてやれそうにない時は、誰か気に入った女をめとるといい」と言っているだけ。結婚時に「妻は1人だけ」という契約を結ばせる女性が増えている。
⚫︎女性のベールは、男の好奇の目から守るため
⚫︎シーア(党派)派はムハンマドの血筋。スンニ派(慣習スンナ)血筋関係なく教えにもとずく慣習に従うという意味、ムハンマドの言行録「ハディース」をまとめる。
(あとは省略)


2017年11月9日読了






最終更新日  2017年11月12日 08時50分10秒
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