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2006年03月14日
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テーマ:本日の1冊(3120)
「歩く学問 ナマコの思想」
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編:埼玉大学共生社会研究センター
出版社:コモンズ
定価:1400円+税

鶴見良行。1926年ロスアンゼルス生まれ。1948年「思想の科学」編集に参加。1952年東大法学部卒業。1955年国際文化会館企画部に勤務。1965年ベ平連参加。1973年文化会館退任。アジア各国を旅行。アジア太平洋資料センター設立にかかわる。1982年「バナナと日本人」岩波新書刊行。1990年「ナマコの眼」刊行。新潮学芸賞受賞。1994年ココス島調査。12月16日急性心不全のため永眠。68歳。

この本は鶴見良行の評伝ではなく、鶴見良行の仕事に刺激を受けて、日本とアジアとの関係をどのように作っていくか模索したシンポジウムの記録である。

従兄弟の鶴見俊輔は「彼の生活、彼の生涯は私の予測を超えます。」という。名門鶴見家に生まれ米国で成長しながら、あえて戦後日本での生活を選び、一時社会運動に身を置きながら、運動に入り込まずに、社会学的な活動をしながら、ひとつのテーマを追い求めない。ここまでは鶴見俊輔と同様ではないか。しかし俊輔が書斎派だとしたら、良行は行動派であった。ベ平連に参加していたときも、反戦喫茶つくりの中心に居た。(*)そして、ベトナム戦争が終結すると、反対運動をしている誰もが思いつかなかった「アジアへのフィールドワーク」という方向に入っていく。

池澤夏樹は良行の「国家過剰」という言葉を紹介する。国を相対的に見て、その力を限定する。良行は書いている。「国家や国境は、それほど大事な仕組みではない。そんな風に自由に生きている人々がすぐ眼の前にいる。」どうやらナマコに携わっている人々はそういう人々らしい。「その存在に気づくことは、国家過剰の私たちにとって有効な解毒剤になる。」この結論だけを見れば、この考え方はクローバリゼーションの考え方ではないのか、と池澤夏樹は自問自答する。おそらくそうではない。良行はナマコという一つの座標を決めてそこからこの考えに行きついた。『ローカル』を追っていくといつのまにか『グローバル』へ質的転換をする場合が有る。と池澤はいう。なるほど、と思う。『生活』を追求していくとき、いつかは『世界』に眼を向けなくてはならないだろう。その眼がやがて『生活』に還元するとしたら‥‥。

後半は市民運動家6人が集まって、運動の有り方をいろいろ論議している。ひとつ印象的な言葉を拾う。『良行さんはこんな夢物語いっていたことがあります。「いずれ、国家と国家の関係よりも、民衆と民衆の関係のほうが優先する時代が必ずくるに違い有りません。」これが単なる夢物語で無い証拠にインド洋大津波のときに国家や国際機関が動く前に、当たり前の人間として、数えきれないほどのボランティアや民間団体が駆けつけました。』そうだ、すでに世界は変わり始めている!

*三沢の「アウル」と岩国の「ほびっと」である。岩国の住民投票が成功して本当に良かった。岩国市内ではこの喫茶店は今はどうなっているのだろう。

「3/16追加」
この疑問に対して、gabosukeさんより貴重な情報を頂きました。

私が小学生の頃のことですので、ほびっとの存在意義などは何も分かりませんでしたが、可愛らしい建物がとても印象に残っています。
高校を卒業する頃にはまだ建物は残っていましたが、大学時代に取り壊されていたようです。
つまり、70年代半ばまで営業して、80年代の終わり頃、建物が解体された、というくらいでしょうか。


ありがとうございます!
まさか、こんなにすぐに分かるとは思いませんでした。プログってすごいですね。
おそらく、反戦喫茶店は当時のベトナム戦争に行きたくない兵士が脱走するための連絡所、兼活動拠点として使われたはずです。べ平連の活動はベトコンの運動をそうとう励ましたようで、石川さんの写真もベトナムの博物館にコーナーを設けて飾られているし、日本のポスターもたくさん見ました。それは即ち歴史を動かした運動だったということも出来るでしょう。その喫茶店の運命はおそらくベトナム戦争終結とともに綺麗に終えたのだと思います。きちんと分かることができてよかったです。
今度の住民投票にしても、さまざまな人が無償の活動をしたと思いますが、人の名前は歴史に残りませんが、活動だけは歴史に残るはずです。
少なくとも米軍再編の三月末決着は延びそうですね。






最終更新日  2006年03月14日 22時09分51秒
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