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2006年06月04日
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カテゴリ:洋画(05・06)
監督 : ジョージ・クルーニー 出演 : ジョージ・クルーニー、デヴィッド・ストラザーン、ロバート・ダウニー・jr、パトリシア・クラークソン、ジェフ・ダニエルズ

50年代、一度吹き始めた「反共主義」「赤狩り」という名前の恐怖は、アメリカ社会を「萎縮社会」に変えようとしていた。放送界とて例外ではない。その中であえて批判的な姿勢を保っていた人気ニュース番組のキャスター、エド・マローとクルーたちは、真実の報道を伝えるべく邁進していた。

「反共主義」を「反テロリズム」に置き換えると、ここに描かれている世界は容易に現代アメリカに移し変えることが出来る。

赤狩りの急先鋒マッカーシー議員に対する批判をしたあと、そしてそのことに対する圧力が頂点に達したころ、マローのクルーの一人は同僚の妻に寝室でそっと尋ねる。
「ぼくたちは間違ってはいないだろうか。」
「何が正しいことか、なんて誰もわからないんじゃないだろうか。」
妻は断固としていう。
「人権と憲法を守ることが正しくないなんて、誰もいえないわ」
(うろ覚え。ニュアンスが違っていたらごめんなさい。)

ほかにも哲さんの日記にマローの冒頭のスピーチを引用しています。ここでは、踊る現代のマスコミと、マスコミに踊らされている視聴者に対する強烈な一言があります。

見た直後の私の不満は映像は全てテレビ製作会社のなかで完結されていて、大衆の姿が映っていなかったこと(「V・フォー・ヴェンデッタ」と対照的)。マッカーシズムとはなんだったのか、その全体像が描けていないことだ。もしそれが視聴者自身にたいする批判もこめていたためだとしたら、そうだとわかるような表現の仕方をして欲しかった。

ちなみに「リーダーズ英和辞典」でMcCarthiyism(マッカーシズム)を引くと、「(1)極端な反共運動、(2)不公平な捜査手段、(3)政府内の反体制要素の執拗な捜査・摘発」とある。マッカーシーが悪者にされたのは、決して反共主義を主張したからではない。「極端な」運動をしたからであり、捜査手段が間違っていたからである。その証拠にトルーマン大統領は1947年、連邦公務員の「忠誠」審査を開始し、51年までに212人が解雇され、2000人以上が辞職したことは糾弾されていないし、この映画でも、繰り返し「マローの忠誠心は愛国心は本物だ」というセリフが出てくる。

「愛国心」はアメリカを語るときのキーワードの一つだ。「7月4日に生まれて」で、ひとりの青年はケネディの「国が何をしてくれるか、ではなく、国に何が出来るかが求められている」という演説に感動してベトナム戦争に行くのだが、その「現実」に直面したあと、反戦運動に入っていくのである。「プラトーン」もそうだが、この監督は作品を観たあと、「だからアメリカはすばらしい」という気持ちにさせる愛国心溢れる作家である。

……話がこんがらがってきた。ごめんなさい。

映像が白黒なのは、当時のニュース映像をそのまま使っているので、違和感を無くすためと、リアリズム重視の姿勢だろう。この映画はあくまでも「赤狩り」について描いた作品ではなく、「マッカーシズム」について描いた作品である。そこに現代アメリカの「希望」と「限界」を同時に感じる私ではある。

おまけ
さて、この作品は岡山シネマクレールの新たに増設された新スクリーンで見た最初の作品になった。岡山はこの間、シネマコンプレックスの影響でつぎつぎと老舗の映画館が潰れていった。岡山で唯一の単館系上映館として、ここが潰れると私は本当に困る。スクリーン増設という冒険に対して、心からの応援していきたい。今回のような作品も今までなら、一週間で打ち切りであったが、今回は時間帯を変えながら三週間上映してくれた。おかげで、最終2日前に見ることができた。6月1日映画の日に見たので、55席中46席埋っていた。この調子でがんばっていって欲しい。









最終更新日  2006年06月04日 09時12分37秒
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