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2007年07月11日
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カテゴリ:邦画(07)
「選挙」と言う映画は見るつもりはなかった。けれども、先日の日曜日、映画サークルで懇意にしてもらっている映画通の方が、傑作だ、と言うので騙されたつもりで見てみた。
面白かった。やっぱり映画は見てみないことにはわからない。
1006107_03.jpg
監督・撮影・編集 : 想田和弘
登場人物 : 山内和彦 、 山内さゆり 、 小せんき泉純一郎 、 川口順子 、 石原伸晃 、 荻原健司 、 橋本聖子

当初、私がこの映画を見ないことにしたのは、これを監督は「観察映画」だと名づけていると聞いたからである。そんな映画はそもそもありえない。万が一、二時間観察したものをそのまま映画にしたとしても、対象を選んだ段階で、監督の意図が入っているのだから、ドキュメンタリーで「観察」と言ういかにも「公正中立」なポーズは、「胡散臭い」のである。

映画を見てみると、案の定、この映画の狙いはびんびん伝わってきた。監督の気持ちはどうであれ、結果として「公正中立」ではない。非常に手馴れた編集だし、しかも撮影もほとんど手振れがなく、ピントはいつもきちんと合っており、時々まるで計算したかのようにワンシーンワンカットで見事に対象を移動しながら映像を作っている。ドキュメンタリー作家としての技術性も申し分ない。だから、監督が「観察映画」と言う看板さえ下ろしてくれたら、私は一応この映画に合格点をあげたいと思う。

ドキュメントの面白さは狙った以上の偶然の「事実」がどれだけ撮れるかに拠る。選挙事務所での噂話、夫婦喧嘩、自分の選挙ポスターの記念写真、運動会でのあくび、小泉総理に二回も握手してもらったとミーハー的に喜ぶ候補者、等々この映画にはそんな効果に枚挙がない。これは対象選択の勝利である。それらも含めて、この監督の編集意図は明確である。ただただ印象のみを選挙民に植え付ける選挙運動、三秒間に一度名前をいうこと、選挙参謀にぺこぺこする候補者、先輩市議との間にある明確な階級性、満足な政策議論も出来ない候補者、郵便局の家族に「私は郵政賛成だけど、私の父親は郵政族、市議は関係ないから、ぜひとも投票を」と語る無神経さ、神主を呼んで神頼みをする前近代性、‥‥‥‥‥‥。
ここにあるのは、選挙運動の実態における、どうしようもない言葉の軽さである。選挙運動への不信感である。政策など関係ないという実態である。
唯一、彼がきちんと政策を語ったなあ、と思ったのは酒屋のオバちゃんが店の前の水はけが悪いから直してくれ、と要望を言ったときに、「こんな身近な要望はついつい後回しになるけど、こんな要望を聞くことが一番大事なんだよね」と言ったことだろう。この映像だけを見ると、彼の誠実さはひしひしと伝わる。彼の演説を聞くと、「改革を止めるな」と叫んでいるだけだが、誠実さだけは伝わる。
けれども、そんな誠実は全然信用できないのだ、と言うことをこの映画は伝えているだろう。少しこの映画のことを調べれば、彼は一期限りで市議をやめたことはすぐに知れる。彼の無責任なオバちゃんへの受け答えは実現されなかっただろう。当選後の挨拶の内容を簡単に反故にする彼の「選挙民への不誠実」は、基本的にすぐにわかる。

監督の意図はそのように充分に伝わる。
けれども、不満なのは、そういう選挙運動の実態を事実で示したのは、「選挙」の現実ではなく、「保守党の選挙運動の現実」でしかないということを、監督ははっきりしていないということである。よって、山内和彦が何故当選することが出来たのか、と言う解明はされていない。当選会場に公明党のお偉方が挨拶に出かけているという実態については完全にスルーしている。

だから、この映画を持って選挙運動のほとんど全てを知ったと思うのは大間違いだろう、ということは感じておかねばならないだろう。そのことが伝わりにくい、と言うことだけは私の不満になる。


さて、12日から、ついに参議院選挙本番である。
争点は、憲法、格差解消、年金、消費税、等々だ。

必ず、投票には行こう。この選挙は必ず大きな曲がり角になる。子供たちの未来のためにも、未来を作ろう。



追記
思いもかけず、監督本人からコメントを頂いた。「反論」と言う形で(^_^;)
よって、私自身のコメントの中で、この記事の「観察映画」と言う言葉に対しての見方の訂正を行っています。しかも私は「再反論」までしています。自分ながらこの性格にはあきれています。性格的にはいつも温厚なのですが、一方で私は頑固なのです。人間とは、多義的なものです。そういう多面性を「観察」すると言う意味での「観察映画」らしいと、私は解釈しました。






最終更新日  2007年07月14日 01時29分28秒
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