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再出発日記

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2008年05月16日
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カテゴリ:洋画(08)
ノラネコさんが最高点をつけているのに気がついて、見逃さずにすみました。
いやあ、怖かった。
    考えさせられた。
    楽しみました。

監督・製作・脚本 : フランク・ダラボン
原作 : スティーヴン・キング
出演 : トーマス・ジェーン 、 マーシャ・ゲイ・ハーデン 、 ローリー・ホールデン 、 アンドレ・ブラウアー 、 トビー・ジョーンズ

「ミスト」とは霧のこと。ある日アメリカの田舎町の住民が正体不明の霧に囲まれて、スーパーの中に閉じ込められる。霧の向こうにはどうやら触手のある怪物、血を吸う昆虫、怪鳥、怪クモ等々がいるようだ。やがて住民たちの集団心理は変化していって…。

情報がこない。全体が見えない。死の危険だけは確実に迫る。その時人々はどのように行動するのか。スーパーに集う人々は小さなコロニーの縮図である。知識人、軍人、黒人、黒人差別者の白人、若者、子供、老人、教師、宗教の狂信者…。理性的に行動しようとするグループが、予想以上の速さで狂信的なグループに駆逐されていく。その心理サスペンスの描き方も秀逸ならば、何かよくわからないけれども不気味なクリーチャーたちの描き方も秀逸である。

「人間は二人以上いるとやがては殺しあうものなのさ」「そういう風にならないために政治と宗教があるのさ」と誰かがうそぶく。しかし、情報が途絶し、支援が期待できないような状況(軍人からの噂話的な情報)に陥り、政治の力は期待できなくなればどうなるか。この映画にあるように「最後の審判の時は来た。神によって選ばれし者だけが生き残る。生贄が必要だ。」というような「分かりやすい」宗教に人々は傾くのではないか。そういえば、9.11のあと、知らせを受けても10数分思考停止状態に陥った無能な大統領がとった手段は最大限宗教を利用するということだった。救世主国家アメリカを神の位置にすえた善悪二元の神学を持ち出し、正義の国たるアメリカは必ず勝つだろうと演説したのである。(参照「ブッシュの支持層あるいは「キリスト教帝国アメリカ」」)「宇宙戦争」「クローバーフィールド」等、未知の怪物に襲われる様子をあくまで襲われる普通の庶民の立場から撮った作品はあるが、一人の主人公に絞らず、集団心理を追い、宗教が一つのテーマになったのはこの作品がおそらく初めてではないだろうか。この作品も、おそらく9.11の影響を大きく被っているだろう。

脚本も、未知の怪物が出てくる以外は非常にリアルである。破たんが見当たらない。日本映画にもこの手のB級映画があるそうだが、格が違うのだろう。

録音が素晴らしい。音が半端じゃないくらい怖い。何度飛び上ったことか。少なくともドルビー施設の整った映画館で見てほしい。

最後は、見事なラストだと思う。あれによって、この映画で言いたかったことが見事に浮き上がった。

ところで、お遊びだか、私はだれもが思いついていないこの作品の新解釈をしようと思う。
よく精神病などでぼーとしていた人がある日突然「霧が晴れたように全てが分かるようになった」ということがある。実はこの作品で描かれたことは、8割がたはある人物が精神変調を犯して見た夢の世界なのである。その人物は前々から、山の上の軍隊が何やらおかしいことをしていると、疑っていたのだが、嵐のために家が壊された時にいっきょに症状が悪化してしまった。突然やってきた霧も、怪物も、狂信者も、理性的な人間も、すべて彼の精神の中の産物なのである。しかし、2割は本当に起こったことであった。つまりラストはそういうことなのである。……というような解釈はどうでしょう?





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最終更新日  2008年05月16日 18時35分52秒
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