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カテゴリ:社会時評
大阪の個室ビデオ店の火災事故では、さすがに犯人の男は格差社会の犠牲者であるという声はあまり聞こえてこない。広義ではそうなのだろうが、生活保護を受けてギャンブルでお金を使い果たして自暴自棄になったと聞かされたら、やはり何をかいわんや、と言うことになる。
けれども、可哀相なのは、15人の犠牲者と多数の負傷者である。そのなかの多くがあそこで寝起きしていたのではないか、それこそ格差社会の犠牲者が犠牲になったのではないか、と想像していたのたが、やはりそうだった。それを裏付けるリアルな実態を「親不孝日記」のじゅん2550さんがレポートしてくれている。 なんで、怪我人を休ませてあげれない?! ミナミの深夜の個室ビデオ店の火災。 ここで寝起きしていた人のひとり、九死に一生を得て、搬送された。 両眼角膜上皮剥離。 痛くて痛くてたまらない。 しかし、彼は、「今から仕事にいく」と言ってきかない。 なぜならば、「どうしても、自分で行って話をしなければならない、でないと、仕事を失う。」ということなのだそうだ。(詳しくはじゅんさんのブログを見てください) 話の内容から、彼が正規社員である可能性は少ない。すぐに仕事がなくなる危険をはらんでいるのならば、日雇派遣の可能性が高いと思う。イヤ、日雇でなくてもこのような派遣や委託の会社は多い。 しかしまともな会社ならば、緊急の休みを認めるはずだ。こんな会社は例外なのではないか。と思うような人は現代の委託派遣の実態を知らないのだろう。 私の知っている配達を委託されている会社の社員などは、「骨折をしても、労災を認めるどころか配達に無理やり行かせた」「風邪をひいて朝病院に行き、医者から休めといわれて上司に電話したらすぐに出てきて配達に行けといわれた」「配送中の事故は自己責任で処理しなくてはならない。無事故無違反手当てがなくなったならば、給料がごっそりと減る。」等々と理不尽なことが山ほどある。 経営者は、弱いところから金を搾り取る、ということをこの10数年間に学んだ。いや、はじめから知っていたのだが、それを指摘する労組は18%に落ち込んでいるから無いに等しい、法律すれすれ、あるいは少々法律を破っても何とかなるということを学んだのである。 ひとりでは、点眼もできないはず。 公園で寝てるんとちやうやろか。 だいじょぶか! と、じゅんさんは心配する。
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