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2010年09月06日
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カテゴリ:邦画(09~)
やっぱり木村多江では清子は駄目だった。彼女に汚れ役をさせる度胸が無いまま映画にしてしまった製作者側の明らかな失敗である。

監督 : 篠崎誠
原作 : 桐野夏生
出演 : 木村多江 、 窪塚洋介 、 福士誠治 、 柄本佑 、 木村了 、 染谷将太 、 山口龍人 、 南好洋 、 結城貴史 、 清水優 、 阿部亮平 、 テイ龍進 、 趙民和 、 鶴見辰吾

原作の第一章にあたる、最初の五年間をあまりにもすらっと描きすぎている。映画ではどうも数ヶ月くらいしか島にいたというふうにしか見えない。映画では最低限の状況説明が無いために、彼らの飢餓感が観客に伝わりにくいのである。この島は幸いにもフルーツ類と水はたくさんあるためにあまり労働しなくても飢えるということはない。だからこそ彼らの関心は、唯一の女性(性欲)、手に入らない食材への憧れ(食欲)、そして長い年月と共に狂っていったり、権力欲に向ったり、生き甲斐に走ったり、脱出に向ったりしたのである。映画の冒頭場面はそれらを一定全て試したあとの話なのだ。

そして権力闘争に汲々とする日本人グループと生きるために必要なことをする中国人グループとに分かれ、清子はその二つの間を器用に渡り歩く。そのためには、清子にしっかりと濡れ場を演じてもらわなくちゃいけないし、自分の夫を殺した男だと分かった上でその男を利用することで生きる46歳のオバサンの肉体をしっかり映像として見せてほしかった。

この映画の面白さはこのようなシチュエーションになったら、人はどうなるのだろうか、ということだと思う。ところがその一番大事なところが、現実感をもって描ききれていないのである。

キャスティングの失敗は痛かった。あと、二重人格をもった男の役にはもっと演技派を配するべきだった。小説ならばあんなに頻繁に人格交代が起きてもいいけど、映画として見せるならばもっと工夫が必要だし、演技にも工夫がほしかった。






最終更新日  2010年09月06日 07時33分13秒
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