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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

文の型がものを言う英語

英語は日本語と語順が逆、などとよく言われる。だがそうではなく、そもそも日本語では語順なんてものはさして重要ではないのに、英語では語順がイノチといってもいいほど重要だという、もっと根本的な違いがあるのである。

「私は彼女に花をあげた」
この文は、「彼女に私は花をあげた」でも「花を私は彼女にあげた」でも(他にもまだ組み合わせ可能)問題なく通じる。だが英語では
I gave her a flower. 
という文しかあり得ない。
I gave a flower to her.という文もあるが、これは文の構造がまた違っているのである(だから急にtoが出現している。ここでは説明は省くが)。

日本語は膠着語と言い、つまり「くっつき語」ということだが、名詞に助詞、つまり「てにをは」をくっつけると、こんどはそれが接着剤のようになってどこにでもくっつく。「てにをは」によって文の中でのその名詞の意味・役割が決まるので、どのように組み合わせてもオッケーなのだ。つまり、「は」や「が」ついていればそれが主語だし(厳密には「主語」ではない、これはあとで述べるが)、「を」がついていれば直接目的語、と分かる。

ところが英語の場合、そういう語の文中での役割を決定するのが語順である。
この文型の場合、1+2+3+4と語が並んでいたら、1-主語、2-動詞、3-間接目的語 4-直接目的語 となることに決まっている(*I gave a flower to her.の場合は、1主語+2動詞+3直接目的語+その他の副詞句、という形なのだ)。



英語だけではなく、世界的にも多くの言語が英語式に「文型ありき」のものであり、日本語のような膠着語の方が珍しいのだそうだ。韓国語とかモンゴル語とか東アジアを中心にいくつかある程度のようである。

英語は「語順こそイノチ」というぐらいに語順や文型が重要だ。だが日本語は「てにをは」をつければいいので、語順を気にする必要があまりない。だから日本人は英語をしゃべろうとして、いきなり頭に思いついた語から文を始めようとして破綻するのである。
(余談:最近の若い子と話しているて、「○○はどうなっているの?」などと聞くと、しばしば、「は~、××して△△だからぁ~」などと受け答える。…って、文字にするとワケわからないが「は~」は「HA~」ではなく「WA~」という発音で、つまり「○○は~」と答えようとして○○の部分を省略している形なのだ。なんじゃそら、とオバサンには違和感がある。まあ言葉は生き物なので次第に変化して当然、だから「ケシカラン」というつもりはないが。これも「てにをは絶対」の日本語ならではの形だろう)


どうしたらいいのか。とりあえずの対策は以下。

1)ともかく違いを意識する。 上記の、日本語と英語の違いを肝に銘じて、頭に浮かんだ単語から文をいきなり始めようとしないように意識する。ちなみに、ここでの「肝」はなんといっても「主語をどうするか」なのだが、それについては次に改めて述べるつもりである。

 ただし、実際にしゃべる機会に、文の構成を意識しすぎて、つまり文を構築してからでないと口から発せない、よっていつまでも押し黙ってしまう、という現象はよろしくない。頭に浮かんだ単語をいきなり発しても構わない、ただしあとから修正していく。たとえば
「花をあげたんだよ、彼女に」と思ったとき
「flower」といきなり口に出していい。その代わりすぐに修正する。
「Flower....gave...いやえーと、I gave a flower...to her」
口に出してしまうことでガス抜きをしないと圧力が高まりすぎる。言いながら考える方が楽なはずである。だが、そのままでは文が成立しないことを知るべし。

2)文型を覚える
文型がものを言う言語なので、文型を覚えなければどうにもならない。覚えるには、やはり「トレーニング」である。前半の発音編でしつこく語った「リズム」がここでものを言う。リズミカルに言えるものなら覚えるのも楽だからである。逆に、たどたどしくしか言えないものを暗記するなんてことは、かなりな苦痛だ。リズムが会得できれば、単語自体を万一忘れてしまって、つまり文の暗記自体に失敗しても、リズムの枠組みが残っていればそれをもとにして自分の文を作ることも比較的楽にできるのだ。
だからまず音声のある教材で、リズムを確認しながら真似をするトレーニングを徹底的にずべし。

3)英"借"文のトレーニング
これも聞いたことがあるフレーズではないかと思うが、「英作文は英借文」。例文を覚えたら、その文の単語を置き換えることで新たな文を作っていく。
英語の語順のままに自然に発想することができるようになるためには、まず文の後半を応用することから始めるのがいいのではないかと思う。
たとえば、I gave her a flowerという文を覚えたら、
I gave her a bag.
I gave her a necklace.
I gave her some money.

などのように、最後のflowerという単語をどんどん他のものに置き換えて文を口に出していく。身の回りを見渡して、目に付くものをどんどん入れていこう。英語で何というか分からないけど気になるもの、はぜひ辞書で調べておこう(名詞なら単語レベルの対応もOKなのである)。

それを続けて納得がいったら、こんどはherの部分をhimなどに変えてみる。
次はgaveを、showedに変えてみたり、あるいは動詞の部分は時制を変えてみるともっといいだろう。I'm going to give ~にしたりI have givenにしたりする。
そして最後に、主語もIではなくSheやHe,そしてMy fatherとかA friend of mineとかに変えてみる。

そんなふうにして、ひとつの例文を手を変え品を変えいじくって、自分のものにしてしまうのだ。

これはどんなレベルの人にもお勧めする。一度にたくさんやろうとしなくていい。1日1つ、あるいは週に2~3つぐらいの基本文をテキストなどからピックアップして、その週じゅうずっと、スルメのようにいつまでもいつまでも何度も何度も噛み続けて、様々なバリエーションで口に出して練習するといいだろう。
(ゆくゆくはこのサイトでも具体的なトレーニングプログラムを提供したいと思うが、現時点では「理念」のみにて失礼)
実はこの、「リズミカルに文を暗記し、少しずつ応用する」ということが、これからもっといろいろ述べて行くつもりの文法篇のすべてに共通する「対策」である。究極、これしかないのである。
理屈をある程度おさえた上で(つまり自分が何をやっているのかを理解した上で)トレーニングを積む、これが他の分野、たとえばスポーツなどにもあてはまる絶対の黄金律なのだ。


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しかしここでひとつ、もっとシンプルにぶっちゃけたことを言えば。
「語順が命」であるのだが、本当は、そのイノチ中のタマシイとでもいう部分(なんのこっちゃ)はとりあえず、

「主語+動詞」

なのである。英語の文型はつきつめていえば「主語+動詞+その他」でしかない(命令文を除く)。だが会話についての初級者は(読んだりするならある程度わかるのに)何かを言おうとする際に、この段階でまずとっちらかってしまう。「久しぶり」とか「ずっと」とかそういう語句を使うことからはるか以前の問題なのだ。なにしろ日本語には主語がないから。ないものをひねり出すのは難しい。だがそれがまさに必要なのである。このことについては次回。

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