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セレンディピティ

セレンディピティ

地球~人間誕生

真珠地球・生命誕生

今から遥か昔の約48億年前に銀河系の片隅で一つの星が命を終えました。「超新星」です。

超新星とは、太陽のような恒星が一生の最後に起こす大爆発のことです。

その「超新星」、消えた一つの星のおかげで、私達、生命体は誕生することができました。

生命が誕生する為には、水素やヘリウムなどの軽い原子以外に、鉄以上の重い

原子も必要で、それは、星の一生の最後である爆発の時にしか出来ないといわれているのです。

その超新星と共に周りは明るく照らし出され、その残骸は吹き飛ばされ散りゞになりながら

宇宙空間に放たれて行き、残された残骸を元に新しい恒星=太陽が作られました。

太陽もまた、地球と生命の誕生には、必要でした。

太陽の活動には周期があり、活動が強くなると太陽風に

のってやってきた電磁波などにより磁気嵐などが起きます。

生物の進化に太陽活動は影響を及ぼしたと考えられます。

太陽は膨大な光と熱を発する天体です。

それなしでは地球は暗黒に包まれた冷たい星に過ぎません。

太陽無しに現在の地球と生命の姿はあり得ませんでした。

約46億年前、誕生したばかりの地球の表面はマグマの海に覆われ、

1億年後、地球がゆっくりと冷え始め、空の水蒸気が雨となって、

いつ果てるとも知れない豪雨となり、海が生まれました。

海が出来た後の大気は二酸化炭素で溢れていました。

厚い雲に閉ざされ、僅かに届く太陽が空をオレンジ色に染め、

灼熱の海に生命を作る材料が集められていきました。

原始地球は成立の過程で互いの重力によりたくさんの

隕石が衝突しながら大きさを増していきました。

隕石にはアミノ酸をはじめ生命を作る材料が含まれ、

また、雷や紫外線のエネルギーによる化学反応からも生命の材料ができていったのです。

45億年前のある日の事、火星と同じ大きさの惑星が地球に衝突。

この時に砕け散った一部が集まって月になりました。

この衝突は海底にも大きな衝撃を与え、海底には地球内部の様々な

物質を吐き出す「噴出口」のようなものが立ち並びました。

原始の海に浮かぶ巨大な月、月と地球の距離は今の半分もありませんでした。

遺伝子の誕生にも太古の海に浮かぶ巨大な月が関係しているといいます。

原始の月の引力が引き起こす大きな潮の満ち引きが潮溜まりを作り、

そこに遺伝子を作る物質が集められたとされます。

生命の素材をいっぱい含んだ原始の海。打ち寄せる波が岩に砕け、

細かい無数の泡が作られてゆきます。

原始の海の泡は消えることなく岩にとどまります。

そして、繰り返し打ち寄せる波は泡が作る薄い膜の中に周りの

物質(アミノ酸等の生命の素材)が取り込まれていったと考えられています。

このような密閉された環境(泡の膜)が無ければ、遺伝子の素材となる分子が

ただ拡散し薄まるばかりで、相互作用が出来ないので、生命が誕生する為に

は、膜に包まれた空間が必要だったのです。

そして、深海底へ沈んでいったものが、「噴出口」で混合されて、原始生命が誕生していきました。

膜の中に包まれ(細胞ができた)さらに高分子の合成が進んでいきます。

その中で、効率の良いシステムの出来上がったものが残り、生命へと進化して

いくことになったのではないかといわれています。

この膜は、脂肪からできています。この安定した膜の中で、生命につながる

重要な化学反応が進んで生命が誕生し、互いに試行錯誤を繰り返し遺伝子DNA

を作り上げていったと思われます。

この単細胞生物のバクテリア達が私たちの遠い祖先なのです。

その頃の海は、何百種類もの化合物が溶け込んだ薄いスープのようなものでしたが、

全く酸素のない世界でした。寧ろ生命体にとって酸素は天敵でした。

これは最近でも、医学会で、全ての疾病は「活性酸素」によると、発表されたことに通じます。

生命体のルーツが誕生した海水の中は、全く酸素のない世界。

このことは、とても重要でした。

生命体のルーツは、酸素を嫌う「嫌気性」でありました。

しかし数億年後、酸素が無かった原始の海の中にも植物のルーツになる藻(シアノ・バクテリアの一種)

が誕生し、海の中で光合成を開始すると海中にも大気中にも酸素が発生していきました。

酸素は殺菌力があり、原始生命体にとっては極めて猛毒であり、酸素毒によって、

海中の原始生命体はあっというまに駆遂され、死滅していったのです。

これが活性酸素の発生です。原始生命体は生き延びて行くために、酸素毒に

対応できるよう、体の仕組みや姿、形まで変えていったのです。

今の私たちの体を作る細胞は酸素が無くては生きていけません。

最初は猛毒であったものが、生きていく上で欠かせないものになる。

この大逆転は、どのように変化していったのでしょうか? 

種の自己保全のため全く違う進化をした二つの生命体が、一緒になって

新しい生命を作り出していったのです。

酸素毒環境に順応した生命体と、酸素毒から逃げ回り生き長らえた生命体(酸素を嫌う「嫌気性」)が合体し、

新たな進化を遂げ、2個のDNAを共有し、繁殖と分裂を繰り返し、増殖しました。

酸素毒に挑戦し、順応していった細胞はミトコンドリアとなり、今も人体の

細胞の中で酸素を調整して、細胞核やDNAを酸素毒から守る働きをしています。

とっても興味深いことに酸素毒を嫌う「嫌気性」生命体から誕生した細胞の

集まりは、消化器系の器官となり、酸素毒に順応していった細胞群は、

代謝系の器官(肺、肝臓、心臓などの循環系器官、門脈(血管)など)に進化していったのです。

人体では、口から入った空気(酸素)は気管を通って、すべて代謝系に流れ込み、

消化器系にはいかない仕組みになっています。

万が一、消化器系に酸素が微量たりとも侵入した場合には、細胞内のミトコンドリアが

調整し、酸素毒を防ぐようになっています。

消化器系の中には、100種、100兆個の微生物(腸内細菌)が棲息しており、

それらは当然の如く酸素を嫌う存在です。

この微生物(腸内細菌)が消化器系の中で生命活動に必要なあらゆるホルモンや

酵素を生産し、人体内の60兆の細胞と代謝系の臓器の働きを支えています。

この二つの生命体の合体した多細胞生物の誕生は、約10億年前です。

微生物学者によれば、腸内の微生物(腸内細菌)は、進化の過程からみれば

代謝系の臓器よりも古く、原始生命体の働きを受け継ぎ、微生物(腸内細菌)が代謝系の臓器(肝臓、腎臓など)を

作ったとし、その具体例に、ミミズを例にあげています。

ミミズの体内に臓器はひとつもなく、ミミズの体内に棲む微生物が、

消化から代謝まで全てを行っています。

「人体の消化器系はミミズです」と思えば分かりやすいとのこと。 

酸素は病気の元凶です。しかし細菌やウイルスを退治して守ってくれるのも

活性酸素、バランスが問題になります。

そうしたことを踏まえて生物は単細胞から多細胞生物へ進化し、生物の形態も植物から

自ら動く事の出来る動物の2種類に分かれ、各々に進化していきました。

約5億7千万年前には三葉虫の全盛期を迎え、そして同じ頃に脊椎動物としては

最初の魚類が誕生し、約4億年前には両生類へ、そして約3億年前には

爬虫類へと進化し、陸上へと生活圏を広げました。

植物は両生類が誕生した頃には既に陸上進出しており、爬虫類の登場と共に

大森林を形成するようになり、地球は緑の惑星となりました。

爬虫類は約2億4千万年前に哺乳類へと進化しましたが、ネズミ程の本当に

小さな生き物でしたので、陸上の支配者は爬虫類となり、強大化した恐竜が、地球の王者となりました。

爬虫類は陸上だけでなく、空中へも進出し、約1万5千万年前に鳥類が誕生、

恐竜の中にも飛べるものが現れ始め、生物は地球上各地に広がりました。

爬虫類は水中へも進出しましたが、魚類や哺乳類などによって水中の覇者にはなれませんでした。

恐竜が地球上の覇者となって1億年近くが経とうとしていた約6500万年前に、

メキシコのユカタン半島へ巨大隕石が衝突した事によって生態系は大きく変化します。

衝突によって砂や塵などが空中に舞い上がり、そして地球全体を覆いました。

結果、太陽の光は地上に届かなくなり、植物が絶滅し、続いて草食動物、

そして肉食動物も多くが姿を消し、恐竜など巨大な生物はほとんど絶滅しました。

体が小さかった哺乳類は、この大きな気候変動を生き延びる事ができたのです。

生命誕生の不思議なことに、受精後、第5~6週のわずか1週間の間に,地球に

初めて生命が誕生した35億年前の「魚類」から「両棲類」、「爬虫類」、
そして約6500万年前に

出現した「哺乳類」と、生物の進化過程の全てを辿ってくるそうです。

羊水は原始地球の海水と、ほぼ同じ塩濃度を持ち,いずれも弱アルカリ性の液体であることも解っています。

生命の誕生から、ずっと私達は、羊水に近い成分の大気の中で生かされてきたといいます。

1.JPG

さらに、もう一つ、前に読んだ中村天風の本に書かれていたことを紹介します。

生命が生まれ、育つには宇宙のエネルギー(気)が働いているそうです。

植物の種子が発芽し双葉をだす時。蛙の卵が分裂する時。

人間の場合も、子宮の中で受精卵が細胞分裂し、一番はじめに出来るのは

「気」を存在させるための場所だそうです。

四畳体(しじょうたい)といい、その下に間脳ができます。

この「間脳」こそが、人間の正体だというのです。正体だけあって、この間脳

を毛筋でピッと突いても死んでしまう。

これが一番先に入れ物としてできる。それから今度は、「心」の働きを行う

ところの神経系統ができてきます。

それから後に筋肉や細胞、その他の五臓六腑ができあがる。

私たちが自分だと思っている肉体は最後にできあがるのだそうです。

間脳が内臓を始め人体の諸器官のすべてをコントロールしているといいます。

「潜在意識」といわれるのも、この「間脳」です。間脳に情報を入れると、

間脳は入れられた指示通り、その目標に向かって進むのです。

「潜在意識を活用して夢を叶える」というのも、あながち空言ではないのです。

太古の海はシアノ・バクテリアが吐き出す酸素で溢れ始めました。

それが海水の中の鉄分と反応して大量の赤錆を海の底に降り積もらせてゆき、

海底の隆起によって地上に現れ、鉄鉱石の鉱山ができあがりました。

今、世界で使われている鉄資源のほとんどは、この時シアノ・バクテリアが

出す酸素によって海に沈殿したものだそうです。

「鉄」は、人類文明の進歩に欠かせない素材であると共に、生物の進化や

人間の生命に不可欠な金属でした。

生命の起源となるタンパク質は、海底から噴出する炭素や水素などが結び付いて

できたアミノ酸が、さらに結合することによって生まれたと考えられています。

その合成で重要な触媒の役割を果たしたのが「鉄」でした。

鉄は酸素と結び付いて、生物の体内を移動し、体内の至る所に酸素を運び

エネルギーを生み出す役割を果たします。

その鉄タンパク質の代表格が血液中の「ヘモグロビン」で、これは酸素呼吸

する哺乳動物の象徴です。

鉄は、タンパク質と結びつくことによって酵素を形成し、過酸化水素処理能力

を持つようになり、こうした酵素を多く持つほど、生物としての寿命も長くなるのだそうです。

「地球」は、鉄の星といわれるぐらい他の金属と比べて格段に多いのです。

鉄は、宇宙の誕生と同時に始まった核融合の最終の姿で、構造的に最も安定した元素といわれます。

古代の人々は、こうした叡智をすでに持っていたのかもしれません。

陸や海のシルクロードから日本に渡来した人々も製鉄部族集団でした。


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