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テーマ:日々自然観察(9791)
カテゴリ:昆虫(カマキリ)
最近、この辺りで見るカマキリは、ハラビロカマキリかコカマキリばかりで、大型のカマキリを見ることは少ない。久しぶりにしげしげと顔を眺めてみると、見慣れたハラビロカマキリよりも虫相?が悪い。かなりヤクザっぽく、凶暴な感じ。
頭の形もかなり違う。額の部分にある縞模様が口にまで達し、複眼が大きく突出し、口先が尖っている。一方、ハラビロカマキリの方は、全体として御握りの様に丸味のある三角形である。それが何となくカマキリとしては柔和な印象を与えるのだろう。
これまで見たことのない、頭部の裏側を撮ってみた。かなり不気味である。喉の所の襞や、複雑に分かれた口器が、未来映画に出てくる凶暴な宇宙生物を思わせる。
さて、このカマキリはオオカマキリとチョウセンカマキリの何れであろうか? チョウセンカマキリと言っても朝鮮からの外来種ではない。昔から居る種類で、図鑑に拠れば、只カマキリと言った場合はチョウセンカマキリを指すとのこと。 オオカマキリは前肢付け根の間が黄色く、チョウセンカマキリでは赤い。また、オオカマキリの後翅は全体に紫褐色の斑紋があるのに対し、チョウセンカマキリでは大部分が透明である。
カマキリの首根っこを掴んだら、カマキリはのけぞって翅を拡げた。オオカマキリであった。 余程ビックリしたのか、放してやった後も10分位、上の写真の様な格好をしたままであった。これが世間に言う「蟷螂の斧」の形であろう。ハラビロカマキリはこう言う格好をしない様な気がするが、定かではない。
ついでに、前肢の付け根も示しておこう。この黄色い部分がチョウセンカマキリでは赤い。
ところで、オオカマキリとハラビロカマキリでは、顔つきばかりでなく、行動面でもかなり違って見える。ハラビロカマキリはジッと同じところに留まって獲物が来るのを何日でも待っているが、オオカマキリは待ち伏せ型と言うよりは、徘徊型の様である。 上の写真を撮ってから1時間後には、先の熱帯バジルから1m位離れた「キク科の雑草」の上に移っていた。菊花の上でもジッとしているのではなく、彼方此方歩き回っている。
歩き回って捕らえたのが、隣の鉢でスミレを食べていたツマグロヒョウモンの幼虫。 其処には、ツマグロヒョウモンの幼虫がまだ何頭もいる。この調子では全部食べられてしまう恐れがあるので、オオカマキリを少し離れた所に置いてあるハナトラノオの鉢に移した。 此処でもカマキリは彼方此方歩き回っていたが、虫が沢山やってくるにも拘わらず、2日後には姿が見えなくなってしまった。かなり放浪癖が強いらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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