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2008.06.21
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 今日は、ロリーポップに引き続き、少し変わったユリをまた1種紹介する筈であった。しかし、昨日の夕方、注文していたクローズアップレンズとストロボのディフューザーが届いたので今日その実験をしてみたところ、マズマズの成績を収めたので、その結果を先に掲載することにした。

 クローズアップレンズを買ったのは、勿論、等倍以上の接写をしたいが為である。等倍以上の超接写をするには次の様な種々の手段がある。
 1)現在、最も高性能で撮影倍率も高いのはキャノンの「MP-E 65mm 1-5x マクロフォト」と言うレンズを使う方法である。等倍から5倍まで撮影出来る、超接写専門のレンズである。しかし、私はキャノンのボディーを持っていない。このレンズは実物を見ると非常にゴツく大きなレンズで、Kissシリーズの様な小さなカメラでは操作がし難く、EOS 40D辺りを買わなければならないことになる。また、被写体がレンズから非常に近くなるので、専用のストロボ(マクロツインライトMT-24EX)も必要である。何れも実売価格10万円程度だから、合計30万円近い出費となる。

 2)最近、マイクロ広角レンズと言う、鏡筒前部のレンズが結ぶ焦点像を別のレンズで拡大して撮る(らしい)レンズがある。レンズを部分的に取り換えることにより非常に多様な使い方が出来るらしく、所謂「虫の目レンズ」もこれに属す。超接写用には何が必要なのかよく知らないが、やはり全部で30万円近い価格になるらしい。

 3)接写リングやベローズに少し短め(ワイド)のレンズを逆付け(リヴァース、レンズを反対向きに付ける)する方法もある。接写リングやベローズは昔使ったものをアダプターを使って付けることが出来るが、レンズは手元に適当なものがないから、新しく買わなければならない。古典的なシステムで、かなりの高倍率が得られる。しかし、致命的な欠陥がある。レンズを逆向きに、フィルター側をカメラの方に向けて取り付けるのだから、オート絞りが利かないのである。しっかりした資料台と三脚を使用するなら兎も角、これをフィールドで使用するのは些か無理がある。

 4)かなり乱暴な方法もある。標準ズームレンズの前玉だか前部だかを外して、残りの部分を使うとかなりの接写が出来るそうである。しかし、その方法で撮影した写真を見ると、マクロレンズで細心の注意を払って撮ったのと余り変わりがない様に見える。

 5)一番簡単なのが、クローズアップレンズを使うことである。フィルターを付けるのと同じだから、フィルター径さえ合えば何処のメーカーのものを使っても構わない。ただ、被写体との距離が小さくなりストロボの光が廻らなくなるので、光を分散させるディフューザーが必須で、また、ディフューザーで光量が相当減少するはずだから、外付けストロボも必要となる。私の場合、外付けストロボは持っているから、クローズアップレンズとディフューザーだけを買えばよい。

 ・・・と、色々ある訳だが、遊びに30万円出す気はしないし、標準ズームを壊して良い結果が得られる保証もない。クローズアップレンズとディフューザーならば合計1万円もしないし、ものは試しで、うまく行かなければ捨て置いても大して心が痛むこともあるまい。

 100mmのマクロレンズに、No.5とNo.3のクローズアップレンズを2枚重ねて付け、撮影倍率を最大にして撮ってみた。CCDの横幅が23.5mmの場合、画面の横幅は約12.6mmとなり、倍率はマクロレンズ単体の約2倍になった。レンズ面と被写体までの距離は約55mmで、超接写にしてはかなり開いている。

 これを使って先日紹介したクヌギミツアブラムシ(一度絶滅したが、また別のコナラの木に現れた)の幼虫を撮ったのが下の写真である。


クヌギミツアブラムシ(若齢幼虫)
クヌギミツアブラムシの若齢幼虫.体長約1.25mm

ピクセル等倍.触角は5節、角状管や尾片の毛も見える

(2008/06/21)



 まだかなり小さい若齢幼虫で、先日紹介した同種のアブラムシよりはずっと小さく、体長約1.25mm。前のシステムでは、これの2倍程の大きな個体でもどうしても見えなかった触角の節が、ハッキリ5節見える。また、その触角や角状管(腹部の後部側方にあるアブラムシ独特の管状をした構造、ミツアブラムシ亜科では小さな丘状の突起になっている)、尾片(お尻の先っぽ)に生えている毛もチャンと見える。・・・う~~ん、これは、我ながら、かなりの進歩と言えるのではないか!!

 この新システム(と言うほど大袈裟なものではないが)を使ってみて、タメゴロウの如くアッと驚いたのは、ピクセル当たりのレンズの解像力が上がってしまったことである。上の写真、ピクセル等倍である。これに使用したレンズとカメラは、ここ暫くこのWeblogで使用しているセットではなく、以前使っていたセットである。ピクセル等倍では使い物にならないので、今のセットに換えたのである。それが、この写真の様にピクセル等倍でもかなりカチッとした像を結んでいる。

 クローズアップレンズ、しかも一番倍率の高いNo.5と真ん中のNo.3を重ねて使えば、ピクセル当たりの解像力は相当落ちるのが普通である。それ故、今まで試してみなかったのだが、偶然の組み合わせとはいえ、世の中、不思議なこともあるものである。







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最終更新日  2008.06.21 19:00:55
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