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テーマ:日々自然観察(9868)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
撮影したのは、昨年の6月9日、まだニワナナカマドが咲き乱れている頃であった。ギボウシの葉の上に小さなハチが留まっており、口から蜜を出したり引っ込めたりしている(下の写真)。まるで牛が反芻している様。
良く見てみると、複眼の間に逆三角形の小さいが極めて明瞭な黄色斑が1対ある。こんなハチは見たことがない。しかし、これ程明確な特徴があるのだから、調べれば簡単に種類が分かるだろう、とその時は思った。。 しかし、図鑑は標本の背側を撮った写真しか載せていないし、Internetで調べてもハチを正面から撮った写真は少ない。幾ら捜しても、顔面に三角の黄色斑を持つハチは見つからなかった。本来ならば、検索表を辿るべきだが、膜翅目の検索表と言うのはどれも実体顕微鏡下で調べなければ分からない様な微小な構造の違いに基づいているので、この程度の写真から科を検索することは全くの不可能事である。 殆ど迷宮入りと諦めていたが、先日「裏庭観察記」と言うサイトを見ていたら、顔面に逆三角形の黄色斑を1対持つハナバチの写真がページの一番下に載っているではないか。ムカシハナバチ科のハチで、「ニッポンメンハナバチ?」と書かれていた。
多くのハナバチは、昨日のコマルハナバチの様に後脚の何処か(ハナバチ類の大半)か腹部下面(ハキリバチ類)に特殊な毛を持っていて、其処に花粉をくっ付けて巣に運ぶ。しかし、このメンハナバチ属のハチは、蜜ばかりでなく花粉も呑み込んで胃に蓄える。だから、体の何処にも花粉運搬毛を持たない。 口から出した蜜を良く見てみると、花粉の様な粒子が極く少しだが混じっているのが見える。恐らく普通はもっと沢山花粉が入っているのであろう。牛の様に反芻するのも、蜜と花粉を良く混ぜ合わせて均質にする作業なのかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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