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テーマ:日々自然観察(9815)
カテゴリ:昆虫(その他)
タマカイガラムシなど何処にでも居て、普通は面白くもない虫である。しかし、このカイガラムシ、妙にスベスベしており、色も鼈甲色を濃くしたような感じで、何故か妙に好感が持てる。しかも、その幼虫か、或いは、成虫になったばかりなのか分からないが、妙に色の薄いのもすぐ隣に居て、これもまた中々味のある色合いである(下)。
しかしこの他に、普通のカイガラムシ的な形をした個体も居る(下)。これが本当の成虫で、上のはまだ幼虫なのかも知れない。写真は出来るだけ拡大してあるので分かり難いが、上の2個体は体長4mm弱、下の個体は5mm強で、大きさがかなり異なる。また、上の写真の個体からは横から白黒マダラの触角の様なものが出ている。これは一体なんであろうか。
本当は、まァ、カイガラムシと言うのはよく分からない虫である、と言って逃げてしまう積もりであった。しかし、それでは余りに無責任であろう。カイガラムシをひっぺ返して見れば何か分かるかも知れない。 そこで、細かい仕事用の+3度の強老眼鏡をかけ、シャーレとピンセットを持ってカイガラムシを剥がしに行った。
色の薄い個体は柔らかく、綺麗に剥がすことが出来た。裏面を見ると上の写真の様である。触角の様なものは全然見当たらない。どうやら、虫とは関係ないものであったらしい。 この虫、幼虫なのか未成熟の成虫なのか、よく分からないが、少なくともまだ生きている虫である。 一方、色の濃い方は殻が固く、少し力を入れるとパリッと剥がれ、同時に細かい粉状のものが多量にこぼれ落ちて来た。粉状と言っても小麦粉の様な感じではなく、ある程度の大きさがあり、しかもその大きさは一定している様に感じられた。
これはカイガラムシの卵に違いない。早速等倍接写をしてみると、上の写真の通り、正しく卵であった。ウメに付くタマカタカイガラムシの丸い殻と同じで、中の虫はもう死んでおり殻の中は卵で満たされていたのである。 一番目の写真のすべすべした虫も同じで、殻の中からは卵が出て来た。少し小型であったが、もう務めを果たした成虫であったのだ。
タマカイガラムシの殻の中には卵がギッシリ詰まっている、と言う話は色々な所に書かれている。しかし、実際の卵の写真と言うのは、余り見た記憶がない。そこで、卵のピクセル等倍写真を掲げておいた。 超接写をすれば、もっと詳細な構造(例えば卵表面の模様)が見えるかも知れない。しかし、もう後1週間で新年、余りWeblogに時間をかける訳にも行かない。ここらで御勘弁願いたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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