ササグモ(Oxyopes sertatus:ササグモ科)は我が家の庭で見られる最も普通のクモの一つである。今年は特にその数が多い。枝から枝へ渡り歩いたり、或いは、葉陰にジッと身を潜めているササグモの姿を彼方此方で見かける。
最近は、ベランダの椅子からも、1匹のササグモの姿が常に見られる様になった。丁度その正面にあるヒュウガミズキの葉裏に産卵して、その卵嚢を守っているササグモがいるからである。

ヒュウガミズキの葉裏で卵嚢を守るササグモの雌
(2009/07/01)
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以前、
ササグモの求愛場面を掲載したことがある。この時は祈願成就はならなかった様だが、今日のササグモは、まァ、それが巧く行った後の姿である、とも言える。
実はこの写真を撮る数日前、この母グモが産卵しその上に網を一生懸命?張っていたのを見ていたのである。しかし、その時は雨が降っており、一寸写真を撮る気にはならなかった。それで、残念ながらその時の写真はない。

葉をひっくり返しても直ぐに戻って卵嚢を守る
(2009/07/01)
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普通、クモは葉を裏返したりすればサッサと逃げてしまう。しかし、卵嚢を守る母グモは違う。驚いて一瞬葉の反対側に逃げても、次の一瞬にはもう戻って卵嚢の上に陣取っている。中々健気でついつい情が移る。もっと写真を沢山撮るつもりだったのだが、ストロボで何回も脅かすのが可哀想になって来て、途中で撮影を止めてしまった。

卵嚢を守る母グモの真剣な顔.上の写真の部分拡大
一番大きな眼はハエトリグモとは異なり前側眼
(2009/07/01)
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そんな訳で今回は写真の枚数が少ない。最後に、卵嚢を守る母グモの真剣な?表情を載せておく。クモの眼はカメラ眼なので、良く見ると、哺乳類の眼の様に「瞳」があるのが分かる。瞳が見えると、クモでも、何となく近親感を憶える。