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2023.11.30
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全46件 (46件中 1-10件目) 昆虫(ハチ)
テーマ:虫!(815)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
そのコマユバチを、Entomological Society of Canada<カナダ昆虫学会>のサイトにある「Hymenoptera of the World<世界の膜翅目>」と、Maeto Kaoru(前藤 薫)氏の「Systematic Studies on the Tribe Meteorini (Hymenoptera, Braconidae ) I~VII<Meteorini族の分類学的研究(膜翅目、コマユバチ科)>」を使って科から検索した結果、コマユバチ科(Braconidae)ハラボソコマユバチ亜科(Euphorinae)に属すギンケハラボソコマユバチ(Meteorus pulchricornis)であることが判明した。 しかし、科から種までの検索は、かなりややこしく、また、証拠写真も多数を必要とする。其処で、今日は蜂の生体写真のみを載せ、種の検索については別の機会に譲ることにした。
羽化したのは、前回の繭の写真を撮ってから9日後の12月14日、体長約4.5mm(産卵管鞘を含まない)の繊細なコマユバチであった。 こうゆう小さな虫は、以前紹介した「アブラバチの1種(その2)」の様に、カーテンに留まらせて撮ることも出来るが、虫が小さいので、カーテン地の網目が何とも目障りになる。其処で、管瓶に入れて冷蔵庫に放り込み、よ~く冷やして動けなくし、室温に戻して常態に回復する時を狙って撮影した。
2番目の腹側から撮った写真は、冷蔵庫から出した直後で、殆ど死んでいる様に見える。しかし、20秒ほど(測定はしていない、単なる印象)で起き上がってしまう。ヒラタアブ類は、もう少し時間がかかり(分単位)、飛び出す前に身繕いなどするので撮り易いが、こう云う小さい虫は、回復が非常に速い。体重は体長の3乗、表面積は2乗に比例するので、小さい虫ほど速く冷えるし、速く暖まるのである。
起き上がっても、脚がシッカリして居る訳ではない。それでも、動かない脚を引きずる様にして(下の写真の右前肢付節)移動し始め、やがて翅を開いて飛んで行ってしまう。しかし、完全に回復してはいないので、近くに留まったりして再捕獲。 見失ったこともあるが、暫くすれば明るいカーテンの方に行くので、心配は要らない。また管瓶に入れられ、冷蔵庫行き。その後、半日以上は入れておかないと、立ち所に回復してしまい撮影する機会が殆ど無い。今日のコマユバチ成虫の撮影には、何と4日もかかったのである。
こうゆう小さなコマユバチには見ていて綺麗だなと思う種類が多い。幼虫は内部捕食寄生性だから、まァ、生態はオドロオドロしいとも言えるが、最後は綺麗な成虫に成長する。別に色彩に富んでいる訳ではない。しかし、体全体と言うか、姿が美しい。
前掲の前籐氏の論文に拠れば、このギンケハラボソコマユバチは日本で最普通種の一つとのこと。東京都本土部昆虫目録にもチャンと載っている。しかし、"ギンケハラボソコマユバチ"をGoogleで画像検索しても殆どヒットしない。一方、学名で検索するとそれよりもずっと多い写真が出て来る。本種は、日本全国、欧州、土耳古の他、世界の様々な地域に分布するらしい。 和名での検索がヒットしないのは、写真を撮っても種類が分からないのでお蔵入り、或いは、「コマユバチの1種」としてしか掲載されていないからだと思われる。現に、昨年もう一つのWeblogで紹介した「お知らせ+コマユバチ科の1種(Braconidae gen. sp.)」は、写真の解像度が低いので検索は出来ないが、本種に非常に良く似ている(但し、縁紋や後腿節先端の色は多少異なる)。
また、前掲論文に拠れば、本種はコブガ科、ヒトリガ科、ドクガ科、シャクガ科、ヤガ科、カレハガ科、アゲハチョウ科、シジミチョウ科、タテハチョウ科等の幼虫に寄生することが報告されており、広く鱗翅目の幼虫一般に寄生することが出来ると考えられている。 その為、世界的に鱗翅目害虫の駆除に天敵としての利用が研究されており、また、本種が産しない国では、外国からの導入も検討されている様である(既に米国に導入されている)。我国でも、本種が最近被害の多いオオタバコガの有力な土着天敵の一つであることから、飼育の容易なハスモンヨトウを使って増殖させ、オオタバコガの駆除に利用しようと云う研究がある(農業・食品産業技術総合研究機構-平成10年度四国農業研究成果情報)。
2011.12.23
テーマ:虫!(815)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
正確な正体は分からないが、どうやら寄生蜂の繭の様である。早速、葉ごと回収して小さなコップの中に吊るし、ラップで口を覆って、何が出て来るかを待つことにした。 この様な、何かにぶら下がる繭を作る寄生蜂としては、以前紹介したホウネンタワラチビアメバチ(繭と成虫:本当にその種なのか確信はない)がよく知られた居る。しかし、この正体不明の繭は、その繭とは形も作りも全く異なり、また糸は非常に太く、マクロレンズで撮ると、まるで針金の様である。分類学的にかなり離れた位置にいる寄生蜂に違いない。
其処で、「ハチ 繭 ぶら下がる」のキーワードでGoogle画像検索をしてみた。すると、似た様な繭の写真が見つかった。羽化後の空になった繭である。元を調べると、「下手の園芸ブログ」と云うサイトの2011年7月24日の記事「バラと幼虫と寄生蜂」であった。宿主の写真もあり、また、宿主から出て来た幼虫や、それが繭を紡ぐ所、その後の経過等を30枚以上もの多数の写真で記録されている。読者諸氏も是非御覧になられたい(拙Weblogでは、他所様のサイトへのリンクは、リンク切れの恐れがあるので、張らないことにしている。「"バラと幼虫と寄生蜂" ぶら下がる」で検索されたし)。
羽化した蜂の写真も載せられていた。そのサイトの著者はある程度昆虫に関する知識をお持ちの様だが、このハチの名前に関しては何も触れられていない。しかし、翅脈の良く分かる写真が載せてある。一見して、コマユバチ科(Braconidae)に属す寄生蜂であることが分かった。 しかも、体形と翅脈にかなり特徴的なものがあり、Borror & Delong著の「Study of Insects」やその他の文献で調べてみると、どうやらハラボソコマユバチ亜科(Euphorinae)Meteorus属のハチらしい。ハチは既に羽化しているので、現在、詳細を検討中である。
しかし、このコマユバチの寄主は何であろうか。繭の付いていた葉には寄主の残骸は無く、食痕も無い。毒草であるクリスマスローズの葉を食べる虫は今まで見たことがないので、その上に位置するデュランタに付いていた何らかの虫に寄生していたと考える方が妥当であろう。 恐らく寄主は寄生により衰弱してデュランタからクリスマスローズの葉上に落下し、其処からこのコマユバチの幼虫が出て来たのであろう。その後、寄主の死骸は風や雨で葉から落ち、この繭だけが残ったものと思われる。 Meteorus属の寄主は鱗翅目ばかりでなく甲虫類の場合もある。デュランタの方は、丁度その真上の部分を既に剪定してしまったので、食痕や寄主に関する何らかの情報を得ることは最早不可能である。 [追記]この繭から羽化したコマユバチはギンケハラボソコマユバチ(Meteorus pulchricornis)であることが判明した。その記事は、此方をどうぞ。
2011.03.06
テーマ:日々自然観察(9650)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
セイヨウミツバチかニホンミツバチかは、翅脈を見れば簡単に分かる。しかし、クリスマスローズの花は下向きなので写真が撮れない。花を起こせばハチは逃げてしまう。其処で一計を案じた。 生け捕りにして冷蔵庫で冷やし、動けなくしてから写真を撮るのである。早速、捕虫網で1頭を捕らえ、網の中でシャーレに入れて冷蔵庫行き。このミツバチ達は越冬しているのだから、冷蔵庫程度の低温で死ぬことはない。
1時間程よ~く冷やしてから取り出すと、ミツバチはシャーレの中でひっくり返っていた。一見死んだ様に見えるが、死んではいない。翅を畳んだ状態なので、此の儘写真を撮っても余り翅脈の見易い写真にはならない。其処で、動き出すまで暫し待つことにした。 やがて、脚と触角がゆっくりと動き始めた。更にもう少し経つと、今度はチャンと起き直って翅を少し拡げた。撮影のチャンスである。急いで翅の写真を撮った頃には、もうかなり元気になっていて、机上で接写をする時に使う台紙の上を歩き始める有様(最初の写真)。 しかし、翅脈が綺麗に撮れていることを確認するまで開放する訳には行かない。また、シャーレに戻って貰って、冷蔵庫行き。
1回目はピンぼけ写真だったが、2回目にはチャンと翅脈が撮れていた。やはり、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)(ミツバチ科:Apidae、ミツバチ亜科:Apinae)であった。2番目の写真で、右がセイヨウミツバチ、左がニホンミツバチ(Apis cerana japonica)である。ニホンミツバチでは後翅のM脈末端がRs脈との接点(正確にはr-m脈)以降も少し伸びている(白い矢印)が、セイヨウミツバチにはそれがない(M脈はRs脈との接点で終わる)。 これは、晶文社の「あっ!ハチがいる」の検索表や、色々なWebサイトで示されている両種の見分け方である。しかし、他にもう一つ翅脈上の違いを見つけた。ニホンミツバチの前翅のr-m(?)脈にある「枝」(黒い矢印)である。セイヨウミツバチにはこれが見当たらない。この様な翅脈上の枝は、時として個体変異として現れることがあるらしいが、数年前に撮った別の写真にもチャンと写っていたし、また、Web上を探すと、同様な枝を持つニホンミツバチの写真が見つかった。まァ、例数が少ないので、今後ニホンミツバチを見つけたら出来るだけ写真を撮って確かめてみよう。
さて、写真もチャンと撮れたので、ミツバチ君(雌だが・・・)を開放することにした。まだ飛べないので、取り敢えず、ヒラタアブ類の餌として植えてあるノースポールの花の上に置いた。ミツバチはクリスマスローズには沢山やって来るが、このノースポールは全く無視されている。従って、ノースポール上のミツバチは不自然で、ヤラセと言える。しかし、それでもお腹が空いたのか、将又、仕事熱心なのか、何回も筒状花に口吻を差し込んでいた。
やがて10分もすると、午後の日に照らされて体も充分温まったらしい。プーンと一気に飛び上がり、2度程小さな輪を描いてから、北の方へ飛んで行った。 数10年前読んだ本に、ミツバチは太陽の位置を判断して飛行の方向を定めると書いてあった。太陽が隠れていても、青空さえ見えれば、偏光を感知して太陽の位置を知ることが出来ると云う。しかし、身柄を確保してから2時間は経ったと思うので、太陽の位置は30度も西にずれている。間違った方向に帰って迷子になるかも知れない。少し心配になったので調べてみると、ミツバチは帰巣に際して視覚を有効に活用しているらしい。多分、チャンと帰ることが出来るだろうが、まァ、仮に迷子になったとしても、餌もねぐらも何処にでもあるのだから、死ぬことはあるまい。 セイヨウミツバチは、この数10年間、我が家では見ていないと思う。一体、何処からやって来たのであろうか。ミツバチの行動範囲は半径数km(通常2km位)にも及ぶと云うが、我が家のクリスマスローズ程度の蜜源に遠くからやって来るとは考え難い。この辺りには500坪を越える御宅もかなりある。何処か近くに、庭で養蜂を始めた蜂好きの御人が居られるに違いない。
2010.11.22
テーマ:日々自然観察(9650)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
この図鑑には属までの図解検索表が付いている。しかし、亜科への検索で腹側から見た腹部末端の詳細や付節末端の爪の突起など、微小な構造が問題となるので、小型のアリを写真に撮った場合は亜科まで落とすのは先ず無理である。しかし、図解検索の2段目までは進めたので、ヤマアリ亜科かカタアリ亜科の何れかに属すことが分かった。 その後は、どうしても絵合わせとなる。図鑑に載っているこの2亜科のアリは僅か82種である。だから、図鑑のページを1枚ずつめくって行けば容易に目的の種に辿り着くことが出来る(何しろ、「日本産アリ全種図鑑」なのだから)。全く所属の分からない奇妙奇天烈な小甲虫を撮って、甲虫図鑑の2~4巻の全部を調べるよりは遥かに楽である。 図鑑の解説には、「体色は褐色で,触角と脚は黄褐色.触角べん節の第2~4節の幅は長さよりも長い」、「胸部は短く,頭部と同じくらいの長さ.側方から見て,前胸は急に立ち上がり,中胸は弱く曲がり,両者で1つの大きく曲がる弧をえがく.前伸腹節背面は短い.後胸溝背面での凹みはわずかで短い.中胸背板に1対,前伸腹節に1対の剛毛がある」とあり、写真のアリの特徴と一致する。なお、アリの触角はスズメバチ等とは異なり、梗節が無く、梗節に見えるのは鞭節第1節となる。
殆どの読者は御存知と思うが、アリはハチと同類で、膜翅目細腰亜目アリ上科アリ科(Formicidae)に属す。アリは翅のないハチとも言えるが、アリの他にも無翅のハチ(特に雌)が色々な分類群に存在する。 翅がないのでアリと思ったら、○○バチであったと言うことも屡々起こり得る訳で、実際、昆虫の掲示板などに「この変なアリはなんでしょう」と云う様な質問でアリガタバチやカマバチ等が登場する。
これまで、このWeblogでアリを紹介したのは、ハリブトシリアゲアリ1種だけだと思う。しかし、我が家には他にも色々なアリが居る。ところが、普段、地面を歩いているアリは彼方此方歩き回って留まることを知らず、撮影は殆ど不可能である。 だが、何か餌などに在り付いている時は余り動かないので被写体になり得る。ハリブトシリアゲアリもアブラムシに集っていたから撮影出来たのである。 今日のサクラアリは、コスモスの花の上で何かに御執心であった。多分、昨日掲載したワタアブラムシが排泄した甘露を食べていたのであろう。
このWeblogは、最初に「こういう都会でも実はイロイロ[虫が]居ますよ、と言うことを知って貰う」と云う意図で開設したのだが、やはり都会の駅から僅か250mの住宅地ではかなりキツイ。最近はネタ切れ状態が慢性化している。これからは、砂糖水で誘き寄せるなどして、アリも撮ることになるであろう(但し、今アリは冬眠中、来春以降となる)。
2010.10.27
テーマ:日々自然観察(9650)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
ニホンミツバチは、ミツバチ科(Apidae)ミツバチ亜科(Apinae)に属し、アジアに広く分布するトウヨウミツバチ(Apis cerana)の日本亜種である。ミツバチ属(Apis)は世界に10種程度が知られており、1種を除いて東南アジアを中心に分布している(詳しい文献を持っていたのだが、探しても見付からない)。 その唯一の例外が日本にも移入されているセイヨウミツバチで、これはアフリカからヨーロッパに分布する。
セイヨウミツバチは昔は良く見たのだが、最近は全く見なくなった。これは、セイヨウミツバチは養蜂家が飼うものだけで野生化していないのに対して、ニホンミツバチは在来種だから何処かの木の洞にでも巣を作って自生しているからであろう。昔は、この辺り(東京都世田谷区西部)には畑地が多く、蜜源が豊富で養蜂家の巣箱(セイヨウミツバチと思う、ニホンミツバチは逃亡=逃去し易く飼い難い)を見た記憶があるが、畑地は次第に住宅地と化し養蜂家も来なくなった。これがセイヨウミツバチを見なくなった理由と思われる。
ニホンミツバチは住宅地の中でも平気で巣を作る。人の出入りなど殆ど気にしない様である。都内の電環内に所在するある国の大使館にVisaを申請に行ったところ、人の出入りの多い玄関の直ぐ横に生えているスダジイの祠にニホンミツバチが巣を作っており、多数の働きバチが飛び交っていた。 我が家に飛んでくるニホンミツバチが何処から来るのか些か気になっていたのだが、電環内にある大使館の玄関近くに巣を作る位なのだから、この辺りであれば巣を作る所など幾らでもあろう。
ニホンミツバチはやや小さく色が黒っぽいのに対し、セイヨウミツバチはやや大型で黄色い部分が多い。しかし、大きさは測定するか比較しなければ分からないし、黄色っぽいニホンミツバチも居れば黒っぽいセイヨウミツバチも居る。 決定的な違いは後翅のM脈(中脈)の形状である。下の写真で白い矢印が示しているのがM脈の先端で、その右側に見える太く翅端近くまで届いているのがRs脈(径分脈)である。矢印の少し上で両者が接している様に見えるが実際は横脈で繋がっており、この接続点でM脈が終わっているのがセイヨウミツバチ、下の写真の様にM脈がまだ少し続いているのがニホンミツバチである。残念ながら、最近はセイヨウミツバチを見ないので比較写真を出せないが、違いはお分かりであろう。
今年の秋は芋虫毛虫が結構居たので、飼育をして写真は撮ってあるのだが、前蛹化したまま蛹化しない。どうも、来春になってから蛹化し羽化するつもりらしい(この手の虫は結構多い)。羽化してからでないと種の確定に不安が残るので、今年はこれらを掲載することが出来なくなる。・・・とするとまたネタの心配をしなければならない。ニホンミツバチを掲載したのは、そんな理由からでもある。 [追記1]その後、セイヨウミツバチも撮影したので、翅脈の違いを示す対照写真も添えて、此方に掲載した。 [追記2]2番目の写真の解説で、後肢第1付節に花粉を付けているとしていたが、穂高氏に花粉を付ける毛があるのは後脛節であるとの御指摘を頂いた。全くその通りなので解説を訂正した。穂高氏には御指摘を感謝する。(2012/02/17)
2010.10.25
テーマ:日々自然観察(9650)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
早速「チビツヤアシブトコバチ」でGoogle検索してみた・・・。呆れたことに、先頭に出て来たのは昨年掲載したこのWeblogの記事であった。年を取ると自分で調べて書いた虫のことまで忘れてしまうのかと、めげること頻り。 チビツヤアシブトコバチ(Antrocephalus japonicus)は、アシブトコバチ科(Chalcididae)Haltichellinae(亜科名:和名なし)Haltichellini(族名:和名なし)に属す。昨年の掲載したのは雌で、北隆館の圖鑑には雌の特徴しか書いておらず、雄は全身真っ黒の様である。 写真のコバチは真っ黒だし、触角が長くて何となく雄と言う感じがする。昨年のは8月13日撮影、少し季節はずれているが、今年は少し虫の出が遅れているので、雌雄が我が家に訪れたと考えてもおかしくはない。しかし、根拠は薄いし、青蜂氏は「チビツヤアシブトコバチが近い様な感じ」としか書かれていない。其処で、此処では「アシブトコバチ科の1種(チビツヤアシブトコバチ:雄??)」と、「?」を2つ付けて置くことにした。
2010.10.20
カテゴリ:昆虫(ハチ)
以前、ハナアブやハエを狩っていた「ギングチバチの1種」を紹介したが、今日のはそれとは明らかに別種である。ギングチバチの仲間(アナバチ科(Sphecidae)ギングチバチ亜科(Crabroninae))は90種以上も記録されているし、文献も持っていないので種類は不明、「ギングチバチの1種(その2)」とするしかない。 今までお蔵にしていたのは、向かって右側の眼の上に太陽光の反射と思われるブレがあるからである。しかし、やはりギングチバチは可愛いので、敢えて紹介することにした次第である。
2010.10.18
テーマ:日々自然観察(9650)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
上の写真は、そのエゾギクキンウワバの幼虫を解体して、肉団子を作っているところ。シオンの株から飛び出して僅か10秒後位であるが、もう消化管内の内容物を殆ど分離し終わっている。或いは、株の中の見えないところで大体の処理は済ませていたのかも知れない。 生憎、ハチの留まったところがサンザシの株の丁度反対側で、横からの図を接近して撮影することが出来なかった。その結果として写真はかなりの部分拡大となってしまい、相当に荒れている。サイズも最大幅750ピクセルが限界。
クロスズメバチ属(Vespula:スズメバチ科(Vespidae)スズメバチ亜科(Vespinae))は、2005年出版の高見澤今朝雄著「日本の真社会性ハチ」に拠れば、6種7亜種。その内、白黒模様でこの辺りに居そうなのは、クロスズメバチとシダクロスズメバチの2種だけである。この2種の見分け方は簡単、頭楯を見ればよい。頭楯とは、大まかに言えば、左右の触角の根元より下側で口器との間にある部分。 その頭楯の中央部にある太い錨の様な形をした黒い紋(周囲は白い)が、頭楯の最下部に達していればシダクロ、下部に届かずに口との間に白い部分が残っているのが只のクロスズメバチである。上の写真をみれば明らかな様に、これはクロスズメバチ(Vespula flaviceps)である。 虫がいない居ないと思っていたら、一昨日辺りから急にやって来る様になった。キンケハラナガツチバチも昨日は多数飛来し、セイタカアワダチソウで花粉まみれになっていた。どうも今年は例年よりも発生が1週間~10日程遅れているらしい。暫く休業状態を強いられていた拙Weblogも、これで漸く再開出来そうである。
2010.04.27
テーマ:日々自然観察(9650)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
圖鑑の解説を読むと、ニッポンヒゲナガもシロスジヒゲナガも、雌はみな触角が短い。どうやら、この何れかの種の雌らしい。 ニッポンヒゲナガの解説には、最近、従来のEucera属(シロスジヒゲナガが属す)とTetralonia属(ニッポンヒゲナガが属す)の見直しが行われたが、「その内容は複雑なので、ここでは便宜上前翅の肘室が2個のものをEucera、3個のものをTetraloniella(旧名Tetralonia)と扱う」とある。其処で翅脈を見てみることにした。
上の写真で明らかな様に、肘室は3個ある。検索表で上の方から落としたのではないから全く別の属の可能性もあるが、まァ、圖鑑に載っている種類の中ではTetraloniella属と云うことになる。 九州大学の日本産昆虫目録を見ると、このTetraloniella(九大目録では旧名のTetralonia)には5種しか載って居らず、その内、本州に産するのはニッポンヒゲナガの他にミツクリヒゲナガがあるだけである。このミツクリは秋に出現する種類なので、除外して問題ないだろう。 次に確認の為、Web上にあるニッポンヒゲナガの画像を探してみる。雄は沢山出ているが、雌は意外と少ない。しかし、農業環境技術研究所の「ナタネ等アブラナ科植物の訪花昆虫検索表」に雌の標本写真が載っており、それと較べると充分よく似ている。・・・と云うことで、今日のハチ君(雌だが)はニッポンヒゲナガハナバチ(Tetraloniella nipponensis=Tetralonia nipponensis)と相成った。
ハナバチ類は、落着きなく動き回るか、花の中に頭を突っ込むかで、中々良い写真が撮れない。それが理由で余り撮影したくないのだが、久しぶりに撮ってみると、やはりハナバチは可愛い。チャタテムシの幼虫も可愛いが、それよりず~~と可愛い。
2010.02.02
テーマ:日々自然観察(9650)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
このホソハネコバチ科に属すハチは通常1mm以下で、昆虫の卵に寄生する。世界最小と云われる昆虫も本科に属すハチの雄で、チャタテムシの卵に寄生し、眼も翅もなく、体長は0.139mmとのこと(「あっ!ハチがいる」に拠る)。今日の写真のハチは、同科としては特別に大きな種類なのである。 Gonatocerus属のハチは、カリフォルニアやタヒチなどで猛威を振るっているGlassy-Winged Sharpshooter(GWSS)と云うオオヨコバイ科に属す害虫の天敵として世界的にその名が知られている様である。日本でもヨコバイ類の天敵として研究が行われている。写真のハチも、或いは、我が家のツマグロオオヨコバイの卵に寄生しているのかも知れない。もし、このハチもヨコバイ類の卵に寄生するのならば、大きさから見て、ツマグロオオヨコバイ以外に該当するものがないからである。ツマグロオオヨコバイの卵の大きさは良く分からないが、「日本農業害虫大事典」に拠ると、これより小さい只のオオヨコバイ(翅端まで約10mm)の卵は楕円形で1.7mmとあるから、翅端まで13mm程もあるツマグロオオヨコバイの卵は写真のハチを育てるのに充分な大きさがあるものと思われる。
今日はやっとまともな虫を紹介出来たので、ホッとしている。しかし、まだ植木鉢の下に居た生き物の写真が残っている。かなりキツイ生き物も含まれるが、その内紹介することになると思う。 全46件 (46件中 1-10件目) 総合記事ランキング
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