君の世界が終わるまで

[BLEACH-妄想-] カテゴリの記事

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• 藍ギンイヅUP♪UP♪

  まずはお知らせです。ずーっと放置していた長編モノ「宵闇の華」(藍ギンイヅ)の四話目をようやくUPすることが出来ました！！これ何話目で終わらせる予定だよ･･っと聞かれたら答えられない感じになっちゃいましたがようやく核心をつくところまでは来た感じがします！果たして五話目は一体いつUPされるのかは謎ですが気長にお待ちいただければと思います(^^;最近ようやく制作意欲も湧いてきたので白一長編も書きはじめたいとは思ってます。文の書き方変わってるっぽくて前後と雰囲気が違かったらすみませんm(__)mてかずーっと楽天放置してました。このまま放置する予定でした。でも叫ばずにはいられないことがっ！！なななななな何とっ！友達が聖ルドビコ学園の候補生になっちゃったよー！！聖ルドビコ学園とは学園型演劇集団の名前でブリミュの兄様役でおなじみ、林修司さんが所属しているところなんですねー！！そこの候補生とは言えオーディションに受かったわけですよお友達さんはっ！！まぁ修ちゃんは今年5月の卒業公演を最後に卒業してしまうンですが、大好きな俳優さんの居たところに友達が入るってのはとっても嬉しいことですねｖｖｖOBとして修ちゃんが稽古見に来るとかもあるかもしれないですしね！！笑。いや～友達から「一次受かったよ」って連絡があった後候補生になった友達の夢を見ましたがマ サ ユ メ に な っ ち ゃ っ た よ ！ ！(ミクでも同じこと言ってますｗ)あは～ん！候補生として芽が出てルドビコの舞台に立てるようになったら是非観に行かなくてはっ！！そして憧れの楽屋訪問してやるンだいｗｗｗOBとして見に来た修ちゃんと仲良くなったりなんて出来たら最高幸せなんだけどな～ｖｖｖなんて夢に夢見ているアズサさんでした！！鰤のスマートポスター入りバインダーをヤフオクで出品したら3100円の値がついたー！タオルコレクションも1100円だったわ！エヴァのアスカフィギアは500円だったけどｗｗｗ

  2007.03.13

• キリリク１つ消化！

  最近制作意欲が湧かないのですが、何とかやっとキリリクを消化しました。白一のはずがギンイヅも入っていると言うメチャクチャさ。っていうかどっちも入れたせいで内容が薄い･･･申し訳ないです(>__

  2007.02.08

• SS「口内炎」白一の一護アイドル

  今日も特に日記としては書く事がないので仕事中に書き上げたSSをば。実は随分前に口内炎で悩まされてたとき考えてたお話なんですけどね、今やあの頃考えてた結末は忘れたので結局在り来たりなお話になりました。白一だけど一護アイドル化ですので興味のある方のみご覧下さい♪****************************************************************************【口内炎】「黒崎一護が口内炎に悩まされている」っという事実が早くも瀞霊廷内に伝わった。こんなどうでもいい情報が早く伝わるのだからソウルソサエティは至って平和ということだろう。この事実を聞きつけた護廷十三隊の隊長、副隊長たちは一護の元へ即座にやってきた。「口内炎になったってのは本当か？！」まず口を開いたのは九番隊の副隊長の修兵。一護に飛び掛る勢いでやってきては一護の肩をガッシリ掴んで後ずさりしたくなるほど物凄い形相で問うてきた。「うぉっ･･あ、ああ。この辺にな。てか何で知ってンだ？」左頬の奥歯がある辺りの口内炎があるとこを指しながら「飯が食いづらくて仕方ねぇ」と言った。「それは大変やねぇ、僕が口移で食べさせてあげてもえぇよ？」ニヤリと口の端を高く持ち上げて笑う狐目男、三番隊の隊長ギンがその独特の訛りからか、からかいとも取れる口調で言った。「いらねーよ気色悪ィな。」だがそれもアッサリと跳ね除けられてしまった。「口内炎には蜂蜜が良いと聞く。特別に私の蜂蜜をやろう。」二番隊隊長の砕蜂が小瓶に入った高級そうな蜂蜜を差し出してくれた。しかし蜂蜜を口内炎に塗ると飛び上がってしまうほど染みる。一護はそれを痛いほど･･それこそ身に染みて知っていた。「あー･･どもッス。」それでも砕蜂の心遣いを無碍には出来ず有難く戴いておいた。「口内炎が出来ただなんて、体調でも崩したのかい？」万年体調不良の男、十三番隊の隊長浮竹がヤケに元気そうな顔で言った。「あ、浮竹さん。今日は体調良さそうだな。俺も別に体調悪いわけじゃねーンだけど。」「それなら何か悩み事とかあるンじゃないのかい？」女物の着物を羽織った奇天烈な男、八番隊隊長の京楽がニヤけ顔で問う。「ストレスとかかもしれないよ。疲れてるンじゃない？黒崎君。」三番隊副官のイヅルが京楽に続いて言う。何だか同士を求めているような言い方だ。「ストレスねぇ･･」「ストレスってンならあれだろ、原因は･･･」面白刺青眉毛の赤い髪をした男、六番隊副隊長の恋次が腕を組んで偉そうに一護を見下ろす。「原因は朽木隊長、かな。」恋次の言葉尻を横から攫って続けたのは五番隊隊長の藍染。眼鏡が胡散臭い･･･もとい優しそうな印象を与え、親しみ易い口調で告げた。「何で白哉がストレスの原因になるンだよ。」「だってアンタいっつも朽木隊長に振り回されてるじゃない。」答えたのは豊満で魅力的な肢体を持つ十番隊副隊長の乱菊だ。振り回されていると言うのなら彼女の上司である日番谷には一体どれ程口内炎が出来ているのだろうか。「一護も一護よ。何であんな冷徹で人を見下したような俺様男が良いのよ。」「な、何言ってっっ！！」「冷徹な男とは、私のことか。」一気にその場の温度が氷点下にまで下がったように思えた。まるで日番谷が斬魄刀を解放させたのではと思う程に空気は凍りついた。「白哉。」その場に居た死神全員が凍りついたというのに一護は平然と空気を凍らせた男に声をかけた。やってきたのは氷雪系の斬魄刀を持つ日番谷ではなく六番隊隊長の白哉。ちなみに斬魄刀は春の温かさを思わせる千本桜という名なのだが本人は全く小春日和など感じさせない冷たい空気を纏っている。「こんな所で何をしている一護。」「ん？あー何か口内炎出来てるってこと皆知っててストレスが原因じゃねぇかって言われて･･･」「口内炎？痛むのか。」「んーまぁちょっとはな。飯食いづらいってくらい。」「それで、そのストレスの原因が私だと言う事か。」「何か、そう言われた。」これには一護も気まずそうに答えた。白哉が原因だと言われる心当たりがないわけではない、むしろあり過ぎるくらいだと思った。「そうか、それならば責任を持って治してやらねばならぬな。」「え？治せるのか？」「鬼道を使えば容易いことだ。」「へぇ～鬼道って便利なんだ―――んっ！？」流れるような所作で顎を捕まれたかと思うと上を向かされ白哉は一護の唇を奪った。ちょうど口を開いた状態で口付けたために舌はすんなりと口内へ侵入することが出来、白哉の舌は何かを探るように縦横無尽に一護の口内を舐め回した。「んっ･･んっ！ふ、ぅ･･･」白哉の舌に翻弄され一護の瞳は次第に濡れていった。その様を見ていた死神たちは目をパチクリさせて魅入ってしまった。一護の切ない表情にゴクリと生唾を飲む不埒な輩もいる。乱菊に至ってはカメラ持ってくれば良かったなどと思っていた。白哉の舌はある一点を探り当て、そこに舌先を当てておきながら霊力を集中させた。一護の内側の頬は徐々に心地良いほど熱くなり、一護の表情も恍惚としたものに変わっていく。「ふっ･･はぁ･･･」漸く離れた唇にツと透明な糸が流れた。「っ･･･てめっ、何すんだよ！口内炎が痛ぇっつってンだろうがっ！！」「痛むか？」「は？だからっ･･･」「まだ痛むか？」「え？あー･･･痛く、ねぇ？」「そうか、それは良かった。」「･･･アリガトな。」「礼には及ばぬ。」「･･･････ってそーじゃねぇよ！人前で変なことすンなっつってンだろ！！」「変なこととは何だ？」「っ･･っからキスだよ！」「"きす"とは何だ？」「だ、だか･･･あーもうっ！！」真顔で一護の怒声を聞きながらも悪いとも思っていない白哉。それに更に声を張り上げる一護を見て周りで見ていた死神たちは皆一様に、「やっぱりストレスの原因は朽木隊長だな。」と納得したのであった。完。****************************************************************************何か中途半端ですみません(>_

  2006.12.27

• SS：一護の受難【X'mas篇】

  クリスマスなんでね、一応白一だけでなく一護アイドル前提のSSも書いてみました。女性死神協会出張ってます。一護が女装(ちょっとだけ)してますので苦手な方はスルーでお願いします。真剣に隊長・副隊長さん方が阿呆なことやってますのでキャラが崩れるようなのを見たくない方もスルーでお願いします。あくまで一護総受けではなく一護アイドルですのでお間違えのないように！ではでは平気よ！って方は読んでみてくださいませ♪→一護の受難【X'mas篇】文字数が規定を超えちゃったのでリンク先へ飛んでください(;_;)お手数をお掛けしてすみませんm(__)m

  2006.12.25

• 白一護×一護？＆白哉×一護のSS【追記ｱﾘ】

  先日のカラオケ行った～って日記でglobeの「Perfume of love」で白一妄想をしたい～ｖって叫んだンですが、ついにやっちまいました★結構シリアスな作りになってしまいまして、白一に行く前が長すぎるというモノが出来てしまいましたｗタイトルに白一護×一護とありますが全くカップリング的なところはありません。あと白一に関しては悲恋になってますのでラブラブ甘甘じゃなきゃ嫌ー！って方は見ない方がいいかもです(^^;っと言ってもそこまで壮大でもないし。誰かの心を揺さぶるようなお話を書けたらなぁ･･と思いながら書いてみたのですが･･ダメ？2部構成になってる感じなのでちょっと長いですが、興味があったら読んでみて下さい(^-^)*******************************************************************【記憶の眠り】白一護×一護空が青く、雲一つない。まるで自分の心の反面鏡のようで、俺は舌を打ち鳴らした。ある時から広がる俺の心の”もや”が今では全てを覆い尽くしている。そう、俺がもう一人の俺に飲み込まれそうになった時のように。空座町に平和が訪れてから早２年。破面共との戦いが終わった直後は虚圏崩壊のせいか現世に虚が出現することも少なく死神化する機会が激減していた。当然、虚化することもなく、全力で戦うこともないため斬月のオッサンと会話することもなく、ただいつも通りの日常を取り戻していた。尸魂界からは時折死神が遊びにやってきて、そこが以前と違うと言えば違うことだったけど、共に死線を乗り越えてきた仲間だしやっぱりいつも通りだな、なんて思ってた。死神が見えて、虚とか言う化け物と戦うことが日常なんて普通あり得ないことだけど、ルキアと出会ってからはそれが当たり前になっていて。だから俺はこんな生活がずっと続くもんだと思ってた、もともと霊力が高かったわけだし死神の力が消えるって事はないだろうって、思ってた。でも、久しぶりに俺の頭の中に話しかけてきたアイツの言葉に、俺は何故だか信じられないくらい、無性に、悲しくなった。「俺はもう時期お前の中から消えるゼ、王よ。」いつの間にかアイツの世界に呼び寄せられていて、俺と同じ顔の白い死覇装を纏ったアイツがそう言った。驚きに反射的にアイツを見ると、楽しそうに嗤っている。「どうした？嬉しくねぇのかよ。お前はいつだって俺を消したがってたじゃねぇか。もっと嬉しそうな顔をしろよ。」そうだ。俺はいつも俺に成り代わろうとするコイツを消したかった。俺の中にいて、俺を侵食していくコイツを。コイツに勝る力を得て抑えて何とかコイツの力を捻じ伏せて来た。弱くなっちまえば、またコイツは侵食していくンじゃねぇかと思って早く消えてもらいたかった。けど、いざ消えると知ると心が痛むのは何でだ？「んな傷ついた顔すンな。俺はお前の中から消える。お前は俺に脅えずに済む。そうだろう？」傷ついてる･･･そうなのか？俺は、コイツが俺の中から消えることを傷ついてるのか？「･････ざ、斬月のオッサンも、消えるのか？」「言ったろう？”俺”も斬月だってな･･･。」それを聞いて俺はコイツが消える本当の意味を知った。斬月のオッサンが消えること、それは俺の持つ斬魄刀の能力が消えると言うこと。つまりは･････「お前も気づいてるはずだゼ？自分の力が徐々に衰えてきていることをな。」最近は死神化する機会が減っていたから気づかなかった。いや、気づかないようにしていたのかもしれねぇ。死神の力を失ってしまうという事実を知りたくなくて。「お前は極端に力を放出し過ぎたんだ。本来は目覚めるはずのない死神の力が強制的に引き出され、酷使し、消耗した。死神の力も無限じゃねぇ、霊力には限りがあるって散々戦ってきたンだから分かってるだろ？」徐々に、風に靡く白い死覇装の裾がバラバラに分解され、消えていく。「俺が消えてもまだ暫くは霊力は残るはずだから今までのように霊を見ることはあるだろうけどな、死神にはもうなれねぇ。覚えておけ。」自分の心の中から何かが徐々に消えていく感じがする。それは向かい合っているはずのコイツが消えているってことなのか？「霊力を失うと同時にお前は今までの死神に関わる記憶を徐々に失くしていくだろう。だが忘れるな一護。」もう既に、手が消え腕が分解されている。右半身が消えていく。「お前の死神の力が心の奥底に潜在的に眠っていたように、記憶も心の奥底に眠っていくだけだ。生涯、お前と共にその記憶は在る。」そう言ったアイツの口が消え、颯爽と吹いた風が全てを消し去った。「なかなか楽しかったゼ、王よ･･いや、一護。」空を仰ぎ見る俺の耳に、最後のアイツの言葉が届いた。忌まわしかったはずの存在が消える。それが何でこんなに悲しい気持ちにさせるンだろう。久しぶりの死覇装を着ている俺の背中から、いつも感じていた重みがなくなった。斬魄刀が、消えている。斬月のオッサンも、消えたンだ。いつも感じていた存在が、いつも一緒にいた存在が、消えた。俺は漸く理解した。「アイツは、斬月だったンだな･･･。」ずっと言っていたアイツの言葉。アイツは俺だと思っていたし、斬月は斬魄刀の心なのだと思ってたけど、斬魄刀は、斬月のオッサンは俺の半身で、アイツも俺の半身だったンだ。俺に力を貸してくれた半身。「有難うな、俺も楽しかったゼ･･･相棒。」そうして、俺の中からゆっくりと記憶が眠りについていった。*******************************************************************Next→【記憶の香り】白哉×一護※白哉視点Verも書きました。【記憶の香り】の最後にリンク貼ってあります。

  2006.11.23

• 白一コンが書きたい！ｗ

  基本あんまり３Pって書きたくない人なんですが、何故か昨日リハビリ中に白一コンの妄想が浮かんできちゃいまして今物凄く書きたくて書きたくて仕方ありません。つかこれ例によって仕事中に日記書いてますがちょっとニヤけそうでヤバイです。あーでもうん、凄い萌え(燃え)上がってて書きたくて堪らないンですよ！！でも今はサイト改装とか某方の誕生日プレゼント作成とかちょっとキツイ･･･。でもでもシチュエーションとかは既に泉のように湧き出てるンですよ～ｖｖｖエロ卍解でね★堪らんのでちょこーっとだけ書きます。３P苦手だ～＞＜って方は読まないほうが宜しいかと思われます。あと白哉×一護＋コンがヤダ！って方も読まないほうが良いです(^^;↓↓↓↓↓↓↓↓「お、一護おかえりー････って」「おぅただいま。入れよ白哉。」「失礼する。」一護は死神代行証の反応があったため虚退治に出かけていた。コンは一護の体でのんびりベッドに寝転がっていたところ窓から一護が帰ってきたのでいつものようにお出迎え･･･と思ったら何だか見知ったような見知らぬような男が一護の後から部屋に入ってきた。コンの頭に一人の女神が浮かぶ。「ぁああああああああああ貴方はもしやっ！絶壁の美少女である姐さんの兄上様！？」「姐さん？」「ああ、ルキアのこと。」「そうだったか。ああ私がルキアの兄の朽木白哉だ。そういうお前は、改造魂魄か。」「コンッス！一護の代わりを日々勤めてておりますお兄様！！」「ご苦労。此奴は良い改造魂魄だな。」「そーでもねぇゼ？」「あ！んだよ一護！お前誰のお陰で気兼ねなく死神業続けていけると思ってやがンだ！」「オメーのお陰だって言いてぇのかよ。」「そーだろーが！違うとでも言うのか？！」同じ顔して･･一護の方が眉間の皺がやや深いが･･言い合う二人の様子にクスリと小さく笑みを零した白哉に気づいたのはコンの方だった。コンは白哉と会うのは初めてだったが、一護と白哉が恋仲であることを知っている。ピンッと何か閃いてコンの方から一護との言い合いを終わらせた。「一護、オメー疲れてンだよな。ささっ後はお二人でごゆっくり～♪」ニコ～っと普段の一護だったら絶対に見せないようなご機嫌笑顔を浮かべてコンはそそくさと部屋から出て行った。「あっ！おいコン！出てくなら体返してからにしろー！！」「案外と気の利く改造魂魄だな。」「あ？」コンは部屋から出て行った後、一度外に出て行ったが何もすることがないので10分後には家に帰ってきた。ちょうど一心や遊子、夏梨は出かけていたためリビングには誰もいないので堂々とのんびり寛いでいた。部屋を出てからもうすぐ30分が経つかという頃、コンは何を思ったのかもう一度二階に上がって一護の部屋の前まで来た。勿論、出張亀するつもりである。あの一護が恋人･･しかも男相手にどう接しているのか非常に興味があった。そ～っと部屋のドアに近づいて耳を傍立てる。すると、良く聞かないと聞こえないほど小さい声がコンの耳に微かに聞こえてきた。「ん･･･っ」ん？何だ？妙に思いつめたっていうか切迫した声だったような･･とコンが思っていると次々と声が聞こえてきた。「あっ、びゃくっ･･んん、ふぅ･･･ハァ･･ダ、メッ、あぁ！」「ん？何だ？AVでも見てンのかよ･･･」甘ったるい嬌声がコンの耳に聞こえ、そんなことを口に出してみたが考えるまでもなく彼らがそういったモノを見ることわけがないと思ってコンは心の中で「んなわけあるかぁ！！」って突っ込んだ。「や、やっぱりアイツら、男同士なのにヤッてんだな･･」ゴクリと生唾飲んで興味深そうにドアに耳を付けた。もともとHなことが大好きなエロぐるみである、当然の行動とも言えるだろう。「駄目などと言って、お前の此処はもう大変なことになっているぞ。」「はっ、莫迦･･んなこと･･っ、イチイチ言わなくても･･ひゃっ！」ピチャピチャと水音がしたりクチュッという粘膜質な音がしたり声だけでない卑猥な音が聞こえてくる。コンは一護の甘い声や白哉の低い声音などを聞いて何度も唾を飲んだ。まるで欲望に餓えていくみたいに喉が渇く。体の奥が熱くなるのを感じてコンは焦った。「何だよっ！俺は男の喘ぎ声なんて聞いたって面白くもなんともねーのにっ！」これは、一護の体が反応してるのだろうか･･それとも、コンの欲望が？そろりと、自然に動く手。「何でだよ･･･何で俺、熱くなってンだ？！」意志とは裏腹に熱く疼く股間に手を伸ばしズボンを寛がせようとした時、急に中の声が一旦静まった。「入れ。」たった一言、中から白哉の声が聞こえた。明らかにドアの外にいるコンへの言葉だったが気づかれていたとは思ってもみなかったコンは戸惑った。「そこにいるのだろう？早く入って来い。」白哉の声が少しばかり低くなったのでコンは恐る恐るその場から立ち上がってカチャリとドアノブを回した。そっと中を伺うようにドアを開けて中を覗けば乱れた姿で荒く呼吸をしている一護とドアの方を睨むように凝視している白哉。その白哉と目があったコンは嫌な汗が浮き出てきたが同時にドキリと心臓が跳ねた。「入れと言っている。」言われて慌てたコンは勢い良くドアを開けては中に入り急いでドアを閉めた。「な、何で分かったンでございますぅ～？」あくまでお茶らけた様子で言えば一護がやっとコンに気づいたようで真っ赤な顔をして何事か叫んでいた。「改造魂魄の気配など掴み易いものだ。お前が一護の体で自慰をするのではと思って呼んだ。」まるで見ていたかのような言い方だ。コンは努めて笑いながらアハアハと誤魔化していた。「例え中身がお前であろうとそれは一護の体だ。私以外が触れることなど断じて許さぬ。」本当に愛しちゃってるのね、と心の中で呆れながらもその天晴れな想いに拍手したコン。「すいませ～ん。もう邪魔はしねーし一護の体で変なことしないですから続きをどーぞ♪」「何を寝惚けたことを。いくら改造魂魄と言えど体が熱を持っていては辛いだろう。」早々に部屋から出て行こうとするコンだったが白哉の言葉に足を止めた。じゃぁ、どうしろと？とでも問いた気に小首を傾げて白哉を見れば「此方へ来い」と手を差し伸べられる。「白哉っ、どーゆうつもりだよ！！」さすがの一護も白哉が何をするつもりなのか読めず慌ててその腕を掴んだ。愛すべき一護に不安そうな目で見つめられれば白哉が口を噤むことなど出来ない。「あのままではコンという者が一護の体で自慰をし兼ねない。一護の体を私以外の誰かが触れるなど私には耐え切れぬ。ならば中身が何であろうとあの熱を私が鎮めてやらねばならぬだろう。」一護に説明をしてからまた、コンの方を見て来いと手を伸ばす。情事の最中であったため死覇装は乱れ逞しい筋肉が妖艶なまでにコンを誘う。加えて濡れた漆黒の瞳の何と色っぽいこと。一護の体で逆らえるはずもなくコンはフラリと近寄ってはその手を取った。「良い子だ。」「く、クソッ･･･俺は別にアンタとヤリてぇわけじゃねーからな！ただ俺が我慢出来なくて一人でヤッちまった後アンタに殺されちまったら堪ンねーから誘いに乗っただけだゼ！！」一護に似て、何と素直ではないことだ･･とクスッと笑っていると一護がまたしても不安そうな目で白哉を見た。「安心しろ一護、私はお前だけを愛している。一護の体を護るためだ。」「白哉･･･でも、っ！」それでも尚も不安そうな目で見つめれば突然唇を塞がれ激しい口付けをされた。息をすることが出来なくて苦しそうに眉根を寄せる扇情的な一護を見てコンはまたも生唾を飲む。「あっ！」耐え切れない体の疼きに、コンは体を「く」の字に曲げた。「辛いのであろう？今、楽にしてやろう･･･」一護がキスの余韻に浸っている間、白哉は素早くコンをベッドに腰掛させて腰を抱いた。中途半端ですが今はこれで終了！あとでちゃーんと追記しますよ★つーか全然ちょっとじゃないし？ｗ

  2006.10.26

• 一護受け同人ゲーム。

  インテで買った一護受けの同人ゲームの攻略本を通販して今日届いたので早速プレイしました。今まで兄様のとこ何度もやったのに全然SPECIAL END(エロEND)がなくてヤキモキしてましたが攻略本のお陰でスッキリさっぱりエロENDを迎えることが出来ました～ｖｖｖっといってもサウンドノベライズのゲームなので残念ながらエロのイベント絵はなかったです。でもでも久しぶりに白一でエロ小説読めた感じなので幸せっした★何かプレイしてたらエンディングを全てコンプリートしたくなって雨竜篇もギン篇も全部END揃えて、隠しキャラのENDも見て、コンプさせました。そしたら新たなシナリオが出てきてビックリ！藍染登場だYO！！うーん･･何か藍染シナリオは一護がヤリマンみたいな設定になってたのでガックシでした(;_;)うん、でもエロかった！例によってイベント絵はないですが(^^;あーでも全部終えられてスッキリした～ｖｖｖ途中ちょっと怖いBAD ENDとかあったけどクオリティの高い蘭子様のCG絵と文章構成や内容が凄く面白い茉莉様のシナリオはやり応え十分でした★もっともっと一護受け･･出来れば白一限定が良いですが、同人ゲームが出てくれたらいいのにって思いました♪ったぁぁぁぁっ！？同人ゲームを必死にプレイしてたらもうこんな時間になってしまったでごわす！！今週のWJでネルに「インポ」とか言われた一護や「童貞」を否定しない一護に萌えて妄想したので小噺を書こうと思ったのに･･･時間ナッシン(>_

  2006.10.23

• ギンイヅ・白一、妄想の旅エロ！

  ようやく、ようやく書き終わりましたよ･･弥生ちゃんとの京都旅行で発展したネタ。っと言っても後から後から色々書きたいことが増えて大分変わってますが(^^;ぶっちゃけ仕事中に書いてたので意味不明だし色々可笑しいとこありますが、笑って許してくださいm(__)m頑張りましたから、久々のエロ。神様降臨してくれなかったので温い！っと思われるかもしれませんが、降臨した際にはもっと頑張ってガッツリERO書きたいと思います。それからギンイヅは最後までイケませんでした･･冒頭を書きすぎたｗでもギンの鬼畜さを少しでも出せたので満足ッス！！さぁ！エロでも大丈夫という方、白一もギンイヅもイケる！という方、どうぞご覧下さい★→ギンイヅ・白一妄想の旅前の妄想を読み返したい方は→Part1・Part2・Part3へどうぞ。あ、苦情とか全く聞き入れませんからｗ

  2006.09.29

• The present is me～ギンイヅ～

  今更ながらにギンの誕生日用SSを書いてみました。とはいえほとんどギン出てきてませんけど･･リボン付きイヅルたんをギンへのプレゼントとさせていただきます(^^;急いで書いた意味不明な文章になってますがどうぞお読み下さい♪****************************************************************【The present is me.★プレゼントは私★】「今日は９月10日、市丸隊長の誕生日だ‥！」イヅルにとってはどんな記念日よりも大切な日である９月10日の朝。敬愛する上司であり恋人でもある市丸ギンの誕生日だ。いつも目覚めの良いイヅルだか今朝は殊更に目覚めが良く、起きて身支度を整えるとそのまま鏡と睨めっこし始めた。「今日はこのリボンを‥」赤いリボンを手に持つと、イヅルは自らの髪を後ろで束ねリボンでキュッと結んだ。「わわっ！グチャグチャだ‥」自分で髪など結んだことのないイヅルは悪戦苦闘しながらリボンで髪を束ねる。この時ばかりは自分の絹糸のようなサラサラな髪を憎らしく思っていた。髪弄りすること30分、漸く納得のいく髪形となった。イヅルは合わせ鏡で自分の後頭部を確認して満足気に頷いた。「よし、これなら変じゃないぞ♪」男がリボンで髪を束ねることが既に変、と言うことは念頭になくイヅルは朝食を食べるべく食堂へと向かった。護廷十三隊の隊舎には大きな食堂がある。死神が何百人いるのか正確な数字は不明だが入れ代わり立ち代わりで食事をしに来るので席がない、ということはない。席は幾つもあって特に場所が決まってるわけではないが『いつも座ってるところ』というのは必然的にあるわけで、隊長・副隊長格ともなるとそれが暗黙の了解となるのか彼等が来ると思われる時分には平隊員たちがそこに座ることはない。今朝もイヅルが食堂に入ると定位置である席に同僚の恋次、修兵、雛森が座っていた。「おはようございます。」同僚といえど修兵は学院時代の先輩。丁寧な朝の挨拶を述べた。「おぅ吉良、今日はいつもより遅ぇじゃねーか。」イヅルの顔を見て１番に声をかけたのは恋次。いつもなら恋次よりイヅルの方が早く食堂に来ているからだろう。「吉良、お前髪切ったのか？」サイド部分の髪が随分とサッパリしているからか、修兵が１番にイヅルの身体的変化に気付いた。「切ってませんよ。」ニコニコと機嫌よさ気な表情でいつもの定位置である雛森の隣に腰かけた。「‥‥吉良君、それ‥」雛森は隣に座るイヅルを見て不思議そうな表情をした。でもすぐに笑顔になって、「可愛いわ吉良君、良く似合ってる♪」と言うと、イヅルは更に笑みを深めた。「有難う雛森君。本当は似合うかどうか不安だったンだ。」「何だよ、髪結んでンのか？」恋次が見せてみろとイヅルの頭を掴んで無理矢理後頭部をこちらに向かせると、恋次の隣に座っていた修兵共々絶句してしまった。「乱暴だなぁ阿散井君。崩れちゃうじゃないか。」恋次の手を振り払って髪を撫で付ける。「おま、お前それ‥‥」「これはちょっとしたイメージチェンジってやつだよ。髪を束ねるものがこれしかなくてね。」嘘だ、絶対嘘だ。ほのかに頬を染めるイヅルを見て修兵も恋次も心の中でそう叫んだ。ギンとイヅルがデキてるというのは最早周知の事実で、今日がギンの誕生日であるということもまた誰もが知っていることであった。つまり、イヅルがリボンを身につけているということは暗に「プレゼントはわ・た・し★」と言っているものだと察した。「あら吉良、随分と可愛らしい髪型してるわね。もしかしてギンのためかしら。」イヅルの頭の上に柔らかい物が乗っかって声がした。そしていとも容易く、周りが言わんとしていることを口にした。「乱菊さん、おはようございます。」「おはよう雛森。」遅れて登場したのは十番隊副隊長の松本乱菊だった。更にイヅルの頭に乗った柔らかいものとはまさに乱菊の豊満な胸。それを知るとイヅルは真っ赤になって首を竦めた。「ま、松本さん！無闇に胸を曝さないで下さいと何度言えばっ///」「別に見せてるわけじゃないんだから良いじゃない。それに、男なら喜びなさいよね。」大胆に死覇装の胸元を大きく開いて"見せてるわけじゃない"とは、これ如何に。だが確かにその魅惑の巨乳は男なら誰もが鼻の下を伸ばして喜ぶところだ。しかしイヅルはいつも真っ赤になって止めて下さいと言うばかりか、説教を始めることもある。そんなイヅルを周りは「まさか男の●●●しか興味ないンじゃ･･」っと思う････････はずは全くなく、ただ純粋に「本当に初心なんだから」と温かく見守るのだった。「って言うかそんなことはどうでも良いのよ。このリボンはギンのためかって聞いてンだけど？」頭に胸を乗っけてしまったせいで少し乱れてしまったイヅルの髪を乱菊が整えてやった。もちろんリボンもきちんと綺麗に正して。「･･そ、そうです///でも何で分かったンですか？」イヅルは更に真っ赤になって目をウルウルさせて乱菊を見つめた。"ヤバイ！可愛すぎる！！"そこにいる誰もが心を一つにしてそう思ったことは確かだ。そして、こんなイヅルをギンに見せたら大変だということも分かっていた。しかしそんな心配を他所に、食堂の扉がバーンっと大きな音を立てて開くのが聞こえた。「イヅルー！イヅルまだ居る？！」どうやら、噂を聞きつけたギンがわざわざ瞬歩を使って来たようだ。その証拠に彼が此処に来るまでに足音は一つも聞こえなかった。「市丸隊長！どうしたンですか、そんなに慌てて。」「ほんまや！メッチャ可愛ぇやんイヅル！」イヅルの質問は綺麗に無視してギンはイヅルの髪のリボンに目を留めると、またしても瞬歩でイヅルの所まで来たかと思えばギュゥッっと目一杯抱きしめた。「い、市丸隊長！？」「何でそない可愛ぇことしてくれるん？それ、僕のためなんやろ？ほんま嬉しいわ～ｖｖｖ有難く頂戴するっちゅーねん！」イヅルの頬に自分の頬をすり寄せ、大興奮で捲くし立てる。その光景を見ていた周りはただ呆然と立ち竦むばかりだった。「ギン、吉良が困ってるじゃない。落ち着きなさいよ。」ペシッとギンの頭を叩くのはやはり乱菊だ。副隊長が隊長を叩くなど普通では考えられないことだがこの二人は幼馴染だと周りは認識しているので「さすが姐御！」と思う程度だった。「やってほんまイヅル可愛ぇンやもん♪しかもそれが僕のためやなんて･･今この場で戴きたいくらいやｖｖｖ」「わっ！い、市丸隊長っ･･ダメですよ、こんなところで･･///」イチャラブが激化していくのを最早無視する他ないと判断したのか、乱菊も周りもそれ以上は何も言わなかった。「今日は三番隊、仕事にならねーだろうな･･･」「そーッスね。」「飛び火が来なきゃ良いけど･･」今まで黙ってた修兵、恋次、雛森が今日の仕事が増えることを覚悟するように呟いた。「イヅル、今日は僕ン誕生日やから仕事は休みにしよ！プレゼントしっかり堪能せなアカンもんな～ｖｖｖ」"やっぱり･･･"っと周りの盛大な溜息が耳に入っていないギンとイヅルはそのまま秘密の花園(ギンの寝室)へと帰って行きましたとさ。おしまい。**************************************************************************ただイヅルの誕生日ンときもギンがリボンつけて「プレゼントは僕♪」ってのをやったのでお返しですｗすんませんすんません！リボンつけたイヅルたんが書きたかっただけですー(>

  2006.09.12

• 【SS】片想い～イヅル独白

  ギンの誕生日にSSすら書いてあげられなさそうだし、白一・ギンイヅ妄想旅行エロSSはまだ出来上がりそうにないので先日思いついて書いたショボSSをUPします。片想いってこんな感じだよなーみたいなことを考え、何故か片想いをピックして書きました。なんていうか仕事中に書いたので色々お粗末ですがご興味おありの方はお読み下さいｖ************************************************************あれはまるで、鬼神との出会いだったに違いない。独特の訛りがお茶らけた風で親しみすら感じさせるのに、敵を射殺そうと刀を構えたときの霊圧は半端じゃなくて、普段は細められた瞳が敵を捉えるべく開眼した瞬間に見えたのは、血のように赤く、ガラスのように澄んで、美しいはずなのにとても冷たい眼球だった。圧倒的な力の差を見せ付けられて抱いたことは、この人についていきたい、という尊敬の念だった。時折学院に、隊長と共に姿を現す彼の人を一目でも見られればそれで良いと思った。この視界に彼を捉えて、遠くから見つめるだけで満足出来ていた。そして心の中で彼の人への憧憬を募らせているだけで良かった。しかしそれも幾度か繰り返している内に満足できなくなってしまった。彼の人のことをもっと知りたいと思ってしまった。今のところ分かっているのは名前と役職と斬魄刀の名前くらい。護廷十三隊五番隊副隊長、市丸ギン、斬魄刀名「神槍」。こんな少しの情報しか持ってないけれど、もっともっと知りたいと思うようになってしまった。市丸副隊長のことをある程度知れるようになると、今度は自分のことを見てもらいたいと思うようになった。普段細められている瞼の奥の紅い瞳に、僕の体の一部でもいいから映して欲しいと。いつしかその目に僕だけを映してくれなどと、浅ましい思いを抱く。瞳に映ったことを知ると僕のことを知ってもらいたくなった。少しでも僕のことに興味を持って、名前でも学年でもクラスでも、僕に関わることを一つでも何か知ってもらいたい。一つ知れば、もっと多くのことを知ってもらえるような、そんな気がしたから。名前、学年、クラスを知ってもらえたら今度は話してみたいと思った。護廷十三隊の死神としてどんな任務をしているのか、どんな日常を過ごしているのか、どんな死神たちがいるのか、任務のない日はどのように過ごされているのか。その他にも色々と聞いてみたい。誰と話すよりも僕と話しているのが楽しいと、そんなコトを思ってもらえる会話がしたい。貴方を知るたびに、貴方への想いが憧れだけではないことに気がついた。もっと傍にいたい、もっと知りたい、もっと知って欲しい。貴方に、僕を見て欲しい。好きなんだ、と、漠然と思った。何が好きなのか、どう好きなのか、何故好きなのかは分からないけれど。初めて貴方を見たあの日。鬼神と出会ってしまったあの日に見た血のように赤くそれでいて酷く美しく冷たい貴方の瞳に囚われてしまったのだろう。そして僕は今憧れ続け、慕い続けた方の一番近くにいる。嘗て彼もそうだったように、副隊長という立場で。fin。

  2006.09.08

• 何となく仕事中に妄想してみるｗ

  白一Verですよ～。「ゃっ･･ダメ、だ･･びゃく･･･」伸ばされた腕に、逃げ惑う蝶が、尚も追いかけてくるその手に、捕まる。「ダメだって、言ってンだろ･･･」鱗粉を振りまくようにイヤイヤと頭を左右に振るたびに綺麗な色の髪が乱れる。その様が美しいと、魅了されては胸を掻き乱されて。もっと困らせたくて、追いかけたくて、捕まえた手を離してやれば、「･･･、びゃく･･や？」不思議そうに見上げてくるその瞳に少しばかり不安の色を浮かべていた。まるで、誘うように、寂しそうに、戸惑ったように。そのまま見下ろすように見つめたままでいれば、自然に手の内へ飛び込んでくる蝶。「黙ンなよ･･･」胸の中で翅を休めるようにぴったりと抱きつく様は不安を打ち消すためのようにも見えた。尚も黙ったままでいればまたしても懇願するような濡れた瞳で見上げてくる。漸くその体をそっと抱きしめてやれば不安の色は消え、美しい笑みを浮かべた。「白哉･･離すなよ･･俺のこと、ずっと捕まえてれば良いじゃん･･･」甘えるように、強請るように、そして、誘うように。魅惑の殺し文句を言う蝶は本当に人を狂わせるような華をもっていた。「出来ることならば、兄の翅をズタズタに斬り刻んで飛べぬようにしてしまいたいものだ。」猟奇的な感情も、愛するが故だと言って良いのだろうか。そうすればこの蝶は大人しく私という籠に収まってくれるのだろうか。いいや。蝶は自由に飛びまわるからこそ美しいのであり、なかなか捕まらぬからこそ魅了する。「大丈夫、俺はまた此処に戻ってくるから。安心しろよ。」そう言って、蝶はまた私の胸から飛び出していく。甘い香りの鱗粉だけを残して･･････。ギンイヅVerですよ～。「隊長、どこにいらしてたンですか。」ヒラヒラ、ヒラヒラ、ヒラヒラ、ヒラ。今日もどこかへ飛んで行った蝶が翅を休めに僕の肩に停まる。誤魔化す様に笑うのは、様々な柄を持つ蝶の翅のよう。時に優しく、時に謎めき、時に怒りを携えて、時に妖しく。甘い蜜を求めるように顔を近づけて僕の唇に触れてくる甘い誘惑。「仕事してください、隊長。」嫌やイヤやと言ってまた僕を翻弄する。僕が困った顔をすれば、甘えるように飛び込んでくる蝶。そしてまた離れていく。着かず、離れず、微妙な距離を保ってまた、翻弄する。「なぁ、イヅル。僕が居らんようなったら、イヅルはどうなるンやろね。」気まぐれにそんなことを言ってみて、僕の反応を見ようとする意地悪な蝶。僕にも自由で美しい翅があればずっと傍にいられるのに。でも、そんなものはないから。願っても手に入らないものだから。「そうですね、きっと探しに行くか、ずっとお帰りをお待ちしてます。」そう言うと、蝶は驚きと嬉しさとがない交ぜになったような表情をして、また僕の周りを甘えるように飛び回った。そして、再び飛び立っていく。僕の肩に、微かに道標を残して･････････。何となく２Ver作ってみました。いや、仕事中英語の羅列ばっかりみてるのもつまらないので。今日はヒートザソウル３の発売日ですね★帰りにPSP買ってかえります。そーすれば家にヒートザソウル３が届いてるはずだから！

  2006.07.20

• ポエム？？「夢。」

  夢を見て。俺の夢を見て。夢の中の俺はどんな風にお前を愛するンだ？ああ。そんなに激しくお前を求めるンだな。それはお前の願望なんだよ。夢を見て。俺への愛が良く分かる。とても激しく愛し合う夢を見て。*************************************************************************あまりにも睡魔が襲ってきてどうしたもんかと思って書いたのがこれかい！まぁキャラはご想像にお任せしますよ。つか受けか攻めかもこの文章じゃ良く分かりませんねｗ

  2006.06.14

• SS「Happy Time～幸福な時～」グリムジョー→一護

  時は流れ、移り行く。時を歩く者の事情など関係なしに無常にも過ぎていく。しかしそれは一日が二十四時間。一年が三百六十五日だと言っている人間だけ。闇で生まれ、闇を歩き、闇に住まう者には時など関係がない。そう。全ては暗闇の中。時など存在せぬ領域で生きる者たちには、それによって生まれる幸せを知らないのだった。Happy Time～幸福な時～「グリムジョー、藍染様がお呼びだ。」「･･････････････。」ここは闇の世界・虚圏(ウェコムンド)。かつて護廷十三隊の五番隊隊長だった藍染惣右介が反旗を翻し、崩玉を使って世界の王となるべく君臨した地である。そこは現世とは全く違い光のない冷たい世界。そこで生まれた虚の完成系である破面は人間とは全く違った存在だ。破面の一人、ウルキオラが不機嫌そうなグリムジョーを呼んだ。面倒臭そうに、しかし主の命は従わないわけにいかないと、重い腰を持ち上げてウルキオラと共に藍染の許へと向かった。「藍染様、グリムジョーを連れて参りました。」「ああ、ご苦労ウルキオラ。下がって良いぞ。」「はい。」ウルキオラは少し名残惜しそうに藍染をチラリと見て去った。重厚な玉座に座る巨大な霊圧の持ち主。上からグリムジョーを抑え付けるほどの強大な力。十刃の一人と言われた彼がその地位を自らの浅はかな行動で降ろされたとは言え、崩玉の力によって生まれた強さは護廷十三隊の隊長格ですら苦戦を強いられるというのにそれをも上回る藍染。崩玉を得てどれほどの力をその手にしたか測り知れない。しかしグリムジョーは主である藍染の御前でも憮然とした態度だった。「グリムジョー、ご機嫌はいかがかな？」「････････････」「あまり良くはないようだね。」「要、あれを。」「はい、藍染様。」東仙要。藍染と同じくかつて護廷十三隊の九番隊の隊長だった者だ。彼はその忠誠心を以ってして藍染の命通りグリムジョーの傍に寄った。「グリムジョー、藍染様がお前に任務を与えてくださった。　現世へ行ってこのリストに載っている物を全て揃えて来い。」「は？何で俺がンなお使いみたいなことしなきゃなんねーンだよ。」「任務だと言っているだろう。」「んなもん、ウルキオラにでもやらせりゃいーだろうがっ！」「ウルキオラには別の任務がある。文句を言わずに早く行け。」「グリムジョー、現世に行ったら君の好きにしていいよ。　ただし、お使いはきちんとしてきてくれ賜え。」「うっ･･･わ、分かりましたよ。」口調は至って穏やかなのに、その言葉は威圧的だった。まるで、言ノ葉に霊圧を込めて攻撃されているようで、グリムジョーは絶対なる主の命を遂行すべく現世へと降り立った。「チッ･･面倒なことやらせやがって･･」ぶつくさと文句を吐きながらグリムジョーは東仙から受け取ったリストを見る。どれもこれも気分の良いお使いではないようだ。仕方がないのでさっさと任務を済まし自由に遊ばせてもらおうと、リストの品々が揃いそうなところへ素早く向かった。「･･･おっし、これで全部だな。」人間が見たら卒倒しそうな品々を大きな袋に入れてまるでサンタのように担いだ。ちなみに、グリムジョーの片腕は以前東仙に切り落とされ消滅されてしまったのでない。相当な大荷物だがグリムジョーにとってはどうということはないようだ。「さて、どうすっかなー･･･。」現世で好きにしていいと言われたのでグリムジョーは荷物を抱えながらしばらく現世の町の上を飛んでいた。段々と、見覚えのある町並みが眼下に広がる。「ここは･･あの死神野郎と戦った場所じゃねぇか。」そう。グリムジョーはいつの間にか空座町の上空に来ていた。そこは腕を切り落とされる原因である勝手な行動をした時、藍染が狙う不思議な力を持つ黒崎一護と対峙した土地だ。「チッ･･変な所に来ちまったゼ。」気分が悪くなってしまったのでそのまま帰ろうかと思ったが、何を思ったかグリムジョーは一護の霊圧を探り始めた。「あっちの方だな･･･」急速に向かったのは一護の家である黒崎医院。途中地を歩いていた啓吾がグリムジョーの姿を見かけて、「まぁた変な生き物が空飛んでら。」などと言っていたがグリムジョーには知ったことではない。一護の家の上空に着くと、グリムジョーは道路に面した一護の部屋の窓に恐る恐る近づいた。「いた･･･」窓枠の隅から一護の部屋の中を覗く。どうやら一護は机に向かってお勉強中のようだ。グリムジョーは霊圧を抑え込んでいるため、一護の持つ死神代行証は察知しない。当然人の霊圧を感知することが苦手な一護もグリムジョーに気づかない。グリムジョーはしばらく一護を見ていた。ヘッドホンを着けて音楽を聴きながら宿題をする一護。ベッドの上で仰向けになってスヤスヤ寝ているコンも気づかない。グリムジョーはただ息を潜めて一護を見つめていた。短気な彼がここまで一つのことに集中したのも珍しければ、人間に興味を持つこと自体相当珍しいことであって、藍染という強大な力の元に生まれてきた彼にあってはならないことだった。いずれこの地を滅ぼし自らの城を築き上げようとする者の下にいる彼にとって、感情は不要のものとされてきたのだ。それなのに何故、グリムジョーはこんなにも一護に興味を持つのだろう。確かに一度は剣を交えた間柄。もう一度戦いたくて、その力に興味を持つのは当たり前かもしれない。しかし今のグリムジョーに戦う気は毛頭なかった。ただずっと見ていたくて、彼はそこにいた。「アイツ、本当に気づいてないのかよ･･･」30分ほどそうしていたか、全く気づく気配のない一護を見てグリムジョーは不満そうにそう呟いた。一護が気づいたらきっと驚いて問答無用で死神化し臨戦態勢になるだろう。一護と戦う気のないグリムジョーはそう考えると気づいて欲しくはなった。しかし見ているだけというのもつまらない気がしてきて気づいて欲しいとも思った。けれど、その後も一護は窓の外からの視線に気づくことなく机に向かったままだった。「チッ･･･帰るか･･･」窓から離れ、一旦黒崎家の屋根に戻ったグリムジョーは霊圧を抑えながらもそこから飛び立ち、虚圏へ還っていった。その背中には少しばかりの寂しさと、何か新しいことを発見したような嬉しさがあるように見えた。「遅かったね、グリムジョー。」虚圏に戻り頼まれた物を渡しに藍染の元へ来たグリムジョーに藍染は笑ってそう言った。「用が済んだら好きにしていいって条件じゃなかったでしたっけ？」「確かにそう言ったね。けれどこんなに帰りが遅くなるほど君の興味を惹くものが現世にあったとは思えなくてね。　獲物を殺しに行ったわけでもなさそうだし･･ね。」「･･････これが頼まれた物です。失礼します。」グリムジョーは少し間を置いて藍染に背を向けた。藍染にこれ以上詮索をされたくないと思ったからだ。しかし藍染は不気味な程大人しいグリムジョーを見てニヤリと笑った。「どうやら、彼らにあってはならないモノがグリムジョーには芽生えてしまったらしいな。　成長する前にその芽を摘むべきだ･･そうだろう、要。」「はい、藍染様。」藍染の傍らで忠実な態度を崩さない東仙は藍染の意を汲んでグリムジョーの後を追うように歩を進めた。「愛情なんて愚かな感情は持ち合わせるべきではない。　そんなモノは下等な人間がしがみ付くべきモノなんだ。」藍染の前を去る瞬間グリムジョーの口角が上がっていたのを藍染は見逃さなかった。ほんの一時の幸せな気持ちを噛み締めていたグリムジョーに、今、冷酷無常な刃が振り下ろされようとしていた。感情を持ち合わせることが許されない彼らには、幸福を感じる時間すら許されなかった。Fin.************************************************************************仕事中、課題に煮詰まって書いてみましたグリムジョーの片想いらしきもの。ZIさんのお誕生日祝いのためにグリ一を書こうとしてるンですが、未だにグリムジョーのキャラが掴めないので練習として書いてみたのです。そしたらグリムジョーの片想いっていうより藍染様の方が出張っちゃったｗまぁ練習だしね、ZIさんへの品にはちゃんとグリ一書けばいいんですよね！

  2006.06.13

• SS「誕生日～藍染編～」藍日

  藍染隊長お誕生日おめでとうございますメッセ付き雛森のTOP絵に続き、仕事中寝ちゃいそうになった時にチョコチョコ執筆してた藍日の誕生日SSが完成しました。藍日というにはあまりにも一方的過ぎて気持ちをまだ伝え合ってない2人ですが、SOU様をたらしキャラで書いてたら楽しくなっちゃったのでまだまだ清い2人です。虚圏(ウェコムンド)に行く前の優しいSOU様ですがちょっぴりダークも隠し味で入ってます。BLが大丈夫で藍染×日番谷が嫌いじゃなければどうぞ見てやってください。誕生日～藍染編～5月29日。五月晴れとはこのことだろうと言えるほど空は雲一つなく、風は穏やかに、まるでゆっくりと刻む時のように吹いていた。護廷十三隊の詰所がある瀞霊廷も平穏そのものだった。「日番谷隊長。」「あ？」十番隊詰所の廊下を小さな隊長が歩いていると、五番隊の隊長である藍染が声をかけた。「何だ、藍染か。十番隊に何の用だ？」彼が十番隊の隊長に就任してから早幾年。背格好から子供扱いされることが多いため、他の隊長と対等になろうとしているのか総隊長以外に敬語は一切使わない。日番谷の幼馴染で五番隊副隊長である雛森にいつも注意されているが気にしない。彼女とて自分のことをいつまでもガキ扱いなのだから。だが、温厚な藍染はそんな日番谷の無愛想で礼儀のない態度も気にしなかった。「今夜僕の部屋へ来てくれないかな？　雛森君が僕の誕生日だからとお祝いをしてくれるって言うンだ。」優しい笑みを浮かべてそういう藍染に、思わず日番谷は訝しげな顔をした。「何で、俺が･･･。」「何でって、祝ってくれないのかい？」「俺なんかに祝ってもらって嬉しいのかよ。」「そりゃぁ嬉しいよ。一人でも多くの人に祝ってもらいたいじゃないか。」「それなら他をあたりな。阿散井や吉良なら宴会好きだから快く祝ってくれるゼ。」「うん、それも楽しそうで良いンだけどね。　僕は日番谷君に祝ってもらいたいんだよ、雛森君と一緒に。」仏というか菩薩というか。そのどちらにも似た穏やかさを湛えた微笑みでそう言うと、日番谷は何故か顔を赤く染めた。「お、贈り物なんざ何もねぇぞ･･手土産もだ。」「もちろん。日番谷君さえいてくれれば他には何もいらないよ。」照れ隠しのように無愛想な返答を返してみるも、藍染には利かないらしく日番谷の言葉を都合良く解釈し大いに喜んだ。そして口説き文句のような藍染の言葉に日番谷は驚き呆れた。「お前、恥ずかしげもなくンなこと言ってンじゃねぇよ。」「何のことかな？」「何でもねー。」藍染が天然なのを日番谷は重々承知していた。日頃顔を合わせて口を開けば男の日番谷には虫唾の走るようなことを言う。女に言ってやれと言っても何でだと返されてしまう。どうやら自分が口説き文句を言ってる自覚がないらしい。「じゃぁ今夜、僕の部屋に来てくれるのを待っているよ。」「ああ、分かったよ。」ニッコリと笑って手を振りながら踵を返す。隊長羽織を翻した瞬間、藍染の香りが日番谷の鼻腔を擽った。「っ･･･」日番谷はその香りに何故だか無性に心を掻き乱された。優しく、懐かしさを感じる柔らかな香り。颯爽と去って行ったあの広い背中を睨む様に見つめた自分を思い出す。藍染は強い。そして大人だ。自分に持っていない全てを持っている気がした。だからこそ日番谷は藍染が苦手なのだ。自分でも気づかない内に生まれたコンプレックスを湧き上がらせるから。藍染の去った後、その香りを掻き消す様に日番谷も身を翻してその場を去った。その夜、律儀な日番谷は昼間藍染に言われた通り五番隊詰所の藍染の部屋へ来た。「いらっしゃい日番谷君。さぁ、中に入って。」「ああ･････雛森はどこだ？」「彼女は今僕のお祝いの準備をしているそうだよ。　何だかとても張り切っていてね、出来上がるまで僕に見せないつもりらしい。」「アイツらしいな。」「そう言えば日番谷君と雛森君は幼馴染だったね。」「流魂街に来てからの、だけどな。」「それでも信頼出来る人が傍にいるのは良い事だよ。　僕はそんな人は誰もいなかったからね。」「何言ってンだ。お前人望厚いじゃねぇか。」「僕に信頼を寄せてくれるのと僕が信頼出来るのとは違うよ。」「･･･そうだな。」藍染の部屋はとても落ち着く空間だ。物は少なく一見質素な感じだが、物が多くてゴチャゴチャした部屋よりは居心地が良い。日番谷もどちらかというと物は少ない方が良い性質(たち)なので、藍染の雰囲気そのままの部屋にいることは何となく気恥ずかしい気持ちでいっぱいだったが、何故だか妙に居心地が良かった。「お茶飲むかい？」「ああ。」何か物書きでもしていた様に机に広げられた執筆道具。藍染がお茶を煎れてる間に何とはなしにそれを見た。「お前、日記なんかつけてるのか？」明らかに義務とされている隊務日誌とは違う私事を綴ったそれを見て日番谷は言った。「ああ、それかい？うん。日誌とは別に個人的なことを書いてるンだ。　後で見返してみると結構面白くてね。日々何が起こるか分からないだろう？　だから、僕が送ってきた毎日を日記という形で残しているンだよ。」「ここでの生活なんて、毎日同じことの繰り返しじゃねぇのか？」「そうでもないよ。同じような毎日に見えても確かに違うンだ。　天気も違えばすれ違う人も違う。考えることだって毎日違うだろう？　そう言った些細なことでも僕らは毎日違う日々を歩んでいるンだ。」「藍染らしい考え方だな。」「そうかな。今日のことも勿論日記に書くよ。　日番谷君が僕のために誕生日を祝ってくれた、とね。」茶の入った湯飲みを日番谷に差し出す。そのときの藍染の顔はいつもの穏やかな微笑みではなく、子供のようで本当に嬉しそうな笑顔だった。「っ･･そ、それにしても雛森の奴遅いな･･日にち変わっちまうじゃねぇか。」「うーん･･疲れて寝ちゃったのかな？様子を見に行くかい？」「･･･････いや、いい。寝ているなら無理に起こすわけにもいかないからな。」「それもそうだね。」いつもの日番谷なら、雛森を起こしに行っていただろう。しかし今日は何故だかそうする気にならなかった。幼馴染で大切な女の子よりも藍染の誕生日を祝ってやりたいと思った。人望もあり、尊敬され、誰からも憧れる藍染なら色んな人から誕生日を祝ってもらえるだろうに、自分に祝ってもらうことが日記に書くほど嬉しいことなのかと思うと無下には出来なかった。「で、雛森来ねぇンじゃ何も持ってきてねぇから祝いにならないンじゃないか？」藍染の煎れたお茶をズズッと音を立てて飲みながら日番谷は言った。本当に贈り物どころか手土産すら持ってきていない。茶菓子くらいは藍染の部屋にもあったがそれだけだった。殺風景な部屋に大の男が顔を突き合わせて茶を啜る。それも隊長同士が、だ。他の隊員が見たらどんな重要会議が行われてるンだと思うだろう。「そうだな･･それじゃぁ日番谷君、誕生日おめでとうって言ってくれないか？」「は？」「誕生日に祝いの言葉は欠かせないだろう？」「改めてンなこと言えっか！」「簡単じゃないか。たった一言だ。」「俺はそういうの苦手なんだよっ。」「そう言われると余計に言ってもらいたくなるなぁ。」ニコニコと微笑みながら期待して待つ藍染。言わない！と頑なに拒否する日番谷。数回言え・言わないの問答が続いた。「日番谷隊長、男らしく言ってしまえば良いンですよ。」「なっ･･！いきなり呼び方変えたって言わねぇもんは言わねぇっ！」「そうですか･･公私のけじめを付けられないとは、天才児と言えど所詮は子供か･･残念だ。」「!?」突然の藍染の変貌。日番谷が言われて最も怒りを覚える言葉を言われた。それも、今しがた心を開きそうになった相手に。「てめぇッ･･」「子供と言われるのが嫌なら要求されたことに応じることだ。　器量が小さいからどんなに大人ぶろうとしても子供扱いされる。」「言わせておけば･･･分かった！言ってやろうじゃねぇか!!」「おや、言えるのかな？たかが一言の言葉をあれだけ渋っていたというのに。」「言えるに決まってンだろ！藍染隊長おめでとうございます!!」「随分事務的な言葉だね。気を遣って親しみを込めては言えないか。」「っっだと･･･藍染惣右介、お誕生日おめでとうございます!!」怒気を孕んだ声と表情で勢い任せに祝いの言葉を言うと、打って変わって藍染はニコニコと微笑んでいた。「有難う、日番谷君。」「あ？」「僕はその言葉が欲しかったンだよ。」「は？･･ぁ？あ･･･も、もしかして･･俺はハメられたのか？」「ハメただなんて人聞きの悪い。少し君の気性を利用して焚き付けただけだろう。」唖然としている日番谷に飄々としている藍染。くだらない事で言い合いをして挙句こんなオチだったことに日番谷は呆れて脱力した。「お前なぁ･･･。」「ゴメンよ。でも君からその言葉がもらて良かった。それに、僕の名前も覚えててくれたンだね。」「っ･･ぁ、当たり前だろ、それくらい。」「そうだね、当たり前かもしれない。でも僕は君に覚えてもらっていたのがとても嬉しいンだ。」幸せそうに笑う藍染。しかしその微笑には寂しさを含んでいるように見えた。あまりに当たり前のこと過ぎて忘れていること。そういったことを数多く知っているような微笑みだ。「ったく･･藍染。」「ん？なんだい？」「･･･誕生日、おめでとう･･。」先ほどの勢いで言った言葉とは違う重みのある言葉。照れくさそうに視線を逸らしてそう言うのが日番谷の優しさ。藍染は日番谷の優しさを感じてより一層笑みを深くした。「有難う、日番谷君。」「････おう。」5月29日。昼間は、五月晴れとはこのことだろうと言えるほど空は雲一つなく、今宵は藍色の空に銀色に輝く真ん丸の月が一つ。風は穏やかに、まるでゆっくりと刻む時のように吹いていた。明日もきっと、護廷十三隊の詰所がある瀞霊廷も平穏そのものだろう。fin.

  2006.06.02

• SSS「温かい存在。」修兵→イヅル

  いつの日からか、目で追っていた。あの穏やかな存在を。優しい存在を‥‥。「檜佐木さん、こんにちは」瀞霊挺内にある護廷十三隊の死神たちが常駐する各隊詰め所。隊舎ごとに分けられているため用がない限り他隊の死神が出入りすることはないが、三番隊副隊長である吉良イヅルは九番隊隊舎へとやってきた。イヅルは九番隊の副隊長である檜佐木修兵を見掛けるとニコッと微笑んで挨拶んした。「おぅ吉良。ウチの隊に用か？」「はい。東仙隊長へ書類を渡しに行くンです。」「あ。隊長なら任務で外出てるゼ。俺が預かっとくわ」「そうなんですか？じゃぁお願いします」書類の束を修兵の手に渡す。瞬間、微かに互いの指先が触れ合ったことに修兵は内心胸を震わせた。イヅルはいつもと変わらずお願いします、とニッコリ笑って修兵に背を向けて三番隊へ帰って行った。「‥‥‥‥‥‥‥」イヅルが見えなくなるまでその背を見て、姿が見えなくなると先程触れた指先を見た。「ったく‥何で俺がこんなことで一喜一憂しなきゃなんねーンだっ‥」片手で書類の束を乱雑に持ち、片手で胸の辺りをボリボリと掻く。まるでそうしてないと落ち着かないかのように。自分でそれに気付いて悪態つきながら止めるが次は頭をガシガシと掻いた。「チッ‥変なビョーキにかかっちまったゼ。」修兵は執務室までの廊下を歩きながら暫く同じ動作を繰り返しそんなことを苦々し気に呟いた。"男らしくてカッコイー"と隊員たちから慕われてる修兵としてはこんな女々しい自分が格好悪いと思っていた。イヅルが誰を想っているのかを知っていて尚抱く恋慕の想い。悲しいかな、修兵はイヅルが幸せであれば良いと思える良い人だった。だから胸に抱く淡い気持ちを絶対に出さないと決めた。あの穏やかな存在が永遠に消えないようにと‥‥。************************************************************************************☆コメンツ☆とうとうやっちまいました、修兵片想いSS！！瑠架さんとこの修兵がウチに婿に来ていただけることになってから私は修兵で何かやりたいなーって思ってたとこなんですが、ちょいと今週忙しくて電車ン中で携帯カコカコ打ったSSSくらいしか出来ませんでした(;_;)イヅルたんの出番が少なすぎてゴメンなさい、弥生ちゃん、姐さん！！ｗいつかちゃんとした話を書きたいと思ってます。色々書きたいことだからけなんですよ！！だって他CPはほとんど恋人同士だけど、修イヅに関しては修兵の片想いですからね。何だか恋してたころを思い出しながら自分の気持ちとシンクロさせて書くのが良いンですよ～ｖ白一＆ギンイヅも書きたいし夜ソイもそろそろ書かなきゃだし、藍日シリーズも進めたいけど藍ギンイヅも書かなきゃだし･･時間が欲しいYO！職場でも書きたいYO☆ｗとりあえず明日は合コンでぃ！！明日のためにスカート買ったし、ちょっと気合入れて行こうｖｖｖんで帰ってきたら絵茶！そのままホテルとか行かないから安心してくださいｗ合コンの前に久々女3人でカラオケも行くから超楽しみ！！いきものがかりのSAKURAとかあったら倖田來未の恋のつぼみ歌うぞ♪今日は絵茶で仲良くしてくださってる春ちゃんこと春秋さんから、誕生日プレゼントもらっちゃいました～(>▽

  2006.05.26

• SS「冬の花火」日番谷独白

  誕生日を知っていることが既に、幸せなんじゃないかな？冬の花火そう言って微笑むアイツを俺は複雑な気持ちで見た。流魂街出身の俺たちが、ただ一つ自分の出生日さえ知らないだなんて当たり前なんだ。だけどお前たちは違うだろう？ちゃんとした所に生まれ、ちゃんとした場所に立ち、ちゃんとした道を歩んでいる。俺たちは血眼になって必死で立ち上がり、そして此処まで歩いてきた。そう、思ったのに。アイツの穏やかな眼は俺のやさぐれた心を包み込むようだった。誕生日を知っている。ただそれだけのことが幸せで、普通ならそんなこと当たり前なはずなのに、お前にとってもそれは当たり前であるはずなのに。どうしてそんなに優しい眼をするんだよ。俺の誕生日なんて、お前には関係ないだろうに。雛森がしつこく誘ったから来ただけだろう？"おめでとう"なんて、白々しいこと言うなよ。心でそう思っても、魂(ｺｺﾛ)は騙せなくて。"おめでとう"と言われて一瞬戸惑った。そんな自分を知られたくなくてわざと素っ気無くしてみたけど、アイツには分かっちまうってことは俺も分かってる。どうせ、俺の方がガキだよ。天才児なんて持て囃されてるけど、アイツの方が数倍強いってこともしっかり分かってる。だから、刃を交えたとき口にしなきゃいけなかったンだ。「殺す」という強い言葉を。嘲笑って冷酷に俺を斬りつけるアイツの顔に、最早冬の花火を見たあの瞬間のアイツがいないことに俺は少しばかり安心した。もうアイツに甘やかされないで済む。そう思った今年の誕生日。☆コメント☆誕生日をお祝いしてくれた全ての人に、簡単ではありますが感謝の気持ちを込めて藍日でSSなんぞを･･。ていうか初めて藍日に挑戦しましたよ！藍日っていうよりシロちゃん独白だけど(^^;ギンヒツは聞くけど誕生って単語を思い出して、シロちゃんの誕生日を思い出したので藍日で。いやもう意味不明ですみませんm(__)m勇気のある方はどうぞもらってやってくださいな♪っていうかこれ、仕事中に書いてたりしてｗ

  2006.05.17

• 白一で十の御題・八｢微笑む｣白哉×一護

  「笑う」にも色々な種類がある。楽しいから笑うとかバカにしたように嗤うとか見下したように嘲笑うとかふとした拍子に思わず笑うとかあとは、良いことがあってふんわり優しく微笑むとか。微笑む「おーい白哉、笑ってみ？」六番隊の執務室にノックもせずに入り、机に向かって仕事をする白哉に脈絡もなく一護は言った。「突然何だ、一護。」白哉は動じず、ただ書類の束から目を離し顔を上げて一護を見た。「んー、俺ってまだ白哉の笑った顔見たことねぇンだよ。」「そう、だったか？」一護と白哉はソウルソサエティの誰もが知ってる公認カップルだ。そういう仲になってそろそろ3ヶ月は経とうとしている。既に肉体的な関係にも発展しているというのに、どうにも精神的な繋がりはまだまだ完全ではないようだった。「さっき恋次や修兵と話してて言われたンだよ、白哉って笑わねぇよなって。」どうやら白哉に会いに執務室へ来る前に柄の良いとは言えない副隊長コンビに捕まったようだ。何気ない世間話の中に恋次と修兵がふとした疑問を一護にぶつけた。それが、『オメェの前では朽木隊長、笑うのか？』だった。問われて一護も即座に返事は出来なかった。恋人同士になって3ヶ月近く。未だ恋人の無愛想な面か眉を顰めた表情しか見たことがないように思えたからだ。記憶の中の白哉を探るも思い浮かぶのは無表情な彼だけ。言われてみれば一度も白哉の笑った顔というのを見たことはない。確かに対峙して間もない時よりは表情が優しくなった気はするが鉄面皮は相変わらず。二人きりでいるときさえも無表情なままだということだ。つまり、「俺と一緒に居ても楽しくねぇ？」一護は無意識のうちに胸の中で燻らせていた気持ちを言葉にした。他人に言われて初めて気づくこともある、そういうモノだった。「いや、そのようなわけがあるまい。」「じゃぁ楽しいのかよ。」「兄といるととても心休まるのだ。」「それって楽しいっつーのかよ。」「さぁ･･どうであろうな。」一護の問いに顎に手を添えて考え答える白哉。終いには曖昧な返事が返された。「さぁって何だよさぁって！」「分からぬのだから仕方あるまい。」「仕方なくねーよっ！何でアンタ自分のことそんなに分かってねぇンだよ!!」白哉は訝しげな顔をしてみせた。一護の言葉が変だと思ったからだ。自分では自分のことを分かってないなんて思っていない。むしろ自分が一番己のことを理解しているはずなのだから。「アンタ、感情ねぇってわけじゃねぇンだろ？」「無論だ。私にとて感情くらいある。そうでなければ兄のことを愛していると言えるか？」「っっ！だったら、どーして楽しいか楽しくねぇか分かンねぇンだよ?!」「楽しいとは馬鹿騒ぎすることか？腹を抱えて笑い転げることか？」「は？」「生憎私は兄といてそのようにしたことは一度もない。」「あ、ああ･･俺だってンなアンタ見たことねぇっての。」「ならば私は兄といて楽しくはないということなのか？」白哉の質問に一護は眉間に刻まれた皺を更に深めた。白哉は世間の常識とだいぶズレがあるようだ。さすがは貴族。人が当たり前のように持ち合わせている感情や考え方も特別なようだ。つまり白哉は楽しいと思う感覚を難しく考えていた。「あのな、楽しいってのは馬鹿騒ぎするからとか面白いからとかじゃねーよ？　何にもなくたってその時が満ち足りてるなって思えたら楽しいってことなんだよ。」「･･･ならば、私は一護といていつも満ち足りているが。」「じゃ、楽しいってことなんじゃねーの？」「心が安らぐことや幸せに感じることは楽しいと思うことで良いのか？」「う、うーん･･まぁいいンじゃねぇ。」「そうか･･ならば、私は兄といてとても楽しいぞ、一護。」柔らかい雰囲気で空間を包み込むような白哉。表情は依然として無いのに、一護は何故だかとてもホッとした。「そ･･っか･･俺も、白哉といてスゲェ楽しいゼ。」満面の笑みを浮かべる一護に白哉は「そうか」とだた一言だけ呟いた。しかしその表情は心なしか微笑んでいるようだった。白哉は一護も、ましてや自分でも気づかないうちに自然と笑っていた。それは愛しい人の幸せそうな笑みを見たときに。自分がそれを幸せだと感じた瞬間に。とてもとても優しい表情を浮かべていた。愛しい人の背中を見つめて････。Fin.久々に御題で白一書いてみました。またもや突発的に書いたのでグダグダですねー(-_-;)てか私にも楽しいって意味が良く分からなくて思わず辞書引いちゃいましたよ！生まれたときから備わってるコトって説明してみろとか言われても分からないものですよね。「えー･･楽しいって楽しいと思うことじゃないの？」ってそのまんまだったり。きっと誰かと笑いあったとき、人は何気なく「楽しい」て言ってると思いますが、実は満ち足りているって意味だったンですよ。「楽しい」って言葉を使ったとき、それは満ち足りた瞬間だということですね(^-^)この世界の笑顔が耐えることのない日々が在りますようにｖTOPへ戻る

  2006.05.02

• SS「護るもの」一護独白

  自分が地に這いつくばると、あの日のことを思い出す･･･「母ちゃんを守るンだ！」そう言ったのにおふくろは組み手でたつきに勝てないうちは任せられないと笑っていった。まだ、俺が子供だから？子供ながらにそんな風に感じてしまったこともある。親父が俺の名前の由来を教えてくれたとき、"俺はおふくろを守りたい"と思った･･ぃゃ、"守る"と誓った。だけど、それは出来なかった。おふくろの死の真相を知って、俺はまた自分の名前について考えた。俺は、大切なものを守れなかった。何が、一つのものを守れるようにだ。自分の力量も分からない馬鹿なガキが粋がってただけだって思い知らされたンだ。おふくろを守れなかった後も、俺は何も守れちゃいなかった。あの頃から6年経ったっていうのに俺は何も成長しちゃいなかった。ケンカばかりしてたお陰で腕っ節は強くなったけど、それだけだ。俺はまた、自分の力量も知らずに敵に突っ込んで人を犠牲にした。それがルキアだ。俺の浅はかさのせいで家族は危険にさらされ、俺を助けたせいでルキアは処刑されそうになった。自分の馬鹿さ加減に辟易する。それでも俺は死神の力を手に入れて目に見えるものを守りたいと思うようになった。今度こそ、自分の手で大切なものを守れるようにと。成長したい。強くなりたい。ケンカに必要な強さじゃなくて、大切なものを護る力が欲しい。ソウルソサエティに乗り込む前はただ漠然とそう思っただけだった。だけど、死線を乗り越えて、本気でそう思った。俺の手にした力は強大なものだけど、俺がそれを扱うにはあまりにも危険で。自惚れたらまた俺の周りの大切なものを傷つけちまう。いやだ、いやだ、いやだイヤダ、イヤダ、イヤダ嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だもう誰も犠牲にはしたくない。誰かの犠牲の上に成り立つ己の命なんて在って良いもんじゃねぇ。人は誰しも犠牲の上に立ってるなんて思いたくねぇ。誰かの幸せがあって成り立つ命であって欲しいから。だから俺は戦う。大切なものを護るために。大切な人の幸せを護るために。その幸せがあって自分が在る為に。そのためにも俺は負けられねぇ。何があっても負けられねぇンだ。俺のこの力のせいで大切なものを傷つけないために。戦え、戦え、戦うンだ！自分の強大過ぎる力と戦うしか大切なものを護れない。抑え込め、支配しろ！背中に乗ってるもん、全部崩れ落ちちまう。俺は、負けられねぇ！！ただ一つのものを護りたかっただけなのに。いつしか護るものは増えていった。目に見えるものだけでも護りたかったのに。いつしか俺の知らないところで俺の護るものは一つの町になっていた。俺の居場所を守るために。みんなの居場所を守るために。俺は戦う。Finゴメンなさい、意味不明でゴメンなさい(>_

  2006.04.25

• イヅルたん誕生日おめでとー！！

  ☆Happy Birthdayイヅル☆そんなわけでウチでもささやかながらイヅルたんを祝おうと思います。上の画像はTOPの元の大きさです。TOPにコレ使ったら大幅にはみ出しちゃったので(^^;実は誕生日小説なるものは葉月せりあさんと鈴峰弥生さんへのギンイヅ小説でネタを使ってしまったので、私はギンイヅというよりはギャグ？的なSSを載っけようと思います。しかも超短いのでご了承ください。『イヅルの誕生日プレゼント』「あ、松本さん。」「あら、吉良じゃない。どうしたの？」「あの、市丸隊長見ませんでしたか？仕事サボッてどっか行っちゃったみたいなんです。」「ギン？さぁ･･アタシは見てないけど。」「そうですか･･見かけたら連れてきてくれませんか？」「良いわよ。」「お願いします。」仕事をサボッている隊長を探し回る三番隊副隊長：吉良イヅル。思い当たる節を探し回っていてギンの同期の十番隊副隊長：松本乱菊を発見した。しかし彼女も空振り。見かけて戻って来いと伝えてもらっても戻ってこないだろうと思ったイヅルは乱菊に連れてくるようお願いしてまた別の場所へ探しに行った。「ギン、吉良行ったわよ。」「有難うな、乱菊。」「で、吉良の誕生日プレゼントをどうするか、だっけ？」「そうやねん。何あげようかメッチャ悩んでてん。」「そんなの簡単じゃない。」「？」「吉良はアンタのことが好きなんでしょ？だったらアンタがプレゼントになれば良いのよ。」「僕が、プレゼント？」「そう。頭にリボンでも付ければそれらしくなるンじゃない？」「･･それは考えたこともなかったわぁ･･」「吉良がもらって嬉しいものはアンタなんじゃないの？」「そうかぁ～そうやねんな！それもオモロイしや、そうしよか！」「あ、吉良へのプレゼントはアンタとアタシからってことにしてよね。」「ハイハイ、分かっとりますよ。」3月27日、今日はイヅルの誕生日。ギンは誕生日プレゼントをどうしようかと悩み、幼馴染である乱菊に相談に来ていた。イヅルには知られたくなかったので探しに来たら見てないと答えるようにもしてもらっていた。相談者が良かったのか、イヅルへのプレゼントはすぐに決定。ギンはその準備に取り掛かり、乱菊に手伝ってもらいながら自分にリボンを巻きつけてプレゼント完成。早速乱菊と共に三番隊隊舎へと向かった。「吉良～いる？」三番隊の執務室。副隊長であるイヅルはそこで大量の書類を整理。「あ、松本さん。隊長、いました？」「いたわよ～ほら♪」じゃんっ♪とリボンを巻きつけたギンをイヅルの前に差し出す。「誕生日おめでとさん、イヅル☆」ギンも楽しそうにそう言った。しかし、イヅルは笑ったまま何も言わなかった。「乱菊さん有難うございます。」「え？あ、ええ･･･」顔は笑っている。けれど目が笑っていない。そんなイヅルの様子に失敗したか、と焦る乱菊。「さぁ隊長、残りの仕事さっさと片付けちゃってくださいね～」「え？え？イヅル？」リボンぐるぐる巻きで身動きが取れないギンを机の椅子まで引きずってリボンを解き、座らせる。次いでそのリボンを椅子と体に巻きつけて固定させた。「え?!ちょ、何なんイヅル!?」「さぁこれで逃げられませんね。しっかり仕事してくださいね。」「えぇぇぇぇ!?」ニコーッと黒い笑みを浮かべてそう言うイヅル。罰が悪くなった乱菊はそぉっとそこを去ろうとしていた。が。「あ、松本さん。日番谷隊長がお待ちですよ。」「え？」振り向くと、何処に隠れていたのか乱菊の上司である日番谷がそこにいた。「松本さんも仕事サボッてたンですね。十番隊の詰所じゃない所にいましたもんね。日番谷隊長、ずーっと此処で執務をやりながらお待ちしてたンですよ、松本さんが市丸隊長を連れてくるのを。」「えぇ？」実は、乱菊とギンが一緒にいることをイヅルも日番谷も分かっていたのだった。ただ、普通に連れ戻したのではまたすぐ逃げるのでこうして罠を張って待っていたのだと言う。「松本、お前にはやってもらいたい仕事が山ほど残ってるンだ。徹夜してでも片付けてもらうぞ。」「えぇぇぇっ!?」素早く乱菊の動きを封じ、襟を掴んで引きずっていった。「ギン～～～アンタのせいだからね～～～～イタッ！隊長痛いですよっ!!」三番隊に乱菊の情けない叫びが響いたのだった。「さ、早く仕事済ませてくださいね市丸隊長。」「あ、あんなイヅル、ほんまに僕、イヅルの誕生日祝いたかっただけやねん。」「分かってますよ。それに、プレゼントはもういただいたじゃないですか。」「え？」「貴方が僕の所に戻ってきてくれた。それが最高のプレゼントですよ。」イヅルは先ほどの黒い笑みではなく優しく柔らかい本当の笑顔をギンに向けた。「イヅル･･僕仕事頑張るで！そんでイヅルとイチャイチャするンや～!!」「その調子ですよ。」単純なギンは俄然やる(ヤル)気を出して仕事を進め始めた。それを見てイヅルが再び黒い笑みを浮かべたことを、ギンは気づいていたなかった。おしまい♪これのどこが誕生日SSやねーんって思った方、残念でした☆笑。私なりにイヅルたんを祝ったのですよ。そうそう、ギンと乱菊を待ってる間、イヅルはシロちゃんにちゃんとプレゼントもらったらしいです。美味しいお茶葉を(笑)そんでシロちゃんと二人でティータイムでもしていたと。あ、ちゃんと仕事やりながら！ま、何はともあれ･･イヅルおめでとー

  2006.03.27

• 練習SS「僕の好きな人。」イヅル→ギン

  「市丸隊長、書類の確認は終わりましたでしょうか。」勝手知ったる三番隊の執務室。副隊長である吉良イヅルはノックもせずにその扉を開けた。中には静寂だけが存在し、イヅルの声はただ宙を舞った。「･･･まった、あの人はぁ･･っ！」一人で執務に集中したい。そう言ったのはイヅルの上司である三番隊隊長の市丸ギン。しかしその張本人は執務を放り出して何処かへ行ってしまった。つまりはサボリだ。元より真面目に仕事をしない人ではあったが上司に出て行けと言われたら出て行かざるを得ない立場のイヅルは不安を残しつつも執務室を後にしたのだが、どうやらその後すぐに執務室の窓から逃げたようだった。イヅルは誰もいない執務室で盛大な溜息をついた。「隊長とは言え、見つけたら説教しなきゃ！」そう心に決意し隊長専用の机の上にある積み上げられた書類を自分の机に運んで椅子に腰を下ろした。一枚一枚書類に目を通す。本来隊長が確認しなければいけない重要書類なのだが、その隊長はいつもそれに目を通さない。確認するのはいつも副隊長であるイヅルだった。そのことは他の隊長も知っていて、総隊長も承知の上。イヅルがギンよりもしっかりしているのは周知のことだから許される事。それを知ってるギンは一層仕事をしなくなるのだ。「全く･･･市丸隊長は闘いに於いては素晴らしい技術を持っているのに、執務となると不真面目なんだから･･･」悪態を吐きつつも本人を探しに行かないで自分で仕事をしてしまうのもどうなのか。イヅルも、自分はギンを甘やかしていると自覚はしている。しかし、一枚も二枚も上手なギンを飼い馴らす事は出来ないとも分かっていた。「自由な、人だから･･･」何事にも自由奔放なギン。出掛けるにも何をするにもイヅルに何も告げていかない。「僕は、隊長のことを何も知らない気がする･･･」ボーっとしながら書類に「ただ」目を通すだけ通す。頭ではギンのことを考えていた。「いつからだったかな、市丸隊長の事をそう思うようになったのは。初めて姿を見た日から憧れていたけれど、あの人の下で働くようになってからはもっと近づきたいと思うようになったっけ･･･」イヅルに対するギンはとても優しい。隊長だからと威圧的ではないし、命令のように圧し付けることもない。見習いたいと、近づきたいと思ったイヅルはギンを良く見るようになった。「時々、寂しそうな顔をしてることもあるっけ、隊長･･･」夕暮れ時、茜色の空を見るとはなしに見ていた。その表情は辛そうで、切なそうで、どこか寂しそうだった、そんな時のギンにどうしたのかと訪ねてみてもすぐにいつもの顔に戻って「何でもあらへん」とケラケラ笑う。「僕は、隊長のあんな顔を見ると不安になるンだ･･･いつか何処か、その視線の先に隊長が行ってしまうンじゃないかって･･僕を置いて。」その時もきっと、僕には何も告げてはくれないだろう･･･。っとイヅルは吐き捨てるように呟いた。「どうして僕は市丸隊長に惹かれてしまったンだろう･･･」自分を不安にさせる人。きっと幸せにはなれないンじゃないかとさえ思う。何も見てないようで、実は全てを見透かしているようなあの目。全てを、そして時には自分さえも滑稽だと嘲笑うあの口元。光のように輝いて魅了する絹糸のような銀髪。友好的なようで、その実誰にも全てを見せない心。知れば知るほど惹かれていくのをイヅルは認めるしかなかった。「最初から、僕はあの人のことしか見ていなかったから。」おいで、と手招きされたら抗うことは出来ず。バイバイ、と言われたら追う事は出来ない。イヅルの全てはギンの言葉に忠実なのだから。「いつか、あの人は僕を必要としてくれる日が来るのだろうか･･･？」やり切れない思いに、机に突っ伏す。大きく開いた窓からは気持ち良いそよ風がイヅルの髪を撫でるように吹いた。「イヅルー？どないしてん。眠いン？」「っ！？た、隊長！どこ行ってたンですか!!」気配もなく執務室に入ってきたギンに驚いて慌てて顔を上げるイヅル。ギンの顔はご機嫌そうな表情だ。「何や、窓開けたらメッチャ良ぇ天気やったから思わず外出てもーてん。」「仕事サボってですか。」「あー･･･すまんかったなぁイヅルに全部任せてもーて。お詫び言うたらおかしいねんけどコレ、イヅルにお土産やねん♪」そう言ってイヅルの掌に渡されたのは桜の花だった。「枝切るンは可哀相やから一コだけ取って来てん。綺麗やろ？」「桜･･･もう咲いてるンですか･･･。」「段々暖かくなってきたからなぁ･･せや、今度一緒に桜見に行こか。」「え？ご一緒して良いンですか？」「良ぇも何も、僕がイヅルと一緒に桜見たいンやから♪」「っぁ･･･」イヅルの胸がキュゥッと締め付けられた。今、必要とされた気がしたから。ギンの裏のない笑顔が自分にだけ向けられたから。イヅルはただそれだけのことに涙が出そうな程嬉しさを感じた。「はい、是非見に行きましょう。お弁当持って行きましょうか。」「あ、それ良ぇね。勿論イヅルの手作りやろ？」「え？･･あ、頑張ります。」「楽しみにしてるで♪」ニコッと笑うギン。つられて微笑むイヅル。こんな瞬間が、イヅルには堪らなく嬉しかった。誰よりもギンに近づけた気がするから。誰よりも好きだと実感出来るから。僕の、好きな人＝市丸ギン。Fin。････････････････････すみませんすんごーっく突発的です。何じゃコレ。つか誰じゃいコイツら！すみませんすみません(>_

  2006.03.20

• SS｢ﾎﾜｲﾄﾃﾞｰの惨劇｣一護総受け

  ※ｷｬﾗ名略してあります。一護→一・恋次→恋・吉良→吉・雛森→桃・乱菊→乱・日番谷→冬白哉→白・市丸→ギ・藍染→藍・京楽→京・浮竹→浮・檜佐木→檜。乱「あ、居た居た！たーいちょっ♪今日何の日だか覚えてますぅ～？」冬「あ？今日は三月十四日･･･特に何もねぇだろう。」乱「やっだー隊長ってばトボケちゃって～ホワイトデーですよ、ホワイトデー。先月一護からバレンタインデー教えてもらった時に教えてもらったの、覚えてないンですか？」冬「あー？･･･そういやそんなことも言ってたな。」乱「はい、隊長。私はいつでも受け取りますよ。」冬「何だ？手差し出して。」乱「隊長照れてンですかぁ？もうっ早くくださいよ。」冬「分かった･･･」乱「さっすが隊長♪」冬「この書類、今日中に片付けとけよ。」乱「えっ?!えぇっ!!??ちょっ隊長ォ！こんなにですかぁ!?」冬「馬鹿馬鹿しい･･･」乱「待ってくださいよ、隊長～?!ん？書類の上に何か･･･あ、蕎麦饅頭。隊長ってば、素直じゃないンだから。」吉「雛森君、これバレンタインのお返し。」恋「俺からもだ、ほらよ。」桃「わっ、有難う！吉良君のは色んな色の飴だぁ。瓶がクマさんの形してるンだね。」吉「それ、キャンディーって言うそうだよ。それからクマは現世ではテディベアって言うンだって。」桃「へ～。阿散井君のは髪飾り？桃の花が付いてる、可愛い♪」恋「髪飾りのことを現世ではヘアアクセサリーって言うらしいゼ。」桃「へあ、あくせさりー･･？何か言いづらいね。」冬「お前のそれは黒崎に教えてもらった物か？」桃「あ、シロちゃん。」吉「日番谷隊長、こんにちは。」恋「ちーッス。日番谷隊長、良くこれが一護に教えてもらった物だって分かりましたね。」冬「揃いも揃って現世の物持ってりゃ誰でも分かるだろう。」桃「そうだね。でも可愛い･･･有難うね、吉良君、阿散井君。」冬「雛森、手ぇ出せ。」桃「え？･･こう？」冬「ん･･･」桃「わぁ･･綺麗･･シロちゃん、どうしたの？これ。」冬「シロちゃんは止めろ。」吉「これは、石ですか？」恋「石にしちゃぁ変な色してねぇか？」冬「これは紫水晶って言うらしい。」桃「これも現世の物？」冬「違う。これは尸魂界のある岩山で見つけたもんだ。何でも現世ではこういった色の付いた石で首飾りとかを作るらしい。他にも緑のものや青い石、無色透明なものもあるンだとよ。」吉「黒崎君に聞いたンですか？」冬「そうだ。」恋「ふーん･･･女ならこういうキラキラしたもん、好きそうッスよね。」桃「うん、とっても綺麗！有難う、シロちゃん♪」冬「ああ。･･･そういや、黒崎もこれを見せたとき興味ありそうな顔してたな。」吉＆恋「えっ!?」桃「黒崎君が？意外と綺麗なもの好きなのかな？」冬「いや、そうじゃなく･･･」吉「日番谷隊長、この石どちらで見つけたのですか?!」冬「あ？東の岩山だが･･･」恋「よぉし！そいつを取りに行って一護へのホワイトデーのお返しはこれに決まりだゼ!!」吉「やっぱり黒崎君が欲しいと思うものじゃないとね。負けないよ阿散井君!!」桃「････行っちゃった。」冬「あいつらまた、人の話最後まで聞かねぇで･･･」呆れる日番谷を尻目に吉良と恋次は猛スピードで走っていった。一護が紫水晶を欲しがっている。その情報はバレンタインの時と同じく異常な速さで瀞霊挺内に広まっていった。お陰で一護を慕う死神たちは瀞霊挺を出て尸魂界の東に位置する岩山に行ってしまった。隊長・副隊長クラスの死神たちがゴッソリ瀞霊挺からいなくなったということだ。この間に危険があったらどうするのか、という事は飛び出していった死神は誰一人考えなかった。紫水晶があると言われる岩山に数十名の死神が集まった。そこでは隊長・副隊長、上司・部下に限らず死闘が始まった。出し抜いて紫水晶を手にしようとするものが居れば容赦なく攻撃し、ライバルを亡き者にしようと必死だった。最後まで立っていた者は当たり前というか、護廷十三隊の隊長・副隊長の9名。その有様は酷い物で、ズタボロだったがその手にはしっかり一護への贈り物である紫水晶が握られていた。各々、もう闘う力は残っていないということで全員で一護に紫水晶を贈って誰の物を受け取るかで決着をつけようということになった。「一護ｫｫｫｫ(黒崎くぅぅぅん～)!!」一「うぉっ！ななななな、何だよ皆して。そんな叫ばなくても聞こえるっつンだよ。」藍「黒崎君。」京「一護君。」剣「一護。」ギ「一護ちゃん。」白「黒崎。」檜「一護。」浮「一護君。」吉「黒崎君。」恋「一護。」「これを受け取ってくれ!!」一「え？あ、これ紫水晶じゃん。スゲェいっぱい取ってきたンだな。」ギ「一護ちゃんが欲しい言うてたンやろ？」京「君のために取ってきたンだよ。」藍「これで作った首飾り、さずかし君に似合うだろうね。」剣「何なら俺が削ってやるゼ。」檜「もっと欲しいというならまた取ってくるゼ。」白「兄の美しい髪の色にはこの水晶の色も負けてしまうな。」吉「本当に綺麗な石だよね。一護君と御揃いで僕も持とうかな。」浮「現世ではあんまり取れないンだろう、天然石って。」恋「俺がお前のためにこれで首飾り作ってやるゼ。」「さぁっ！誰の紫水晶を受け取るンだ!?」一「え？あ･･･んと、じゃぁ･･･皆のもらっとこーかなぁ･･･ってか、皆なんで俺に紫水晶だ？」「え？」恋「だって、お前が欲しいって言ってたンだろ？」吉「日番谷隊長に聞いたンだよ?!」一「あ、ああ･･･冬獅郎か。そっか･･･ま、こんだけありゃ妹たちのためにアクセサリー作ってやれっか。皆、サンキューな♪」「･･････妹、たち？」一護が紫水晶に興味を持った理由。それは一護自身がホワイトデーに妹達へお返しをしなければいけなかったからで、紫水晶でならアクセサリーが作れると思い日番谷に見せてもらった紫水晶に興味を持ったのだった。勿論、一護にアクセサリーなど作れる器用さはないのでアクセサリーの加工などをしているお店で頼むつもりであった。実は、一護は日番谷には勿論他の隊長・副隊長の所へ行った時にその話をしていたので死闘を繰り広げた9名の他からも紫水晶をもらっていた。お陰でネックレスだけと言わずブレスレットや指輪も作れるほどに紫水晶が手に入ったのだった。冬「護廷十三隊って莫迦の集まりなのか？ィャ、俺は違う。」乱「何か言いました？隊長。」冬「何でもねー。それより書類片付いたのか？」乱「え？あはっ、あははははは･･･あ、蕎麦饅頭美味しいですよ。隊長も食べます？」冬「サボッてねーで仕事しろ、松本ォォ!!」こうして、バレンタインに引き続きホワイトデーも低レベルな理由で高レベルな力の争いが巻き起こったのだった。しかも今回は瀞霊挺内だけでは収まらず尸魂界に住む霊たちも脅かすほどの闘いだったという。数時間後、尸魂界の岩屋まで負傷した死神たちが四番隊によって救助され四番隊は大忙しだったとか･･･。Fin.バレンタインデーの続きです。日番谷君と乱菊さんのやり取りが大好きで絶対やりたいな～って思って作っちゃいました☆そして何故紫水晶なのか･･･いや～エメラルドとかトパーズとかダイヤモンドだと高価すぎて普通に取れるのおかしくね？って思ったからです。紫水晶なら私も持ってましたし♪←どこに行ったか不明。

  2006.03.14

• SS｢ﾎﾜｲﾄﾃﾞｰ｣白哉×一護

  3月14日。世間で言うとホワイトデーになるが此方、尸魂界ではそのような習慣はない。しかし、先月の今日バレンタインデーというものが現世にあることを知ると同時にホワイトデーという行事を死神たちは知った。現世に住む死神代行：黒崎一護の教えによって。白哉はバレンタインデーに一護から指輪を貰った。3月14日が近づくにつれ白哉は一護から貰った指輪を見て大いに悩んでいた。「一体何を返せば良いのだ･･･」そう、白哉はバレンタインのお返しを悩んでいたのだ。一護から直接ホワイトデーの趣旨を聞いたわけではないのだが、他の死神たちが一護に聞いているのを偶然耳にしていた白哉は、人知れず考えていた。「白哉？」顎に手を当てて如何にも考え事をしています、といった格好で詰所の廊下を歩いている白哉に声を掛けたのは一護だった。「一護･･･いつの間に此方に来ていたのだ？」「たった今。珍しいな、アンタが俺の気配に気づかないなんて。」いつもならすぐ振り向くのに、と付け加えて笑う一護を見て白哉は平静を装うよう努めた。「驚かせてやろうと思ったけど何か考え事してるっぽいから止めたンだけど･･･何考えてたンだ？」図星をさされ白哉はピクッと眉根を寄せた。しかし表情は至って無表情、いつも通りだ。「ぃゃ･･･仕事のことで少しな。」「そっか。あっ！俺ちょっとルキアん所行ってくるな。」「･･･ああ。」「すぐ戻ってくっから。」「気をつけるのだぞ。」そんなガキじゃねーよ、と言葉を残して一護はルキアの居る十三番隊の詰所の方へ走り去っていった。「はぁ･･･少しの間考える時間が出来たか･･･」珍しく溜息を吐き執務室へ急ぐ白哉だった。日は暮れ、空は鮮やかな橙色に染まっている。そんな景色を執務室の大きな窓から眺めている白哉は一護のことを思い出さずにはいられなかった。もっとも、今はお返しの事で悩みに悩んでいるので一秒たりとも一護の事が頭から離れはしていないのだが。と、そこに、一護の霊圧が近づいてくるのを感じた。「何も用意は出来なかった･･･どうすれば良いのだ･･･」一護が欲しい物など皆目検討もつかない白哉。現世で何か見繕って来る、というのも考えたが現世の事を良く知らない白哉にそれが出来るわけもなかった。色々と考えは巡らしてみたが結局は時間だけが過ぎてしまった。「白哉･･･って、電気も点けないでどーしたンだよ？」執務室の扉を開けると真っ暗な部屋に窓から橙の光が差し込んでいるだけだった。逆光のせいで影のように見える白哉が窓際に佇んでいる。一護は不思議に思った。少しだけ見える表情が憂いを帯びていたから。「白哉？どーしたンだって。」「･･･何でもない。」「嘘つけ。さっき廊下で会った時も何か考え込んでたじゃねーか。」「それは仕事の事で･･･」「違うね。仕事の事だったらそんな顔するかよ、アンタ。」「････････」「それに、アンタが俺の気配に気づかないなんてことあるかよ。」自信満々にそう言う一護。白哉はそれが何だかとても嬉しかった。「なーに考えてたンだよ。どーせアンタのことだから俺が帰ってくるまで悩んでたンだろ？」「何故分かる？」「一度悩むとドツボにハマるタイプっぽいからな、アンタ。」「お見通しだな。」「で、考えてたことって何だ？」暫く押し黙って、白哉は考えた。お返しは何が良いかで悩んでたなんて、格好がつかないのではないかと。しかし今更考えたところで今日という日もあと僅か。この調子では別の理由を言ったところで見透かされてしまうだろう、と思い白哉は一護から視線を逸らして口を開いた。「今日は、現世ではホワイトデーという日なのだろう？」「あ？あー･･そーいやそうだな。」「先月、バレンタインデーだからと一護から贈り物を貰ったが、そのお返しとやらをするのがホワイトデーだと聞いて、何を返せば良いのかと考えあぐねていてな･･･」「はぁ～？」真剣な面持ちでそう語る白哉に一護は間抜けな声を上げた。「今日という日が近づくたびに色々考えてはいたのだ。しかしお前が欲しい物など私には検討もつかない。現世では何が流行っているのかも分からない。だから、すまない一護。何も用意出来なかったのだ。」「はー･･なるほどね。ずーっと悩んでたンだ、俺のために？」「ああ･･･」「その気持ちだけで十分なんですけど？」「しかし･･･」「ホワイトデーってのは別にお返しをあげる日ってわけじゃねぇンだゼ？バレンタインデーは好きって気持ちを形にして勇気を出して想いを伝える日。じゃぁそのお返しは何だと思う？その気持ちに対する返事、だろ？だから物で返すって日じゃねぇンだよ、ホワイトデーは。」「そう、だったのか･･･」「そ。アンタは十分返してくれたじゃねーか。俺のためにずーっと悩んでくれたンだろ？つまり、俺の事しか考えてなかったってことだろ？」「ああ、勿論だ。」「それが俺へのお返しの気持ちってことじゃん。」それだけで俺は十分だ、と言って笑う一護。白哉は一護のそういう所がとても好きなのだ。世間がどうだから、ということに囚われず自由に生きるその姿が。そして、自分が思う以上に自分の事を理解してくれている所が。「私の想いの全てを捧げよう･･･」「ぷっ･･･それ、いつもくれてるじゃんか。」「十分か？」「いや･･･まだまだ全然足りねぇな。」滑らかな頬を撫でる白哉の手。その手に自らの手を重ね、一護は瞳を閉じる。そっと、触れる唇。触れ合った箇所から想いが伝わるのを感じた。後日談。バレンタインの時に各隊の隊長・副隊長にチョコをあげていた一護は大量のお返しを貰っていた。そのことを知った白哉は更に焦り悩んでしまったという。Fin.バレンタインに引き続きホワイトデーにも作ってみましたSS。何か今はホワイトデーに色々物をお返ししますけどまぁそれもね、有難うって気持ちの表れなんでしょうけど、一番大切なのって気持ちをお返しすることなわけですよ。まぁバレンタインに義理チョコもらった人には関係ないかもしれませんが、好きって気持ちを形にしたチョコをもらった人は気持ちをお返しすべきでしょ？そう、好きって気持ちに対するお返事！まさか男の子もその気持ちを形にしてるってことなんですか?!あ、そーいや昔キャンディが友達でマシュマロが好きでクッキーがゴメンなさい、って意味があるとか聞いたことあるよーな･･･(すみません、解釈はうろ覚えです)。男の癖にだらしねぇな！ストレートに返事言ったれやってなわけで、悩む兄様を書いてみました。そんな所を見事に見透かしちゃう一護ちゃん♪う～ん☆愛ですねぇ

  2006.03.14

• 白一で十の御題・十｢プライド｣白一：其の弐

  其の壱は此方。「あっ！ふっ･･ぅ･･」乳首を噛まれて舐められて、吸われて舌先で転がされて。何とも言えない感覚にそこが疼く。さっきから自分のものじゃねぇような声が口を吐いて出る度に必死で堪えようとする俺を見て、白哉は嘲笑う。「声を殺さずとも良いのだぞ？ここには他の者が来ることはない。来るとすれば副隊長の恋次くらいだ。だがその恋次も今は現世に行っている。誰にも貴様の艶かしい声を聞かれることはない。私以外には･･･な。」右の乳首を指先で嬲りながらそんなことを言われも、俺は答えを返しようがない。ただ、声を出さないようにするだけで精一杯だった。「強情な奴だな･･･それならば、その枷を自ら外すようにしてやろう。」「っっ!!」白哉はそう言うと俺の死覇装の裾を捲り上げてその中に手を入れてきた。太ももを弄る節張った大きな手。何故か、物凄く心地良いと感じてしまった。「ひゃっ･･･ん･･ハッ！」白哉の舌が首筋を舐める。白哉の手が内股を這う。指先が、股間の辺りを行き来する。ゾクゾクと、神経が痺れる。「はっは･･･そこは･･･ダメだ･･･」「そこ、とは何処のことだ？」耳元で艶を帯びた低い声が囁く。それだけで俺の股間は大きく脈を打った。何で、男の声なんかで･･･。「此処か？それとも･･･此処のことか？」「んぁっ！そこ、ダメだっ･･･」内股をスッと撫でて袋に触れた後、俺の中心を指先で撫でた。熱くなり始めてるそこに触れられただけで俺はビクッと身を震わせてしまった。どうして･･･男なんかに触られて気色悪ィはずなのに、その手が心地良いと感じてしまってる。「既に硬くなり始めているな･･･嫌だ駄目だと言う割には快楽を感じているのではないか？」図星をさされ、俺の顔が一気に赤くなったのを自分でも感じる。血液が体中に巡って熱くなる。違うと言えないのが悔しいっ。「沈黙は肯定と取るぞ。とは言え、そのように顔を赤く染めて否定しても説得力はないがな。」指摘されてますます恥ずかしくなる。どうしちまったンだよ、俺･･･。裏筋を白哉の指が這う。先端からトロリと液が溢れるのが分かった。それを掬う白哉の指の爪が先端を引っ掻いて快感が俺の身体を襲った。「あぁっ!!も、ゃめ･･･」「止めて欲しいようには見えないが･･･」死覇装の帯を解かれ、上半身をあらわにされた。それよりも、袴の帯紐まで解かれたことの方が余程恥ずかしくて。抵抗らしい抵抗は何一つ出来ずにされるがまま。緩んだ袴のウェストから白哉の手が侵入する。腹を這う手にさえ感じてしまう。その手が、俺のモノに触れる。「っん･･･はっ･･･ヤダッ･･･あっあっあぁっ!!」触れるとすぐに上下に扱かれた。既に先端から溢れ出ていた液を塗りたくられたように滑らかにその手は俺のモノを扱く。人に触られるのなんて、久しぶり過ぎて俺は快楽に飲み込まれた。「ふっぁぁぁっ･･はっはっぁんっ･･･んんー･･びゃっく･･」ニヤリと笑む白哉は露になっている俺の胸元を丹念に嘗め回す。舌のザラつきがイヤにエロくて、気持ち良くて、股間への愛撫と同調してかなり気持ちイイ。もう、止めてくれなんて言えなくなっていた。「あっんぁっ･･はぁ･･ん･･白哉っ･･白哉、ダメだ･･もっ離し･･」何でコイツこんなに上手いンだ？ってくらい俺のモノは愛撫に負け、頂点に達していた。イキたい。でも、イケない。コイツの前ではダメだ。理性が何とかイキそうになるのを抑えていたのに。「出したければ出せば良い。気持ち良いのだろう･･･我慢するものではない･･･出せ、一護。」俺の気持ちとは裏腹にあの低い声が更に俺を奮い立たせていく。容赦なく扱かれる股間はもうダメだと俺に訴えていた。「ああっ･･ダメッだ･･･あっあっんん･･もぅ、イクッ･･」俺がそう口に出してしまうと白哉はまたニヤリと笑んで扱く手を更に早めた。ただでさえ限界が来ているというのに、激しくされたらもう抑えることなんて出来なかった。「ひっ･･んぁっ、あっあぁぁああぁっ!!!!」パタパタッと腹の辺りに生温かい液が掛かった。自分の出した精液であることは嫌でも分かる。「はっ･･はっ･･はぁっ･･ん････」「凄いな･･･こんなに出して。溜まっていたのか？」意地悪く微笑みながら俺の精液を指先で掬いペロリと舐めた。そして俺の頬に液をねっとりと塗る。嫌な、匂い。「腰を上げろ、一護。」「･･･え？」射精の疲れでボーッとしていたので言われてすぐには動けなかった。腰を上げろ？これ以上まだ何かするンかよ･･･。と、虚ろな頭で思うと腰を浮かされスルリと袴を脱がされた。「え？あっ!?」下半身まで露にされた俺は流石に恥ずかしくて慌てたが、脚と脚の間に白哉の体が居て邪魔をされ閉じることが出来なかった。右の足首を掴まれ天井に向かって上げられた。「うわぁっ！ちょちょっ･･･ゃ、止めろっ!!」足を上げられて尻の穴が白哉に丸見えな状態になっていた。慌てて下げようとするが白哉の強い力で以って足首を掴まれているのでそれは叶わない。それならばと手で隠そうとしたがそれすらも許されず、白哉は空いている手で再度俺の股間に触れた。「あっ！」射精したばかりでまだ熱が燻っていた身体に再び火がついた。括れを擦られ、先端からは蜜が溢れ出る。出したばかりなのに、とめどなく溢れ出るソレ。白哉は指を自らの唾液で濡らすと俺の尻の方へその手をやった。「ひぁっ!!な、何?!ちょっ何すっ･･っ!!」濡れた指が尻の穴を突付く。少し強引に一本の指が挿れられた。「んんっ･･はっ、ちょっと･･何やって･･･」「馴らさねば辛いだろう？」馴らすって、辛いって、何のことだっ!!叫びたいけど変な圧迫感があって何も言えなかった。中に入った一本の指が中を擦った。「ひゃうっ!!」「此処が、良いのか･･･」「あっあっ･･そこ、ん･･ああぁ･･はぁ･･」執拗に擦られる其処。其処を擦られると体中にビリビリ電流が走ったような感覚に陥る。相変わらず股間の先端からはトロトロ液が溢れていて、それが竿を伝って尻の穴の方まで滴り落ちてくる。時折、それが潤滑油みたいになって滑りが良くなる感じがした。「はぁはぁはぁっ･･な、んだこれｪ･･頭おかしく･･なるっん･･」「それで良い、一護。快楽に素直になるのだ。」何だ俺!?女みたいな声出して、AV女優の台詞みたいなこと言って。どうなっちまってンだよ俺の体!!何で白哉はこんなこと俺にしてンだよ!!もうっ、訳分かンねー!!「そろそろ、良いか･･･」「へ･･ひっ！あぁんっ!!」中を圧迫していた指がズルリと抜かれる。何か、指一本って感じじゃなかった気がする。「一護、息を止めてはならぬぞ。」そう言って俺の頬を優しく撫でる白哉。何だよ。こんなことしといて、何でそんなに優しく触れるンだよっ！「っ?!」尻の穴に指ではない熱いモノが当てられたのを感じてビクリと身を強張らせる。「一護、怖くはない。」ふっ、と耳元に吹きかけられた吐息に体が疼いた。そして、白哉のモノが、入ってこようとしていた。「っっっ!!」「息を止めるな。深呼吸をしろ。」指とは違う圧迫感と苦痛から逃れるために言われたとおり息を吐く。深呼吸するたびに白哉のモノが奥へ奥へと入ってくる。「ああっ･･っつー･･ん、はっ･･･」何で俺は何も抵抗しないンだろう。抵抗出来ないから。ぃゃ、そうじゃない。俺はコイツと闘って勝った事があるンだ。霊圧は負けてない、なのにコイツの霊圧を跳ね除けられない。何でだっ!?「動くぞ、一護。」「･･んっんっぁぁ･･白哉･･んっんん･･」俺の先端から滴り落ちる液が俺の尻の穴に入ってる白哉のモノに絡まって滑りを良くしていた。俺は感じてる。男にこんなことされてるのに、感じてるンだ。動きが滑らかになると白哉は少し動きを速めた。「あ、あ、んぁ、ぁぁっ･･くっ･･ふっぅ･･･」くそっくそっ･･･クソッ!!何で俺がこんな目に遭わなきゃなんねーンだ?!何で、こんな目に遭わされてるのに俺は感じてンだよ！俺だって男なのに･･･こんな屈辱、受けて感じてて良いのかよ!?コイツは何で俺を抱いてンだよ!!男が男を抱くなんて、おかしいだろう?!「びゃ、白哉･･･んっ･･な･･んでっ･･･ぁふ････」「何故？そんなことも貴様は分からないのか･･･私の気持ちを、まだ分からないと言うのか?!」俺を突く白哉の動きが早くなる。嗚呼、分からねぇよ。どうしてお前が俺を抱くのかも。どうして俺は抵抗出来ないのかも。何も分からない。分かるのはただ、白哉の熱だけだ････。「は、はっはっ･･白哉･･白哉ぁ･･ああっ･･」「一護、一護･･･貴様を渡してなるものかっ･･･」嗚呼。屈辱がなんだ。この熱を感じていられるなら、プライドなんていらない。何も分からないけど、この熱だけを感じていたいと思う。Fin.あーもうエロ書きたかっただけなんですけど、最後まで書く元気がなくなったのでここで終了。本当はタイトルの「プライド」って言葉を物語の中で使いたくなったのですが、最後、どうしても使ってしまったでもあー･･･一護視点でだとダメですね、エロ描写が難しくなります。だって自分で自分の状況を実況中継してるンですもんね。誰がンなもん言いたいかって感じですよ。そんなわけで失敗！ｗ

  2006.03.12

• 白一で十の御題・十「プライド」白一

  くそっ･･･クソッ!!何で俺がこんな目に遭わなきゃなんねーンだっ？クソォォォッ!!!!!!プライド事の発端は何でもないようなことだったと思う。いつものように死神代行としての報告をすべく六番隊の執務室へ行った俺は、その執務室に誰かがいないことに気がついた。色んな死神と交流をするようになったからか、俺は感覚で誰の霊圧かを知ることが出来るようになった。だから、執務室に入る前にいつもなら感じるはずの霊圧がないことに気がついたンだ。「ちーッス。恋次どっか行ったのか？」いつものように、執務室の扉を開けて窓側の大きな机に向かう六番隊隊長：朽木白哉に挨拶をする。ただ、いつもと違ったのは挨拶の後に霊圧を感じなかった恋次のことを問いたことだけ。ゆっくりと白哉が顔を上げる。「恋次なら今は任務で外に出ている。」少しばかり冷たい言い方。でもこれもいつものことで、もう慣れた。こういう言い方はコイツの性格のせいで本当は言うほど冷たい奴じゃねぇってのは分かってる。「ふーん･･･これ、報告書。」「ご苦労。確認するから少しそこに座って待っていろ。」「はいよ。」白哉が報告書を確認する時、いつもなら恋次と話している。アイツとは何だかんだ気が合うし、生きてればきっと同じくらいの年頃なんじゃねぇかと思うから気ィ遣わなくて済む。でも今日はその暇潰しの相手がいねぇ。白哉と二人きりっつーのはちょっと気まずい。別に俺はコイツのこと嫌いってわけじゃねーけど･･･何か苦手なんだよな。静かな白哉の霊圧。俺の霊圧とは対照的、らしい。だからかな、こーゆう沈黙は居心地が悪い。そだ。たまにはコイツとも話してみっか。「なぁ、恋次の任務って現世での仕事なのか？」「･･･そうだ。」「そっか。そーと知ってりゃアイツの仕事終わってから一緒にコッチ来れば良かったなー。」「すぐには終わらん任務だ。」「え？そーなのか？」「簡単な任務なら副隊長ではなく隊員か席官クラスの者に命ずる。」「あ、そうだよな。アイツあんなでも一応副隊長だもんな。」「帰還は遅くなるだろう。」「んじゃ早く帰れば現世でアイツに会えっかな。」「･･･そんなに恋次に会いたいか。」「あ？あー･･･っつーか話すことがあるっちゅーか。」話すこと、というかただ単に馬鹿話をしたいだけ。月に2･3回程度しかコッチに来れないから来た時くらいは話をしたいだけだ。つか、何か白哉の言い方に棘があるように感じる。「･･･文章の構成が若干おかしい所はあるが大体まとまっているから良いだろう。報告書、確かに受け取った。」「あ、あぁサンキュ。そだ。なぁ恋次って現世のどの辺に行ってンだ？」「･･･それを聞いてどうする。」「帰りにちょっと寄ってみようかなって。」「任務の邪魔をするつもりか。」「んなんじゃねぇよ。ちょっと会ってくだけだろ。」「黒崎一護、そんなに恋次に会いたいか･･･？」「はぁ？だから･･･」「そんなに恋次の元へ行きたいか。」「っ?!」静かだった白哉の霊圧が、急に震えた。白哉が立ち上がると俺に向かって霊圧をぶつけて来た。痛いとかじゃなく、強い向かい風に当たったような、そんな感じだ。何で？どうして急に白哉は俺に対して攻撃的な霊圧を当ててくるンだ？何故、恋次に会いたいかって聞くンだ？「恋次の元へ行きたければ、私を越えて行くのだな。」「えっ･･･」突然俺は白哉に腕を掴まれ足払いをされ、ソファに倒れこんだ。重く圧し掛かる霊圧･･･ぃゃ、白哉本人。「何の真似だよ、これは。」「このように押し倒されて分からぬとは、やはり貴様は子供だな。」「なっ･･･」「まさか、何も知らぬと言うわけではあるまい。貴様も男だ。身体を繋げたことはあるだろう。」どういうことだ？この男は、俺を抱こうってのか？この状況で何をされるか分からない程俺も鈍くはねぇ。でも、俺は男だぞ？コイツ、一体何がしてぇンだ?!「黒崎一護、貴様は私を震えたたせる魅力を持っている。人間にしては並外れている霊力はもちろん、貴様の人格やその髪の色、そして･･･征服欲を駆り立てるその強気な瞳。美しい･･･それ故に惹かれる。」「っ！」コイツッ･･･今、瞼にキスしやがった!!本気かよっ！くそっ･･･逃げてぇのに白哉の霊圧に抑えられて動けやしねぇ!!「恋次の元へ行きたくば、私の霊圧を跳ね除けていくのだな･･･」嘲笑うコイツの目や口元が異様に艶かしい。何で、白哉は恋次を気にしているのだろう。何で、こんなことするンだよっ!!其の弐へ。

  2006.03.12

• 白一で十の御題・七｢妻｣オマケSS

  ―‥一護さん。ん‥‥何だ、此処。―‥一護さん。え？誰だ？―‥初めまして、緋真と申します。っ!?緋真って‥白哉の死んだ奥さんか!?―‥そうです。何で?!てか此処、何処だ？―‥此処は貴方の心の中。―‥覚えがあるはずです。―‥嘗て貴方が此処で貴方の中のもう一人の自分と対峙した世界です。俺の心の中に、何でアンタが入ってこれるンだ?!―‥そうですね‥簡単に言えば私は貴方が創り出した虚像です。―‥でも、魂は本物です。―‥貴方の強い想いが創り出した虚像に魂が引寄せられたのです。じゃぁ、やっぱりアンタは確かにルキアの姉で、白哉の‥奥さんなんだな？―‥ええ。―‥私は貴方に伝えに来ました、気持ちの在り処を。気持ちの‥‥在り処？―‥そうです。―‥一護さん、貴方は私の存在に不安を感じている、そうですね？っ‥‥！―‥でも、私はもう白哉様と同じ世界にはいないのですよ。それは俺だって同じだ！俺は生きてる。死神代行っつったって形だけで、白哉と同じ世界にはいられない！―‥だけど貴方は白哉様と触れ合える。それはっ！―‥私はもう、白哉様に触れることすら出来ない。―‥白哉様のお傍に居ることも出来ない。―‥白哉様に視てもらうことも出来ないのです。白哉は今でもアンタを想ってるよ。―‥しかしそれは思い出から成るものです。―‥白哉様は今、一護さんを心から愛しておられます。―‥私にはそれが痛いほど解るのです。何で‥‥―‥私も白哉様を今でも愛しているからです。緋‥真さん‥‥―‥白哉様と一護さん、そして白哉様と私。―‥今は誰しも同じ世界にいられないのです。―‥それでも愛している、そうですよね一護さん。ああ。―‥白哉様も一護さんをとても愛していらっしゃるのです。―‥同じ時を刻めなくても。―‥同じ想いを共有できるならば、と。―‥一護さんはどうですか？―‥この先ずっと一緒にはいられない、だからあの方を諦めますか？‥‥俺は、もうアイツを拒めない。俺は何時か老いて朽ち果てるだろうけど、その先には尸魂界があって、きっと俺はまた死神になって、瀞霊挺に行って白哉に出逢うと思う。‥‥‥‥‥‥‥‥!?そうだ！そうじゃねーか!!アンタには悪いけど、俺にはまだ可能性があるンだよな。アイツがアンタの処へ行ってしまわない限り、アイツが俺のことを嫌いにならない限り、俺はいつだって白哉の処へ行けるンだよな。―‥ええ、そうですわ。俺は、何を怯えていたンだろう。白哉にとって緋真さんが大事であるのは当然なのに。世界が違うから？同じ時を刻めないから？そんなの、俺がアイツの中の緋真さんに対する不安感を隠すための戯言だ。莫迦だ、俺。こんなにも白哉を、愛していたンだな‥‥―‥緋真は嬉しいのです、白哉様のお隣に居るのが貴方で。―‥貴方の太陽のように眩しい笑顔は白哉様の心に花を咲かせてくれるのです。―‥その花は白哉様が幸せであればある程とても綺麗に咲くのです。―‥今、白哉様の心の花はとても美しく咲き誇っていますよ。そうか。そりゃ、良かった。有難う緋真さん。俺、白哉の傍にずっとずっといるよ。白哉の心に咲く花が、決して枯れないように。―‥有難うございます、一護さん。―‥白哉様と一護さんの幸せを緋真は見守っています。―‥ルキアのことも、どうか宜しくお願い致します。ああ。緋真さんも、幸せに‥‥｢ん‥あれ？緋真さん？｣｢‥‥どうした、一護。｣｢ぅわっ！びゃ、白哉‥何で此処に？｣｢何故とは‥果てた後私の腕の中で気を失ったのは一護の方だが？｣｢えっ？あっ‥そか‥っっって！じゃ、今のは夢‥なのか？｣｢夢？どんな夢を見たのだ？｣｢ん？んー‥ずっとアンタの傍にいられる方法を見つけられた夢、かな？｣｢？良く分からぬが‥それは、私の傍に生涯居てくれるという意味にとって良いのか。｣｢おぅ。死んでもまたアンタの処に戻ってくるから‥‥｣｢滅多なことを言うな。だが、その時は私がお前を迎えに行こう。｣｢ああ、待ってるからな。｣生きてる今もアンタのことを愛していて傍に居る。死んでも魂はアンタのことを愛していて傍に行く。俺には途があるのだと教えてくれたのは、愛する人の愛した人だった‥‥‥Fin.続きのつもりで書いたSS何ですけど‥これまた尻切れトンボ？でも本当に尸魂界なんてとこがあるとしたら、死んでもまた愛する人の傍に行けるンだから良いですよね～。まぁきっと80歳とかで死んだら老いた姿であの世に行くンでしょうから、もし一護が寿命で死んだとしたらちょっとｱﾚですね～･･･だって白哉は死神だから老いることはないんですよ？爺さんと愛を語れって方が無茶な話ですよね(^^;でもさでもさ、ルキアや恋次、ギンや乱菊etcは死んでから成長しましたよね!!これってどーゆうことなんでしょう？霊力があると成長するとか？謎なあの世の世界って感じです

  2006.03.09

• 白一で十の御題・七｢妻｣白一

  ｢あっ‥あぁっ！｣｢一護っ‥愛している‥‥｣｢っ‥ぉれも‥‥白哉‥っんっん‥はぁっ!!｣‥‥だけど、そう言われる度にいつも頭を過ぎることがある。ルキアに良く似たルキアの姉。そして、白哉の死んだ奥さんのことだ。妻｢は？緋真‥ぃゃ、姉様がどんな人だったか、だと？｣時折、現世での死神代行としての報告をするため尸魂界に来ていた一護はある時ルキアを引き止めて今は亡き白哉の妻のことを聞いた。｢そう言われてもな‥お前も知っている通り私は赤ん坊の頃姉様と離れ離れになったのだから何も知らないのだ。ただ、朽木家に仕える者達に姉様のことを聞いたことはある。｣｢それでいい。どんなことを聞いたンだ？｣｢‥美しく、心優しい人で、けれど体が弱くいつも床に伏せっているばかりだったと。そして‥‥兄様はとても奥方のことを愛していて、奥方‥姉様も兄様のことをとても、愛しておられたと聞いている。｣｢‥‥そうか。｣白哉の亡き妻：緋真のことを聞き、一護は複雑な思いでいた。一護は白哉と身体を繋げる関係になった。夜毎愛していると確かめ合っている。それなのに、そうすればそうする程一護の心に募る不安。白哉の一護への愛は確かだ。そう分かっているのに、白哉から愛していると告げられると必ず脳裏にルキアに似た顔の緋真が浮かぶ。何一つ緋真のことを知らないのに、顔もルキアに似ていると言う程度でしか知らないのに、何故か嘗て白哉が愛した女性の姿が頭を過ぎるのだ。ルキアは、勿論そんな一護の不安な気持ちに気づいていた。だから緋真のことを聞いてきた一護に人伝ではあるが緋真のことを話して良いものかと思ったのだった。しかし、いずれは知ること。白哉がどれだけ一護を愛しているかをルキアは良く知っている。そして一護が白哉をどれだけ愛しているかということも。｢一護、確かに兄様は今は亡き奥方を愛しておられた。しかし今の兄様はお前を一途に愛しておられる。そのことだけ分かっていれば良いのではないのか？｣｢‥そう、なのかもな。｣伏目がちに一護は言葉を続けた。｢だけどアイツの心の中にまだ死んだ奥さんへの想いがあるのを俺は知っちまったンだ。そりゃ、嫌いになって別れたわけじゃねーから仕方ないとは思ってる。そのこともひっくるめて俺は白哉を受け入れたンだ。けど、どうしようもねぇンだ。この不安だけはどうしようもねぇ。だって俺は、まだ生きてる人間なんだからよ‥‥｣｢っ!!｣例え死神と言えど、心の中に虚がいようとも、一護は紛れも無く生きている人間だ。対して白哉は刻を止めた死神。老いることはない。生きている人間と同じ時を刻めないのだ。緋真は死んだ。だが、短い刻だったとは言え白哉と同じ時間を共有していた。同じ世界にいて、愛し合っていた。一護は白哉の世界にずっといることは出来ない。白哉が一護の世界にいることも出来ない。生と死が二人を別つ。｢それでも俺は、アイツを拒絶することはもう出来ないンだけどよ‥‥｣｢一護‥‥｣じゃぁ。と言ってまた白哉の元へ向かう一護の背中を見つめるルキア。｢こればかりは、私には何も出来まい‥｣そう呟いてルキアは死覇装の襟元をギュッと握り締めた。｢白哉‥白哉っ‥もっと、強く‥んっんんっ！｣白哉に身体の奥を突かれながらシーツを握り締め更に激しさを求める一護。｢どうした一護‥今日は、やけに積極的ではないかっ‥｣｢るせっ‥あっあ、そこっィィ‥うっぁ‥｣抱かれていても尚その強気な姿勢は崩さず、睨んでいるのかそれとも快楽に溺れているのか、眉間に皺を寄せ目を細めて白哉を見た。艶かしい一護の声に一層激しさを増す注挿。普段の静かさからは想像出来ない激しさで一護に熱を与えていく。｢んんっん‥白哉‥白哉ぁっ‥はっ、もっと、びゃくっ‥｣｢一護？｣縋り付く様に白哉の首に腕を絡めて求める一護に流石の白哉も疑問を持った。ただ単に快楽に溺れて強請っているのだとも思えるが今まで一護は一度もこんな風に求めたことはなかった。｢どうしたのだ一護‥何をそんなに怯えているのだ？｣｢っ!?｣一護の求め方が、まるで何かに恐れている様で白哉は暫し動きを止め一護をしっかりと抱きしめた。白哉に問われ、ハッとした一護は自分が怯えているのだと気づく。脳裏に浮かぶ白哉の亡き妻の存在に。白哉の自分への愛が無くなってしまうのではないかという不安に。｢‥お、びえてなんか‥いねーよ‥‥良いから、続きしてくれよ‥‥｣｢だが‥‥｣｢良いから！‥愛してくれよ‥壊れるくれぇによ‥‥アンタのことしか考えられねぇくらい‥俺を壊してくれっ‥｣痛いほど甘い叫び。白哉は一護の言う通りにした。そうするしかなかったからだ。分かってしまった、一護が何を考えていたか。一護は時々ルキアを切ない眼差しで見ていたことがある。白哉はその眼差しを恋慕だと思ったこともあったが日毎見ている内にそうではないことに気づいた。白哉の屋敷にある緋真の遺影も、切ない眼差しで見つめていたからだ。だから、白哉は有りっ丈の愛を以ってして一護を愛してやることでその不安を拭うことしか出来なかった。｢一護っ‥愛している‥誰よりもお前をっ‥‥｣嘗て愛した女性。死んでしまったからと言ってその愛を消すことは出来ない。しかし今は一護を愛している。例え同じ時を刻めなくても、同じ想いを共有出来るならばと。―‥緋真、私は今でもお前を愛している。―‥しかし、今は一護を幸せにしてやりたいと思っている。―‥私が一護を愛すること、お前は許してくれるな‥‥？死んだ者と生きた者への想いを比較することなど出来ない。そうは言ってもきっと一護の中の不安は消し去ることは出来ないであろう。白哉は誓った。腕の中で自分を求める愛し子を誰よりも愛すると。―‥白哉様。―‥白哉様と過ごした日々、緋真は幸せでございました。―‥沢山の愛を白哉様から頂いたンですもの。―‥だから白哉様、どうか一護様を愛して下さい。―‥緋真は白哉様が幸せならそれで良いのです。降り注ぐ、白哉の愛に一護は幸福に満ち足りた安堵の表情を浮かべ、白哉の腕の中で意識を手放した。Fin。おぉうっ！ちょっとだけＨ入れてみましたいや～性描写(って書くとｲﾔﾗｼｲですね)久しぶりなもんでちょっとしかTryできませんでしたうん、またもや尻切れになった感じですが最後は白哉の愛を一身に感じ安心したってことで終了です。拙いものですみませんオマケSSを書いてみました☆此方をご覧下さい

  2006.03.08

• 白一で十の御題・伍｢桜｣白一前提の一護独白

  段々と春の訪れを知らせるように肌を刺す冷たい風は肌を撫でるように優しく吹くようになった。水分を枯渇させる乾燥した空気はその存在を悟られないくらい穏やかに流れていた。自然が目覚める季節が訪れようとしていた。桜ここ最近暖かくなってきたなー‥今が3月だから‥もう春になるのか。春といえば桜だな。今年はいつが見頃になンのかなー。まぁた親父や啓吾が花見やるって煩ぇンだろうな。確かに、空座町の桜は毎年綺麗に咲いてる。桜の下には死体が埋まってるって言うけど、死神代行なんてやってる俺には笑い話にもならねー。マジで死体、埋まってっかもしれねーし。それが虚になってる可能性もあるわけだからな。あー笑えねぇ。そんなん思ってたら花見なんてドンチャン騒ぎ、してらンねーっつの。でも、今年もやっぱり親父や啓吾が花見やろうってウルセェんだろーな‥空座町の桜は綺麗だ。綺麗だけど、今年はちょっと違う所の桜が見てみたい気がしてる。きっと、アッチは空気が澄んでるからもっと綺麗なんだろうな。桜‥‥‥そーいや、春でもねーのに桜を見せてくれる奴がいたな。風情もねぇ、血みどろの闘いの最中に。血に染まる桜は一層綺麗だけどよ。だけど、それは凄く悲しいモノのようにも思える。桜の下には死体が埋まってる。桜が綺麗なピンク色をしているのは、死者の血を啜っているからだと言う。そんなのは、悲しい。きっとアイツのことだから桜なんて興味ねぇンだろうな。斬魄刀を発動させればいくらでも見られるとか思ってたりして。‥‥‥‥‥‥‥‥‥。そうだ。今年は尸魂界の桜を見に行こう。アイツの邸の庭には確か桜の木があった。まだ開花したのを見たことはないけど、きっと綺麗に咲き誇るンだろう。それすらもアイツは興味を示さないでいるのかもしれない。だから、見に行く。桜が美しいのは死者の血を啜っているからじゃなくて、愛でられて恥ずかしがっているからピンク色に染まるのだという、ちょっと乙女チックな話を用意して、俺は、白哉に会いに行こう。美しい桜に、会いに行こう。Fin嗚呼またも玉砕。まぁいっか。どうしたって上手い話作れないンだもんね。何か一護の口調が分からなくて参った一護の心の中の声でした☆

  2006.03.02

• 白一で十の御題・壱｢呼び捨て｣白←一

  ただ何気なく呼んでるわけじゃない。自然にそうしたかっただけで。でも、俺がそう呼びたいから呼んでるンだ。何気なく、呼んでるわけじゃない。呼び捨て｢白哉っ！｣呼ばれてくるりと振り返る色男。六番隊の隊長にして四大貴族の一、朽木家の現当主。ゆっくりと静かなその動作にさえ隊長及び当主ならではの威厳が漂っている。しかし普段は愛想も不機嫌な素振りも全く見せないその表情に、今は一筋の皺を眉間に作っていた。―‥俺が名前を呼ぶといつもこうだ。｢何用だ、黒崎一護。｣―‥そして決まってこう返される。｢‥‥なぁ何でｱﾝﾀいつも俺の事ﾌﾙﾈｰﾑで呼ぶんだよ。｣―‥ﾌﾙﾈｰﾑって言葉分かンねーかな？｢‥‥‥では何故、兄は私のことを名で呼ぶのだ？｣｢は？‥今更朽木さんってのも何か変だろ。闘ってる間は散々朽木白哉って呼んでたのによ。朽木って呼ぶのは何か偉そうな感じするし‥って、何でそんなこと聞くンだよ。大体俺が先に質問してンじゃねーか。｣｢そうか‥ならば私も今更呼び方を変える気は無いと答えておこう。｣｢何だよそれ。面倒ｸｾｪだろ？ｲﾁｲﾁ黒崎一護なんて呼んでンの。｣｢面倒ではない。｣｢何か他人行儀じゃねーか。｣｢他人ではないか。｣｢そーゆう意味じゃねーっつの！｣｢ではどう言った意味だ？｣問答の言い合い。一体、お互い何が言いたいのか分かり合っていなかった。結局話の先が見えないと見切りをつけて白哉は停めた歩を進めようと踵を返した。｢待てよ！まだ話は終わっちゃいねー。｣｢くだらぬ。兄と私の考えは違うのだから答えは出ない、そうであろう？｣｢そーじゃねぇよ！俺はお前に名前で呼んで欲しいって言ってンだよ!!｣｢‥‥何？｣｢ﾌﾙﾈｰﾑで呼ばれる度に何か壁でも作られてる気がしてたンだ。俺がｱﾝﾀの名前呼べば嫌そうな顔するし、嫌われてンのかと思えばこうして俺の話聞いてくれるｱﾝﾀがいる。だから、もっとｱﾝﾀに近づきたいって思って‥ｱﾝﾀが作ってる見えない壁をぶち壊したくて‥ﾌﾙﾈｰﾑで呼ばれたくねーって言ってンだよ。｣｢それは、兄は私と親しくしたいと、そう言っているのか。｣｢あ、改めてそう言われると恥ずかしいンですけど‥‥そういうことだ。｣｢‥‥くだらぬ。｣｢なっ!?っ‥てめっ俺にｺｺまで言わせといてそんだけかよ!!｣｢兄と私は一度ならず二度、剣を交えた間柄。それで全てが分かるというわけではないが‥‥戦友という言葉があることを知らんのか。｣｢え‥そ、それじゃぁ‥‥｣｢貴様の御託、とくと聞かせてもらおう。行くぞ、黒崎。｣｢!?‥お、おう！｣今までよりも幾分柔らかい声音で一護を呼ぶ白哉。二人の距離はまだまだ遠いのかもしれないけれど、一歩近づいたことに代わりはない。―‥今はまだ苗字でも、いつか名前で呼んでくれよな。―‥俺がｱﾝﾀを呼ぶ声に想いを乗せてることに気づいた時に。呼び捨ては、お互いの見えない関係の距離を表すものだと思う。fin。うおっ！またやっちまいました、突発SS‥‥。あれ？ちゃんと白一にするつもりだったのに一護の片想いで終わっちまったわぃ。兄様が｢戦友｣とか言うかﾎﾞｹｯ！っと思ったのですが‥ｺﾞﾒﾝなさい(;_;)

  2006.02.23

• 白一で十の御題・三「静と動」

  静その漢字はアイツを思い出させるゆったりと流れる時のようで凪いだ海のよう静と動動その文字はあの子供を思い出させるけたたましく時を刻む時計のようで地上を照らす燃える太陽のよう平穏な空気が流れる尸魂界に穿界門から訪問者がやってくる。すると乱れなく尸魂界に流れていた空気がﾋﾞﾘﾋﾞﾘと振動した。災いの訪れでは決してない。ただ、共鳴しているだけだ。訪問者の放つ霊圧に、尸魂界にいる死神の霊圧が共鳴しているのだった。そう。空気が霊圧によって震えているだけで尸魂界は至って平穏そのもの。訪問者が目指す処へ歩を進めるたびにその霊圧を察知する死神たちは仲間の訪れを知る。六番隊隊舎にもその霊圧を察知した者がいた。｢一護が来たようッスね、朽木隊長。｣｢････そのようだな。｣恋次と白哉。ただ一言交わしただけでまたお互いの隊務を続けた。しかし、恋次は感じていた。白哉の霊圧が今までのそれとは違うことを。白哉の霊圧はどちらかというと静かに空気と同調するようなものだったが、一護の霊圧を察知してからは静かなのは変わらず柔らかく頬を撫でる風のような雰囲気のそれとなっていた。次いで感じる二種類の霊圧の交わり。ﾋﾞﾘﾋﾞﾘと攻撃的な霊圧と静かで柔らかい霊圧が寄り添う。そして交ざり合う。―‥‥霊圧でもイチャついてるゼ、隊長と一護。器用なことだ、と心の中で悪態つく恋次。一護が近づいてくるたび深まる霊圧。｢白哉、恋次っ！｣一護が六番隊詰所の執務室を勢い良く開けると一気に流れ込む一護の霊圧。すぐさま白哉の霊圧がそれを包み込む。｢早かったな。｣｢今日学校終わるの早かったからよ。｣｢そうか。｣傍目から分かるほどに一層交わる霊圧。恋次はそこに居てはいけないような衝動に駆られ席を立った。｢隊長、俺書類提出してきます。｣｢････ああ、頼む。｣執務室を出る恋次。大きく溜息をつく。｢あーあ、対照的な霊圧がくっつくと厄介だゼ。｣苦笑し、持ってた書類をうちわ代わりに顔に風を送る。静かな空に、地上を照らす煌々とした太陽が輝いていた。fin。あぁもう意味不明。一応霊圧の種類で｢静と動｣を表してみたつもりです。一護と白哉より恋次がﾒｲﾝになってる?!本当申し訳ありませんm(__)m

  2006.02.19

• SS｢ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝの惨劇｣一護総受け

  ※ｷｬﾗ名略してあります。一護→一・恋次→恋・吉良→吉・雛森→桃・乱菊→乱・日番谷→冬白哉→白・市丸→ギ・藍染→藍・京楽→京・浮竹→浮・卯ノ花→卯檜佐木→檜。桃｢吉良君、阿散井君｣吉｢やぁ、雛森君｣恋｢何だぁ？｣桃｢ﾊｲ､これﾁｮｺﾚｰﾄ。現世では今日ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰって言う日なんだって｣吉｢ﾁｮｺﾚｰﾄ？｣恋｢ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰってのは何なんだ？｣乱｢女が好きな男にﾁｮｺﾚｰﾄに想いを込めて渡す日なんだってさ｣恋｢松本さん｣吉｢へぇ･･･面白い行事があるンですね｣桃｢だからね、これ二人にあげようと思って｣恋｢わざわざ現世に行って買ってきたのか？｣桃｢うぅん違うの。実は････｣吉｢好き、な人に･･･ひ、雛森君貰ってｲｲのかぃ!?｣桃｢あ、うん(ﾆｺｯ)｣乱｢あー何か義理でもあげるってのも最近じゃあるらしいわよ吉良(ﾆﾔﾘ)｣吉｢え？････あ、義理･･･ですか(ｼｮﾎﾞﾝ)｣乱｢あ、ｳﾁの隊長見ｨーっつけ☆たーいちょ～!!｣冬｢松本･･･それに雛森、吉良、阿散井。揃いも揃って何やってンだ？｣乱｢隊長これ差し上げます♪｣冬｢何だ？｣乱｢ﾁｮｺﾚｰﾄですよﾁｮｺﾚｰﾄ。今日は現世ではﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰって言う日らしいですよ｣冬｢ふーん･･･また変な知恵付けてきやがって｣桃｢ｼﾛちゃん私からもﾁｮｺﾚｰﾄ｣冬｢ｼﾛちゃんは止めろ。ま、有難くもらってやるよ｣恋｢そんで、結局誰から聞いたンだそんなこと｣桃｢あ、実はね黒崎君に聞いたの｣吉｢黒崎君に？｣乱｢そ。それでﾁｮｺﾚｰﾄの作り方教えてくれたのも一護君なのよ｣桃｢乱菊さんと勇音さんと清音さんと七緒さんとやちるさんとﾏﾕﾘさん･･･あと二番隊の砕蜂隊長と四番隊の卯ノ花隊長と皆で作ったの｣冬｢つまり、女全員でってことか｣乱｢そうです｣吉｢へぇ･･･それにしても一護君って料理出来るンだね｣桃｢何か毎年ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰは妹さんたちの手伝いをしてるンだって。偉いよね｣乱｢それに結構上手なのよ。あのﾁｮｺﾚｰﾄ、誰にあげるのかしら｣恋＆吉｢何っ?!(一護or黒崎君)もﾁｮｺﾚｰﾄを作ったのか!?｣桃｢う、うん。ついでだから自分の分もって言ってたけど･･･｣乱｢あの嬉しそうな顔はきっと誰かにあげるために作ったのよ｣冬｢そーいやさっきこれに似た包装したﾔﾂもってた黒崎を見かけたな｣恋＆吉｢本当ですか!?｣冬｢あ、ああ･･･｣恋｢こうしちゃいられねぇ！一護ぉぉぉぉぉ!!!!｣吉｢あ、阿散井君ｽﾞﾙｲぞ！黒崎くぅぅぅぅんー!!!!｣乱｢行っちゃった｣桃｢乱菊さんが変な言い方するからですよぉ｣冬｢どーでも良いが仕事しねーで遊んでばっかいるなよ副隊長共が(呆)｣一護がﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝのためのﾁｮｺを持っている。その情報は早くも瀞霊挺に駆け回った。一護を慕う者はそのﾁｮｺを我が物にと必死になって一護を探し回った。隊長・副隊長格が血眼になって探しているため霊圧はそこら中飛び交っていた。そのため、普段なら垂れ流し状態の一護の霊圧を見つけることは難しいことではないのに困難になっていた。皆のｱｲﾄﾞﾙ黒崎一護。彼の愛を手に入れるためには隊長だろうと副隊長だろうと、上司だろうと部下だろうと関係ない。一護を賭けた壮絶な闘いが其処彼処で巻き起こっていた。一｢なんか、今日はﾔｹに騒がしいな｣卯｢そうですね。大方どなたかのﾁｮｺﾚｰﾄでも取り合っているのではないでしょうか｣一｢ｽｹﾞｪな、その子｣卯｢もう時期此方に大勢の隊長・副隊長たちが押し寄せてくると思いますよ｣一｢え？｣｢一護ｫｫｫｫ(黒崎くぅぅぅん～)!!ここかぁぁぁあ!?｣一｢げぇっ!?な、何だよお前らっ!!｣卯｢思ったより早かったですね｣ギ｢一護ちゃんﾁｮｺﾚｰﾄ持ってンのやろ？｣一｢え？ああ、何で知ってンだ？｣藍｢阿散井君たちが雛森君から聞いたようでね｣浮｢今日はﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰという日なんだろう？｣京｢一つそのﾁｮｺﾚｰﾄとやらを食べてみたくてね｣剣｢やちるに貰ったが美味かったからもっと食いてぇンだ｣檜｢現世の食べ物に興味があるンだ｣白｢お前の好きな食べ物だそうだな｣恋｢で、一護！そのﾁｮｺﾚｰﾄ誰にあげンだっ?!｣吉｢黒崎君っ！｣｢一護(黒崎(ちゃんor君))っっ!!｣一｢･････････････えーっと･･･お前らに、だけど？｣｢･････････え？｣一｢だから、俺は皆分作ったンだよ。何個作るも大した手間じゃねーしな。ほら、手ぇ出せよやるから。｣｢･･････････････････はい｣一｢ったく、何なんだよ皆して押しかけて。卯ノ花さんに悪ｨだろーが｣卯｢良いのですよ黒崎さん。それ程皆さん焦ってらしたンでしょうから｣一｢焦る？｣何も分かってない一護。拍子抜けした隊長・副隊長各位は大人しく一護からﾁｮｺﾚｰﾄを受け取る。実は一護は護廷十三隊の隊長・副隊長たちのﾁｮｺﾚｰﾄを作っていたのだ。総勢27人(清音、仙太郎含む)。聞けば総隊長にも渡しに行ったし日番谷隊長にも詰所ですれ違ったときに渡したとか。その後各隊の詰所に行ったにもかかわらず七・九番隊以外誰一人としていなかったので四番隊でお茶を頂いていたという。一護のﾁｮｺを賭けて熾烈な闘いを繰り広げた彼らは最早骨折り損としか言い様がなかった。こうして瀞霊挺に低ﾚﾍﾞﾙな理由で高ﾚﾍﾞﾙな力の争いを巻き起こしたﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰは幕を閉じた。冬｢ﾁｮｺﾚｰﾄって甘ぇじゃねーか･･･松本、茶｣乱｢ﾊｲﾊｲ。その甘さは恋の甘さってﾔﾂじゃないですかねぇ｣おしまし♪

  2006.02.14

• 小説｢続･ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰ｣白哉×一護

  ﾙｷｱに急かされて2人は白哉への贈り物を探しに店が立ち並ぶ所へ来た。そこはｼｮｯﾋﾟﾝｸﾞﾓｰﾙのような場所で色々なｼﾞｬﾝﾙの店が所狭しと並んでいる。ﾙｷｱは其処彼処の店に興味を惹かれ一護そっち退けで楽しんでいた。｢おいﾙｷｱ。珍しいのは分かるけどあんま騒ぐな、みっともねぇ。｣｢む、そうだったな。私としたことがすまぬ。で、何を買うかは決めたのか？｣｢決まってねー。ｱｲﾂが何が欲しいかなんて知らねーし･･･｣｢うーむ･･･店を回って探してみるか。｣｢そーだなぁ･･･｣ｱﾁｺﾁと2人は店を回った。一護がこれはどうだと言うとﾙｷｱは兄様の趣味ではないと言い、ﾙｷｱがこれなんて良いのではないかと言うと一護がそんなの欲しがるかとｹﾁをつける。結局2時間探し回っても2人の意見が一致するものはなかった。あと行っていない店は雑貨屋とｼﾞｭｴﾘｰｼｮｯﾌﾟ。雑貨屋なんて女の子が行くようなものだしｼﾞｭｴﾘｰなんてﾊﾅｯから買う気はないと一護が避けた店だ。だが、他の店は全部見たのに何もなかったのだから避けた店も見てみようというﾙｷｱの提案により雑貨屋とｼｭｴﾘｰｼｮｯﾌﾟに立ち入った。｢お、これなどどうだ？｣｢どれどれー･･･｣ﾙｷｱが見せた物は桔梗の刺繍があしらわれたｷｰﾎﾙﾀﾞｰのようなものだった。｢兄様は桔梗がお好きだからこれなら気にって貰えるのではないか？｣｢少女趣味だな、それ･･･｣｢しかしこれは小袋のような作りになっていて中に小銭などを入れられるようになっているのだぞ。便利ではないか！｣｢あー･･･もうそれでｲｲんじゃねぇか？｣｢何だその言い草は。貴様が兄様に贈る物なのだぞ。真剣に考えンか！｣｢だから、それ二つ買えばｲｲだろ。｣｢二つ？｣｢白哉と････俺の分だよ。｣｢････なんだ一護。お前もこれが気に入ったのか。｣｢ﾊﾞｰｶ。それ買っといてくれ。居心地悪ｨから店の外出てるから。｣｢分かった。｣ﾙｷｱにお金を渡し店の外に出る。一護の目の前にはｼﾞｭｴﾘｰｼｮｯﾌﾟ。避けていた店なのだが、一護は自らその店に足を踏み入れた。ﾙｷｱが会計をしている間にさっと見て、戻る。｢一護、これが兄様用に包装してもらった物で、此方がお前のだ。｣｢ｻﾝｷｭ。｣｢では家に帰ってすぐに尸魂界へと向かうぞ。｣黒崎家。一護の部屋の押入れでﾙｷｱが身支度を整えている間、一護は先程買った白哉への贈り物のﾗｯﾋﾟﾝｸﾞを解いて何やらやっていた。ﾙｷｱが出てくる前にﾗｯﾋﾟﾝｸﾞを元通りにして何食わぬ顔で死神化し、尸魂界への門を潜る。向かうは六番隊詰所。隊舎へと着き執務室に向かう途中六番隊副隊長である恋次に会ったので白哉が執務室にいることを確認した。そして恋次が自分とすれ違ったと言うことは執務室には白哉只一人であるということも分かった。｢白哉、入るぞー。｣ﾉｯｸもなしに返事も聞かず執務室の扉を開ける。置くの机に腰掛けていた白哉が書類から目を離し一護へと視線を向けた。｢一護。今日は来る予定だったか？｣思いがけない来訪者に自然と柔らかくなる表情。｢ｨｬ､突然用が出来てさ･･･白哉に、なんだけど。｣｢ちょうどこの書類で終わる所だ。そこに掛けて待っていてくれるか？｣｢ああ。｣来客用のｿﾌｧｰに腰を落とし袂に手を入れﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝの贈り物の有無を確認する。一護にとってこんなことは初めてだったので少し緊張していた。しかも男の自分がﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝに男相手に贈り物をする立場になるとは思ってもみなかったことだ。5分ほどして仕事を終えた白哉が立ち上がり一護の傍へ寄った。｢待たせたな。して、用とは？｣｢あ、ああ。えっと･･･｣ふわりと、近くに感じた白哉の香りに何故だか一護は立ち上がった。｢あ、あのな、現世では今日二月十四日をﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰってことにしてるンだ。｣｢ﾊﾞﾚﾝ･･･ﾀｲﾝﾃﾞｰ？何にをする日なのだ？｣｢女の子が男にﾁｮｺを贈る日、かな。｣｢ほぅ。｣｢そんでまぁどうしてﾁｮｺを贈るかってことなんだけど、好きって言葉にして言うのはｽｹﾞｪ勇気がいるけど形で表すことでほんの少しの勇気で渡せるンじゃねーかって理由･･･だと思う。｣｢面白い風習がある物だな。｣｢つーわけでまぁ･･･これ。俺から、白哉に･･･｣袂に入れていた白哉への贈り物を差し出す。一護の顔はまさしくｲﾁｺﾞのように真っ赤になっていた。｢ｱﾝﾀ､ﾁｮｺはﾀﾞﾒだろ。だから食べ物じゃなくて物にしてみた。｣｢これが、ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰという行事の一護からの贈り物ということか？｣｢そ。要するにそれが気持ちを形にしたﾁｮｺってわけ。有難く受け取れよな///｣｢一護･･･有難う。開けて見ても良いか？｣｢ああ。｣綺麗に包装されたそれを丁寧に解いていく白哉。小さな、桔梗の刺繍があしらわれた小袋作りになったｷｰﾎﾙﾀﾞｰを見て白哉は少し意外だなと思った。｢随分、少女のような物を選んだのだな･･･｣｢言っとっけどそれはﾙｷｱが選んだンだからな！俺が選んだのはその中。｣｢中？｣巾着状になっている袋を開けて中の物を取り出す。と、出てきたものは指輪だった。しかもｻｲｽﾞの違う指輪が二つ。｢一護、これは･･･｣｢指輪、指に嵌めるンだよ。一つはｱﾝﾀの、もう一つを誰に嵌めるかはｱﾝﾀ次第。｣尸魂界では恋人に指輪を贈るという風習はないのかもしれない。そう思った一護は自分の事を知りたがっているという白哉に指輪をﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄすることに決めた。二つ用意することで白哉の気持ちを確かめようともした。ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝだからって自分だけ気持ちを伝えるなんて可笑しい。ならば白哉の気持ちも確かめてしまえと一護は思った。｢揃いの物を、一護以外の誰の指に嵌められようか･･･｣そう白哉は言って一護の左手を取って薬指に指輪を嵌めた。案外白哉は知っていたのかもしれない。何も言っていないのに自ら指輪を左手の薬指に嵌めたのだから。｢･･･ｻﾝｷｭ。ｱﾝﾀの指輪も貸してくれよ。俺が嵌めてやる。｣白哉から指輪を受け取り左手の薬指に指輪を嵌める。｢ｻｲｽﾞぴったり。俺ってｽｹﾞｪかも。｣｢有難う、一護。現世にこのように素晴らしい風習があることを知ることが出来て私は嬉しい。また一つ、一護のことを知ることが出来たということだからな。｣｢現世にはまだまだいっぱい色んな風習があるｾﾞ。｣｢そうか。それなら全ての風習を一護と共に過ごせることを楽しみにしていよう。｣｢ｺｯﾁの風習も色々教えてくれよな。｣｢勿論だ。｣ｱﾝﾀがそうやって笑ってくれるなら、こんなﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰもありかもしれないと思った16回目の2月14日。Fin※すみませんすみませんすみませんすみません(>_

  2006.02.14

• 小説｢ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰ｣白哉×一護

  2月14日。世間的にはﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝﾃﾞｰと呼ばれるｲﾍﾞﾝﾄの日。色めき立つのは女だけではない。男も貰えるか貰えないかでｿﾜｿﾜする日だ。もちろん一護の学校の生徒も思春期真っ盛りなのでこの日はいつも以上に落ち着かない雰囲気である。｢織姫､ｱﾝﾀ一護にﾁｮｺあげるの？｣｢えっ!?あ、うん･･･一応持ってきてはいるンだけどね。｣｢じゃーあげなきゃ!!ｱｲﾂ､絶対ﾁｮｺなんて妹達にしかもらったことないよ。だからﾁｬﾝｽだって織姫!!｣｢う、うん･･･｣一護を想う織姫を知っているたつきはﾄﾞﾝｯと織姫の背を押した。しかし、白哉を想う一護を知っている織姫は少し暗い表情をしていた。たつきはそれを恥ずかしいだとか、自信がない、という意味で取っていた。ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝのことではしゃぐ啓吾とｳｻﾞそうに一緒に居る一護をﾁﾗﾘと織姫は見た。―黒崎君、いつもと変わらない･･･―黒崎君はどうするンだろう、白哉さんに･･･｢あら皆さん、何をそんなに盛り上がってますの？｣お嬢様の皮を被ったﾙｷｱが一護たちの輪に入る。美少女の登場に啓吾はｵｰﾊﾞｰﾘｱｸｼｮﾝで大歓迎。｢朽木さぁ～んvV今日はﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝっすよﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝ!!世の女の子達がﾁｮｺﾚｰﾄに想いを込めて告白する日なんですよｫ☆｣｢朽木さんﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝ知らないンだ？｣｢余りそういう事をしない家柄なものでして。｣ｵﾎﾎ､と上品に微笑んで水色の疑問を難なく交わす。ｽｹﾞｪよｺｲﾂ･･･と一護は呆れたようにﾙｷｱを見ていた。｢それで､一大決心をする女性達が色めき立つのは分かるけど､何故男性の方もｿﾜｿﾜしてるンですの？｣｢そりゃー男だったらﾁｮｺ欲しいでしょ！しかも好きな人から貰えるかどうか!!ってﾄﾞｷﾄﾞｷ感があるンすよー!!｣｢っ?!｣｢それにﾁｮｺをいくつ貰えたかによって男のﾓﾃ度が決まりますからねー☆････って？｣｢朽木さんなら今物凄いｽﾋﾟｰﾄﾞで教室出て行ったよ。｣｢えぇっ!!!!!って一護もいねぇじゃねぇかぁぁぁっΣ(ﾟдﾟ ;)!!｣｢あ、本当だ。｣｢く、朽木さんもしや一護のことを･････っ!?ｶﾑﾊﾞｧｰｯｸ朽木さぁぁぁぁん!!｣変な勘違いをした啓吾は叫び泣いて五月蝿いとたつきにかかと落しを喰らった。話の途中で消えたﾙｷｱはと言うと、一護の腕を掴んで瞬歩並みの超ｽﾋﾟｰﾄﾞで学校の廊下を走り回った挙句校舎裏に来た。｢な、何だってンだよﾙｷｱ!!｣｢今日はﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝだと言ったな。｣｢あ？ああ。それが･･･｣｢好きな人にﾁｮｺをあげるとも言っていたな。｣｢まぁﾁｮｺってのが定番だけど最近じゃﾁｮｺ以外にも贈るらしいｾﾞ。ｸｯｷｰとか食べ物じゃないものでもｲｲみたいだしな。｣｢ほぉ･･･ちょうど良い。兄様は甘いものは苦手だし何か他の物を送るのだな。｣｢は？｣｢気の利いた物を差し上げろよ。｣｢って、何言ってンだ？｣｢何を惚けている。ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝの贈り物の話に決まっておろう。｣｢それで、誰にあげるって？｣｢お前が渡す相手と言ったら兄様以外に誰がいる。｣｢････････････････｣｢兄様も男だからな、きっと一護からの贈り物を待っているぞ。｣｢尸魂界にもそーゆうｲﾍﾞﾝﾄってあんのか？｣｢ない。｣―そーだよな、さっき聞いてたくれぇだもんな。｢じゃぁ別にｲｲじゃねーかンなことしなくても。｣｢ないからこそやるのではないか！｣｢あ？｣｢兄様は一護のことをもっと知りたがっているのだ。一護自身の事は勿論、一護の住む世界のことも。口に出しては言わないが兄様は一護、お前の事を全てを知りたがっているのだぞ。｣｢白哉が、俺の事を？｣｢だから、一護の世界にある行事で一護の想いを伝えてはどうかと思ったのだ。無論、愛を確認済みなのだから今更だとも思うが･･･｣｢･･･白哉、甘いもの苦手なんだろ？だったら何やりゃｲｲんだよ。｣｢一護、その気になったか?!｣｢兄貴思いのお前にそー言われたンじゃやるしかねーだろうが。｣｢照れおって。｣顔を仄かに赤くしてﾙｷｱを睨み見る一護。ﾙｷｱは意地悪くそう言って学校が終わったら買い物に行こうと一護に告げた。放課後。｢黒崎君。｣ﾙｷｱの一方的な約束を守るべく帰り支度を早々にして教室を出て行こうとする一護に織姫が声を掛ける。｢井上、どうした？｣｢これ･･･｣織姫は恐る恐る綺麗にﾗｯﾋﾟﾝｸﾞされた箱を一護に差し出した。｢これって･･･俺が貰ってｲｲのか？｣｢･････うん！黒崎君ﾁｮｺﾚｰﾄ好きなんだよね？だからちょーど良いと思って買ってきたンだぁ☆この時期お店にいっぱい綺麗なﾁｮｺﾚｰﾄあるンだもん。どれにしようか迷っちゃった！｣｢え？｣｢それ、美味しかったら教えてね。そしたらｱﾀｼも買って食べるンだー☆あっ！帰る所だったンだよね、引き止めてｺﾞﾒﾝね。また明日ねー♪｣｢あ、ああ。じゃぁな。｣織姫からのﾁｮｺを片手に帰っていく一護。そんな一護の背中を切ない表情で見つめた。｢ｱﾀｼ､ばかだなぁ･･･｣盛大な溜息をついて教室に戻っていった。｢相変わらず変な奴だなー井上って。｣｢とか何とか言って嬉しそうだぞ一護。｣｢どわぁっ!!･･･ぃ､いつの間に･･･｣｢莫迦者、一部始終見ていた。｣｢趣味悪ｨ。｣｢そんなことよりさっさと行くぞ。兄様に会える時間が減っても良いのか?!｣｢お、おう。｣続く。

  2006.02.14

• SS｢眠れない夜｣白哉×一護

  眠れない夜はアンタを思い出す。焼けるように熱く、溶けるように甘く、痛むように切ないあの夜のアンタを。どうしてアンタは俺を抱いたンだ？どうしてアンタは俺に口付けをしなかったンだ？どうしてアンタは俺の心を支配するンだ？聞きたいことは山程あるのに聞けない。何故なら、アンタとは容易く会える関係ではないから。なのに、何でアンタは俺を‥‥‥。窓から差し込む月明かりがアンタを思い出させる。その銀色に輝く月光がアンタの冷たい眼差しみたいで俺は胸を焦がす。闇に浮かぶ月に、全て見られているみたいで。まるでアンタに、見られているみたいで。身体の奥がじわりと疼く。嗚呼。今すぐアンタに会いたいよ。焦点の合わない目で月を眺めていたらふと影が過ぎる。良く知った霊圧。その重みで彼の人の身体の重みを思い出す。疼く身体と無意識に伸ばした腕。窓の外には異界の入口。伸ばした腕に擦れる布。「一護‥‥」嗚呼。良く知った声。低く通る声色。鼓膜が震える程響く。会いたいと思っていた人がそこにいる。「アンタに聞きたいことがある。」何であの時、俺に口付けをしてくれなかったンだ？抱かれた驚きよりも、口付けをしてくれなかったことがショックだった。「何で、口付けをしなかった？」愛してるから抱いたと思ったのに。愛してないから口づけをしなかったのかと思う。「口付けは、想いを伝えてからと思ったのだ。」嗚呼。良く知った不器用さ。何故、コイツは想いを伝えるよりも先に身体を繋げたのだろう。「だが、順序が逆になってしまった。お前を欲する思いを止められず、本能に任せてお前を抱いた。すまなかった‥‥」嗚呼。俺も知り得なかったコイツの本能。コイツはいつでも理性が制御出来てるものと思っていたから。何故、コイツは謝るのだろう。俺は一言だってコイツを責めたりしてないのに。「俺は、お前とキスしたい。」不思議とすんなり口をついて出た言葉。キス、だなんてコイツに伝わるだろうか。唇が、白哉を求める。抱きしめて欲しいと、身体が白哉を欲する。「一護‥‥！」伸ばした腕を掴まれて引き寄せられる。嗚呼。あの夜知った温もり。想いが溶け合うような熱。白哉の唇が俺の唇に触れて。また、眠れない夜が訪れる。fin.

  2006.02.12

• 【連載小説】Sharing of soul.　其之壱（白一）

  護廷十三隊の死神と旅禍の闘いから早一ヶ月‥。未だに大罪人：藍染惣右介・市丸ギン・東仙要の三名の動き及び消息は掴めていなかった。大虚(ﾒﾉｽｸﾞﾗﾝﾃﾞ)の導きで虚の世界に行ったことは確かだが、普通の死神が虚の世界へ行くなどということは元来出来ることもなく‥。瀞霊挺に住まう死神たちはなす術もなくただただ手掛かりの掴めない調査を毎日行うばかりであった。騒動から一月も経てば何も成果が得られずとも大体は落ち着くようで、瀞霊挺内も騒動の直後のようにピリピリとした張り詰めた空気は最早感じ取れなかった。そんな折、一人の死神が現世から戻ってきた。護廷十三隊六番隊副隊長：阿散井恋次。その隣にはオレンジ色の頭髪に身の丈程の大刀を持った死神もいた。かつて旅禍と呼ばれ護廷十三隊の死神と闘った正真正銘現世に住まう、死神化した魂を持つ人間。死神代行：黒崎一護。闘い後、死神代行章を貰い受けた一護は現世で虚が出現した時に死神化して退治していた。一護の住まう空座町にも担当の死神がいるのに、である。しかしその虚退治は一護のせいでもあった。ただでさえ霊力が高い一護は制御が出来ず常に霊力を放出した状態であった。それ故に霊的濃度の高い人間の魂を好む虚が、その濃密な一護の霊力に惹かれ空座町に頻繁に虚が出現するようになってしまったのだ。まさに自業自得。それを見兼ねた護廷十三隊の死神たちは一護が霊圧を制御できるようにすべきだと考え、暫しの休息が訪れた頃に一護を尸魂界へと呼び出した。「まずは総隊長の所へ挨拶に行った方がいいな。」「総隊長ってあの爺さんだよな？」「相変わらず無礼な奴だな‥護廷十三隊の一番隊隊長にして最強と謳われるお方だぞ。」「俺良く知らねぇもん。」「オメーが知らなくても総隊長はオメーを知ってンだよ。霊圧で一護が来たこと分かってると思うけどな、一応礼儀だ。」「わぁったよ。」一護と恋次は一番隊の隊舎へと歩を進めた。途中すれ違う死神たちは副隊長である恋次に挨拶をし、見知らぬ死神を不思議そうに見た。尸魂界を騒がせた旅禍と言えど末端の死神までもが顔を知るには至っていなかったようだ。知っているのは精々上位の席官くらいだろう。そうこうすると一番隊隊舎の執務室に着いた。恋次が引き戸の前に正座する。一護もそれに倣った。「六番隊副隊長阿散井恋次、現世より黒崎一護を連れて戻りました。」重厚で威圧的、だが静かな霊圧が一番隊隊舎に漂っていた。執務室にいるその霊圧の主が僅かに動いた。それを扉一枚隔てた外にいる一護や恋次にも伝わった。「入れ。」「失礼致します。」ガラッと引き戸を開けると感じる霊圧の重さは一層増した。しかしそれは一護たちを抑え付ける様なものではなかった。「ご苦労だった。現世で変わったことはなかったか。」「はっ。虚が出現する以外は特になく、至って平和です。」「そうか‥‥久しぶりじゃの、黒崎一護。元気そうで何よりじゃ。」「あー‥お陰様でピンピンしてるゼ。」「っ!?おい一護！口の聞き方に気をつけろ!!」「あァー？」「良い。此奴は儂の部下ではないからの、気にするな。」「そ、そうですか‥。」「黒崎一護、聞いておるだろうがお主には霊圧の制御訓練をしてもらう。この件に関しては六番隊に任せておるから六番隊隊長である朽木白哉の指示に従うこと。良いな。」「え゛っ!?」「‥何じゃ？不服か？」「ぃ、イヤ‥そーじゃねぇけど‥‥」「そうか。阿散井、お主は副隊長として黒崎一護の手助けをしてやるように。以上だ。」「はっ。失礼致します。」「お邪魔しましたー。」一番隊の隊舎から一歩外へ出ると恋次は大きく息を吐いた。「どうした？恋次。」そんな疲れた様子の恋次を一護は心配するでもなく見て問いかける。恋次はジロリと一護を睨み付けた。「オメーの態度に冷や冷やさせられたンだよ!!」「あー？何でだよ。」「何でじゃねぇ!!総隊長が寛大なお方だったら良かったものの、オメーの態度は無礼過ぎンだよ!!普通だったら総隊長の霊圧に押し潰されてるとこだぞ!!」「‥ゎ、わりぃ‥‥」「‥‥一護、お前朽木隊長に礼儀作法も教えてもらえ。」「は？」「だから、霊圧制御訓練のついでに礼儀作法も訓練しろってンだよ。」「朽木‥白哉に？」「呼び捨てにしてンじゃねーよ。」「オメーが訓練してくれンじゃねぇのか？」「はぁ？何で俺が‥‥とにかく、六番隊の隊舎に行くぞ。朽木隊長がお待ちだからな。」言うなり恋次はスタスタと六番隊の隊舎へと向かった。一護は「嘘だろ‥」と呟き、右頬に一筋の汗を伝わせた。一護にとって白哉は敵だった。無論それはルキアを処刑すると言っていたあの闘いの最中のことで、それが解決された今はルキアの兄と改めて認識しているわけだが。憎んでいたわけじゃない。恨んでいたわけじゃない。ただ、掟とは言え妹を殺す何て言うのがどうしようもなく許し難かったわけで。敵と認識していた期間が長かったためか、一護はどうも白哉が苦手だった。それは自分と白哉があまりにも正反対であるから、というのも要因の一つなのかもしれない。「っ‥！」不意に、頬を撫でるように風が吹いた。否、それは風ではなく風のように穏やかな霊圧だった。この霊圧の感じを一護は知っている。以前に感じた霊圧よりも大分柔らかい感じになっているが根本の感覚は変わらない。それもそのはず、いつの間にか六番隊隊舎に足を踏み入れていて角を曲がれば執務室、という所まで来ていたからだ。一護の胸に不安が過ぎる。以前敵対していた相手を白哉はどのように応対するのだろう、と。恋次は執務室に着くと何も断りを入れず、「失礼しまーす」と言いながら扉を開けた。「隊長、一護連れてきました。」「ご苦労。」白哉は手にしていた書類から目を離し、部屋に入って来る恋次に視線を向けた。次いで扉に突っ立っている一護へと視線を移す。「何やってンだよ。入って来いよ一護。」「あ、ああ‥‥」言われるがまま部屋へと入る。「久しぶりだな黒崎一護。立っていないでそこへ掛けると良い。」執務室の中央にある革製のソファー。一護は机の椅子に腰掛けている白哉と向かい合うようにしてそのソファーに腰掛けた。「現世はどうだ？大事ないか？」「あ、ああ。特に変わったことは何もねーゼ。」「そうか。それなら良い。恋次、後はこの書類のみだ。頼んでも良いか？」「まーかせて下さい。」恋次は白哉から書類の束を受け取ると副隊長である自分の机に着いた。そして白哉は席を離れ、革製のソファーの一護の向かいに腰掛けた。木製のテーブルを挟んで向かい合う一護と白哉。よもやこんな形で再び話をすることとなるとは、一護は思いもしなかった。「話は聞いているな。」「ああ、俺が霊圧を制御出来てねーからコントロール出来るように訓練すンだろ？」「その通りだ。お前は霊力が高い。それ故に常に放出していると周囲にあらゆる影響を与えてしまうのだ。虚の大量出現然り、その霊圧の重さにより力の未熟な死神は抑え付けられてしまう。現世に於いても潜在的に霊力を持つ者がその霊圧に干渉されて目覚める可能性もあるというわけだ。お前の友人である井上織姫や茶渡泰虎が良い例だ。世界の均衡を保つためにも本来そのような干渉があっては困るのだ。よって、お前には霊力を制御する訓練を受けてもらうこととなった。」「それで、アンタが訓練付けてくれンだって？」「ああ。」「そんな暇あんのかよ？隊長って色々忙しいンだろ？」「そのことだが、少々私の都合になってしまうが承知して欲しい。」「それは構わねぇよ。とりあえず学校終わってからなら暇だし。」「すまぬ。」饒舌な白哉。それが一護には何となく不思議に思えた。刃を交えていた時は白哉はそれ程言葉は多くなかった。寧ろ寡黙であると言えた。言葉が一々難しすぎて一護は白哉の言っていることを余り聞いてはいなかったが、それが面白くて心の中で密かに笑った。先程まで「あの白哉に訓練を付けて貰う」という事に不安を抱いていた一護だが、白哉の新しい一面をこれからもっと沢山見れるのかと思うと少し楽しみになった。「そんじゃ、これから宜しく頼むな白哉！」「‥ああ。」ニッと笑って手を差し伸べ握手を求める一護。突然出されたその手を、そういうことに慣れていないのか少し戸惑いながら握った。ここから、一護の運命はまた大きく変わっていく。それは偶然か必然か、運命か宿命か。握り合ったその掌から魂の共有が始まった‥‥‥。To be continued...

  2006.02.05

• SS｢祝☆朽木白哉生誕記念作品｣白哉×一護

  朝起きてカレンダーをふと見遣る。１月ももう終わりか‥何て思っているとルキアが押入れから出てきた。｢起きていたか一護。｣｢ル、ルキア!?お前いつの間に‥‥｣｢昨晩来たのだが貴様が余りにも気持ち良さそうに寝ていたので起こさないでいたのだ。｣｢で、帰らねーで人ン家の押入れで寝てたってわけか。｣｢堅いことを言うな。共に死線を潜り抜けてきた同士ではないか。｣｢まぁいいけどよ。で？何の用があって来たンだ？｣｢そうだ。今日は1月30日だろう？｣｢そうだけど‥‥｣｢実は何とな、明日は他ならぬ白哉兄様の生誕日なのだ！｣｢せ、せいたん‥び？｣｢ああ。兄様がこの世にお生まれになった有難い日だぞ。｣白哉が生まれた日だからって何がどう有難いンだと突っ込もうかと思ったが、一護はルキアが白哉を大いに尊敬し敬っているというのを良ぉく知っているので口を挟むのを止めた。｢んで？パーティーでもやるから尸魂界に来いって？｣｢？パーティーとは何だ？｣｢あー‥宴ってことだよ。｣｢莫迦者!!貴様は兄様の生誕日をその他大勢と騒がしく祝えと言うのか?!｣宴と聞いてルキアは声を荒げて一護を怒鳴りつけた。｢な、何怒ってンだよ。そんな可笑しなこと言ったか？｣一護が動揺するのも無理はない。白哉は貴族家の現当主にして護廷十三隊の隊長の一人。皆が盛大に祝ってくれることは間違いないと思った。｢自分の生まれた日を一番に喜んで欲しいのは自分が一番大切に思っている者と相場は決まっておるだろうが。｣｢はぁ？｣つまりルキアは誕生日は好きな人と過ごすものだろう、と言っているのである。誕生日と言えばパーティーを開いて皆に祝ってもらうことが黒崎家の通例だったので一護にはそのような考えは全くなかった。｢明日は兄様の所へ行き、一日中兄様と一緒に居ろ！分かったか、一護。｣｢ちょ、ちょっと待った！何でそんな‥‥｣｢何を今更慌てている。お前と兄様は愛し合っているのだろう？｣｢っっっ!?｣ルキアに問われて一気に顔を赤くさせる一護。無理もない。本人は白哉との関係を隠していたのだから。否、隠しているつもりだったから、と言った方がこの場合正しいだろう。｢二人を見ていれば良く分かることだ。兄様も、幸せそうな表情(ｶｵ)をなさるようになった‥‥｣言葉を続けるルキアの表情はとても温かな微笑だった。いつも無表情で冷たい人だと周囲から言われていた義理の兄の表情に柔らかさが出てきた。そのことがルキアにはとても嬉しかったようだ。―‥それもこれも兄様の冷たい心を一護の温かい思いが包んでくれたからだろう‥‥。｢っ‥チッ。しょーがねぇ‥行ってやるよ。｣照れ隠しの突っぱねた言い方。それもルキアには全てお見通しだった。1月30日PM23時。死神となった一護はルキア同行の元、尸魂界への門を潜った。｢兄様はこの時間では恐らく邸の方に居るだろう。｣｢そっか。｣｢私は用があるから詰所の方へ行く。迷うなよ？｣｢分ぁってるよ。｣じゃぁ、と言ってそれぞれ別の方向へ走っていた。｢それにしても、何故一護は明日ではなく今日来たンだ？｣そんな疑問を残しながらルキアは詰所へ向かった。想いが通じてから幾度か足を運んだことのある朽木家の邸。そして、勝手知ったる邸内。一護は夜も更けているのを承知だったので門番が邸の人間を呼ぼうとしたのを制して中へと入っていった。勿論、門番も幾度か白哉に連れられて邸に来ていた一護を良く知っていたので快く迎え入れた。一護は霊圧を出来る限り抑えて白哉の自室へと歩を進める。以前は垂れ流し状態だった霊圧も、それでは霊なるものに影響を及ぼすので困るという死神協会からのクレームを受けて制御する訓練をしていた。それがまさか、こんな所で役に立つとは。現在時刻PM23:43。白哉の部屋の引き戸の前で一護は一旦止まる。襖越しにピクッと白哉が動いたのを霊圧で感じた。｢‥‥一護？｣｢正解。｣スッと襖を開けて中へ入る。白哉がゆっくりと振り向いて一護を見た。｢どうした、こんな時刻に。｣｢ん、明日白哉の誕生日だって聞いてさ。｣｢ルキアが？｣｢そ。｣｢ならば明日此方へ来れば良いものを‥何故このように夜も更けてから‥。｣｢明日じゃ遅いから、かな。｣｢遅い？何が‥‥｣｢まぁもうちょっと待てって。｣一護は白哉の部屋にある時計を見た。現代の時計とはだいぶ違った物だが不思議と一護にはその見方が分かっていた。あと3分‥‥。｢ルキアが言ってたゼ。自分が生まれた日を一番に喜んで欲しいのは自分が一番大切に思う人だろうってさ。｣｢ほぅ‥‥｣｢アンタもそう思う？｣｢そうだな‥やはり誰よりも先に愛しい人から祝いの言葉を頂戴したいものだ。｣｢そっか‥じゃぁ俺は間違っちゃいなかったな。｣｢何を‥‥｣言葉を制するように白哉の目の前に掌を翳す。｢5‥4‥3‥2‥1‥‥｣すると突然カウントダウンをし始めた。何が起こるのだろう？と白哉は不思議な顔で一護を見ていた。｢誕生日、おめでとう白哉。｣1月31日AM0時ちょうど。温かい声色と温かい微笑が白哉に届いた。｢一護‥‥｣｢誰よりも先に、愛しい人へ、伝えたかったンだ‥‥｣照れて目を伏せてそう言った一護。｢お前という奴は‥‥｣白哉はそう言葉を切って立ち上がり、一護を抱きしめた。それは優しく慈愛に満ちた腕の温もりだった。｢あ‥ごめん、突然だったから贈り物何も用意してねーンだ‥‥｣｢良い。一護のその気持ちが最高の贈り物だ。｣｢白哉‥‥‥｣キュッと、白哉の死覇装の袂を握り締める。―‥特別な日だし、言ってやるか‥‥。｢あ、愛してるゼ‥‥｣その一言に、白哉は少し驚きの表情を見せた。だがそれはすぐに優しい笑みに変わる。誰も見たことのない表情に。｢私もだ。愛している、一護‥‥有難う。｣そう言った白哉の顔はとても甘く蕩けそうな表情だったとは、誰も知らない。祝☆白哉兄様!!完。

  2006.01.31

• SS｢独り言｣‥‥×一護

  ｢あ､雪だ‥‥｣クロサキ病院の2階にある黒崎家長男坊の部屋｡そこの窓から冬の夜空を眺めるのは勿論部屋の主である黒崎家ご長男：黒崎一護だ｡今宵は特に冷える｡乾燥した空気のお陰か､夜空に散りばめられた星達が綺麗に輝いていた｡深い藍色の空を眺めていると空の奥から小さな雪が舞い降りてきた｡｢どーりで寒ｨわけだ‥‥｣特別､何か見えると思ってこの寒い中窓を開けて空を見ていたわけではない｡誰かが見えるからと思って外を眺めていたわけではない｡ただ何となく､今夜は星が綺麗だな､と思って窓に凭れて空を見ていた｡｢ｱｲﾂはもう､寝てっかな‥‥｣一際輝く星を見つめて､違う世界に住む彼の人を思う｡同じ刻を共有できず､同じ世界に居られない人｡｢そーいや､地球にいる限り生きてる奴は皆同じこの空を見ていることは出来るけど､ｱｯﾁとｺｯﾁではやっぱ次元が違うから空も違う空なんだろうな‥‥｣時差があるから同じ空見れねぇ奴もいるか｡などと独りごちて､ぼんやりしながら空を仰ぎ見る｡死神が住む世界と生者が住む世界｡尸魂界と現世｡見た目は余り変わりはないのに全く違う生き物､そして世界｡生きている者と死んでいる者では何一つ同じ事などありはしないと分かっているのに､同じﾓﾉを求めてしまう愚かな想い｡どうか､今こうして想っている事を貴方も想っています様に‥‥｡月光差す闇色の空に同じ想いを願う｡それは独り言のようで独り言ではない魂の会話｡お終い｡

  2006.01.30

• SS「地獄蝶と死神」

  ｢なぁ､地獄蝶って死神だけが扱えﾝだよな?｣現世より死者が住まう世界､尸魂界へとやって来た一護は自分を連れてきてくれた死神､恋次に唐突にそう訪ねた｡｢ああ｡まぁ死神の中にも地獄蝶を上手く扱えない奴はいるけどな｡｣｢ふーん｡｣｢緊急の連絡や現世とｺｯﾁの行き来のために地獄蝶が必要になるから護廷十三隊に入隊したらまず地獄蝶の世話役から任せられるﾝだ｡それが出来なきゃいつまで経っても平隊員ってこった｡｣そんな話をしながら二人は護廷十三隊の各隊詰所である屋敷を歩き六番隊隊舎へと向かった｡時折､黒い揚羽蝶がﾋﾗﾋﾗと自由に舞い踊っているのを一護は何気なく見ていた｡｢うわぁっっ!!｣と｡六番隊隊舎へ着くと突然慌てた声が一護と恋次の耳に届いた｡｢あーん?あの声は‥‥｣｢何だ?行ってみようｾﾞ､恋次｡｣｢ああ｡｣足早に声のした方へと向かうと一人の死神が何かを追い掛け回すように部屋の中をﾊﾞﾀﾊﾞﾀと駆け回っていた｡｢ｺﾗｧ､籠に入ってくれよｫ!ﾎﾗﾎﾗこっちには可愛い女の子がいるよ｡ﾊｧｲ☆私ｼﾞｪﾆﾌｧｰ｡魚座の‥‥｣｢何やってﾝだﾃﾒｪはっ!!｣｢どわｧｧｧｯｯ!!｣蝶のﾊﾘﾎﾞﾃを持って部屋を駆け巡っていた死神の背中を恋次が思い切り蹴る｡その死神は勢い良く前に倒れこんだ｡｢また同じﾊﾟﾀｰﾝで地獄蝶を誘い込んでﾝのか｡いい加減世話出来るようになれ､理吉｡｣｢恋次さん！っと､一護さんお久しぶりです!!｣｢ｵｯｽ｡｣どうやらその部屋は地獄蝶が管理されている部屋らしく､理吉はまさに世話をしていた所だった｡｢この子達いつまで経っても俺に懐いてくれないﾝすよｫ｡｣｢ﾊﾞｰｶ｡お前がしっかりしてねぇからだろ｡懐かせるﾝじゃなくて従わせるﾝだよ｡｣｢そんなこと言ってもｫｫ‥‥｣ﾋﾗﾋﾗと部屋の中を自由に飛び回る地獄蝶｡一護はそんな蝶をじっと見ていた｡窓を横切る時の黒揚羽は太陽の光がその羽根の麟粉に反射してまるで輝いているようだった｡美しく､舞い踊る地獄蝶｡一護はその地獄蝶に向かって手を伸ばした｡人差し指だけを差し出す形で｡｢ほら､来いよ｡｣｢あ？何言ってﾝだ､一‥‥｣ﾌﾜﾘ､と地獄蝶は差し出されたその指に止まった｡｢わっ‥一護さん凄い!!一護さんの指に地獄蝶が止まった!!｣｢お｡本当に止まりやがったｺｲﾂ｡可愛いな｡｣地獄蝶は一護の指から再び飛び立つと一護の周りをﾋﾗﾋﾗと舞い始めた｡疲れると一護の肩で羽根を休め､また一護の周りを飛び回る｡どうやらｽｯｶﾘ地獄蝶は一護を気に入ってしまったようだ｡｢初めて会った一護がこれだけ好かれてﾝのに､立つ瀬ねぇな理吉｡｣｢酷いｯｽよｫ､恋次さんっ！｣｢なぁ恋次｡ｺｲﾂ俺が飼っても良いか?｣｢あぁっ?!｣｢だってよ､今までｺｯﾁ来るときは必ず誰かが迎えに来てくれﾝじゃん?何かわざわざ悪ｨなーって思うし､突然来たくなることだってあるかもしれねーしよ｡俺だって死神だから地獄蝶使ってｺｯﾁとｱｯﾁ行き来出来るﾝだろ?｣｢ああ､そりゃそーだが‥‥｣｢そーゆうのが掟でﾀﾞﾒだって言うなら仕方ねぇけど､大丈夫ならｺｲﾂ俺にくれ｡緊急の時も地獄蝶がいればｽﾑｰｽﾞに行くだろ?｣｢それもそうだな‥一護は護廷十三隊の誰もが認める死神代行だからな､ﾀﾞﾒってことはないだろう｡とりあえず俺の一存じゃ決められねぇから朽木隊長に掛け合ってみようｾﾞ｡｣｢おぅっ！｣地獄蝶のお世話部屋から執務室に移動した二人は早速そこにいた六番隊隊長である白哉に一護への地獄蝶の譲渡を相談した｡執務室へ移動中も地獄蝶は一護の後を追うように着いてきていた｡｢ﾀﾞﾒか?白哉｡｣｢ﾀﾞﾒと言う訳ではないが‥お前に地獄蝶を扱い切れるのか?｣｢この地獄蝶､よっぽど一護のことを気に入ったのかさっきから一護の傍を離れようとしないﾝですよ｡この調子なら平気なんじゃねーｯｽか?｣｢ちゃんと世話もするからよ､頼むっ白哉!!｣地獄蝶も白哉に請うように白哉の目の前をﾋﾗﾋﾗと舞った｡そしてまた一護の肩へと羽根を休めに止まった｡それを見て白哉の眉が一瞬ﾋﾟｸﾘと動いた｡次いで小さい溜息｡｢まぁ良いだろう｡その代わり､週に一度は此方へ来るように｡地獄蝶は現世の空気が其の身に合わないので長く其方に滞在していると弱ってしまうからな｡｣｢っ！ゎ､分かった!!ｻﾝｷｭｰ白哉!!｣本当に嬉しそうな笑みを見せて一護は地獄蝶と喜びを分かち合った｡その日はどこへ顔を出すにも必ず地獄蝶を連れていた｡現世で暮らすようになるからと他の仲間の地獄蝶と会わせてやろうと思ったらしい｡まるで親馬鹿のようだと会う人会う人皆言った｡帰りは勿論自分の地獄蝶で｡それから､一護はｷｯﾁﾘ一週間に一度､尸魂界へとやって来た｡来ると必ず地獄蝶のために綺麗な水が流れる河原へと散歩に行ったと言う｡地獄蝶を飼ってからは暫く他の死神たちは構ってくれなかったそうだ｡お終い｡

  2006.01.28

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