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颯爽POCOPOCO

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夏にビールをよりおいしく飲む方法は?


夏にビールをよりおいしく飲む方法は?

ビール業界では、気温が1℃上がれば消費量が1%伸びると言われ、最盛期である7月の消費量は最も少ない時期の2倍以上になり、年間の消費量は約709万キロリットルである。ビールはアルコール度数が低いので、胃に負担がなく、後味のクセがなくすっきり飲める。舌の表面には小さな溝が多数あり、側面の味蕾が飲食物の味の刺激を電気信号に変換し、脳へ伝達する。しかし、ビールのおいしさは、喉の神経が感知するという。喉の神経は味をほとんど感じない反面、水分やモノが触れた時の刺激に強く反応する。この神経が刺激されると大量の電気信号が発生、脳の渇き中枢に送られて強い快感を生む。これが、いわゆる喉越しというもの。新潟大学歯学部の真貝富夫医学博士は、「ビールを飲むと喉の渇きが強く癒されるのは、ビールの刺激が他の飲み物に比べて、非常に強く長く続ためと考えられる。」と説明している。しかし、残念なことに1杯目のおしいさは、長くは続かないという。1杯目で喉の神経は水分で満たされるため、喉の反応は鈍くなり、2杯目以降は1杯目の快感を得られなくなる。飲めば飲むほど喉越しは失われてしまうのである。しかし、塩を摂取すると喉の応答がビールを飲む前の状態に戻るので、飲む前や途中で塩気のあるおつまみを摂ると、飲むための喉を作ることができる。ビールの泡には、苦味の主成分であるイソフムロンと泡タンパクと呼ばれるタンパク質が含まれている。そして、泡には炭酸を封じこめるという重要な働きがある。きめ細かく長持ちする泡を作ることができれば、酸化防止や風味凝縮などビールのおいしさを最大限に引き出すことが可能になる。ビール研究家の佐藤清一氏によると、ビールの温度は夏で6~8℃、冬で8~10℃で、温度が低すぎると泡立ちが悪く、高いと炭酸ガスが抜けやすい。注ぐ方法は3度注ぎをする。
1.グラスの底をめがけ勢い良く注ぎ、泡が少しおさまるまで数秒待つ
2.あまり泡を立てないように注ぎ足し、泡がグラスの口に達したら止める
3.泡が表面張力で盛り上がるまでグラスのふちから注ぎ入れる
この時、全体に対して泡が30%というのが、ベストなバランス。グラスは手で持たずに直立させて注ぐとよい。泡を上唇で押さえる形で、泡の下にあるビールだけを飲む。一口ずつ飲んでしまうと、冷たさと炭酸の刺激が損なわれるので、喉へ流し込むように飲む。顔を上向きにすると、喉が開き喉越し充分得ることができる。おつまみには、塩気が喉のリセット効果を持つ枝豆(タンパクやミネラルが肝臓に働き、悪酔いや二日酔いを防ぐ)や、ポテトチップス(程よい油分が胃を保護して急激な酔い回りを防止)がおすすめ。最近の研究では、吟醸酒にも喉のリセット効果があると判明したが、種類の違うお酒は逆に酔いが回ってしまうので、おちょこ1杯程度にする。
ビールにはナトリウムの排泄を促進したり、体内塩分を適量に保つ健康効果や、美肌効果を持つビタミンB2を多く含んでいる。また、心疾患を抑えるとされる、ポリフェノールも豊富。つまり、ビールは喉だけでなく、体にもおいしい飲み物である。おいしさの核となる喉越しをちゅっとした工夫により引き出すことで、より深く味わい堪能することができるのである。


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