No.05445 熱中症について
厚生労働省では、毎年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施し、取り組みを推進している。熱中症による休業4日以上の業務上疾病者数は依然として高止まりしており、死亡に至る事例も後を絶たない状況にある。『令和2年 職場における熱中症の発生状況(確定値)等について』基安発0430第2号(令和3年4月30日)◆熱中症の定義熱中症とは、「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称。(『熱中症診療ガイドライン2015』日本救急医学会)体温を平熱に保つために汗をかき、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)の減少や血液の流れが滞るなどして、体温が上昇して重要な臓器が高温にさらされたりすることにより発症する障害の総称です。高温環境下に長期間いたとき、あるいはいた後の体調不良はすべて熱中症の可能性があります。(『熱中症 環境保健マニュアル2018』環境省)◆熱中症の症状と分類 Ⅰ度(重症度・小)~Ⅲ度(重症度・大)に分類される【Ⅰ度】 ◎めまい・生あくび・失神 (「立ちくらみ」という状態で、脳への血流が瞬間的に不十分になったことを 示し、“熱失神”と呼ぶこともある。) ◎筋肉痛・筋肉の硬直(筋肉の「こむら返り」のことで、その部分の痛みを伴 う。発汗に伴う塩分(ナトリウム等)の欠乏により生じる。これを“熱痙攣” と呼ぶこともある。) ◎大量の発汗【Ⅱ度】 ◎頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感 (体がぐったりする、力が入らないなどがあり、従来から“熱疲労”といわれて いた状態である。) ◎集中力や判断力の低下【Ⅲ度】 ◎意識障害・痙攣・手足の運動障害 (呼びかけや刺激への反応がおかしい、体がガクガクと引きつけがある、 真直ぐに走れない・歩けないなど。) ◎高体温(体に触ると熱いという感触がある。従来から“熱射病”や“重度の 日射病”と言われていたものがこれに相当する。)『職場における熱中症予防対策マニュアル』厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課 2018◆熱中症発生時の処置について『職場における熱中症予防対策マニュアル』厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課 2018参考サイト▼熱中症関連情報 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)▼環境省熱中症予防情報サイト (env.go.jp)※あらかじめご承知おきください※この記事の内容は、執筆時の法令等に基づいて記載しています。執筆時以降の法令改正等により、適用が変更となる場合があります。記事執筆にあたり、正確な記述に努めていますが、当該記事内容に対して何らかの保証をするものではなく、内容や事例に基づくいかなる運用結果に関しても一切の責任は負いません。医者が教える熱中症対策【電子書籍】[ 米山公啓 ]価格:385円 (2021/5/28時点)楽天で購入