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カテゴリ:つれづれ
昔ある男が狩りに出かけた。
突然の雨に困って近くの家で蓑(みの=合羽みたいな雨具)を借りようと思ったら、出てきた娘が蓑の代わりに山吹の花をそっと差し出した。 男は「なんだ!こっちは蓑を貸せと言ったのに花なんか出して来て」と怒って帰ってしまった。家に帰ってもまだプリプリしていたら、側にいた者が有名な和歌にちなんだ娘の意図を説明してくれた。以後男は自分の不明を恥じて文学に勤しんだそうな…この話を知っている人も多いかもしれない。 七重八重 花は咲けども山吹の 実の(みの=蓑)一つだに なきぞ哀しき (山吹の花は七重に八重になって咲くけれど、みの一つもないことが哀しい) つまり娘は、貧しくて蓑の一つも買えない、と言う代わりに山吹の花を差し出したようだ。 もっとはっきり言ってよ!と思うだろうか?意味が通じなかったのは残念だったけど、恥ずかしくて哀しくてはっきり言えなかった娘の心情も察してしまう。 ストレートに物を言うのは分かりやすくて良い。でも、それが常に一番良いとは限らないんじゃないかな。比喩表現を遠回りというなら、時に優雅で面白いと思うんだけど。 国のイメージで直球型(ストレート)v.s.変化球型(比喩)という見方をしてみる。(文学は別。日常表現の感じで勝手に分ける。) まず直球型の代表はアメリカと中国。だって表現が直接的でドキッとすることがあるんだもん。人口が多くていろんな所から来た人が集まるから、声も大きくなる。言い方よりも、意味が通じることが優先されるのでは?直球はビジネスに向いているし、人々はお金について話すことが好き。 変化球型は英国。日本もこちらに入ると思うんだけど、関西は直球の感じ。比較的人口の少ない閉鎖的な(?)ところ。もっとも東京やロンドンではこれは当てはまらないか。だから言葉が通じるのは大前提で、言い方やマナーが言ってることと同じくらい大事かもしれない。 フランスは…どっちだろう。詩的な表現とかが豊富だと言われるけど、かなり即物的な物言いもするから本質は直球と思うけど。他の国ではどうだろう。 状況に応じて自由自在にボールを操れると良いな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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