ホシミスト3013の天体撮影記

2022/01/22(土)13:22

もし小惑星を砕いたら

太陽系(559)

地球と月の距離の5倍の位置を小惑星が通過した。  そのことが内と話題になりました。  まず最初の始まりは、それは近いの遠いの??と言うところ。  地球と月は約35万kmですから  5倍と言うと180万km  「遠いね」  『いや、太陽系をもし誰かが俯瞰していたら  うわ~~ぶつかる~~~、お~~ぎりぎりセーフ!  ってレベルだわ』  「そんなのって見つけようとしないの?」  『全天サーベイてのをやってて  地球にぶつかりそうな天体を探してるんよ、  人工衛星とか、地球上の捜索システムとか。  それでいろんな微小天体が見つかるんだけど  最近は彗星もそれで見つかるから  見つけた[人]の名前じゃなくて  見つけたサーベイシステムの名前がつくことが多くて。  1年半前のネオワイズ彗星もそうだよ』  「じゃあ、いずれ全部見つかるね」  『いや、新月が光って無くて見えないのと同じで  太陽の方角から近づいてくる  こちらに光が当たってないところを向けてるやつは  なかなか見えない』  「宇宙空間で粉々に砕けば??」  『粉々って、どれぐらい??』  「う~~ん」  『たとえば今回の小惑星は直径1km。  これを粉々に砕くのにどれぐらいの爆薬がいるやろね??  岩盤の発破とかを考えたら、火薬の量も  それからくだけた破片の大きさも想像がつくかな??』    「落ちてきたときに大気圏で燃え尽きないの??」  『流星の大きさってほとんどmm単位の大きさなんよ。  cmクラスになると大火球、  数十センチとかだと燃え尽きずに地表まで降ってくるかもね』    「でも爆破したら四方八方に飛び散るじゃん??」  『宇宙空間で四方八方に飛び散っても  元々の公転運動の方向のベクトルは変わらないから  ビルの上から落ちてくるガラスを頭上で砕いたら  破片はそのまま自分に向かって飛んでくる  それと同じ』  「え~~、天体とか宇宙ごみとか無重力だから  ただぷかぷか浮いてるだけかと思った」  『もしぷかぷか浮いてるだけだとしても  地球は公転運動してるから  その速度(注1)で塵に突っ込むわけだから  ものすごい速度・・・』  [(注1)  地球-1億5千万kmの半径の円=9.4億キロメートルを1年で移動  時速10万km=分速1800km=秒速30km]  『グラヴィティという映画だっけ??  人工衛星の破片のスペースデブリとすれ違うシーンがあったじゃん』  「あれものすごいスピードだったね」  『そう、人工衛星が地表に落ちてこないのは  重力と釣り合う遠心力を生み出す速度で地球の周りを  回転してるからなんよ(注2)  [(注2)  ISS=半径1万2千kmの天体の400km上空  90分で一周  7万8千km=90分 時速5万2千km 分速865km 秒速14km]  『さらには人工天体みんなが同じ方向に動いてれば  相対速度は遅くなるけど  もし逆方向に回転してるやつならその2倍が相対速度』  「塀~~~」  『地球が太陽に向かって落ちて行かないのは  その公転の回転速度が遠心力を生んで太陽の重力と釣り合ってるから。  近づいてくる小惑星も同じで公転運動してるから  ただぷかぷか浮いてるわけじゃないのよ』  『地球の大気圏なんて地表から100kmほど。  たとえば相対速度が秒速30kmだと大気圏にはいって  3秒ちょっとで地表。  これじゃあ、1000mとか500mとかの破片は燃え尽きないよね』  「1000mがぶつかったらどうなる??」  『かすめるように飛ぶ場合と直撃の場合で変わってくるけど  地球上の生命は絶滅・・・』  「結構怖い出来事やったんやね~~」  (写真は元日夕刻、地表近くのPM2.5で霞んだレナード彗星)

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