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カテゴリ:起業
海外に居る日本人としては大先輩のドン先生のブログで、若者よ、海外に出よう、という言葉があった。 海外へ出る、と言っても、世界は広く、どこへ、ということになると人様々だろうし、その理由もいろいろだろうけれど、ひとつ、私が居るアメリカでの日本人の「永住権」(いわゆるグリーンカード)について、おもしろい記事があったので紹介しておきたい。 これはある雑誌の今月号に投書された「匿名希望」さんからの記事であるが、この方は「職業柄」アメリカに滞在する日系企業の日本人と接する機会が多いそうだ。 こういった企業の駐在員や出向者という身分は、アメリカに滞在する期限が、その勤め先の会社の方針如何にかかっている。 自分で、もっと居たい、とか早く帰りたい、と言っても自由になるわけではない。家族も同様だ。 そこで、この方は、その永住権について、ことあるごとにこれら日本人に聞いてみたそうである。 結果、「いずれはとろうと・・」とか「今、考え中です」とかの答えが大半で、なんと「申請する予定は全く無い」とか「早く日本に帰りたい」というひとはごくまれだったようです。その稀な人と言うのは、単身赴任であったり、日本にある事情があって、というのが殆どで、後に挙げるように、あまり積極的な理由ではない。 ここで、この方がまとめた「永住権欲しい」あるいは「永住権検討中」派の、その理由と言うのは ★アメリカにもっと暮らしたい ★転職とか兼業をきがるにしたい(一般的な就労ビザだと、企業のひも付きだからである) ★子供の教育のため ★妻の(あるいは家族の)強い要望で ★永住権とって学校へ行きたい(留学生と、居住者では、学費に3倍ぐらい開きがあるところが多い) ★申請して通る見込みがあるなら挑戦したい ★仕事で、日本とアメリカを気軽に往復する生活がしたいから ★無いよりあったほうが便利だから ★日本よりこちらの暮らしの方が好きだから ★アメリカの方が挑戦し甲斐がある などなど。 一方、「要らない」あるいは「日本に帰りたい」派の理由は、 ★会社の辞令でやむなくアメリカに勤務しているが、できれば日本で仕事をしたい ★やっぱり日本の仕事/生活の方がいい ★勉強はアメリカで、仕事は日本でしたい(留学生の場合) ★家族が日本に居るので(単身赴任者の場合) ★家庭の事情で、ここには長く居られない といったことであったらしい。 なにぶん、公式な調査ではないし、この方が個人的に聞いた範囲なので、偏った内容もあるかもしれないが、傾向として、好むと好まざるとに関わらず一度アメリカでの生活をした日本人は、その多くが、アメリカへの移住あるいは永住権の取得を真剣に考えるようになる、という傾向は確かなようだ。 考えてみると、私自身もそうだった。 けっして、自分から積極的に海外へ出たわけではないにもかかわらず、アメリカ生活が長引くにつれ、こちらに生活の本拠を置こう、と最終的には決心したわけだ。 私の周囲に居た人間で(同じ会社で)永住権を取った人間は私を除いても3人居る。 一人は、家族の事情でやむなく日本へ帰っているが、その他の2人は今もアメリカに居る。 アメリカ、というのは良くも悪くも、機会の国だ。 そして、アメリカに限らず、世界をみわたせば、若い人の選択肢は一挙にひろがることは確実だ。 ところが、そういった選択肢を現実的なものとして考える土壌がない。 一度海外に出てしまうと、それこそ、必要に迫られても、このことを考える場面が出てくる。 その結果として、日本を離れ、アメリカに永住しよう、という意志を固める人が多い、ということは、一面、日本には何かが欠けている、ということを示しているように思う。 今のままでは、経済問題、教育問題、環境問題に限らず、仕事や生活をする上での環境が、「やっぱり日本が一番だな!」と言えるようになって欲しいと思いながらも、アメリカ永住を選択する日本人は後を絶たないのではないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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