2012/03/29(木)10:51
「いただきます」と「ごちそうさま」
他のブログを見ていて、とてもいい話だったので、転載しておきます。
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事務所にきて ホワイトボードに一枚の紙が貼ってありました。
あまりにも胸にぐっときたので
ブログにアップすることにしました。
心を込めて『 いただきます』『 ごちそうさま』 を
みやざき中央新聞6/22
編集長・水谷謹人さんの社説
絵本。『いのちをいただく』内田美智子
その絵本の帯に、一人の名もない主婦のメッセージが書かれていた。
「朗読を聴いて、うちの娘が食事を残さなくなりました」
絵本に食肉加工センターの「坂本さん」という人が登場する。
実在の人物である。
坂本さんの職場では毎日毎日たくさんの牛が殺され、その肉が市場に卸されている。
牛を殺すとき、牛と目が合う。そのたびに坂本さんは、「いつかこの仕事をやめよう」と思っていた。
ある日の夕方、牛を荷台に乗せた一台のトラックがやってきた。
「明日の牛か・・」と坂本さんは思った。
しかし、いつまで経っても荷台から牛が降りてこない。
不思議に思って覗いてみると、10歳くらいの女の子が牛のお腹をさすりながら、何か話しかけている。その声が聞こえてきた。
「みいちゃん、ごめんねぇ。みいちゃん、ごめんねぇ・・」
坂本さんは思った。
「見なきゃよかった」
女の子のおじいちゃんが坂本さんに頭を下げた
「みいちゃんはこの子と一緒に育てました。だけん、ずっとうちに置いとくつもりでした。ばってん、みいちゃんば売らんと、お正月が来んとです。明日はよろしくお願いします・・・・」
「もうできん。この仕事はやめよう」
と思った坂本さん、明日の仕事を休むことにした。
家に帰ってから、そのことを小学生の息子のしのぶ君に話した。
しのぶ君はじっと聞いていた。
一緒にお風呂に入ったとき、しのぶ君は父親に言った。
「やっぱりお父さんがしてやってよ。心の無か人がしたら牛が苦しむけん」
しかし 坂本さんは休むと決めていた。
翌日学校に行く前に、しのぶ君はもう一度言った。
「お父さん、今日は行かないけんよ!」
坂本さんの心が揺れた。そしてしぶしぶ仕事場へと車を走らせた。
牛舎に入った。
坂本さんを見ると、他の牛と同じようにみいちゃんも角を下げて、威嚇するポーズをとった。
「みいちゃん、ごめんよう。みいちゃんが肉にならんとみんなが困るけん。ごめんよう」
と言うと、みいちゃんは坂本さんに首をこすりつけてきた。
殺すとき、動いて急所をはずすと牛は苦しむ。坂本さんが、
「じっとしとけよ、じっとしとけよ」
と言うと、みいちゃんは動かなくなった。
次の瞬間、みいちゃんの目から大きな涙がこぼれ落ちた。
牛の涙を坂本さんは初めて見た。
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これが、この現象界(物質界)のあり方でしょうか・・・。