カテゴリ:09芝居な日
三部一挙上演日で11時~22時20分まで(休憩を除くと実質9時間!)全部観劇する予定だった。
今週は毎日何かに出かけていたので、仕事は溜まるし(自業自得だけど)、体力は相当消耗してたし・・・で、目が覚めたら第一部開演のAM11時(苦笑)。 初台は1本で行けるので、すぐに準備すれば12時くらいからは観れたかもしれないけど、そこからの長丁場を考えるとひるんでしまい、「第二部からでもいいや」ということにしたのだった。 (ジャンヌ・ダルクは第一部しか出てこないのが残念ではあった。) 【作】ウィリアム・シェイクスピア【翻訳】小田島 雄志 【演出】鵜山 仁 【美術】島 次郎【照明】服部 基【音響】上田 好生【衣裳】前田 文子 浦井健治 : 王ヘンリー六世 中嶋朋子 : マーガレット 渡辺 徹 : リチャード・プランタジネット、のちのヨーク公 村井国夫 : サフォーク伯 ソニン : 乙女ジャンヌ、エドワード(皇太子) 木場勝己 : トールボット卿、ウォーター・フィットモア 中嶋しゅう : グロスター公 上杉祥三 : ウォリック伯 立川三貴 : レニエ、ジャック・ケード、王ルイ 木下浩之 : 皇太子シャルル、オクスフォード伯 久野綾希子 : オーベルニュ伯爵夫人、エリナー・コバム 鈴木慎平 : バーガンディー公、クリフォード卿、ペンブルック伯 今井朋彦 : エドワード 金内喜久夫 : ベッドフォード公、ロジャー・ボリングブルック 菅野菜保之 : エクセター公、ソールズベリー伯 勝部演之 : ウィンチェスター司教、枢機卿ボーフォート 鈴木瑞穂 : エドモンド・モーティマー、セイ卿 岡本健一 : リチャード 水野龍司 : サマセット公 青木和宣 : ウェストアラモンド伯 渕野俊太 : ソールズベリー伯、モンタギュー侯 那須佐代子 : エリザベス・グレー夫人 浅野雅博 : クリフォード卿の息子(のちのクリフォード卿) 石橋徹郎 : ノーサンバランド伯 清原達之 : ジョン・トールボット、リヴァーズ伯 城全能成 : オルレアンの私生児、ヘースティングズ卿 関戸将志 : バッキンガム公 篠原正志 : ノーフォーク公 松角洋平 : エクセター公 内田亜希子 : ボーナ 前田一世 : アランソン公 高橋郁哉 : ラットランド すごい数の出演者。 これでも貴族+αに絞り込んでUPしている。ちょっと差別(笑)。 それと1人の俳優がいくつもの役を兼ねているのも特徴。 家系図を見ながらでないと、混乱しそうだ。 この「ヘンリー六世」は、シェークスピアの他の作品~4大悲劇~のように、人間の内部的なものを追求してはいず、ほとんど権力闘争の歴史物語(薔薇戦争をなぞる)なので長くても全然飽きさせない。戦闘シーンも多く、舞台が単調にならない。それどころか、‘チャンバラ’シーンではリチャード役の岡本クンがさすがの運動神経を見せて、なかなかに見応えがあったりした。 力量のある俳優をそろえ、他のシアターのようにアイドル系を出演させてセリフ回しが微妙ということがない。そういうところは国立劇場の余裕を感じて、ありがたい。 第二部から観た私としては、村井国夫さんのサフォーク伯、中嶋しゅうさんのグロスター公、上杉祥三さんのウォリック伯が際立っていたと思う。女優ではやはり中嶋朋子さん。 権力を求めての戦いばかりの中で、唯一(9時間もあるのに)のラブシーンが王妃マーガレットとサフォーク伯の不倫のみ。それも別れるはめになった際の愁嘆場。こういう男の色気が必要なシーンの村井さんてホントにすごい。あの声でささやかれたら、グラッときそうだわ。。。 でもサフォーク伯は王妃に「捨てないで!」としがみつき、王妃は(自分を王妃に押してくれた相手なのに)「さよなら」宣言をするのだった。 中嶋朋子さんという女優さんがそれほど好きではなかったけど、どんどん権力争いに主体的に(?)巻き込まれ、とうとう自分で兵を率いて出陣するほどまでになった王妃マーガレットを好演。歴史上の人物が乗り移ったのかと思うほどの熱演は、大竹しのぶさん路線か。 あ、リチャード(後のリチャード三世)を演じた岡本健一くんもとても良かった。 せむしでびっこで醜いリチャードを岡本くんが演じるなんて・・・と思ったが、頭に白薔薇を差し、権力と戦いのウィルスに‘イッチャッて’いる感じが似合っていた。続けて「リチャード三世」で主演すればいいのに。 頼りな~い感じがヘンリー六世にぴったりの浦井くんにはキャスティングの妙を感じ、渡辺徹さんには「もしかしてホントは王様?」という貫禄を感じた。 長かったけど、面白く見られた。 味を占めて、来年3月の彩の国での「ヘンリー六世」(一般発売だった)のチケットを予約してしまった。こっちはもっと短いとか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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