カテゴリ:13オペラな日
ヴェルサイユから取って返して、オペラガルニエ「アルチェステ」へ。
ホテルに一旦もどって着替えて、⇒ガルニエに向かって走りました。 (こういうこともあるので、やっぱりオペラ座近くに泊まりたいんですよね。) 最初からこれ狙いでパリに行ったわけではないですが、こういうスケジュールになったからには見ておきたい「アルチェステ」なのでした。 私は、8月末までアラーニャが出演すると思っていました。 例の東京での幻となった(?)アイーダに出た後、すぐにこれに出演するなんて、なんて彼は働き者なんだろうと。 ですが、彼だってこのオペラであればかなり準備がいるし、ちょっと考えればそんなはずはない。東京ドームでのアイーダのために、キャンセルしていたんですね。そして結局はその公演が中止になったので、ウィーンで「カルメン」に出ることになったんだとか。 まあいいですけど。 アラーニャが目的ではなかったし。 ミンコフスキ指揮で、この稀有なオペラを見られれば・・・くらいの気持ちでしたが、向こうでは日本よりはるかに(当たり前ですが)ミンコとその楽団への評価は高く、オペラが始まる前の客席も期待に満ち満ちていました。 Direction musicale : Marc Minkowski Mise en scene : Olivier Py Decors et costumes : Pierre-Andre Weitz Lumieres : Bertrand Killy Admete : Yann Beuron Alceste : Sophie Koch Le Grand Pretre d’Apollon : Jean-Francois Lapointe Evandre / soli tenor : Stanislas de Barbeyrac Un Herault d’armes, Apollon : Florian Sempey Hercule : Franck Ferrari Coryphee / soli soprano : Marie-Adeline Henry L’Oracle, Un Dieu infernal : Francois Lis Soli alto : Bertrand Dazin Choeur et Orchestre : des musiciens du Louvre Grenoble 席に着いたら舞台の上には、大きな黒板にチョークで描いた絵が存在しており、まだ2人ばかりの職人(?)が続きを描いている最中でした。この、チョークで絵を描くプロセスも演出だったんです。 私はほとんど専門の職人が描いた絵に、助演の方が絵描きのふりして線の1つや2つを描き入れているのかなとしばらくは思っていました。しばらく見ているとどうやらそうではないことがわかってきました。 ちゃんと、舞台上の皆さんが描いたものが、全体として1つの絵に仕上がっていきます。 これ↓はオペラ座ですが、王と王妃の宮殿に見立てているんでしょう。 ![]() これがなかなか面白く、完成したと思ったら濡れたモップで全部消してしまい、以降は何もない舞台かと残念に思っていると、また別の絵を描き始める。 面白くて、その過程にずっと見入ってしまいました。 バロック・オペラを見るときには、割と覚悟が必要で、同じフレーズを何度も繰り返すので、正直言って視覚上退屈するときがあります。METだと、カラフルな装置とダンスで見せるところですが、あぁこういう手法もありだなと面白がって舞台を見つめていました。 演出が楽しいとは言え、ストーリーは病気の王の身代りに后のアルチェステが黄泉の国に行くことにし、前半は嘆きや悲しみが主流です。後半は結局王と王妃2人で死ぬと言い出し、アポロが死ななくていいと許したので、結果めでたしめでたし。 ミンコフスキとル・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブルの音楽は本当に生き生きとしている。感情がそのまま音楽になっているかのように思えます。 もちろん、終演後はスタンディング・オベイション(少なくとも私の前の席の方々は総立ち)でした。 これは「他の演目のついでに見た」というのは失礼でした。 見に行ってよかったと本当に思った公演でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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