私は、小説が書けない

2006/03/06(月)22:13

“絶対”

シリアスな話(61)

“絶対”って、絶対にあり得ない。 たとえ100人が100人とも予想していることだって、 絶対に起こり得るとは保証できない。 アメリカ時間の3月5日、ハリウッドにあるコダック・シアターにて 第78回アカデミー賞が開催された。 すべての結果発表は、日本時間の本日午後までに終了。 アカデミー賞には数々のカテゴリがあるのだが、今日は作品賞の話。 本年度のノミネート作品は、日本ではまだ未公開のものばかり。 にもかかわらず、映画「ブロークバック・マウンテン」の支持率はすごく高く、 評論家を含む映画関係者たちのほぼ全員が、「受賞確実」と断言していた。 この現象は、日本だけに留まらなかった。 アメリカでも世界各国でも、他の映画賞を総ナメした「ブロークバック・マウンテン」が 最優秀作品賞を取るだろうと思い込まれていた。 ようするに、大本命だったってこと。 が、しかし。 結局のところ、受賞の栄誉を勝ち取ったのは、「クラッシュ」という映画。 これも日本では、まだ公開されていない。 人気でいえば、最有力候補の「ブロークバック・マウンテン」の次くらいだったのに。 ほんと、“絶対”って、絶対にあり得ない。 運命の女神って、時にはこのようなイタズラをするのだ。 とんだサプライズだけど、当事者にとっては感動の極みじゃないのだろうか。 アカデミー賞の世界だけでなく、人生のいろんな場面においても このようなハプニングは起こり得るのだ。 「クラッシュ」のプロデューサーは、このように述べていた: 「受賞したなんてまだ信じられないよ。(We're still trying to figure out if we got this)」 彼はきっと、知らず知らずのうちに、運命の女神を味方につけていたのだろう。

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