2008/02/21(木)12:18
条件の変化に対応出来るか
弊社は、主に海外の自動車部品商社に対して、中国製部品を販売しています。
彼らに限らず、日本企業の方もそうなのですが、中国企業と取引をする場合、材料費、加工費、製品や輸送のコストを細かく分析して、自社に利益が出るように計算しています。
しかし多くは、「現在の状態」のみを見ており、長期的な視点が欠けているように感じることがよくあります。
中国企業と取引をする場合、最近では材料コストの急増は分かりやすい変化です。
それよりも、取引している中国企業が数年後に存在するのか否か、今回のような大雪など、気候の変化によってどのような問題が発生し得るのか、人民元のレート変更がいつ、どの程度行われる可能性があるのか、などなど、中国の場合は、考慮すべき問題が多いのですね。
「中国製品は安い」という前提で、僅かなコストダウンのためにきっちりと計算をすればするほど、一つの要素が変化したとき、中国企業に圧力をかけて要求するほか、対策がとれなくなってしまいます。
製品と価格だけを見て取引をしていると、このような変化に対応出来ませんし、次から次へとサプライヤーを変えて行く「狩猟型」にならざるを得ません。
こっちの方が、コストがかかる上、顧客にも迷惑をかけてしまうと思うのですが・・。
このような事態に有効な対策は、「今の状態がずっと続くとは思わないこと」を前提に、色々な可能性を考えておくことが一つ。
それから、取引している中国企業の中で、幹部クラスの社員と友人になっておくこと。
仕事以外の付き合いも出来る仲になっておけば、事前に色々な情報を流してくれますし、製品を予定どおり供給出来ない場合や、工場倒産の場合にも、何らかの対策を提案してくれます。
過去も現在も、特に日本企業は製品と価格しか見ず、問題が発生した場合だけでなく、問題が無い場合でも、自社の都合で中国企業に次々と圧力をかけ、取引停止を繰り返して来ました。
そのため、中国には、日本企業と取引したくないという工場が非常に多い。
「工場なら他にいくらでもある」「売る方よりも買う方が偉い」という考えが強いため、いざ新しいサプライヤーを探すとなると、時間とコストをかけて、同じ失敗を繰り返す・・というパターンが非常に多くなっています。
最近増えている、中国からベトナムへのシフトも、多くの海外企業は、上記のような考えに基づいたもので、長期的に、現地で「敵」を増やしてしまわないか、少し不安です・・。
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