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2006/07/07(金)12:21

ブランナウトBrown-out

TRAVEL(117)

フィリピンで、まず気づいたのは、やたら停電が多いってこと。マニラやセブの大都会では、ここまで頻繁に発生しないと思うが、これまでに滞在したパラワン・ビサヤ地域では、週2-3回は停電していた。特にパラワンはヒドイ、殆んど毎日だし、エルニドは1日12時間しか通電しないにも拘らず、それすら供給できない有様だ。 日中の停電は、気づかないこともあるし、自然光があるので不便は感じない。夜の停電は、何故か夕食時に発生する確率が高く、これは「キャンドル・リット・ディナー大作戦」なのではないか、と勘ぐってしまう。 私は正直言って、停電って嫌いじゃない。むしろ、ドキドキしながら非日常感を楽しんでしまうタチだ。もともとエアコンのある生活はしてないし、冷蔵庫だって入っているのはコーラとビールくらいだし、TVなんて要らないと思ってるので、電気が止まったって、フーンてなもんで。ロウソクの灯りは蛍光灯よりもホッとするし、身体の緊張度合いが一段階減るような感覚だ。そしてなにより、近所の大音量カラオケが、ピタと止むのが嬉しい。 確かに、扇風機も止まり暑苦しくなり、料理の途中だったりすると不便この上ないのだが、その突発的な不便さを「んもー」とか言いながら、堪能しているのは私だけじゃないと思う。反対に、それまで「当たり前」に「無意識」にさんざん浪費していた電力というものを、改めて見直す良い機会でもあるのだ。 あれ、このいつも付けっぱなしの廊下の電灯は本当に必要なのかな? あれ、BGMとしてつけっぱなしのTVなんて、無い方が落ち着くじゃん あれ、エアコン付けて長袖着てるって、間違ってるよね 必要な電力の供給がなされない僻地では、太陽と共に生活をしていても、やはり不便は免れない。 一方で電力が当たり前に湯水のごとく使える地域では、単なるムダ使いという消費方法が奨励されている。 電気代がもったいないから、っていう観点じゃなくて、限りあるエネルギーをムダにするのは愚かだ、っていう意味で、私達はたくさんたくさん反省しなきゃなんないね。 こんなの、すごく、あたりまえのこと。なにひとつ新しくもなにもない。誰もが判っていること。でも、それを、本当に本当に痛感することって、あんまりない。しなくていいようにできている。 ともあれ、停電が頻繁なこの国ならではの面白いグッズがある。それは、100円ライター。現地価格では12ペソ(=24円)程度。一見普通の100円ライターだが、実は小さい(が強力な)フラッシュライト機能がついている。これを懐中電灯としていつもポケットに入れておけば、ふいの停電でもOKよ!てなもんで。ライター自体は低品質のためすぐに使えなくなるのだが、フラッシュライト機能は結構もつ。これは便利だよ、ほんと。 あと、ブランナウト・ブランナウト、ってよく耳にするけど、それってナニヨ?って思ったら、なんと、停電のことを何故かBrown-outとフィリピンでは言う。「なんでBlack-outじゃなの?」って聞いたら、「ポリティカリー・コレクトなのよー」って返答された。ほんとかな?

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