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カテゴリ:仕込風景
金沢の油与商店です。
これまで紹介してきた「河豚の卵巣のぬか漬け」は解毒のメカニズムが未だ解明されていないため、昔から伝わる製法を頑なに守り続けることが安心安全に繋がるという話をしてきました。 それはこれまで、当店を含む藩政期より製造してきている県内のふぐ加工業者(石川県ふぐ加工協会加盟店のことです)が、事故を起こしてこなかった歴史が証明しています。 それではその伝統製法とは…という話です。 まず仕入れの目利き。使用する河豚の卵巣はどの種類でも良いというわけではないのです。ゴマフグという種類のものに限ります。 次に塩蔵。河豚の卵巣に対して30%ほどの量で塩漬けします。塩漬け期間は時期にもよるのですが、約半年から1年かけて漬け込んでいきます。 ![]() この間、塩の浸透圧で卵巣から水分が排出し、ふぐ子がギュッと硬く締まっていきます。 実はこの時点で塩漬け前に比べ、9割方の毒(テトロドトキシン)が抜けているのです。 締まった卵巣を次は糠に漬け込む本漬け作業に入ります。創業以来使用しているスギの木桶(一斗樽)に漬け込んでいます。この桶には歴代の味が染み込んでおり、また発酵を手助けし美味しくさせる無数の菌が存在しています。 この一斗樽の底に米ぬかを敷き、ふぐ卵巣、米ぬか、米こうじと幾層にも重ねて、また適時自家製のいしる(うるめいわしの魚醤)を注ぎ、漬け込んでいきます。 ![]() 上まで敷き詰め、縁の回りにまぎ藁を押し込み、蓋をし重石をのせると漬け込み終了となります。 しかし、ここまでは製造過程の前半戦です。まだ完成ではないので、この続きはまた後日に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.04.18 09:00:11
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