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2004年11月最後の日なり。あな恐ろしや。
昨日はブックマンの会という会に初参加させていただく。 南陀楼綾繁さんら10人くらいで二ヶ月に一度「発表者を立て、あるテーマを語る」という会。私なぞが…とも思うのだが、参加したいあまり無謀に発表者に加わらせていただいた。 今回のテーマは「食」。エンテツさんの「雑誌『snow』話と二宮金次郎から考察する、料理評論家の料理人=職人<神格化>構造について」南陀楼さんの「<食べある記>研究、雑誌『食道楽』のこと、多田鉄之助について」ともに大変興味深く面白い。おふたりとも目配りが新鮮でしみじみ楽しく、今後の展開にとても期待。はやくお聞きしたい。 自分は…書肆アクセスで扱う地方出版社刊行の食べ物の本を二、三ご紹介した。(長野の柏企画刊行『語るおやき 生きるおやき』『おやき名人』、川辺書林刊『おばあちゃんのお茶請け』正・続、秋田の無明舎出版刊『東北つけもの紀行』など)本の個性だけが頼りの話でした。うーむ。 リスト内(「食」をテーマにした扱う書籍の簡単なリストを作成した)の●『何でも食べる信州人』中田敬三著・郷土出版社刊 について質問を受ける。 紹介文中「カラスを食べる」という表記があるのだが、どんな風に食べるか?というもの。わからなかったので宿題。 さて、そのお答えは…。 日本一長寿の信州人(帯より)は、本書によると本当に何でも食べてみる好奇心旺盛な県民性があるようだ。「ナウマン象、カラス、鯉、ザザ虫、山菜、蕎麦、味噌…毒キノコ」。なかなか豪華だ。で、カラスですが、本文中「珍味」の項、「客接待にカラス田楽」内に「カラスの肉の食習」とある。(でも信州でもかなり稀な食習のようだ。幻の味とも表現されている。) 「毎年、正月七日夜から八日にかけて上田市神川の国分寺で行われる八日堂縁日には、二つの名物があった。一つは、今も売られている<蘇民将来>の護符。六角形のドロヤナギの木に、墨と朱で彩色してあり、民芸品としても人気が高い。 もう一つはカラス田楽。カラスの肉を骨ごとたたき、豚肉か鶏肉、オカラ、きざみネギ、山椒、味噌を混ぜて小判状に整え、串に刺して焼く。ホットドッグのような形になることもあるので、別名ロウソク焼きともいう。縁日の屋台にはカラスがぶら下がっているので、一目で田楽屋と分かる。とくに雪まじりの寒い夜には、「カラスは体が温まる」と人気があった。」(本文より) カラスは田楽にして食すようです。 著者によるとカラス食習慣は、信州から北の東北地方の山間部に広まり、新潟県北部荒川流域で「ロウソク焼き」あり。群馬県内では戦前、先の上田と同じようにフクロウを囮にカラスを捕まえたという。また、福島県阿武隈山地でもカラスを食べた話の本があるらしい。山形県では歌人斎藤茂吉の兄弟が食べた話もあるようで、江戸時代にはかなり広い範囲で食べていたようだということ。 カラスってば食肉だったんだ、結構。 こんな風に読んでいくと、郷土食って本当におもしろい。少しまじめに読み込みたいと思います。(Z)
最終更新日
2004年11月30日 18時04分47秒
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