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2009/04/24(金)23:26

夜桜能

花や風景(28)

  最近、なんとなく古典芸能づいている私。何年も前から夏に「薪能」が見たいと思っていたのだが、スケジュールが合わなくて実現しなかった。 気になる一方で、夏の夜に野外で観劇したら虫に刺されまくりかも…なんてしょうもないことを考えたりもして(だって蚊に食われやすいんだもの)。 2月頃、偶然に 「夜桜能」 が開催されることを知った。 桜の名所である靖国神社で夜桜能。何とも風情があって良いではないか。というわけで早速チケットを取った。                                   東京の桜の開花は、靖国神社にある基準木で                         5輪ほど咲くと開花宣言が出される  前々からスケジュールが決まってしまうだけに、桜は咲いているのだろうか、まだ寒いんじゃないだろうか、雨が降ったらどうしよう…などと不安もあったが、三夜限りの公演の最終日、桜は満開、日中は薄着で歩ける暖かさ。よかったよかった♪ 前の日記に書いたように、早めに到着して千鳥が淵の桜を見るなどして、いざ靖国神社へ。 有名な桜の名所。外苑は屋台村状態で、人は多いしあらゆる食べ物のニオイが漂う。 桜は大好きだが花見の宴会風景が大嫌いな私は、すっかり気分をそがれつつ内苑へと向かった。 道を1本隔てて内苑に到達、第二鳥居、神門をくぐればさっきまでの喧騒がうそのよう。 そして見事な桜。お膳立ては万全だ。              桜の木の間に椅子が並べられている感じで、まさに桜の木の下でお能を鑑賞できる。 開演までは写真撮影もOKだったので、みんな思い思いにデジカメや携帯で夜桜と舞台の様子を撮影している。     そしていよいよ開演。まずはおごそかに火入れ式が執り行われる。たいまつを持った裃姿の男性たちがゆっくりと舞台前に向かい、薪に火を入れる。次第に場の空気が変わっていくような感じだ。   演目は最初が舞囃、次が狂言、最後が能という構成だ。 狂言は野村萬斎が演じるので楽しみだった。内容もユーモラスなので理解できて面白かった。 ただ、野外だけに上空を飛ぶヘリコプターの音、遠くのサイレン、場所柄付近を通る街宣車など、時々思わぬ邪魔が入って気が散ったけれど… さすがに能はほとんど見たことがなく、歌舞伎のように動きが派手ではないし、歌も単調(に聞こえる)ので、手ごわいなあと心配したが、季節に合った演目「嵐山」で、舞台に桜の枝(作り物だけど)が飾られたり、衣装も華やかで動きもあったので、眠くなることもなく楽しめた。 日中は暖かかったとはいえ、夜はそれなりに冷えるし、じっと座っているだけなので、防寒対策がないとつらい。私は重ね着で大丈夫だったが、手袋を忘れたので手が冷たかった。 会場ではひざかけのレンタルや、使い捨てカイロの販売があり、カイロはよく売れていたようだ。 落ち着いた雰囲気で古典芸能を鑑賞し、足取りもゆったりと内苑を出ると、外苑では相変わらず宴会が続いており、通り抜けるのも大変だ。 見上げれば夜桜と月。その光景だけを切り取れば、なかなか風流なんだけどねえ。        満開の桜の下は、花見客で満員!  

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