ピアノ調律師の日々

2009/09/22(火)19:15

再会

ピアノとピアニストの再会に立ち会った。 「二年ぶり。。」ピアニスト住友郁治氏は鍵盤にそっと手を触れた。 眠っていたピアノが起きた。 色彩豊かな響きがピアノから放たれた。 2007年4月28日、住友郁治氏は東京文化会館にベヒシュタインD-280を持ち込みリサイタルを行なった。 その際収録したCD Oratio (Bishop Records EXAC006-007) モーツァルト K.332、ベートーベン 熱情、リスト 巡礼の年報第2年イタリア等収録 は、レコード芸術07年12月号で準特選盤に選ばれる等、そのパフォーマンスは高く評価さたが、その時使ったピアノが神戸芸術センターに納品さている。 そして、一昨日のリサイタルがピアノとの再会になった。2年と5ヶ月ぶりである。 レコード芸術07年12月号評より ~特筆に値するのは使用楽器がベヒシュタインであることで、このピアノはある点では現代のコンサート向きに機能を高めながらも、「古のれん」らしい、どこか質朴で渋い趣を保っている。特別な愛好者がいる事も頷ける楽器である。~ 神戸芸術センターのリサイタルでも、ワクワクさせるパフォーマンスは聴き手の心をしっかり掴んだ。内声の抑揚が響きに深みを与えていた。 コンサートをやり終えた住友氏の笑顔は、仕事の出来映えそのままだった。 今年のコンサートツアーの最後を飾る東京公演は、9月24日(木)東京文化会館小ホールで行われる。今回も、ベヒシュタインD-280を持ち込んだコンサートになる。つい先日迄、近藤嘉宏氏のレコーディングに使用していたピアノだ。 CONCERT PROGRAM J.ハイドン     ソナタ Nr.50 in C dur Hob.XVI -50 L.v.ベートーベン  ソナタ Nr.17 in d Op.31-2 『テンペスト』 J. ブラームス    6つのピアノ小品集 F.リスト      巡礼の年報 第1年『スイス』より代6曲<オーベルマンの谷> F.リスト      メフィストワルツ 第1番 村の居酒屋での踊り 19:00開演/18:30会場  料金:一般?4,000 学生?2,000

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