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屋敷しもべ妖精の下僕

屋敷しもべ妖精の下僕

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2005/09/20 気になった記事・・・リンク切れを見込んで

<旧陸軍>知的障害者も徴兵 大戦中、480人以上(YAHOO!ニュース ~社会~)


 ◇日中戦争から太平洋戦争にかけ、本来徴兵を免除される知的障害者が多数、陸軍に入隊させられていたことが、清水寛・埼玉大名誉教授(障害児教育学)の調査で分かった。戦地から本土の病院に送還された兵士のうち、少なくとも484人をカルテの分析で確認した。兵力不足が深刻になった戦争末期に近づくにつれ、徴兵されるケースが急増。ほかに戦死者も多数いたとみられ、清水名誉教授はさらに多くの知的障害者が徴兵されたとみている。戦地で精神疾患を発症した例も多かったが、恩給や補償の対象外にされたことも判明した。【鵜塚健】
 ◇末期ほど増加、恩給も対象外…埼玉大名誉教授が調査「国は補償検討を」
 極限状態のなか、戦地では精神疾患を発症する兵士が多数発生。こうした兵士のほとんどは、国府台陸軍病院(現・国立精神・神経センター国府台病院、千葉県市川市)に収容され、1937~45年度に1万人以上が入院した。
 清水名誉教授は、同病院が保存する8002人分のカルテ(病床日誌)を5年がかりで分析。このうち徴兵検査時に知的障害があったとみられる兵士が484人(6%)いたことが判明した。
 入院した時期で分けると、37年度は4人だったが、戦争末期の44年度には157人、45年度は81人となっていた。ほとんどが入隊後数カ月以内で病院に収容されており、終戦間際になるほど、より重度の障害者が増えていた。
 当時の兵役法では「疾病其ノ他身体又ハ精神ノ異常」がある人は「兵役ヲ免除ス」と規定している。清水名誉教授によると、当時の解釈だと知的障害者もこの規定による免除の対象となるが、戦争末期には兵士が不足し、徴兵が急増したとみられる。
 一方、戦地で身体的、精神的傷病を負った兵士には、恩給や療養費が支給される。しかし、知的障害の兵士の場合、大半が戦地で新たな精神疾患を発症するなどしていたにもかかわらず、もともと障害を抱えて入隊したとみなされ、恩給や補償の対象外とされた。
 清水名誉教授は「戦死した例も多数あるとみられ、把握できた知的障害者は一部だろう。法を無視して徴兵されたうえ、戦地で加わった疾患で、戦後も苦難を味わったはず。今からでも国が調査し、補償を検討すべきだ」と話している。【鵜塚健】
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 ◇弱者を襲う戦場の過酷…派遣後、症状さらに悪化、「死ぬ方がいい」と脱走も
 本来兵役を免除されるべき多くの弱者が戦地に駆り出されていた。想像を絶する戦場で、新たな疾患を発症した知的障害の兵士たちは補償も受られずにいる。調査した清水名誉教授は「国の事情で兵士として戦場に送り込まれ、戦地で役立たないとわかると『もともと不適格だった』と切り捨てられた」と憤る。
 清水名誉教授が調べた8000人を超えるカルテには、1人あたり数十枚の記録が綴じられ、入隊後の経過、身体や知能の検査過程などが詳しく記録されていた。
 千葉県出身のある男性は1942年1月、20歳で召集され、陸軍一等兵として中国河北省の戦地に送られた。しかし軍隊での行動に適応できず、43年3月に千葉県の国府台陸軍病院に送られた。
 カルテによると、男性は「算数力ハ零ニ等シ」と診断され、精神年齢は6歳8カ月とされたという。最終的に重度の知的障害と診断され、3カ月後に同病院を退院した。戦地に派遣されてから精神のバランスを崩したとみられ、カルテには「症状増悪」などと書かれていた。男性の精神状態が戦地で悪化した様子が詳細に残されていたが、国はもともと障害があったとして、恩給の対象と認定しなかった。
 茨城県出身の男性は20歳で徴兵されたが、入隊後に脱走をしたとして問題に。同病院に送られ、知的障害があると診断された。カルテに書かれた男性の聞き書きには「点呼に立つのが恐ろしい。夜になると皆がたたいたりするから」という記述もあった。本人の手記も添えられ、「兵隊が嫌になってしまった。死んだ方がよいと思って抜け出しました」とつづられていた。
 清水名誉教授は「戦争は一番弱い者に対して最もむごい仕打ちをする。その現実を若い人たちにも伝えたい」と話した。
(毎日新聞) - 9月19日3時5分更新(2005)


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発達障害児 取り巻く環境厳しく (アサヒ・コム~マイタウン鹿児島~)


 広汎(こう・はん)性発達障害のAちゃん(6)が、通っていた鹿児島市内の幼稚園をわずか4カ月で退園させられた。職員不足や障害者用の施設不備などで「手に負えない」というのが理由だ。いつも喜びを体いっぱいに表現するこの子がどうしてみんなと一緒に学べないのか。この4月、発達障害者支援法が施行された。しかし、障害がある子供たちを取り巻く環境はいまだに厳しいのが実情だ。(梶山天)

 厚生労働省によると、広汎性発達障害は、生まれつきの脳の障害で、言葉の発達・コミュニケーションや対人関係・社会性に障害があり、パターン化した行動、こだわりなどが著しいという。

 「人員も施設も整っていないうえ、いろんなことを考え判定した。こういう結果になって残念です」と、幼稚園長は説明した。

 この幼稚園は、園児数約30人。理事長、園長、事務長のほか、教諭3人に給食とバスの担当者1人ずつで運営。1人の教諭が約10人を受け持つ。

 このため、集団生活になじめず、コミュニケーションがとりにくいAちゃんの面倒をみるのが難しく、障害がある子供を確保する保育室もないため、他の園児たちに迷惑がかるというのだ。

 仮にAちゃんをそのまま通園させると、専従の教諭を雇わなければならない。鹿児島市が障害児教育補助事業として支出する年間の補助金39万2千円だけでは、パートすら雇えず、保育室を新設する資金もないという。

 Aちゃんの障害に薄々は気づいていたという母親は、幼稚園から「ベランダから物を投げた」などと聞かされ、6月に市内の病院で診断を受けた。Aちゃんを女手一つで育てる母親は「どんなに苦しくても、この子の天真らんまんな笑顔があるから耐えられるし、心の支えです。ある程度、予想はついていたけど実際に退園の通告を受けて、やはり世の中はまだまだ発達障害者に対する理解や対応が遅れているんだと思った」と話す。

 人口5544人(8月末現在)の山形県朝日村が今、全国で注目を集めている。今春から始めた発達障害がある子供たちを、村ぐるみで支えていこうという試みだ。

 学校や村教委、大学教授(障害児教育)、保育園、小児科医、村教育相談員、ハローワーク関係者らで構成する村特別支援教育推進委員会(20人)を設置。1人ずつ子供の時から将来の就職まで見据えた支援計画を練り、関係者が協力し合う事業を展開している。

 同村には幼稚園がなく、村立の4保育園があるだけ。3年前に発達障害などがある子供数人が保育園に入園。村は臨時に保育士を増やし、マンツーマンに近い形で対応する一方、大学教授や小児科医からアドバイスを受け、健常児と一緒に学ばせた。

 発達障害は、対応が早ければ早いほど効果が期待される、といわれる。村教委の斎藤英雄教育長は「保育園や行政担当者だけでなく、自治体全体で発達障害などの子供たちの現状を理解し、みんなで考えていかなければ支援は行き届かない」と話している。
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 6月に発覚した経済産業省大臣官房企画室の裏金問題や自治体の不必要な公共工事。福祉行政の立ち遅れを考えるたび、こんな税金の無駄遣いに怒りがこみ上げてくる。
(9/18)

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ニュース展望:障害者自立支援法案 玉木達也(社会部)(MSN-Mainichi INTERACTIVE)


 障害者施策を抜本的に見直す「障害者自立支援法案」が、21日開会の特別国会で審議される見通しだ。先の通常国会では審議中に衆院が解散し、廃案となった。今年度予算は同法案成立を見込んで組んだため、廃案のままだと来年1~2月の予算が空白になる。このため尾辻秀久・厚生労働相は「早期成立に全力を挙げて努力したい」と表明。自民党圧勝の選挙結果も追い風となっている。

 支援費制度は、身体と知的の障害者を対象に03年4月から始まり、障害者が自分で必要なサービスを選択できるようになった。国が2分の1、都道府県が4分の1を補助金で出し、残りは市町村が負担する。国の支援費(在宅サービス分)の当初予算は03年度が516億円、04年度は602億円、05年度(12月まで)は770億円と大幅に増えている。それでも03年度は128億円、04年度は274億円が不足。今年度も100億円以上、不足しそうな勢いだ。

 急増している在宅サービスは、その年ごとの事情で予算の増減が決められる不安定な「裁量的経費」に位置づけられている。厚労省は不足分を省内の他の予算を流用するなどして対応したが、本来は当初予算を超えて足りない分は市町村が出すしかなく、このままでは新規利用者を制限するなど、サービスの後退が懸念される。

 そこで自立支援法案は国と都道府県に対し、法的に負担責任のある「義務的経費」に変更し、財源の安定化を図ることにした。また、障害者本人にも1割負担を課し、「みんなで支える仕組み」に切り替えた。

 全国共通のサービス提供基準がないのも支援費制度の問題で、同じような障害程度でも自治体によって対応が異なっている。ホームヘルプサービスを実施している市町村は昨年3月現在、身体障害者が78%、知的障害者は56%で、残りの市町村は全くサービスを行っていない。

 サービスを実施している自治体間の格差も大きい。支援費支給決定者数(03年4月現在)は、滋賀県が人口1万人当たり26・79人で最も多く、最も少ない福井県の3・42人とは7・8倍の差がある。知的障害者のホームヘルプでは人口10万人当たり44・30人の大阪府に対し、茨城県は1・87人。23・7倍も差がある。

 自立支援法案は障害者の身体能力などの調査項目によって障害程度を区分し、医療・福祉関係者らで構成する審査会がサービスの必要性を判定する仕組みを取り入れ、支給決定を透明化する。また、地域格差をなくすため、市町村に必要なサービス量を盛り込んだ障害福祉計画の策定を義務付ける。

 一方、障害者の費用負担だが、現行は所得に応じて支払う「応能負担」。障害者は低所得が多く、ホームヘルプ利用者で費用負担をしているのは5%程度。支援法案は所得に応じて3段階の上限額を設定し、その範囲内で利用料の1割を負担する。生活保護受給者は無料だ。

 それでも現状より負担が増える人は多く、7月5日に東京都内で開かれた集会には、障害者や支援者ら約1万1000人(主催者発表)が参加し、「所得保障が確立されないままでは、障害者の生命を削ることになる」と訴えた。厚労省はさらに社会福祉法人が行うサービスでは、負担上限が2万4600円と1万5000円の低所得者の場合、上限が半額になるような減免措置の導入を打ち出した。

 国の累積赤字は約800兆円。1人当たり600万円を超える。障害者の生命にかかわるようなサービス減退は避けなければならないが、財政事情の厳しさに見合った制度設計も安定、継続させるために必要だ。次期国会では具体的な議論を通じ、サービス抑制が必要なケースも隠さずに示すべきだ。真摯(しんし)な審議が障害者の不安を取り除くことにもつながるはずだ。

毎日新聞 2005年9月17日 0時29分



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