タイの仏教寺院前でビキニ。
ミス・ユニバースの世界大会がいまタイで開かれているそうですが、ロイターの記事によると、そこで大問題が起こっているようです。候補者たちが街中で写真を取る、というのはこういう大会ではお約束のことですが、今回、タイの仏教寺院の前でビキニ姿で写真撮影が行われたのです。※正確に言うと彼女たちがクルーズ船に乗って行われた撮影の際に、有名寺院ワット・アルン(暁の寺)の前を通った時にもシャッターが切られ、それがサイトに掲載された、ということなのです。サイトからはこの写真は削除されたそうですが、記事によると・タイの仏教界などは地元の伝統的価値観や道徳が侮辱されたとして、不快感を依然露にしている・ある仏教関係者はロイター通信に対し、仏誕節が近づくなかでこうした事態が起きたことを問題視し、「わが国の罪は長く残る」とコメント・観光当局者も国営タイ通信社(TNA)に対して、写真がタイのイメージを傷つけており、不適切だとする認識を表明。「世界大会をタイで行うなら、わが国の伝統と文化を尊重するべきだ」と明言したという、かなりカンカンの様子。タイ、というと、もちろん仏教の国で、とても人々が穏やかである、という一般的な印象がありますが、広告の世界においては現在タイ発のCMが世界の広告賞で上位を占める常連になりつつある、という国でもあります。とても面白い(爆笑系が多い)作品が多く、その理由として「タイの人は楽しむことが大好き、という国民性だから」という話をどこかで聞いたことがあるのですが。また、経済力も高く、アジアにおいては2003年の国内総生産(米ドルベース)でも(総務省の統計ページより)、国名/国内総生産/一人当たり、の順で・タイ: 143,158/ 2,278・シンガポール: 91,341/ 21,492・フィリピン: 79,330/ 992・マレーシア: 103,161/ 4,224・インドネシア: 243,294/ 1,106・ベトナム: 39,003/ 480・インド: 595,109/ 559・台湾: 289,822/ 12,858・中国: 1,412,323/ 1,083・香港: 156,671/ 22,223・韓国: 605,354/ 12,691・日本: 4,302,557/ 33,727と、一人当たりに関してはASEANでシンガポール、マレーシアに続く3位、という経済大国になりつつある国なのです。しかし、そういう(経済の発展により)西欧の文化の影響を大きく受けるような環境下にあっても、ちゃんとその国が本来大切にしていることに対しては毅然とした態度を取れる、という姿勢はとてもうれしい、うらやましいことでもあるなあ、と感じたのでした。