さよなら、与兵衛さん・・・
歌舞伎座の六月大歌舞伎、昨日が千穐楽でした。仁左衛門一世一代の与兵衛、とうとう終わってしまったんですね・・・本当は最後の最後、千穐楽の舞台を見たかったのだけれど27日は土曜日なのに何と仕事が入ってしまい(号泣)楽前日26日のチケットを取りました。「女殺油地獄」、初日近くに見たときすでにかなりの完成度で素晴らしかったのだけれどまわりの役者とのアンサンブルが良くなり、特にお吉の孝太郎に少し余裕が出て柔らかくなっていて、ますます面白くなっていました!与兵衛、見れば見るほどとんでもなくどーしようもないヤツなのですが仁左衛門が演じるとイキイキと血が通って本当に魅力的。この役には実際の若さが必要という仁左衛門の考え方もわかりますが、すでに仁左衛門自身によって練り上げられ、すっかり型や様式として完成されているのでこれからだってまだまだできるのでは?これで最後だなんて、本当に惜しい・・・ここまで作り上げた作品を確実に若い人に渡したいという気持ちもわかりますし潔い仁左衛門のことだからこれが本当に最後なのでしょうけれど受け継いでもらいたい若い役者がどうにも思いつかないのよね・・・誰がやっても贔屓は仁左衛門と比べてしまうので、若い役者もやりにくいとは思いますが。ともあれ、仁左衛門さん素晴らしい舞台を本当にありがとうございました。見ることができて、幸せでした。今月の昼の部は大当たりで「草摺引」、「角力場」、「蝶の道行」、それぞれ堪能いたしました。「草摺引」の松緑の五郎、拵えが本当に良く似合って惚れ惚れ。足先までピッと力が行き渡って、良い五郎でした。「角力場」、吉右衛門の放駒の若々しさ、初々しさは何度見ても驚嘆します。夜の部であんなに立派な幡隋長兵衛になる人が、本当に丁稚に見えますもの。高麗屋・播磨屋兄弟共演は華やかで高揚感があって、見ているだけで嬉しくなります。あ~ 今月は幸せだった・・・終演後、歌舞伎会の情報誌「ほうおう」六月号に紹介されていて気になっていた新世界グリル梵に行きました。大阪発のビーフヘレ(ヒレ)カツサンド専門店。大阪に本店のレストランとヘレカツサンド専門の堂島店があり、昨年9月に銀座店がオープンしました。メニューはヘレカツサンドと飲み物のみ。カウンター7席の小さなお店です。テイクアウトもできるので観劇のお弁当にしようとずーっと思っていたのですがなぜか観劇のときはいつもギリギリになってしまうので(汗)かなわず。やっと行くことができました!午後4時ごろだったのでお店は空いていて、ゆったりとカウンターに座ってマスターとおしゃべりしながらカツサンドを楽しみました。パンは薄めでカリッとトーストしてあり、ビーフヘレカツはジューシーで柔らかく軽くてあっさりしていてとっても美味しいです。一人前2,000円、ハーフ1,000円ですが、一人だったらハーフで十分です。一人前だったら二人で分けてちょうどって感じかな。ランチタイムには、ハーフとコーヒーで1,000円というセットがあるようです。マスター(大将って呼ばれてました)も気さくで芝居好きで、とてもお話が楽しい。東京にお店ををオープンするにあたって、歌舞伎座と演舞場の近くを探したとか。お父さんが十三代目仁左衛門の後援会長をされていたとか。あまりに美味しそうですぐに食べてしまい写真を撮り忘れたので「ほうおう」からお借りしました。美味しそうでしょ?またぜひゆっくり行きたいお店です。おススメです!テイクアウトは注文してから作ってくれるのでちょっと時間がかかります。余裕を持って買いに行くか、あらかじめ注文しておいたほうが良いかも。