As’s HOLE ~ぼくのプレミアライフ~

2007/05/26(土)00:43

チェルシー補強策

Premier League(171)

最優先をビッグイヤー獲得に定めていた今シーズンのチェルシー。 だが「スモールクラブ」「カップ(戦に強い)クラブ」と挑発したリバプールに敗れ、ビッグイヤー獲得は今シーズンも失敗。国内リーグもユナイテッドにさらわれ、獲得タイトルはFA杯とカーリング杯の2つ。皮肉にも自らが「カップクラブ」になってしまった。 来シーズンこそは悲願を達成すべく補強策として、クラブCEOのケニヨン氏がコメントしていた。 「3選手の売却と、3~4人の補強を考えている。  バラックとシェフチェンコの放出は考えていない。  2人の獲得は将来を見据えたもので、彼らの能力に疑いの余地はない。  補強に関しては、ビッグネームは必要ない。  ディフェンスの中央と中盤をカバーできる選手、  さらにはフォワードの補強を考えている」 これを額面どおり受け取るなら、補強に関してはセンターラインを1人ずつ獲得する意思があることになる。そして先日、レディング所属のシドウェルを獲得することを発表した。シドウェルは中盤の選手であり、クラブとしては方針通りの補強策であり、残りはディフェンスとフォワードということになる。 だが問題はここからだ。 来年1月にアフリカ・ネーションズ・カップが開かれる。日本で言うアジアカップに相当する大会であり、ヨーロッパで活躍するアフリカ人選手も多数これに参加するだろう。そしてクラブにとって厄介なのは、大会がシーズン中に開催される点である。シーズンオフならまだしも、シーズン中に選手を約1ヶ月も代表に拘束されることにクラブ側のメリットはない。しかもプレミアの1月は過密日程である。チェルシーとしては、ドログバやエッシェンといった中心選手がチームを離れるデメリットも考慮して補強を行わなければならない。 フォワードに関すれば1人の補強を考えているが、クレスポをどういったポジションで考えているのだろうか。インテルにローンで貸し出しているが、期間は今シーズン一杯であり、戻ってくるクレスポを補強とみなすのか、それとも既存選手として新たな選手を獲得するのだろうか。今シーズン大活躍したドログバが1ヶ月チームを離れることを考えれば、それなりに名前のある選手が必要である。 ディフェンスに関しては怪我人に泣かされ、意外に層が薄いことが露呈した。層が薄いというよりもモウリーニョが信頼できる、計算できる選手が少ないと言い換えることもできる。ボラルースであったりPフェレイラがこれに相当すると思われ、おそらく売却選手もこの中にいるのではないだろうか。だがそれを実行に移した場合、質の上昇は見込めるかもしれないが、単純な層の厚さで言えばマイナスになってしまう。シーズン終盤や怪我人続出の際は中盤の選手を下げて何とか対応したモウリーニョだが、守備的中盤選手のコンバートを考えているならそれなりに対応は出来るのだが。 2冠を達成したとはいえ、成功とはいえないシーズンだったチェルシー。 アブラモビッチがオーナーに就任した直後は金にモノを言わせた補強が多かったが、徐々に現実路線にシフトチェンジしつつある。今年1月のインタビューではアブラモビッチが「アカデミーの充実」を謳ったり、今オフの補強に際しても「ビッグネームは不要」と語っている。それだけ現在のチーム編成が成熟段階に入ったと言えなくもなく、あとはピンポイントの微調整で十分といった感じである。 残る補強ポイントは2つ。そして売却人数は3人。具体的な数字が出てくるあたりに現実感が見て取れ、決して1つではない出入数に理想の高さを感じることができる。 ほな、また。

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