As’s HOLE ~ぼくのプレミアライフ~

2007/06/05(火)02:25

選手の低年齢化について

Premier League(171)

最近のサッカー界は低年齢化が進んでいる。 19や20歳は当たり前。25歳で代表デビューなら遅咲きと言われるようになってきた。各クラブはダイヤの原石を我先に獲得しようと、それこそ小学生の頃から目を付け、自クラブの傘下に籍を置かせる事で、将来のビジネスチャンスにつなげようと激しい競争を繰り広げている。もちろんそれら全ての選手が成功する可能性は限りなく低いが、それでも当たればこれまでの投資を十分回収できるだけのリターンが見込めるだけに、そして他クラブに有望選手を取られたくないという純粋な意識も手伝って、さすがにこれ以上の低年齢化はないだろうが今後もこのような競争は続いていくことだろう。 先日もイングランド下部リーグのサウサンプトンに所属するウェールズ代表DFガレス・ベイルのトットナム移籍が発表された。移籍金や契約年数は発表されていないが、現地メディアによると約24億円前後ではないかといわれている。 これだけをみると相当の有名選手・有能選手のように感じられる。バブルがはじけた今のサッカー界において24億円の価値を持った選手はそんなに多くない。ベイルという選手、かなりの大物なのだろう、まだまだ勉強不足だと自身を反省していたが、年齢が17歳なら話は別である。 17歳で代表に召集されるのだから、もちろん技術や能力は高いものを持っているのだろう。そして今回はトットナム移籍が決まったが、我がユナイテッドなども獲得に乗り出していた事実がそれらを裏付けている。だが17歳に24億円である。この先のサッカー人生に何が起こるかは分からない。それこそギグスのように国の中心選手に化ける可能性がある一方で、移籍金に見合わない活躍でいつのまにか消えていった選手を過去に何人も見てきている。おそらく獲得競争の過程で移籍金のつり上げがどこかで行われ、この24億円という数字が純粋なベイルの価値だとはいえないかもしれない。だが果たして24億円を出してまで取らなければならない選手だったのかを考えればイエスとは決して言えないだろう。昨年1月、アーセナルがセオ・ウォルコットを獲得した。当時17歳の彼にアーセナルが出した移籍金は出来高を含めて最高24億円。そしてウォルコットと引き換えに移籍金を手に入れたのは今回と同じサウサンプトンだった。 ベイルとウォルコットが同じサウサンプトン出身なのは単なる偶然かもしれない。だが、ビッグクラブにこれらの選手のポジションは空いていない、つまりは需要がないにも関わらず先行投資の意味も含めて競争が熾烈を極めていることを、供給する中小のクラブはよく知っている。だから少し強気な金額設定をしても拒否されることはなく、中小クラブがビッグクラブの足元を見るという逆転現象が起こっている。それが最近の移籍金額の序列崩壊に繋がっており、これまでは移籍金額の高さがそのまま選手の能力の高さに繋がっていたが、最近ではマーケティングなどのビジネスがサッカー界に流入したことや選手の低年齢化によって、移籍金額の高さが決して選手としての評価を示すものではなくなっている。まだ移籍して1年半しかたっていないがウォルコットはレギュラーに定着しているか、ノーである。 低年齢化自体が悪いとは決して言わない。しかしながら、クラブ間のエゴなどによって決められた不釣合いな移籍金で苦しむ羽目になるのは選手である。今回のベイルにしても、24億円という数字を考慮してファンはプレーを見ることになる。クラブ間の交渉で何があったか、そのような推移があったかなどはどうでもいいことで、極論すればベイル=24億円という目線でベイルを見る。16,7の人間にそれがプレッシャーにならないほうがおかしな話であり、これではどれだけ有望な選手でもこれが原因で成長が妨げられるとも限らない。 これ以上の低年齢化はおそらく進まないだろう。だが現状維持で推移させることも選手には良くない。10代の選手の移籍に関して規制を強化するなど、さらなる議論が必要である。 こんなことを考えてた矢先の我がユナイテッドの選手補強・・次回に続く? ほな、また。

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