2008/01/16(水)02:11
レーマンが移籍を断った理由
個人的理由。何とも都合の良い言葉だ。
今回に関して言えば「一身上の都合」という方が適切かもしれない。どちらにしろ都合の良い言葉に変わりはない。
ドイツのドルトムント行きが濃厚だったアーセナルのレーマンが、突如オファーを断った。
正GKをアルムニアに奪われ、6月のユーロに向けて何としても出場機会を得たいレーマンだったが、バイデンフェラーの負傷で確実に出場のチャンスがあるドルトムント行きを諦めた理由は何だったのだろうか。
レーマンが語っているように、本人も移籍には前向きだった。
「ドルトムントでプレーし、再びドイツに戻ることは非常に引かれるものであったが、
プライベートな理由から、今回の結論に至った。
非常にプロフェッショナルに移籍交渉に骨を折ってくれ、
さらに考える時間を十分に与えてくれたドルトムントの関係者にとても申し訳なく思っている」
これを見る限り、交渉においてレーマンの気分を損ねるような問題は起こっていないと思われる。ならばレーマン側の気持ちの変化が大きな要因になっていることが推測される。
ここで思い出さないといけないのは、レーマンの今現在置かれたポジションである。
クラブでは控えGKに甘んじ出場のチャンスはほぼ無いに等しい。だがシーズンオフにはユーロを控えている。ドイツ代表レーブ監督が語っているように、クラブで出場していれば正GKはレーマンのものと太鼓判も得ている。だが逆に言えば出場していなければ分からないわけで、レーマンにはどうしても出場機会のチャンスを得られる場所が必要なのである。
しかしそれと同時にプレーレベルも要因にあったのではないだろうか。
決してドイツのレベルが低いと言っているわけではない。だが例えばドルトムントとアーセナルのレベルを比べた場合、どうしても後者の方に分があるのは仕方ない。またチャンピオンズリーグで決勝トーナメントに進出しているアーセナルに対し、ドルトムントはUEFAカップさえなく国内1本である。いくら控えに甘んじているとはいえチャンピオンズリーグは大きな魅力であり、アルムニアに何かが起こり出場機会が巡ってこないとも限らない。そこで結果を残せば再びアーセナルの正GKに戻ることが出来るわけで、これがレーマンの理想と言えなくも無い。
個人的な理由なのだから、噂であるようにドイツの税制が高すぎるからとか、あるいは家族がロンドンでの生活に満足しているなどの理由かもしれない。あるいは別クラブからのオファーがドルトムントよりも満足の行くような内容だった可能性もあるわけで、いずれにせよ本命のように思われたドルトムント行きはなくなった。レーマンの本命は一体どこにあるのだろうか。
ほな、また。