As’s HOLE ~ぼくのプレミアライフ~

2008/05/13(火)00:38

ユナイテッド、チャンピオンズAGAIN

Premier League(171)

我がユナイテッドが2年連続のプレミア制覇を成し遂げた。 思えば序盤は苦しい戦いだった。 開幕戦となったレディング戦でルーニーがまさかの負傷により長期欠場。そして2戦目にはロナウドがレッドカードをもらい3試合の出場停止。さらにはシティとのダービーマッチに完敗を喫する始末。ここでチームの危機を救ったのは、ウェストハムから加入したばかりのテベスだった。ほぼスクランブルでの合流ながら献身的な攻守両面での運動量と決定力は、ユナイテッドの前線に3本目の軸を立ち上げた。 同じ新戦力ではアンデルソンも見逃せない。 当初は即戦力と見られたナニに対して数年後を見据えた補強だったにも関わらず、怪我で離脱したスコールズの穴を単に埋めただけでなく、パスセンスや2列目からの飛び出しなどで積極的なプレーが随所に見られ、攻撃に厚みをもたらした。また相手のキープレーヤーの潰しも効き、その闘争心はチームに勇気を与えた。 反対にナニはアンデルソンほどのインパクトを与えることは出来なかった。確かにテクニックやスピードなど才能の片鱗は見せたものの、まだ自分勝手なプレーに走るきらいがあり、正確性も高くない。だが加入1年目のロナウドを思い返してほしい。今シーズンのナニそのままではなかったか。今後どのような方向性を示すのかは分からないが、3年後、ナニがロナウドのように化けていても不思議ではない。ちなみにシーズン序盤のトットナム戦で決めたミドルシュートも、チームが苦しい中で勢いを与えた一発だった。 さて、ロナウドだ。 加入当初を思うと、ここまで化けるか!?というのが正直な感想だ。当時は与えられた背番号故、どうしても前任者のスタイルと比較してしまわざるを得なかった。だが彼は彼であり、ロナウドはロナウドだった。選手が選ぶ最優秀選手、記者が選ぶ最優秀選手にそれぞれ2年連続で輝いただけでなく、リーグが選ぶ最優秀選手にも選ばれた。リーグ31得点は2位のアデバイヨール、トーレスに7差を付けての得点王であり、ポーツマス戦での直接FKとアストンビラ戦でのセットプレーから決めたバックヒールが、リーグの最優秀ゴール賞1位、2位となった。もちろんロナウドだけの成功ではないが、ロナウドがいなければユナイテッドの優勝はもしかしたら危なかったかもしれない。 とかく攻撃面ばかりがクローズアップされがちだが、今シーズンのユナイテッドは守備も安定していた。 さすがにチェルシーの持つリーグ最少記録は更新出来なかったが、クラブ記録の25を下回る22失点は今シーズンのリーグ最少である。アンデルソンなどの2列目のフィルターだけでなく、テベスやルーニーによる最前線からのプレッシャーが相手に脅威を与えていたことで、ディフェンスラインの仕事としては簡単な部類に入っていたかもしれない。だが大きな怪我もなく、密なコンビネーションが必要な守備において、コンディションをそれほど崩すことなくピッチに立ち続けていたことがラインに安定を生み、時間の経過と共にその安定がより強いものになっていった。 最後を締めるのはロナウドではなく、ギグスである。 今シーズンも大きな怪我もなく、無事シーズンを終えることが出来た。やはり一時のスピードはもうないものの、時にバランサーとして、時にパサーとして、若い選手の多い前線で味のあるプレーを披露し、行き詰った際には自らが仕掛けることで相手に混乱を生じさせチームを活性化させた。いわゆるベテランの成せる業である。ギグスもまた今シーズンのユナイテッドになくてはならない選手であった。 今シーズンの? 否。オールタイムのユナイテッドにおいて外せない選手である。 最終節のウィガン戦に出場したことで、ギグスのユナイテッドにおける出場試合数は758になった。これまでの記録はボビー・チャールトンの持つ759が最多とされていたのだが、その中に出場していなかった試合が含まれていたことが分かり、チャールトンの記録は758に訂正された。つまりはギグスは記録に並んだのである。本人はチームの勝利を優先するだろうが、この偉大な記録に並んだ事実にリーグ制覇と自身のゴールで華を添えたのである。 記録更新の舞台はおそらくモスクワ、チャンピオンズリーグ決勝ということになるだろう。 ウィガン戦後の優勝セレモニーにおいて、カップを掲げたのはギグスだった。本来ならゲームキャプテンのリオが掲げるはずなのだが、おそらく粋な計らいでも見せたのだろう。モスクワの地でも同様のシーンが新記録達成と共に見たいと思うのは私だけではないはずだ。 ほな、また。

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