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カテゴリ:独立起業物語
追い詰められたアドバンス4番は反撃の糸口を探していた。しかしなかなかそれは見つからない。相手の攻撃が完璧であり、苛烈を極めているため防戦一方である。
相手は余裕である。目線の高さは同じなのに見下ろされている感覚にアドバンス4番は襲われてしまった。この時点で完全にのまれているわけである。 相手はというと余裕しゃくしゃく、言葉使いこそていねいだが見下ろしていることは間違いない。 (くっそー、余裕かましやがってこのまぬけずらが!!しょうがねー、いっちょやってみるか)←完璧な逆恨み まったくいつの間にか完全なる劣勢になってしまったのだが、黙って待っていても援軍が来るわけでもないのでアドバンス4番は決死の覚悟で反撃を試みた。 「もちろん、あなたの言うとおりだと思います。自己資金があるわけではないし、融資をしてもらうにはとても厳しい状況なのはわかっています。 しかし、ビジネスというのはタイミングだと思います。いまがそのタイミングなんです。これで独立しよう、と思ってからお金をためる時間がなかっただけです。1年前にこれで独立したいと思ったんですから時間が足りなかっただけです。それでも200万は知人にかりて来ました。 それに、たとえばあなたの言うようにあと3年かけて500万ためてそれからまた国民生活金融公庫に申請して、なんてやっていたら完全に今回のビジネスチャンスは失うと思います。今回はうまくいくと思ったからこそ、これならやれると思ったからこそここまできているわけです。銀行や県や市に断られて、あきらめずにここまで来ている、その原動力は今回のビジネスが成功するという自信と、何よりやる気のあらわれだと考えていただけませんか?」 もうアドバンス4番は必死でまくし立てた。頂上に手がかかっているのだからここは死に物狂いで行くしかない。ここから蹴落とされるのも、手を滑らして落ちるのも、力尽きて落ちるのもごめんである。 するとこの攻撃がきいたのかどうかわからないが、面接官がおもわぬ一言を言った。 「アドバンス4番さんは全部で1200万必要だといいましたが、知人の方から200万借りてこられましたね。あと1000万ですが、仮にうちで全額をご融資するのは無理だとしていくらまでご融資したら独立の計画を進めますか?逆にいくらしか借りれなかったらあきらめますか?」 「・・・・800万。800万融資していただければ残り200万は何とかします。しかしあと300や400というのは無理です。800万なら計画を進められます。」 実はあと200万なんてどこからも借りられる当てなどまったくなかったアドバンス4番だが、ここはもう「はったり」でいくしかない。あとは野となれ山となれである。 「わかりました。それでは今回アドバンス4番さんに用意していただいた資料などを持ち帰ってご融資できるかどうか上司と会議を開きます。・・・・私はアドバンス4番さんの計画を上司に推して見ようとおもいますが、ここではご融資出来るかどうかお答えは出来ません。」 面接官はどうやら納得してくれたらしい。新聞の記事や、前の会社での実績も効いたであろう。会議でアドバンス4番の計画を推してくれるそうである。しかしアドバンス4番はこの戦いに疲れ果てて、喜ぶ元気もない。後は家に帰って、後日連絡が来るであろう会議の結果を待つしかないのである。 「あー、つかれた。かえってゆっくりしよ。」 しかしアドバンす4番はゆっくり出来るはずがない。家に帰れないのだ。なぜなら会社から「医者に行く」といって抜け出してきて、いまはまだ午前11時30分だからである。これから会社に帰ってあと半日仕事が残っているのである。それに気づいた時、アドバンす4番はおもわずへたり込んでしまうのであった。 次回予告 さて、これで会議の結果を待つだけになったアドバンス4番。あとは借りられるか借りられないか、結果が出るまでは少しゆっくりしよう。・・・・なーんて世間はそんなに甘くない!?ゆっくりなどさせてもらえるはずもなく新たな問題が降り注ぐのである!! 書いている本人も、こんなに向かい風強くてよくやったよと、自分で自分をほめてやりたくなってきましたが、まだまだアドバンす4番はいじめられるのです。 ←よろしければクリックお願い致しますm(__)m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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suekiti2さん
一番大事なのは、ぜったいやるという信念と行動力だと思います。。自分が動かなければまわりも動いてくれませんからね。まあ、自分が動いても人望がなければまわりは助けてくれないでしょうけどね。でも人望は自分が行動を起こした後の問題ですから、やっぱりまずは自分が動くことでしょうかね。 (2005.12.01 08:29:26) |