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カテゴリ:バイク
アドバンス4番はスタートのクラッチミートは得意でした。いつもホールショット(一番手で1コーナーに進入する)から3番手くらいの間でした。(スタートは一速の設定が122km/h位なのでかなり難しいです。しかもレーサーなのでトルクがない)
![]() [ブレーキレバー折れちゃったょ事件がなければきっとこのようにイップクしつつ精神集中できたのだろうが・・・(これは予選前の写真)] この日も例にもれずホールショットは決めました。しかし、いかんせんタイヤが温まっていない。メットの中で「あぶねあぶね」なんていいながら1、2コーナーをクリア。そのあとフル加速して3コーナー突っ込みのブレーキングでオーバーラン(T_T) 倒しこんだときにフロントがグリップせずに流れてしまいました。(こういう時ってサーっと血の気が引きますよね。アドバンス4番も少しの間どきどきしながら走ってました) 「おととととととと」 冷や汗とともに何とかリカバリー。後続にも抜かれずにすみました。 どうにか一周目をブロックライン気味で後続を抑えつつトップで帰ってきました。なのに2周目の一コーナーで突っ込みすぎてしまったのです。まだタイヤが温まっていなかったせいもあるでしょう。 [富士スピードウェイのストレートは全長1.4km!そこをひたすらアクセル全開で駆け抜ける時のスピードは250km/h前後。「1コーナーまで150m」の看板を目印にフルブレーキ!!一気に6速250km/hから80km/h位までスピードを落とすというすごいコーナーです] こういう時ってブレーキをかけた瞬間に解るものです、止まれないって事が(>_<)そしてブレーキ開始から1コーナーまで150m、その間ずっと「やべぇ、止まれねぇ!!」と思いながら進むのって最悪な気分です。まるで拷問。「うわー」と思えば思うほどただただブレーキを握るだけで何も出来なくなります。体が動かないのです。(車を運転している方なら似たような経験があると思いますが)こういうブレーキングを専門用語?で「地蔵ブレーキング」と言います(^^) 地蔵ブレーキングをしながらアドバンス4番はオーバーランしてコースアウトする自分が脳裏に浮かびます。それでも必死のブレーキング。ちょっとでも油断するとあまりの怖さに幽体離脱しちゃいそうです。 「止まってーーー!!(T_T)」 (声が裏返りながら) ・・・願いが通じたのか何とかコースアウトは回避できたものの、ものすごいオーバーラン。イン側から2位のバイクが抜いていこうとするのが見えました。優勝するしかないと思っていたアドバンス4番は 「じゃまするな、こぞう!!!<`ヘ´>」 (さっきの弱気はどこへやら、一気に強気に) 一喝とともに気合一発、アウトからかぶせてやりました。 これでアドバンス4番は一気に切れました。ここからはタイヤが滑ろうがバイクが暴れようがとにかくアクセルを開ける開ける!! ![]() [富士の最終コーナーは180km/h前後のスピードでアクセル全開でひざをする、度胸試しのコーナーです。さすがにキレたアドバンス4番もこのコーナーはやっっぱり怖い。ヘルメットの中で「かあちゃーん、こえーよー」と叫びながらクリアしていきます。写真ではかっこよく見えてもメットの中では恐怖に引きつった顔をしていることでしょう。写真は100R] そんなこんなで5周目、サインボードを見ると後続との差が5秒、次の周は6秒と広がります。これはもうペースを落としても大丈夫だな、なんて思いペースを落としました。が、慣れない事はするものではありません。ペースを落とした途端にリズムが崩れてあちらこちらでオーバーラン、一気に差をつめられてしまいました。(あー、かっこ悪い) そのあと気を取り直したアドバンス4番は、もうお構い無しに全開走行で再び大きなアドバンテージを築いてゴール。現役最後の優勝を飾りました。 ![]() ![]() ブレーキレバーが折れるという事件、レースが終わってから考えると事件のおかげで必要以上に緊張することもなく、逆に吹っ切れて走れたのかなと思えました。そう思うと捨てられないものです。そんなわけで手元においてあるというわけです。大事な思い出の品で、これを見ると当時を思い出せます。そして「優勝したときの自分に負けないようにがんばるぞ」と思えるのです。 ![]() ごらんのように自分のレースを優勝で終えたあとはチョーご機嫌です。ヤベ、顔出ししちゃったよ、まあいいか(^^) ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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