2007/08/20(月)00:04
「カリギュラ」を読む
(絶版。私は運良く古本屋で手に入れました)
カミュの手稿によると
カリギュラは25歳から30歳
『大層若々しい人物である。彼は普通に考えられているよりは酷くない。
背が高く、痩せており、やや猫背で、顔は子供っぽい』
蜷川さんから小栗くんへ
「とにかく美しくあるように」
ボヤっとですが、イメージがつかめてきました。
同じく手稿には、
「装置は重要ではない。どんなものでもよいが、ローマ風のものだけは困る」
という指定。
これはローマの皇帝の話なのに(笑)。
どんな装置・衣装になるのか、楽しみです。
◆戯曲を読み終えた感想
「カリギュラ」、この役は一筋縄ではいかないでしょう。
暴君と呼ばれた皇帝。
妹の死をきっかけにこの世の不条理に悩む。
自分の信じる自由、幸福を証明するために、不可能を手に入れようとする。
自問し、悩み苦しみ、臣下を巻き込み残虐な行為に及ぶ。
身近にいる貴族から見れば、信じられない残忍さ。
一度読んだだけでは、私の頭ではなかなか理解できません。
ま、何度読んでも、理解・共感できる人物ではないと思うんですけど。
活字ではなく、実際に舞台を見れば、わかってくることもあるでしょう。
親をカリギュラに惨殺された若いシピオン(勝地くん?まだ配役発表されてませんでしたっけ)。
憎みながらも、自分の中に彼の鏡のようなものを感じ、また苦しむ。
カリギュラとシピオンの2人の場面が気になります。
(力づくで足元に引き寄せる、とか、すっかり陶酔に身をゆだねて、とか
その手の上に自分の手を重ねる、という描写・・・)
そして恋人(年上)のセゾニア。
あ~これは若村さんにぴったり。その様子が目に浮かぶよう。
美しく、妖しく、そして狂気も。
小栗くん、食われないようにね。
そして、同じく美しく、妖しく、狂気を漂わせた悩めるカリギュラを早く見たい。
この役をやり遂げることで、役者としての魅力をぐんとアップさせることでしょう。
こんな難しい、でも素敵な「カリギュラ」役を蜷川さんに振ってもらった小栗くんに、なぜか軽く嫉妬(笑)。
運良くチケットが手に入ったら、観劇前にまた読むことにしましょう。