今から35~40年くらい昔,「レース鳩777(アラシ)」という漫画がありまして。
これ文字通りレース鳩の話でして,私今までレース鳩を題材にした漫画はこれしか知りません。その中に「ピジョンタイマー」が出てきます。鳩時計じゃありません。ピジョンタイマーというレース鳩がどれくらいの時間で飛んできたかをはかる特殊なゼンマイ式時計です。主人公次郎はひょんなことから「STBスペシャル」というピジョンタイマーを使うことになります。
STBスペシャルとは何か?
これSTB社の普通のピジョンタイマーなのですが,部品が生んだ偶然で,特別精度のよいタイマーができた時にその刻印を打つのだとか。そして普通のものに混ざって売られていくそうで。
今,ピジョンタイマーがどうなっているかは知りません。文頭に書いたとおり35~40年くらい昔はそうだったのです,
長い前ふりでしたが,Esotericに修理に出したUX-1Limitedが修理から戻ったら,とにかくよい意味で別物のようになりました。購入した5年前はもちろんCH Precision C1と組み合わせていたわけではありませんが,最初期よりよいのではないかと思うくらい。部品どうしがとにかくうまくかみ合ったというか,ホントにSTBスペシャルのように精度が上がったように感じます。
「修理伝票上はトレイの開閉異常」のチェックだけですが,ピックアップもチェックしているはず。
だいたい半年にも修理し,今回再発したトレイの修理です。はっきりと部品交換の記載はありません。調整だけなのでしょうか? CDプレーヤーも内部のメカニカル部分の調整だけでこんなに音が良くなるの?
思えばメカですから,レコードプレーヤーのアームの調整のように,針圧の調整のように,名人が触るとよくなるのかもね。
ハイエンドユーザーは同じ機種がだから同じ音がするなんて誰も思っていません。量産しないハイエンド機ほど,当たり外れがあるんだなぁ。そしてオーディオ機器にも絶対に「STBスペシャル」はあるはず。