普段、自分はめちゃくちゃだらっと音楽を聴いている。せっかく良い機器があって、自分だけの部屋もあるのに、硬い床に寝転がっていることもしばしば。自称オーディオマニアなのに、「それで定位だの奥行きだのレンジだの言えるのか?」と自分で突っ込みたくなるくらい、適当な聴き方をしている。
そんな気の抜けた我が家に、群馬から二人の刺客が訪れた。しかも、三桁万円の高額機器を持ち込んでくれたのだ。これは緊張せざるを得ないし、昨今 自宅での試聴機会も少なくなっているので、本当にありがたい話だった。
前回ご訪問いただいたのはコロナ禍前だから 4年ぶりだ。実は昨年の夏にも機会があったのだが、こちらの都合で見送ってしまった。それだけに今回は特に気合が入った。
オフ会の前は、再生する曲を決めたり、音量を確認したりと、それなりに準備をする。どうせなら、流行りの高音質録音で「あっ」と驚かせたい。
ただ、こうした準備は大概守れない。予定と違う曲を流してしまうことがほとんどだし、なぜか音量も事前の決めより大きくなりがちだ。アドリブ好きなのか? 自分でもなんでだろうと思うのだが、毎回同じことを繰り返す。
楽曲は様々ながら、勢いだけの The Clash / At Shesa Stadium みたいなものから、流行ってもいない The Square / うち水にReinbow あたりまで(こういうのは事前の予定に全くない)雑多にかけさせていただいた。
ただ今回は AE2 Signature でも Rushmore でもストリーミングでもアナログでも Madonna / Vogue (Goh Hotodaエンジニアリング)を統一曲にした。何度も同じ曲をかけて、それはそれで申し訳なかった。
刺客はオーディオルーム建築中および建築希望とのことで、部屋のサイズや特性の話になった。部屋の設計前にシミュレーションアプリで検証したりするものの、低域のピークデップはまず取れないし、実際と違うことも多い(スピーカーの置き場も周囲の物の多さも違う)。自分もシミュレーションとはだいぶ違った。
東日本大震災前にプロに測っていただいたときの実測シートがあった。一枚だけ載せておく(詳細は先のリンク先参照)。スピーカーは地震で動いて壁に刺さったが、できるだけ同じ場所 同じ高さに戻したので、特性は今もあまり変わらないと思う。視聴位置も変わらない。
お二人とも遠方からありがとうございました。
最近ではオフ会も年に1回ペースになり、人の感想を聞く機会も少ない。だから、今の機器で作り上げた自宅の音が、他所でも通用するのかどうか、自分では全く分からない。けれど、こうして誰かが家に来てくれると、新しい発見があって楽しいものだ。
そしてオフ会は色々なきっかけになる。刺客が帰られた後に、ずっと思っていたことに手を付けだした。