カテゴリ:オーディオ、ちょっとビジュアル
目の前に現れたのは PhaseTech T-3。PhaseTechは協同電子エンジニアリングのPhasemationの前のブランド名だ。T-3は約20年前の製品だけれど、性能は全く問題ないだろう(そもそも使用予定のMCカートリッジ Denon DL-103は1964年発表の品)。あと後継機は出ているものの、T-3も個人的には有名機である。
協同電子エンジニアリングのHPには スーパーパーマロイコア材の大型EIコアに極太コイルを採用し、全帯域にわたり圧倒的なパワーリニアリティを確保しています。優れた広帯域特性と優れた位相特性、高いS/Nの確保により音像の定位がより明確に再現されます。 とあるが、トランスそのものの音質は我が家には比較するものもない。それにSony TA-DA5600ESのフォノイコライザーを使う、が今回の目的だから。 T-3にはIN/OUTしかないので、① TA-DA5600ESにつないで音が出るか、② 出たとしたら音量は十分なのか(T-3は昇圧比26dB)、あとは③ ハムノイズが乗らないか、だけ。 早々に①②はクリアした。単体MCトランスを介して音を出すのは初体験だった。しかし、③については少し問題があった。音量を最大にすると、薄くハムノイズが乗るのだ。 なぜハムノイズが発生するのか。あのオルトフォンのサイトを始め、ノイズ対策紹介はいくつもある。昇圧トランスやフォノケーブルをノイズ源から離す、ケーブル同士をなるべく垂直に交差させる、アースを外す・つなぐ、等々。 Roksanのフォノケーブル HDC-02Aの長さは1.5mと決まっているので、その中で最大限ノイズのない置き場所を探した。 まずはメイン使用中のフォノイコライザー Einstein Turn Table's Choice (mono/XLR)の電源部から距離を取った。第一弾のこれが一番利いて、AE2Sigantureから聞こえるハムノイズが顕著に減った。ある程度動線的に並べて置きたかったがための機器の高さ制限(前回の条件2)が早々に意味をなさないのだが、ここら辺は結果ということでやむを得ない。あと機器間40cmを超えるとハムに差はなかった。 次はT-3の角度。電源部との並行を避けた。ケーブル同士を直行させたり、アースの接続パターンを試したが、これらは我が家ではほとんど効果がなかった。 一方、T-3を高く持ち上げるとノイズが軽減した。樹脂とか木製とか金属とかインシュレーターの素材そのものではなく、単純に高さが影響したようだ。理由はわからない。結果としてカーボン系インシュレーターを使用し、床から6cmほど持ち上げた。 それでも無音にはならなかった。ただ、音量最大で聴くことはそう多くはないわけで、普段のリスニング音量(-15dB程度)であれば、試聴位置ではノイズは全く聞こえない。 次に仮に手を付けるとしたら、ノイズと言う点では強くはなさそうなRoksanのフォノケーブルそのものか、DL-103専用シェルの愛するSilverheart SE-10Σかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 12, 2024 01:10:01 AM
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