カテゴリ:オーディオ、ちょっとビジュアル
自分はひねくれているので、オーディオもあまり王道を歩きたくない。話題の機器をあえて選ばない傾向もある。ざっくり言えば、スピーカーならJBLやB&WやYGを、アンプならAccuphaseとかMcIntoshを、アナログならLinnやOrtofonという有名ブランド/話題作を避ける趣味道を歩んできた。
そうでなければ Pass Laboratories Rushmore という酔狂な超高額アクティブスピーカーをメインにはしないだろう。 こうした“我が道オーディオ”は個性を出しやすい一方で、代理店が扱うメインブランドではないことが多いため、撤退の憂き目にあうリスクも高い。 現在使っている機器でいえば、Acoustic Energy(スピーカー AE2 Siganture)とか、Einstein(フォノイコライザー Turn Table's Choice mono/XLR)とかは国内代理店がない。もちろんこれらは旧製品で保証期間外だが、代理店が存在するか否かで安心感やメンテナンス時の手間は大きく変わる。とはいえ、そもそもブランドそのものがなくなってしまう可能性もあるため、代理店がない程度ならまだ許容範囲かもしれないが。 昨年あたりから、雑誌での露出が減り、ショウの展示も途絶えた製品かあった。さらに店頭品処分が始まったのを見て、嫌な予感はしていた。 案の定、代理店のHPに紹介があった。Naspec(ナスペック)がRoksanのアナログ製品を販売終了にするとのことだ。 あぁRoksan。今回ブランドの取扱い撤退ではないようなのでそこは若干の救いとして、Roksanの代名詞ともいえるアナログなしとは。過去にも代理店がなくなったことが少なくとも2回はあって今回はどうかと思っていたが、すごく残念だ。Roksanもそこそこ歴史あるブランドだが、マニアが食いつくメジャーさは2020年代にはない。 家には Roksan Xerxes 20 と 20 plus の2台のターンテーブルがある。特に Xerxes 20 は購入してから20年以上経つベテランだが、自分で定期的にメンテナンスしているおかげか、不具合はない。信頼性の高い機器ではあるものの、回転系の製品はやはり代理店が存在していてほしいと思う。 昨今、アナログ製品は全般的に高騰している。そんな中だとデザインも大きさも中庸な Xerxes 20 は価格的に分が悪いとは思っていた。実際、昔を知る人からすると値段が上がりすぎと感じるだろう。RoksanもLinnのように超高級ブランドへと舵を切り、その有名プレーヤーであるLP-12のような価格帯で展開していれば、一定の評価を得られたかもしれない。だが それはRoksan/Xerxesの持つ本質には似合わない。 それにRoksanの創設メンバーだったTouraj Moghaddamが立ち上げた Vertere の方が新鮮さがあり、高額に振れ、ユーザーに受けが良かったのも皮肉な話だ。デザインキャラもダぶる。マスコミの扱いも全然違う。結果として、RoksanがVertereに追い出されたように見える構図になってしまった。 自分は Xerxes 20 がアナログプレーヤーとして最も完成されたデザインだと考えているので、今後も使い続ける。というかこれ以上Xerxes 20が叩き売られたら救済しようかと思っているくらいだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 11, 2025 12:00:24 AM
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