2019/10/07(月)08:10
赤ちゃんに学ぶ仏教2
坐禅の指導の際によく「あらゆる人間的な構えを解除すると坐禅の姿勢できあがります」と言います。
人間が何か目標を持ったり、大勝負に赴こうとすれば、必ずや何らかの「構え」ができてしまう。この構えは、的を見た瞬間、敵を見た瞬間、目標を見た瞬間に即座に起こってくる。ケータイを見たり、人に相対したり、日常の些細な事も構えでやっている。構えはその人の衝動に合わせて型がきまってくる。武道の達人ほど構えがない。構えは相手の構えと闘志を誘う表現である。世界を構えさせ、己を構えさせる。自己をならうというのは、この構えに自覚的になることだ。自己をわするるというはこの構えを解くということだ。
坐禅の姿勢は構えを解いたところで出来上がる。
姿勢を調え正すとは、まずあらゆる人間的構えを外すことから始まる。それは一瞬でできることだ。
坐禅はファイティングポーズではない。構えを解いた赤ちゃんの姿だ。だから赤ちゃんは無敵の人だ。無敵の人になるには構えを解いて坐禅をしなければならない。緊張し、目標を立て、ガチガチに構えた修羅禅をしてはいけない。戦時下には流行るかもしれない。しかしそんな生き方は疲れる。